薬剤情報
後発品
薬効分類気管支拡張薬 > キサンチン系 強心薬 > キサンチン系
一般名アミノフィリン注射液
薬価94
メーカー日医工
最終更新2024年05月改訂(第2版)

用法・用量

アミノフィリン水和物として、通常成人1回250mgを1日1〜2回生理食塩液又は糖液に希釈して5〜10分を要して静脈内に緩徐に注入する。必要に応じて点滴静脈内注射する。

小児には1回3〜4mg/kgを静脈内注射する。投与間隔は8時間以上とし、最高用量は1日12mg/kgを限度とする。必要に応じて点滴静脈内注射する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈気管支喘息〉小児の気管支喘息に投与する場合の投与量、投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること〔9.7.1参照〕。

〈参考:日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン〉

7.1.1. 〈気管支喘息〉[喘息の急性増悪(発作)時のアミノフィリン投与量の目安]

1). 〈気管支喘息〉あらかじめ経口投与されていない場合:(初期投与量)4〜5mg/kgを30分以上かけて点滴静注、(維持量)0.6〜0.8mg/kg/時。

2). 〈気管支喘息〉あらかじめ経口投与されている場合:(初期投与量)3〜4mg/kgを30分以上かけて点滴静注、(維持量)0.6〜0.8mg/kg/時。

・ 〈気管支喘息〉初期投与量は、250mgを上限とする。

・ 〈気管支喘息〉肥満がある場合、投与量は標準体重で計算する。

効能・効果

気管支喘息、喘息性<様>気管支炎、肺性心、うっ血性心不全、肺水腫、心臓喘息、チェーン・ストークス呼吸、閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎など)における呼吸困難、狭心症(発作予防)、脳卒中発作急性期。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、副作用の発現に伴い、本剤を減量又は中止した場合には、テオフィリン血中濃度を測定することが望ましい。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック、アナフィラキシーショック(いずれも頻度不明):蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等があらわれることがある。

11.1.2. 痙攣、意識障害(いずれも頻度不明):痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。

11.1.3. 急性脳症(頻度不明):痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。

11.1.4. 横紋筋融解症(頻度不明):脱力感、筋肉痛、CK上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

11.1.5. 消化管出血(頻度不明):消化管潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある。

11.1.6. 赤芽球癆(頻度不明):貧血があらわれることがある。

11.1.7. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)、黄疸があらわれることがある。

11.1.8. 頻呼吸、高血糖症(いずれも頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感、蕁麻疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、固定薬疹。

2). 精神神経系:(頻度不明)頭痛、不眠、神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、めまい、耳鳴、振戦、しびれ、不随意運動、筋緊張亢進。

3). 循環器:(頻度不明)顔面潮紅、動悸、頻脈、顔面蒼白、不整脈(心室性期外収縮等)。

4). 消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、腹部膨満感、消化不良(胸やけ等)、しゃっくり。

5). 泌尿器:(頻度不明)蛋白尿、頻尿。

6). 代謝異常:(頻度不明)血清尿酸値上昇、CK上昇等。

7). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇等。

8). 血液:(頻度不明)貧血、好酸球増多。

9). その他:(頻度不明)むくみ、倦怠感、関節痛、四肢痛、発汗、胸痛、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口しびれ、舌周囲しびれ)。

禁忌

2.1. 本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者。

2.2. 12時間以内にアデノシン<アデノスキャン>を使用する患者〔10.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉テオフィリンによる副作用の発現は、テオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いことから、血中濃度のモニタリングを適切に行い、患者個々人に適した投与計画を設定することが望ましい〔16.8.1参照〕。

8.2. 〈うっ血性心不全〉テオフィリン血中濃度が上昇することがあるので注意して使用すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 急性心筋梗塞、重篤な心筋障害のある患者:心筋刺激作用を有するため症状を悪化させることがある。

9.1.2. てんかんの患者:中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。

9.1.3. 甲状腺機能亢進症の患者:甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 急性腎炎の患者:腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:血中濃度測定等の結果により減量すること(テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある)。

相互作用

本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP1A2で代謝される。

10.1. 併用禁忌:

アデノシン<アデノスキャン>〔2.2参照〕[本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがあるので、アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること(本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる)]。

10.2. 併用注意:

1). 他のキサンチン系薬剤(テオフィリン、ジプロフィリン、カフェイン等)、中枢神経興奮薬(エフェドリン塩酸塩、マオウ等)〔13.1、16.8.1参照〕[過度の中枢神経刺激作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(併用により中枢神経刺激作用が増強される)]。

2). 交感神経刺激剤(β刺激剤)(イソプレナリン塩酸塩、クレンブテロール塩酸塩、ツロブテロール塩酸塩、テルブタリン硫酸塩、プロカテロール塩酸塩水和物等)[低カリウム血症、心・血管症状<頻脈・不整脈等>等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられるが、低カリウム血症の増強についての機序は不明である)]。

3). ハロタン[不整脈等の副作用が増強することがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる)。また、ハロタンとの連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる)]。

4). ケタミン塩酸塩[痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと(痙攣閾値が低下するためと考えられる)]。

5). シメチジン、メキシレチン塩酸塩、プロパフェノン塩酸塩、アミオダロン塩酸塩、ピペミド酸水和物、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、トスフロキサシントシル酸塩水和物、パズフロキサシンメシル酸塩、プルリフロキサシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、チクロピジン塩酸塩、ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩、フルボキサミンマレイン酸塩、フルコナゾール、ジスルフィラム、デフェラシロクス〔13.1、16.8.1参照〕[テオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(肝薬物代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる)]。

6). アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩、インターフェロン、イプリフラボン、シクロスポリン、アロプリノール〔13.1、16.8.1参照〕[テオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる)]。

7). リファンピシン、フェノバルビタール、ランソプラゾール、リトナビル[テオフィリンの効果が減弱することがあり、テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと(肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる)]。

8). フェニトイン、カルバマゼピン[テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがあり、テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行い、また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること(肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる)]。

9). ジピリダモール[ジピリダモールの作用を減弱させることがある(アデノシン拮抗作用による)]。

10). ラマトロバン[ラマトロバンの血中濃度が上昇することがある(ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である)]。

11). リルゾール[リルゾールの作用を増強<副作用発現>するおそれがある(in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている)]。

12). タバコ〔13.1、16.8.1参照〕[禁煙<禁煙補助剤のニコチン製剤使用時を含む>によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(喫煙により肝薬物代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられ、また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる)]。

13). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている)]。

高齢者

副作用の発現に注意し、慎重に投与すること(非高齢者に比べ最高血中濃度上昇及びAUC増加が認められたとの報告がある)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊娠又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されており、また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある)。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある)。

小児等

9.7.1. 小児、特に乳幼児はテオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど、学会のガイドライン等の最新の情報も参考に、慎重に投与すること(特に次の小児にはより慎重に投与すること)、成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすい〔7.1、16.8.1参照〕。

・ てんかんの既往歴のある小児及び痙攣の既往歴のある小児:痙攣を誘発することがある。

・ 発熱している小児:テオフィリン血中濃度上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。

・ 6ヵ月未満の乳児:乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していないので、テオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。

9.7.2. 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、テオフィリン血中濃度が高値になると、血中濃度の上昇に伴い、消化器症状(特に悪心、嘔吐)や精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等)、心・血管症状(頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等)、低カリウム血症その他の電解質異常、呼吸促進、横紋筋融解症等の中毒症状が発現しやすくなる(なお、軽微な症状から順次発現することなしに重篤な症状が発現することがある)〔10.2、16.8.1参照〕。

13.2. 処置

過量投与時の処置には、テオフィリンの除去、出現している中毒症状に対する対症療法があり、血中テオフィリンの除去として輸液による排泄促進、活性炭の経口投与、活性炭を吸着剤とした血液灌流、血液透析等がある(なお、テオフィリン血中濃度が低下しても、組織に分布したテオフィリンにより血中濃度が再度上昇することがある)。

13.2.1. 過量投与時、痙攣、不整脈の発現がない場合:(1)投与を中止し、テオフィリン血中濃度をモニターする、(2)痙攣の発現が予測されるようなら、フェノバルビタール等の投与を考慮する(ただし、フェノバルビタールは呼吸抑制作用を示すことがあるので、使用に際しては注意すること)。

13.2.2. 過量投与時、痙攣の発現がある場合:(1)気道を確保する、(2)酸素を供給する、(3)痙攣治療のためにジアゼパム静注等を行い、痙攣がおさまらない場合には全身麻酔薬投与を考慮する、(4)バイタルサインをモニターし、血圧の維持及び十分な水分補給を行う。

13.2.3. 過量投与時、痙攣後に昏睡が残った場合:(1)気道を確保し、酸素吸入を行う、(2)テオフィリン血中濃度が低下するまでICU管理を継続し、十分な水分補給を続け、血中濃度が下がらない場合には、活性炭による血液灌流、血液透析も考慮する。

13.2.4. 過量投与時、不整脈の発現がある場合:(1)不整脈治療としてペーシング、直流除細動、抗不整脈薬の投与等適切な処置を行う、(2)バイタルサインをモニターし、血圧の維持及び十分な水分補給を行う(また、電解質異常がある場合はその補正を行う)。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

本剤をブドウ糖液及び果糖液で希釈した場合、経時的に添加物のエチレンジアミンと糖含量が低下し、黄変を認める可能性があるため、調製後は速やかに使用すること。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 注射速度:本剤を急速に静脈内注射すると、前記副作用(ショック、不整脈等)や過呼吸、熱感があらわれることがあるので、生理食塩液又は糖液に希釈して、ゆっくり注射すること。

14.2.2. 輸液容器・輸液セット(ポリカーボネート製)の使用時:本剤はエチレンジアミンを含有しており、本剤を10倍未満で希釈して使用した場合はポリカーボネート製の三方活栓のコネクター部にひび割れが生じ、液漏れ等が発生する可能性がある。また、輸液容器・輸液セット(ポリカーボネート製)の使用時、コネクター部の過度な締め付けが、破損の発生を助長する要因となるので注意すること。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

アミノフィリン静注液250mg「日医工」
アミノフィリン静注液250mg「日医工」

アミノフィリン静注液250mg「日医工」

気管支拡張薬 > キサンチン系 強心薬 > キサンチン系
2024年05月改訂(第2版)
薬剤情報
後発品
薬効分類気管支拡張薬 > キサンチン系 強心薬 > キサンチン系
一般名アミノフィリン注射液
薬価94
メーカー日医工
最終更新2024年05月改訂(第2版)

用法・用量

アミノフィリン水和物として、通常成人1回250mgを1日1〜2回生理食塩液又は糖液に希釈して5〜10分を要して静脈内に緩徐に注入する。必要に応じて点滴静脈内注射する。

小児には1回3〜4mg/kgを静脈内注射する。投与間隔は8時間以上とし、最高用量は1日12mg/kgを限度とする。必要に応じて点滴静脈内注射する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈気管支喘息〉小児の気管支喘息に投与する場合の投与量、投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること〔9.7.1参照〕。

〈参考:日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン〉

7.1.1. 〈気管支喘息〉[喘息の急性増悪(発作)時のアミノフィリン投与量の目安]

1). 〈気管支喘息〉あらかじめ経口投与されていない場合:(初期投与量)4〜5mg/kgを30分以上かけて点滴静注、(維持量)0.6〜0.8mg/kg/時。

2). 〈気管支喘息〉あらかじめ経口投与されている場合:(初期投与量)3〜4mg/kgを30分以上かけて点滴静注、(維持量)0.6〜0.8mg/kg/時。

・ 〈気管支喘息〉初期投与量は、250mgを上限とする。

・ 〈気管支喘息〉肥満がある場合、投与量は標準体重で計算する。

効能・効果

気管支喘息、喘息性<様>気管支炎、肺性心、うっ血性心不全、肺水腫、心臓喘息、チェーン・ストークス呼吸、閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎など)における呼吸困難、狭心症(発作予防)、脳卒中発作急性期。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、副作用の発現に伴い、本剤を減量又は中止した場合には、テオフィリン血中濃度を測定することが望ましい。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. ショック、アナフィラキシーショック(いずれも頻度不明):蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等があらわれることがある。

11.1.2. 痙攣、意識障害(いずれも頻度不明):痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。

11.1.3. 急性脳症(頻度不明):痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。

11.1.4. 横紋筋融解症(頻度不明):脱力感、筋肉痛、CK上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

11.1.5. 消化管出血(頻度不明):消化管潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある。

11.1.6. 赤芽球癆(頻度不明):貧血があらわれることがある。

11.1.7. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)、黄疸があらわれることがある。

11.1.8. 頻呼吸、高血糖症(いずれも頻度不明)。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感、蕁麻疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、固定薬疹。

2). 精神神経系:(頻度不明)頭痛、不眠、神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、めまい、耳鳴、振戦、しびれ、不随意運動、筋緊張亢進。

3). 循環器:(頻度不明)顔面潮紅、動悸、頻脈、顔面蒼白、不整脈(心室性期外収縮等)。

4). 消化器:(頻度不明)悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、下痢、腹部膨満感、消化不良(胸やけ等)、しゃっくり。

5). 泌尿器:(頻度不明)蛋白尿、頻尿。

6). 代謝異常:(頻度不明)血清尿酸値上昇、CK上昇等。

7). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇等。

8). 血液:(頻度不明)貧血、好酸球増多。

9). その他:(頻度不明)むくみ、倦怠感、関節痛、四肢痛、発汗、胸痛、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口しびれ、舌周囲しびれ)。

禁忌

2.1. 本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者。

2.2. 12時間以内にアデノシン<アデノスキャン>を使用する患者〔10.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 〈効能共通〉テオフィリンによる副作用の発現は、テオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いことから、血中濃度のモニタリングを適切に行い、患者個々人に適した投与計画を設定することが望ましい〔16.8.1参照〕。

8.2. 〈うっ血性心不全〉テオフィリン血中濃度が上昇することがあるので注意して使用すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 急性心筋梗塞、重篤な心筋障害のある患者:心筋刺激作用を有するため症状を悪化させることがある。

9.1.2. てんかんの患者:中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。

9.1.3. 甲状腺機能亢進症の患者:甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 急性腎炎の患者:腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:血中濃度測定等の結果により減量すること(テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある)。

相互作用

本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP1A2で代謝される。

10.1. 併用禁忌:

アデノシン<アデノスキャン>〔2.2参照〕[本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがあるので、アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること(本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる)]。

10.2. 併用注意:

1). 他のキサンチン系薬剤(テオフィリン、ジプロフィリン、カフェイン等)、中枢神経興奮薬(エフェドリン塩酸塩、マオウ等)〔13.1、16.8.1参照〕[過度の中枢神経刺激作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(併用により中枢神経刺激作用が増強される)]。

2). 交感神経刺激剤(β刺激剤)(イソプレナリン塩酸塩、クレンブテロール塩酸塩、ツロブテロール塩酸塩、テルブタリン硫酸塩、プロカテロール塩酸塩水和物等)[低カリウム血症、心・血管症状<頻脈・不整脈等>等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられるが、低カリウム血症の増強についての機序は不明である)]。

3). ハロタン[不整脈等の副作用が増強することがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる)。また、ハロタンとの連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる)]。

4). ケタミン塩酸塩[痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと(痙攣閾値が低下するためと考えられる)]。

5). シメチジン、メキシレチン塩酸塩、プロパフェノン塩酸塩、アミオダロン塩酸塩、ピペミド酸水和物、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、トスフロキサシントシル酸塩水和物、パズフロキサシンメシル酸塩、プルリフロキサシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、チクロピジン塩酸塩、ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩、フルボキサミンマレイン酸塩、フルコナゾール、ジスルフィラム、デフェラシロクス〔13.1、16.8.1参照〕[テオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(肝薬物代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる)]。

6). アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩、インターフェロン、イプリフラボン、シクロスポリン、アロプリノール〔13.1、16.8.1参照〕[テオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる)]。

7). リファンピシン、フェノバルビタール、ランソプラゾール、リトナビル[テオフィリンの効果が減弱することがあり、テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと(肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる)]。

8). フェニトイン、カルバマゼピン[テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがあり、テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行い、また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること(肝薬物代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる)]。

9). ジピリダモール[ジピリダモールの作用を減弱させることがある(アデノシン拮抗作用による)]。

10). ラマトロバン[ラマトロバンの血中濃度が上昇することがある(ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である)]。

11). リルゾール[リルゾールの作用を増強<副作用発現>するおそれがある(in vitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている)]。

12). タバコ〔13.1、16.8.1参照〕[禁煙<禁煙補助剤のニコチン製剤使用時を含む>によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(喫煙により肝薬物代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられ、また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる)]。

13). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている)]。

高齢者

副作用の発現に注意し、慎重に投与すること(非高齢者に比べ最高血中濃度上昇及びAUC増加が認められたとの報告がある)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊娠又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されており、また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある)。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある)。

小児等

9.7.1. 小児、特に乳幼児はテオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど、学会のガイドライン等の最新の情報も参考に、慎重に投与すること(特に次の小児にはより慎重に投与すること)、成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすい〔7.1、16.8.1参照〕。

・ てんかんの既往歴のある小児及び痙攣の既往歴のある小児:痙攣を誘発することがある。

・ 発熱している小児:テオフィリン血中濃度上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。

・ 6ヵ月未満の乳児:乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していないので、テオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。

9.7.2. 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、テオフィリン血中濃度が高値になると、血中濃度の上昇に伴い、消化器症状(特に悪心、嘔吐)や精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、せん妄、意識障害、昏睡等)、心・血管症状(頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等)、低カリウム血症その他の電解質異常、呼吸促進、横紋筋融解症等の中毒症状が発現しやすくなる(なお、軽微な症状から順次発現することなしに重篤な症状が発現することがある)〔10.2、16.8.1参照〕。

13.2. 処置

過量投与時の処置には、テオフィリンの除去、出現している中毒症状に対する対症療法があり、血中テオフィリンの除去として輸液による排泄促進、活性炭の経口投与、活性炭を吸着剤とした血液灌流、血液透析等がある(なお、テオフィリン血中濃度が低下しても、組織に分布したテオフィリンにより血中濃度が再度上昇することがある)。

13.2.1. 過量投与時、痙攣、不整脈の発現がない場合:(1)投与を中止し、テオフィリン血中濃度をモニターする、(2)痙攣の発現が予測されるようなら、フェノバルビタール等の投与を考慮する(ただし、フェノバルビタールは呼吸抑制作用を示すことがあるので、使用に際しては注意すること)。

13.2.2. 過量投与時、痙攣の発現がある場合:(1)気道を確保する、(2)酸素を供給する、(3)痙攣治療のためにジアゼパム静注等を行い、痙攣がおさまらない場合には全身麻酔薬投与を考慮する、(4)バイタルサインをモニターし、血圧の維持及び十分な水分補給を行う。

13.2.3. 過量投与時、痙攣後に昏睡が残った場合:(1)気道を確保し、酸素吸入を行う、(2)テオフィリン血中濃度が低下するまでICU管理を継続し、十分な水分補給を続け、血中濃度が下がらない場合には、活性炭による血液灌流、血液透析も考慮する。

13.2.4. 過量投与時、不整脈の発現がある場合:(1)不整脈治療としてペーシング、直流除細動、抗不整脈薬の投与等適切な処置を行う、(2)バイタルサインをモニターし、血圧の維持及び十分な水分補給を行う(また、電解質異常がある場合はその補正を行う)。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

本剤をブドウ糖液及び果糖液で希釈した場合、経時的に添加物のエチレンジアミンと糖含量が低下し、黄変を認める可能性があるため、調製後は速やかに使用すること。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 注射速度:本剤を急速に静脈内注射すると、前記副作用(ショック、不整脈等)や過呼吸、熱感があらわれることがあるので、生理食塩液又は糖液に希釈して、ゆっくり注射すること。

14.2.2. 輸液容器・輸液セット(ポリカーボネート製)の使用時:本剤はエチレンジアミンを含有しており、本剤を10倍未満で希釈して使用した場合はポリカーボネート製の三方活栓のコネクター部にひび割れが生じ、液漏れ等が発生する可能性がある。また、輸液容器・輸液セット(ポリカーボネート製)の使用時、コネクター部の過度な締め付けが、破損の発生を助長する要因となるので注意すること。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

薬剤情報

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