薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | セレコキシブ200mg錠 |
薬価 | 9.3円 |
メーカー | 日医工 |
最終更新 | 2024年02月改訂(第1版) |
〈関節リウマチ〉
通常、成人にはセレコキシブとして1回100〜200mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。
〈変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎〉
通常、成人にはセレコキシブとして1回100mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。
〈手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛〉
通常、成人にはセレコキシブとして初回のみ400mg、2回目以降は1回200mgとして1日2回経口投与する。なお、投与間隔は6時間以上あけること。
頓用の場合は、初回のみ400mg、必要に応じて以降は200mgを6時間以上あけて経口投与する。ただし、1日2回までとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対する使用において、本剤の投与開始後2〜4週間を経過しても治療効果に改善が認められない場合は、他の治療法の選択について考慮すること。
7.2. 本剤の1年を超える長期投与時の安全性は確立されておらず、外国において、本剤の長期投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象の発現を増加させるとの報告がある〔1.警告の項参照〕。
7.3. 他の消炎・鎮痛剤<心血管系疾患予防の目的で使用するアスピリンを除く>との併用は避けることが望ましい。
1). 次記疾患並びに症状の消炎・鎮痛:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱炎・腱鞘炎。
2). 手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー、呼吸困難、血管浮腫、血管炎、気管支痙攣等の重篤な過敏症の発現が報告されている。
11.1.2. 消化性潰瘍(0.2%)、消化管出血(0.1%未満)、消化管穿孔(頻度不明):吐血、下血(メレナ)等の症状が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 心筋梗塞、脳卒中(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象が報告されている〔1.警告の項参照〕。
11.1.4. 心不全、うっ血性心不全(いずれも頻度不明)。
11.1.5. 肝不全、肝炎(いずれも頻度不明)、肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明):肝不全、肝炎、AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等、黄疸の発現が報告されている〔8.5参照〕。
11.1.6. 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症(いずれも頻度不明):再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少症、血小板減少症の発現が報告されている。
11.1.7. 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明):急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害の発現が報告されている〔8.6参照〕。
11.1.8. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎等の重篤で場合によっては致命的な皮膚症状の発現が報告されているので、発疹、粘膜障害もしくは他の過敏症に関連する徴候が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.7参照〕。
11.1.9. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.2. その他の副作用
1). 全身:(0.1〜1%未満)倦怠感、口渇、末梢性浮腫、(0.1%未満)悪寒、全身浮腫、疲労、ほてり、体重増加、(頻度不明)インフルエンザ様疾患。
2). 精神神経系:(1〜5%未満)傾眠、(0.1〜1%未満)頭痛、浮動性めまい、味覚異常、(0.1%未満)酩酊感、体位性めまい、感覚鈍麻、意識レベル低下、(頻度不明)不眠症、睡眠障害、錯乱状態、不安、幻覚、筋緊張亢進、無嗅覚。
3). 肝胆道系:(1〜5%未満)ALT増加、(0.1〜1%未満)AST増加、γ−GTP増加、Al−P増加、血中ビリルビン増加、尿ウロビリノーゲン陽性。
4). 代謝・栄養:(1〜5%未満)BUN増加、(0.1〜1%未満)CK増加、食欲不振、LDH増加、尿糖陽性、(0.1%未満)糖尿病、(頻度不明)血中カリウム増加、血中ナトリウム増加。
5). 消化器:(1〜5%未満)腹痛、口内炎、下痢、便潜血陽性、(0.1〜1%未満)悪心、鼓腸、消化不良、便秘、胃炎、口内乾燥、舌障害、嘔吐、口角びらん、腹部膨満、上腹部痛、胃不快感、(0.1%未満)胃腸障害、舌炎、口腔内痛、食道炎、口の感覚鈍麻、アフタ性口内炎、口腔粘膜水疱形成、心窩部不快感、胃腸炎、(頻度不明)歯の脱落、口腔内潰瘍、嚥下障害、胃食道逆流性疾患、膵炎、憩室、過敏性腸症候群、痔出血、排便回数増加。
6). 泌尿器:(5%以上)β2−マイクログロブリン増加、(1〜5%未満)NAG増加、尿潜血陽性、(0.1〜1%未満)尿蛋白陽性、(0.1%未満)多尿、尿閉、頻尿、腎機能障害、(頻度不明)腎結石症、良性前立腺肥大症、前立腺炎、PSA増加、血中クレアチニン増加。
7). 循環器:(0.1〜1%未満)高血圧、潮紅、動悸、(0.1%未満)高血圧増悪、循環虚脱、(頻度不明)不整脈、頻脈、洞性徐脈、狭心症、不安定狭心症、大動脈弁閉鎖不全症、冠動脈硬化症、心室肥大、深部静脈血栓症、血腫。
8). 呼吸器:(0.1%未満)咽頭炎、鼻出血、鼻咽頭炎、(頻度不明)気管支炎、咳嗽、鼻炎、副鼻腔炎、呼吸困難、発声障害。
9). 皮膚:(1〜5%未満)発疹、(0.1〜1%未満)皮膚そう痒症、顔面浮腫、紅斑性皮疹、湿疹、蕁麻疹、薬疹、(0.1%未満)点状出血、斑状丘疹状皮疹、皮膚乾燥、頭部粃糠疹、多汗、皮膚炎、紅斑、(頻度不明)斑状出血、光線過敏性反応、脱毛症、水疱性皮膚炎。
10). 感覚器:(0.1〜1%未満)耳鳴、回転性めまい、(0.1%未満)耳痛、霧視、眼そう痒症、(頻度不明)硝子体浮遊物、結膜出血、聴力低下。
11). その他:(0.1%未満)背部痛、筋硬直、関節痛、四肢痛、不正子宮出血、月経障害、ウイルス感染、細菌性腸炎、頚部痛、(頻度不明)貧血、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン増加、真菌感染、細菌感染、ヘリコバクター感染、尿路感染、上気道感染、耳感染、帯状疱疹、丹毒、創傷感染、歯肉感染、迷路炎、アレルギー増悪、無菌性髄膜炎、筋痙縮、脂肪腫、ガングリオン、膣出血、乳房圧痛、卵巣嚢胞、閉経期症状、血中テストステロン減少、上顆炎、腱断裂、骨折、損傷。
外国において、シクロオキシゲナーゼ(COX)−2選択的阻害剤等の投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象のリスクを増大させる可能性があり、これらのリスクは使用期間とともに増大する可能性があると報告されている〔7.2、8.1、8.2、9.1.1、11.1.3、17.3.1参照〕。
2.1. 本剤の成分又はスルホンアミドに対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎・鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発するおそれがある]〔9.1.6参照〕。
2.3. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させるおそれがある]〔9.1.4参照〕。
2.4. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.6. 重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくナトリウム・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがある]〔9.1.2参照〕。
2.7. 冠動脈バイパス再建術の周術期患者[外国において、類薬で心筋梗塞及び脳卒中の発現が増加するとの報告がある]〔9.1.1参照〕。
2.8. 妊娠末期の女性〔9.5.1参照〕。
8.1. 本剤を使用する場合は、有効最小量を可能な限り短期間投与することに留め、長期にわたり漫然と投与しないこと〔1.警告の項参照〕。
8.2. 本剤の投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、これらの徴候及び症状の発現には十分に注意すること〔1.警告の項、9.1.1参照〕。
8.3. 本剤には血小板に対する作用がないので、心血管系疾患予防の目的でアスピリンの代替薬として使用しないこと。抗血小板療法を行っている患者については、本剤投与に伴い、その治療を中止してはならない。
8.4. 国内で患者を対象に実施した臨床試験ではCOX−2に対して選択性の高い本剤と選択性の低い非ステロイド性消炎・鎮痛剤による消化管の副作用発現率に差は認められなかった。特に、消化管障害発生のリスクファクターの高い患者への投与に際しては副作用の発現に十分な観察を行うこと〔18.3参照〕。
8.5. 肝不全、肝炎、AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等、黄疸の発現が報告されているので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。
8.6. 急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害の発現が報告されているので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.7参照〕。
8.7. 本剤の投与により、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)等の重篤で場合によっては致命的な皮膚症状が発現するおそれがあり、多くの場合、これらの事象は投与開始後1カ月以内に発現しているので、治療初期には特に注意すること〔11.1.8参照〕。
8.8. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、定期的あるいは必要に応じて臨床検査(尿検査、血液検査、腎機能検査、肝機能検査、心電図検査及び便潜血検査等)を行うこと。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、消炎・鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、また、薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.9. 急性疾患(手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 急性疾患(手術後・外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、急性炎症及び疼痛の程度を考慮し、投与すること。
・ 急性疾患(手術後・外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、原則として長期投与を避けること。
・ 急性疾患(手術後・外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行い、本剤を漫然と投与しないこと。
・ 急性疾患(手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、初回の投与量が2回目以降と異なることに留意し、患者に対し服用方法について十分説明すること。
8.10. 本剤で報告されている薬理作用により、感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染症の発現に十分に注意し慎重に投与すること。
8.11. 浮動性めまい、回転性めまい、傾眠等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 心血管系疾患<冠動脈バイパス再建術の周術期を除く>又はその既往歴のある患者〔1.警告の項、2.7、8.2参照〕。
9.1.2. 心機能障害<重篤な心機能不全を除く>のある患者:水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、心機能障害を悪化させるおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.3. 高血圧症のある患者:水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、血圧を上昇させるおそれがある。
9.1.4. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させるおそれがある〔2.3参照〕。
9.1.5. 非ステロイド性消炎・鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎・鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)。
9.1.6. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:喘息発作を誘発するおそれがある〔2.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(腎障害を悪化させるおそれがある)〔2.5参照〕。
9.2.2. 腎障害<重篤な腎障害を除く>又はその既往歴のある患者:腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、腎障害を悪化又は再発させるおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害を悪化させるおそれがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:用量を減らすなど慎重に投与すること(血中濃度が高くなるとの報告がある)〔16.6.2参照〕。
本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2C9で代謝される。また、本剤はCYP2D6の基質ではないが、CYP2D6の阻害作用を有する〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:
1). ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、イミダプリル塩酸塩、テモカプリル塩酸塩等)、アンジオテンシン2受容体拮抗剤(カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、ロサルタンカリウム等)[非ステロイド性消炎・鎮痛剤(NSAID)はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の降圧効果を減弱させる可能性があるとの報告があるので、本剤とACE阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤との相互作用は明らかではないが、併用する場合は相互作用の起こる可能性を考慮すること(なお、リシノプリルを併用した臨床試験では、顕著な血圧変化は認められなかったとの報告がある)(他のNSAIDでは、腎臓におけるプロスタグランジン合成阻害によると考えられている)]。
2). フロセミド、チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)[患者によっては他のNSAIDがフロセミド及びチアジド系利尿剤のナトリウム排泄作用を低下させることが示されているので、本剤と、フロセミド又はチアジド系利尿剤との相互作用は明らかではないが、併用する場合は相互作用の起こる可能性を考慮すること(他のNSAIDでは、腎臓におけるプロスタグランジン合成阻害によると考えられている)]。
3). アスピリン[本剤と低用量アスピリン(1日325mg以下)を併用した場合、本剤のみを服用したときに比べて消化性潰瘍・消化管出血等の発生率が高くなることが報告されている(アスピリンの併用によりNSAIDの消化性潰瘍・消化管出血等を助長させると考えられている)]。
4). 抗血小板薬(クロピドグレル等)[本剤と抗血小板薬を併用した場合、本剤のみを服用したときに比べて消化管出血の発生率が高くなることが報告されている(これらの薬剤は血小板凝集抑制作用を有するため、NSAIDの消化管出血を助長させると考えられている)]。
5). リチウム〔16.7.1参照〕[リチウムの血漿中濃度が上昇しリチウムの作用が増強するおそれがあるので、リチウム使用中の患者に本剤の投与を開始又は中止するときには十分に患者をモニターすること(機序は明らかではないが、腎排泄を阻害するためと考えられている)]。
6). フルコナゾール〔16.7.2参照〕[本剤の血漿中濃度が上昇し本剤の作用が増強するおそれがあるので、フルコナゾール使用中の患者には本剤の投与を低用量から開始すること(CYP2C9による本剤の代謝を阻害すると考えられている)]。
7). フルバスタチン〔16.7.3参照〕[本剤・フルバスタチンの血漿中濃度が上昇し本剤・フルバスタチンの作用が増強するおそれがある(CYP2C9による本剤の代謝を阻害するため、また本剤と同じCYP2C9で代謝されるためと考えられている)]。
8). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)〔16.7.4参照〕[プロトロンビン時間が延長するおそれがあり、海外で特に高齢者において、重篤で場合によっては致命的な出血が報告されているので、ワルファリン使用中の患者に本剤の投与を開始あるいは用法を変更する際には十分注意して観察すること(CYP2C9を介する代謝の競合阻害によると考えられている)]。
9). パロキセチン〔16.7.5参照〕[本剤の血漿中濃度が低下し、パロキセチンの血漿中濃度が上昇したので、本剤の作用が減弱し、パロキセチンの作用が増強するおそれがある(CYP2D6の阻害作用によると考えられている)]。
10). デキストロメトルファン〔16.7.6参照〕[デキストロメトルファンの血漿中濃度が上昇しデキストロメトルファンの作用が増強するおそれがある(CYP2D6の阻害作用によると考えられている)]。
11). 制酸剤(アルミニウム製剤、マグネシウム製剤等)〔16.7.7参照〕[本剤の血漿中濃度が低下し本剤の作用が減弱するおそれがある(機序は明らかでない)]。
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
9.5.1. 妊娠末期の女性:投与しないこと(妊娠末期のマウス及びヒツジへの投与において、胎仔動脈管収縮が報告されている)〔2.8参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠末期を除く>又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。培養細胞を用いた染色体異常試験において、細胞毒性が認められる濃度で染色体の数的異常(核内倍加細胞増加)が、生殖発生毒性試験で着床後死亡数増加や死産増加、横隔膜ヘルニア、胎仔体重減少等が認められている(またラットにおいて本剤が胎仔に移行することが報告されている)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行が報告されている)。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
外国におけるクロスオーバー二重盲検比較試験において、本剤非投与時に比べて本剤投与時に排卵障害の割合が増加したとの報告がある。また、他の非ステロイド性消炎・鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs) |
一般名 | セレコキシブ200mg錠 |
薬価 | 9.3円 |
メーカー | 日医工 |
最終更新 | 2024年02月改訂(第1版) |
〈関節リウマチ〉
通常、成人にはセレコキシブとして1回100〜200mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。
〈変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎〉
通常、成人にはセレコキシブとして1回100mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。
〈手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛〉
通常、成人にはセレコキシブとして初回のみ400mg、2回目以降は1回200mgとして1日2回経口投与する。なお、投与間隔は6時間以上あけること。
頓用の場合は、初回のみ400mg、必要に応じて以降は200mgを6時間以上あけて経口投与する。ただし、1日2回までとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対する使用において、本剤の投与開始後2〜4週間を経過しても治療効果に改善が認められない場合は、他の治療法の選択について考慮すること。
7.2. 本剤の1年を超える長期投与時の安全性は確立されておらず、外国において、本剤の長期投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象の発現を増加させるとの報告がある〔1.警告の項参照〕。
7.3. 他の消炎・鎮痛剤<心血管系疾患予防の目的で使用するアスピリンを除く>との併用は避けることが望ましい。
1). 次記疾患並びに症状の消炎・鎮痛:関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱炎・腱鞘炎。
2). 手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー、呼吸困難、血管浮腫、血管炎、気管支痙攣等の重篤な過敏症の発現が報告されている。
11.1.2. 消化性潰瘍(0.2%)、消化管出血(0.1%未満)、消化管穿孔(頻度不明):吐血、下血(メレナ)等の症状が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 心筋梗塞、脳卒中(いずれも頻度不明):心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象が報告されている〔1.警告の項参照〕。
11.1.4. 心不全、うっ血性心不全(いずれも頻度不明)。
11.1.5. 肝不全、肝炎(いずれも頻度不明)、肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明):肝不全、肝炎、AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等、黄疸の発現が報告されている〔8.5参照〕。
11.1.6. 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症(いずれも頻度不明):再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少症、血小板減少症の発現が報告されている。
11.1.7. 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明):急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害の発現が報告されている〔8.6参照〕。
11.1.8. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎等の重篤で場合によっては致命的な皮膚症状の発現が報告されているので、発疹、粘膜障害もしくは他の過敏症に関連する徴候が認められた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.7参照〕。
11.1.9. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.2. その他の副作用
1). 全身:(0.1〜1%未満)倦怠感、口渇、末梢性浮腫、(0.1%未満)悪寒、全身浮腫、疲労、ほてり、体重増加、(頻度不明)インフルエンザ様疾患。
2). 精神神経系:(1〜5%未満)傾眠、(0.1〜1%未満)頭痛、浮動性めまい、味覚異常、(0.1%未満)酩酊感、体位性めまい、感覚鈍麻、意識レベル低下、(頻度不明)不眠症、睡眠障害、錯乱状態、不安、幻覚、筋緊張亢進、無嗅覚。
3). 肝胆道系:(1〜5%未満)ALT増加、(0.1〜1%未満)AST増加、γ−GTP増加、Al−P増加、血中ビリルビン増加、尿ウロビリノーゲン陽性。
4). 代謝・栄養:(1〜5%未満)BUN増加、(0.1〜1%未満)CK増加、食欲不振、LDH増加、尿糖陽性、(0.1%未満)糖尿病、(頻度不明)血中カリウム増加、血中ナトリウム増加。
5). 消化器:(1〜5%未満)腹痛、口内炎、下痢、便潜血陽性、(0.1〜1%未満)悪心、鼓腸、消化不良、便秘、胃炎、口内乾燥、舌障害、嘔吐、口角びらん、腹部膨満、上腹部痛、胃不快感、(0.1%未満)胃腸障害、舌炎、口腔内痛、食道炎、口の感覚鈍麻、アフタ性口内炎、口腔粘膜水疱形成、心窩部不快感、胃腸炎、(頻度不明)歯の脱落、口腔内潰瘍、嚥下障害、胃食道逆流性疾患、膵炎、憩室、過敏性腸症候群、痔出血、排便回数増加。
6). 泌尿器:(5%以上)β2−マイクログロブリン増加、(1〜5%未満)NAG増加、尿潜血陽性、(0.1〜1%未満)尿蛋白陽性、(0.1%未満)多尿、尿閉、頻尿、腎機能障害、(頻度不明)腎結石症、良性前立腺肥大症、前立腺炎、PSA増加、血中クレアチニン増加。
7). 循環器:(0.1〜1%未満)高血圧、潮紅、動悸、(0.1%未満)高血圧増悪、循環虚脱、(頻度不明)不整脈、頻脈、洞性徐脈、狭心症、不安定狭心症、大動脈弁閉鎖不全症、冠動脈硬化症、心室肥大、深部静脈血栓症、血腫。
8). 呼吸器:(0.1%未満)咽頭炎、鼻出血、鼻咽頭炎、(頻度不明)気管支炎、咳嗽、鼻炎、副鼻腔炎、呼吸困難、発声障害。
9). 皮膚:(1〜5%未満)発疹、(0.1〜1%未満)皮膚そう痒症、顔面浮腫、紅斑性皮疹、湿疹、蕁麻疹、薬疹、(0.1%未満)点状出血、斑状丘疹状皮疹、皮膚乾燥、頭部粃糠疹、多汗、皮膚炎、紅斑、(頻度不明)斑状出血、光線過敏性反応、脱毛症、水疱性皮膚炎。
10). 感覚器:(0.1〜1%未満)耳鳴、回転性めまい、(0.1%未満)耳痛、霧視、眼そう痒症、(頻度不明)硝子体浮遊物、結膜出血、聴力低下。
11). その他:(0.1%未満)背部痛、筋硬直、関節痛、四肢痛、不正子宮出血、月経障害、ウイルス感染、細菌性腸炎、頚部痛、(頻度不明)貧血、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン増加、真菌感染、細菌感染、ヘリコバクター感染、尿路感染、上気道感染、耳感染、帯状疱疹、丹毒、創傷感染、歯肉感染、迷路炎、アレルギー増悪、無菌性髄膜炎、筋痙縮、脂肪腫、ガングリオン、膣出血、乳房圧痛、卵巣嚢胞、閉経期症状、血中テストステロン減少、上顆炎、腱断裂、骨折、損傷。
外国において、シクロオキシゲナーゼ(COX)−2選択的阻害剤等の投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象のリスクを増大させる可能性があり、これらのリスクは使用期間とともに増大する可能性があると報告されている〔7.2、8.1、8.2、9.1.1、11.1.3、17.3.1参照〕。
2.1. 本剤の成分又はスルホンアミドに対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎・鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発するおそれがある]〔9.1.6参照〕。
2.3. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させるおそれがある]〔9.1.4参照〕。
2.4. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.6. 重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくナトリウム・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがある]〔9.1.2参照〕。
2.7. 冠動脈バイパス再建術の周術期患者[外国において、類薬で心筋梗塞及び脳卒中の発現が増加するとの報告がある]〔9.1.1参照〕。
2.8. 妊娠末期の女性〔9.5.1参照〕。
8.1. 本剤を使用する場合は、有効最小量を可能な限り短期間投与することに留め、長期にわたり漫然と投与しないこと〔1.警告の項参照〕。
8.2. 本剤の投与により、心筋梗塞、脳卒中等の重篤で場合によっては致命的な心血管系血栓塞栓性事象が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、これらの徴候及び症状の発現には十分に注意すること〔1.警告の項、9.1.1参照〕。
8.3. 本剤には血小板に対する作用がないので、心血管系疾患予防の目的でアスピリンの代替薬として使用しないこと。抗血小板療法を行っている患者については、本剤投与に伴い、その治療を中止してはならない。
8.4. 国内で患者を対象に実施した臨床試験ではCOX−2に対して選択性の高い本剤と選択性の低い非ステロイド性消炎・鎮痛剤による消化管の副作用発現率に差は認められなかった。特に、消化管障害発生のリスクファクターの高い患者への投与に際しては副作用の発現に十分な観察を行うこと〔18.3参照〕。
8.5. 肝不全、肝炎、AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇等、黄疸の発現が報告されているので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。
8.6. 急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害の発現が報告されているので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.7参照〕。
8.7. 本剤の投与により、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)等の重篤で場合によっては致命的な皮膚症状が発現するおそれがあり、多くの場合、これらの事象は投与開始後1カ月以内に発現しているので、治療初期には特に注意すること〔11.1.8参照〕。
8.8. 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、定期的あるいは必要に応じて臨床検査(尿検査、血液検査、腎機能検査、肝機能検査、心電図検査及び便潜血検査等)を行うこと。
・ 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、消炎・鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、また、薬物療法以外の療法も考慮すること。
8.9. 急性疾患(手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
・ 急性疾患(手術後・外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、急性炎症及び疼痛の程度を考慮し、投与すること。
・ 急性疾患(手術後・外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、原則として長期投与を避けること。
・ 急性疾患(手術後・外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、原因療法があればこれを行い、本剤を漫然と投与しないこと。
・ 急性疾患(手術後、外傷後並びに抜歯後の消炎・鎮痛)に対し本剤を用いる場合には、初回の投与量が2回目以降と異なることに留意し、患者に対し服用方法について十分説明すること。
8.10. 本剤で報告されている薬理作用により、感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染症の発現に十分に注意し慎重に投与すること。
8.11. 浮動性めまい、回転性めまい、傾眠等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 心血管系疾患<冠動脈バイパス再建術の周術期を除く>又はその既往歴のある患者〔1.警告の項、2.7、8.2参照〕。
9.1.2. 心機能障害<重篤な心機能不全を除く>のある患者:水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、心機能障害を悪化させるおそれがある〔2.6参照〕。
9.1.3. 高血圧症のある患者:水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、血圧を上昇させるおそれがある。
9.1.4. 消化性潰瘍の既往歴のある患者:消化性潰瘍を再発させるおそれがある〔2.3参照〕。
9.1.5. 非ステロイド性消炎・鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者:本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること(ミソプロストールは非ステロイド性消炎・鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある)。
9.1.6. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:喘息発作を誘発するおそれがある〔2.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(腎障害を悪化させるおそれがある)〔2.5参照〕。
9.2.2. 腎障害<重篤な腎障害を除く>又はその既往歴のある患者:腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こる可能性があり、腎障害を悪化又は再発させるおそれがある。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害を悪化させるおそれがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>又はその既往歴のある患者:用量を減らすなど慎重に投与すること(血中濃度が高くなるとの報告がある)〔16.6.2参照〕。
本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2C9で代謝される。また、本剤はCYP2D6の基質ではないが、CYP2D6の阻害作用を有する〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:
1). ACE阻害剤(エナラプリルマレイン酸塩、イミダプリル塩酸塩、テモカプリル塩酸塩等)、アンジオテンシン2受容体拮抗剤(カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、ロサルタンカリウム等)[非ステロイド性消炎・鎮痛剤(NSAID)はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の降圧効果を減弱させる可能性があるとの報告があるので、本剤とACE阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤との相互作用は明らかではないが、併用する場合は相互作用の起こる可能性を考慮すること(なお、リシノプリルを併用した臨床試験では、顕著な血圧変化は認められなかったとの報告がある)(他のNSAIDでは、腎臓におけるプロスタグランジン合成阻害によると考えられている)]。
2). フロセミド、チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)[患者によっては他のNSAIDがフロセミド及びチアジド系利尿剤のナトリウム排泄作用を低下させることが示されているので、本剤と、フロセミド又はチアジド系利尿剤との相互作用は明らかではないが、併用する場合は相互作用の起こる可能性を考慮すること(他のNSAIDでは、腎臓におけるプロスタグランジン合成阻害によると考えられている)]。
3). アスピリン[本剤と低用量アスピリン(1日325mg以下)を併用した場合、本剤のみを服用したときに比べて消化性潰瘍・消化管出血等の発生率が高くなることが報告されている(アスピリンの併用によりNSAIDの消化性潰瘍・消化管出血等を助長させると考えられている)]。
4). 抗血小板薬(クロピドグレル等)[本剤と抗血小板薬を併用した場合、本剤のみを服用したときに比べて消化管出血の発生率が高くなることが報告されている(これらの薬剤は血小板凝集抑制作用を有するため、NSAIDの消化管出血を助長させると考えられている)]。
5). リチウム〔16.7.1参照〕[リチウムの血漿中濃度が上昇しリチウムの作用が増強するおそれがあるので、リチウム使用中の患者に本剤の投与を開始又は中止するときには十分に患者をモニターすること(機序は明らかではないが、腎排泄を阻害するためと考えられている)]。
6). フルコナゾール〔16.7.2参照〕[本剤の血漿中濃度が上昇し本剤の作用が増強するおそれがあるので、フルコナゾール使用中の患者には本剤の投与を低用量から開始すること(CYP2C9による本剤の代謝を阻害すると考えられている)]。
7). フルバスタチン〔16.7.3参照〕[本剤・フルバスタチンの血漿中濃度が上昇し本剤・フルバスタチンの作用が増強するおそれがある(CYP2C9による本剤の代謝を阻害するため、また本剤と同じCYP2C9で代謝されるためと考えられている)]。
8). クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)〔16.7.4参照〕[プロトロンビン時間が延長するおそれがあり、海外で特に高齢者において、重篤で場合によっては致命的な出血が報告されているので、ワルファリン使用中の患者に本剤の投与を開始あるいは用法を変更する際には十分注意して観察すること(CYP2C9を介する代謝の競合阻害によると考えられている)]。
9). パロキセチン〔16.7.5参照〕[本剤の血漿中濃度が低下し、パロキセチンの血漿中濃度が上昇したので、本剤の作用が減弱し、パロキセチンの作用が増強するおそれがある(CYP2D6の阻害作用によると考えられている)]。
10). デキストロメトルファン〔16.7.6参照〕[デキストロメトルファンの血漿中濃度が上昇しデキストロメトルファンの作用が増強するおそれがある(CYP2D6の阻害作用によると考えられている)]。
11). 制酸剤(アルミニウム製剤、マグネシウム製剤等)〔16.7.7参照〕[本剤の血漿中濃度が低下し本剤の作用が減弱するおそれがある(機序は明らかでない)]。
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
(妊婦)
9.5.1. 妊娠末期の女性:投与しないこと(妊娠末期のマウス及びヒツジへの投与において、胎仔動脈管収縮が報告されている)〔2.8参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠末期を除く>又は妊娠している可能性のある女性:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること)。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。培養細胞を用いた染色体異常試験において、細胞毒性が認められる濃度で染色体の数的異常(核内倍加細胞増加)が、生殖発生毒性試験で着床後死亡数増加や死産増加、横隔膜ヘルニア、胎仔体重減少等が認められている(またラットにおいて本剤が胎仔に移行することが報告されている)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行が報告されている)。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
15.1. 臨床使用に基づく情報
外国におけるクロスオーバー二重盲検比較試験において、本剤非投与時に比べて本剤投与時に排卵障害の割合が増加したとの報告がある。また、他の非ステロイド性消炎・鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。
(保管上の注意)
室温保存。
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