ティブソボ®錠 (イボシデニブ)
【1コース】28日間
【催吐性】中等度³⁾ (NCCN : 最小度~軽度⁴⁾)
【FN発症】低リスク*

イボシデニブ : 1日1回500mgを経口投与する。 ただし、 強いCYP3A阻害薬と併用する場合は、 1回用量を250mgに減量する。
投与開始前のQTcF値が480msecを超える場合、 本剤投与を開始しないこと²⁾。
Lancet Oncol. 2020;21(6):796-807.
がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道癌患者を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 イボシデニブ群124例、 プラセボ群61例に2:1で割り付け、 主要評価項目はPFS、 副次評価項目はOSとした。
【有効性】イボシデニブ群 (vs プラセボ群)
- PFS中央値 2.7ヵ月 (vs 1.4ヵ月)
HR 0.37 (95%CI 0.25–0.54、 片側p<0.0001)
6ヵ月PFS率 32% (vs 0%)
12ヵ月PFS率 22% (vs 0%)
- OS中央値 10.8ヵ月 (vs 9.7ヵ月)
HR 0.69 (95%CI 0.44–1.10、 p=0.060)
6ヵ月OS率 67% (vs 59%)
12ヵ月OS率 48% (vs 38%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心 35.5% (2.5%)
- 下痢 30.6% (0%)
- 疲労 26.4% (3.3%)
- 腹痛 21.5% (2.5%)
- 咳嗽 20.7% (0%)
- 腹水 20.7% (7.4%)
- 食欲減退 19.0% (1.7%)
- 嘔吐 19.0% (2.5%)
- 貧血 14.9% (3.3%)
- 無力症 12.4% (0%)
- 便秘 12.4% (0%)
- 末梢性浮腫 12.4% (0%)
- 発熱 12.4% (0%)
- 頭痛 10.7% (0%)
- 呼吸困難 10.7% (0.8%)
- AST増加 10.7% (5.0%)
- 低ナトリウム血症 9.9% (5.0%)
- 血中ビリルビン増加 9.9% (5.8%)
ClarIDHy試験⁵⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,500/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧8g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦2×ULN、 AST/ALT≦5×ULN
- 腎機能 : 血清Cre<1.5×ULNまたはCrCl≧50 mL/min (CG式)
- LVEF≧40%
- QTcF<450msec

尿中未変化体排泄率は9.96%¹⁾と低く、 腎クリアランスの寄与は小さいため、 腎障害時の用量調整は不要と考えられる。

ClarIDHy試験⁵⁾の規定 (参考情報) :
悪心・嘔吐 : Grade 2では、 関連の有無を問わずGrade≦1に回復するまで休薬を考慮。 回復後、 同量で再開可。
緩和的放射線療法 : 実施中は休薬。 終了後、 再開前に2週間のウォッシュアウト期間を設ける。
胆道閉塞 : 閉塞性黄疸を認めた場合は、 胆道閉塞の診断・解除のため適切に処置。 休薬は必須ではないが、 医師判断で休薬可。
QTcF延長 : Grade 2では250mgへの減量を考慮。 Grade 3では休薬し、 14日以内にベースラインから30msec以内、 または男性<450msec、 女性<470msecに回復した場合、 250mgで再開可。 Grade 4では永久中止。
🧑⚕️IDH1遺伝子変異は、 胆道癌の中でも肝内胆管癌に約10%出現する遺伝子異常である。米国ではClarIDHy試験の結果に基づいてイボシデニブが既に使用可能であった。 本邦においては、 国内第Ⅱ相試験が行われ、 海外の第Ⅲ相試験の成績と比較しても、 有効性、 安全性ともに遜色ない成績であった。 そのため、 がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道がんを対象としてイボシデニブが保険適用拡大された。本剤は、 奏効割合は高くないが、 病勢安定が長期に持続する患者が認められる。 副作用として、 治療開始初期に注意が必要なQT間隔延長以外に重篤な事象は限定的で、 リスクベネフィットのバランスの取れた治療である。 胆道癌では、 このように、 がんゲノム診断を確実に行い、 治療機会を逃さないことが重要である。
イボシデニブは、 変異型IDH1に対する阻害作用を有する低分子化合物である。 変異型IDH1の酵素活性を阻害し、 腫瘍細胞における2-ヒドロキシグルタル酸 (2-HG) 産生を阻害することで、 IDH1遺伝子変異陽性AML細胞の分化を誘導し、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。 一方、 胆道癌に対する抗腫瘍効果の詳細な作用機序は解明されていない¹⁾。
QT間隔延長 : QT間隔延長があらわれることがあるため、 投与開始前および投与中は定期的に心電図検査、 電解質検査 (カリウム、 マグネシウム等) を行い、 十分に観察する。 心電図検査は、 投与開始後2ヵ月間は2週に1回、 その後は月1回を目安に実施する。 異常が認められた場合は速やかに適切な処置を行い、 必要に応じて電解質を補正する。
- QT間隔延長
- CYP3A阻害剤との薬物相互作用
本剤の適応判定に利用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり。
- オンコマインDx Target TestマルチCDxシステム
1) 日本セルヴィエ株式会社. ティブソボ®錠250mg 電子添文 (2026年6月改訂 第4版).
2) 日本セルヴィエ株式会社. ティブソボ®錠250mg 適正使用ガイド (2026年6月).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
5) Lancet Oncol. 2020;21(6):796-807.
6) 日本セルヴィエ株式会社. ティブソボ®錠250mgに係る医薬品リスク管理計画書.
最終更新 : 2026年7月6日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 上野誠
ティブソボ®錠 (イボシデニブ)
【1コース】28日間
【催吐性】中等度³⁾ (NCCN : 最小度~軽度⁴⁾)
【FN発症】低リスク*

イボシデニブ : 1日1回500mgを経口投与する。 ただし、 強いCYP3A阻害薬と併用する場合は、 1回用量を250mgに減量する。
投与開始前のQTcF値が480msecを超える場合、 本剤投与を開始しないこと²⁾。
Lancet Oncol. 2020;21(6):796-807.
がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道癌患者を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 イボシデニブ群124例、 プラセボ群61例に2:1で割り付け、 主要評価項目はPFS、 副次評価項目はOSとした。
【有効性】イボシデニブ群 (vs プラセボ群)
- PFS中央値 2.7ヵ月 (vs 1.4ヵ月)
HR 0.37 (95%CI 0.25–0.54、 片側p<0.0001)
6ヵ月PFS率 32% (vs 0%)
12ヵ月PFS率 22% (vs 0%)
- OS中央値 10.8ヵ月 (vs 9.7ヵ月)
HR 0.69 (95%CI 0.44–1.10、 p=0.060)
6ヵ月OS率 67% (vs 59%)
12ヵ月OS率 48% (vs 38%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心 35.5% (2.5%)
- 下痢 30.6% (0%)
- 疲労 26.4% (3.3%)
- 腹痛 21.5% (2.5%)
- 咳嗽 20.7% (0%)
- 腹水 20.7% (7.4%)
- 食欲減退 19.0% (1.7%)
- 嘔吐 19.0% (2.5%)
- 貧血 14.9% (3.3%)
- 無力症 12.4% (0%)
- 便秘 12.4% (0%)
- 末梢性浮腫 12.4% (0%)
- 発熱 12.4% (0%)
- 頭痛 10.7% (0%)
- 呼吸困難 10.7% (0.8%)
- AST増加 10.7% (5.0%)
- 低ナトリウム血症 9.9% (5.0%)
- 血中ビリルビン増加 9.9% (5.8%)
ClarIDHy試験⁵⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,500/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧8g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦2×ULN、 AST/ALT≦5×ULN
- 腎機能 : 血清Cre<1.5×ULNまたはCrCl≧50 mL/min (CG式)
- LVEF≧40%
- QTcF<450msec

尿中未変化体排泄率は9.96%¹⁾と低く、 腎クリアランスの寄与は小さいため、 腎障害時の用量調整は不要と考えられる。

ClarIDHy試験⁵⁾の規定 (参考情報) :
悪心・嘔吐 : Grade 2では、 関連の有無を問わずGrade≦1に回復するまで休薬を考慮。 回復後、 同量で再開可。
緩和的放射線療法 : 実施中は休薬。 終了後、 再開前に2週間のウォッシュアウト期間を設ける。
胆道閉塞 : 閉塞性黄疸を認めた場合は、 胆道閉塞の診断・解除のため適切に処置。 休薬は必須ではないが、 医師判断で休薬可。
QTcF延長 : Grade 2では250mgへの減量を考慮。 Grade 3では休薬し、 14日以内にベースラインから30msec以内、 または男性<450msec、 女性<470msecに回復した場合、 250mgで再開可。 Grade 4では永久中止。
🧑⚕️IDH1遺伝子変異は、 胆道癌の中でも肝内胆管癌に約10%出現する遺伝子異常である。米国ではClarIDHy試験の結果に基づいてイボシデニブが既に使用可能であった。 本邦においては、 国内第Ⅱ相試験が行われ、 海外の第Ⅲ相試験の成績と比較しても、 有効性、 安全性ともに遜色ない成績であった。 そのため、 がん化学療法後に増悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道がんを対象としてイボシデニブが保険適用拡大された。本剤は、 奏効割合は高くないが、 病勢安定が長期に持続する患者が認められる。 副作用として、 治療開始初期に注意が必要なQT間隔延長以外に重篤な事象は限定的で、 リスクベネフィットのバランスの取れた治療である。 胆道癌では、 このように、 がんゲノム診断を確実に行い、 治療機会を逃さないことが重要である。
イボシデニブは、 変異型IDH1に対する阻害作用を有する低分子化合物である。 変異型IDH1の酵素活性を阻害し、 腫瘍細胞における2-ヒドロキシグルタル酸 (2-HG) 産生を阻害することで、 IDH1遺伝子変異陽性AML細胞の分化を誘導し、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。 一方、 胆道癌に対する抗腫瘍効果の詳細な作用機序は解明されていない¹⁾。
QT間隔延長 : QT間隔延長があらわれることがあるため、 投与開始前および投与中は定期的に心電図検査、 電解質検査 (カリウム、 マグネシウム等) を行い、 十分に観察する。 心電図検査は、 投与開始後2ヵ月間は2週に1回、 その後は月1回を目安に実施する。 異常が認められた場合は速やかに適切な処置を行い、 必要に応じて電解質を補正する。
- QT間隔延長
- CYP3A阻害剤との薬物相互作用
本剤の適応判定に利用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり。
- オンコマインDx Target TestマルチCDxシステム
1) 日本セルヴィエ株式会社. ティブソボ®錠250mg 電子添文 (2026年6月改訂 第4版).
2) 日本セルヴィエ株式会社. ティブソボ®錠250mg 適正使用ガイド (2026年6月).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
5) Lancet Oncol. 2020;21(6):796-807.
6) 日本セルヴィエ株式会社. ティブソボ®錠250mgに係る医薬品リスク管理計画書.
最終更新 : 2026年7月6日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 上野誠
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。