治療スケジュール
概要
監修医師

Efgartigimod alfa:エフガルチギモドアルファ(ウィフガート®)

投与量コース投与日
10mg/kg 点滴静注1-Day 1、 8、 15、 22、・・・
--Day 29以降は2週に1回投与に調節可

前投薬

なし

その他

週1回投与で開始.
投与開始後4週以降は2週に1回に調節可.
投与開始後4週間又は血小板数が安定するまでは血小板数を週1回測定.
レジメン
Efgartigimod alfa
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません.個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドはアルジェニクス社の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ADVANCE試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (7.0%)
  • 好中球減少症 (2.3%)
  • 血小板減少症 (2.3%)

主な有害事象

  • 尿中血陽性 (36.0%)
  • 挫傷 (19.8%)
  • 頭痛 (16.3%)
  • 血尿 (16.3%)
  • 点状出血 (15.1%)

その他重大な有害事象

  • 血小板減少症 (2.3%)
  • 筋骨格系胸痛 (1.2%)
  • 鉄欠乏性貧血 (1.2%)
  • 腹痛 (1.2%)
  • サイトメガロウイルス感染 (1.2%)
  • 丹毒 (1.2%)
  • 慢性骨髄単球性白血病 (1.2%)
  • 頭痛 (1.2%)
  • 膣出血 (1.2%)

特徴と注意点

  • ITP (特発性血小板減少性紫斑病)は、 IgG自己抗体が主な原因となって血小板が低下する自己免疫性血液疾患であり、 免疫性血小板減少症とも呼ばれている.

  • エフガルチギモドはヒトIgGのFcフラグメント製剤.
  • 以下の場合で、 ガイドラインなどの最新の情報を参考に、 本剤の投与が適切と判断される患者に投与.
  1. 他の治療にて十分な効果が得られない場合、 又は忍容性に問題があると考えられる場合.
  2. 血小板数、 臨床症状からみて出血リスクが高いと考えられる場合.
  • 投与開始後4週間又は血小板数が安定するまでは血小板数を週1回測定.
  • その後は血小板数及び臨床症状に応じて定期的に測定.
  • 血中IgG濃度が低下し、 感染症のリスクが高まるおそれあり.
  • 肝炎ウイルスキャリアの患者に投与する場合には、 肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行う.

作用機序

アルジェニクスジャパン株式会社の医療関係者向けサイトの図をもとにHOKUTO編集部で作成.

※FcRn (胎児性Fc受容体):IgGFc受容体. 血漿中から細胞内に取り込まれたIgGをリソソームによる分解から回避し、 再度血漿中に放出するサルベージレセプター.

用法・用量・投与頻度基準

  • 10mg/kgを週1回投与で開始し、 投与開始後4週以降は血小板数及び臨床症状に基づき2週に1回投与に調節可能.
  • 体重が120kgを超える場合は、 120kgとして計算する.
  • 全量を125mL又は100mLに調製し、 1時間かけて点滴静注 (投与量計算ツール*参照).
*アルジェニクス社の外部サイトに遷移します.
  • 投与頻度は下記を参照にて調節.

関連する臨床試験の結果

ADVANCE試験 (ARGX-113-1801試験)¹⁾

概要

  • ランダム化、 二重盲検、 プラセボ対照、 多施設共同第Ⅲ相試験.
  • 対象:既存のITP治療で十分な効果が得られなかった又は不耐容であった成人ITP患者131例 (日本人8例).
  • エフガルチギモド群:86例 (日本人5例)、 プラセボ群:45例 (日本人3例).
  • 介入:エフガルチギモド10mg/kg又はプラセボを1~3週は週1回投与. 4~15週は週1回又は2週に1回に調節可能.16~23週は投与15週後 (又は最後に投与を受けた来院時) の投与頻度で固定.
  • 主要評価項目:持続的血小板数反応*を達成した慢性ITP患者の割合.
  • 主な副次評価項目:①病勢コントロール期間 (規定の24週間の治験薬投与期のうち血小板数5万/mm³以上となった累積週数)、 ②全体集団における持続的血小板数反応*が認められた患者の割合.
  • その他の評価項目:総IgG濃度変化率.
*16~24週の6回の来院のうち4回以上で血小板数5万/mm³以上を達成.

結果

  • 持続的血小板数反応を達成した割合:エフガルチギモド群21.8% vs プラセボ群5.0% (p=0.0316).
  • 病勢コントロール期間:エフガルチギモド群6.1週 vs プラセボ群1.5週.
  • 全体集団における持続的血小板数反応*の割合:エフガルチギモド群25.6% vs プラセボ群6.7% (p=0.0108).
  • エフガルチギモド群の総IgG濃度のベースラインからの減少割合は治療期間を通じて約60%.

参考文献

  1. Lancet. 2023 Nov 4;402(10413):1648-1659.
  2. アルジェニクスジャパン株式会社の医療関係者向けサイト

参照ガイド・参考情報

表・計算ツール

🥼 特発性血小板減少性紫斑病

HOKUTOコンテンツ 専門医監修

🔢 ITP重症度分類

HOKUTO表・計算ツール

最終更新:2024年7月6日
執筆担当:小澤病院薬剤部 長剛広
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
Efgartigimod alfa
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ウィフガート®
2024年07月12日更新

Efgartigimod alfa:エフガルチギモドアルファ(ウィフガート®)

投与量コース投与日
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--Day 29以降は2週に1回投与に調節可

前投薬

なし

その他

週1回投与で開始.
投与開始後4週以降は2週に1回に調節可.
投与開始後4週間又は血小板数が安定するまでは血小板数を週1回測定.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません.個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

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主な有害事象

ADVANCE試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (7.0%)
  • 好中球減少症 (2.3%)
  • 血小板減少症 (2.3%)

主な有害事象

  • 尿中血陽性 (36.0%)
  • 挫傷 (19.8%)
  • 頭痛 (16.3%)
  • 血尿 (16.3%)
  • 点状出血 (15.1%)

その他重大な有害事象

  • 血小板減少症 (2.3%)
  • 筋骨格系胸痛 (1.2%)
  • 鉄欠乏性貧血 (1.2%)
  • 腹痛 (1.2%)
  • サイトメガロウイルス感染 (1.2%)
  • 丹毒 (1.2%)
  • 慢性骨髄単球性白血病 (1.2%)
  • 頭痛 (1.2%)
  • 膣出血 (1.2%)

特徴と注意点

  • ITP (特発性血小板減少性紫斑病)は、 IgG自己抗体が主な原因となって血小板が低下する自己免疫性血液疾患であり、 免疫性血小板減少症とも呼ばれている.

  • エフガルチギモドはヒトIgGのFcフラグメント製剤.
  • 以下の場合で、 ガイドラインなどの最新の情報を参考に、 本剤の投与が適切と判断される患者に投与.
  1. 他の治療にて十分な効果が得られない場合、 又は忍容性に問題があると考えられる場合.
  2. 血小板数、 臨床症状からみて出血リスクが高いと考えられる場合.
  • 投与開始後4週間又は血小板数が安定するまでは血小板数を週1回測定.
  • その後は血小板数及び臨床症状に応じて定期的に測定.
  • 血中IgG濃度が低下し、 感染症のリスクが高まるおそれあり.
  • 肝炎ウイルスキャリアの患者に投与する場合には、 肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行う.

作用機序

アルジェニクスジャパン株式会社の医療関係者向けサイトの図をもとにHOKUTO編集部で作成.

※FcRn (胎児性Fc受容体):IgGFc受容体. 血漿中から細胞内に取り込まれたIgGをリソソームによる分解から回避し、 再度血漿中に放出するサルベージレセプター.

用法・用量・投与頻度基準

  • 10mg/kgを週1回投与で開始し、 投与開始後4週以降は血小板数及び臨床症状に基づき2週に1回投与に調節可能.
  • 体重が120kgを超える場合は、 120kgとして計算する.
  • 全量を125mL又は100mLに調製し、 1時間かけて点滴静注 (投与量計算ツール*参照).
*アルジェニクス社の外部サイトに遷移します.
  • 投与頻度は下記を参照にて調節.

関連する臨床試験の結果

ADVANCE試験 (ARGX-113-1801試験)¹⁾

概要

  • ランダム化、 二重盲検、 プラセボ対照、 多施設共同第Ⅲ相試験.
  • 対象:既存のITP治療で十分な効果が得られなかった又は不耐容であった成人ITP患者131例 (日本人8例).
  • エフガルチギモド群:86例 (日本人5例)、 プラセボ群:45例 (日本人3例).
  • 介入:エフガルチギモド10mg/kg又はプラセボを1~3週は週1回投与. 4~15週は週1回又は2週に1回に調節可能.16~23週は投与15週後 (又は最後に投与を受けた来院時) の投与頻度で固定.
  • 主要評価項目:持続的血小板数反応*を達成した慢性ITP患者の割合.
  • 主な副次評価項目:①病勢コントロール期間 (規定の24週間の治験薬投与期のうち血小板数5万/mm³以上となった累積週数)、 ②全体集団における持続的血小板数反応*が認められた患者の割合.
  • その他の評価項目:総IgG濃度変化率.
*16~24週の6回の来院のうち4回以上で血小板数5万/mm³以上を達成.

結果

  • 持続的血小板数反応を達成した割合:エフガルチギモド群21.8% vs プラセボ群5.0% (p=0.0316).
  • 病勢コントロール期間:エフガルチギモド群6.1週 vs プラセボ群1.5週.
  • 全体集団における持続的血小板数反応*の割合:エフガルチギモド群25.6% vs プラセボ群6.7% (p=0.0108).
  • エフガルチギモド群の総IgG濃度のベースラインからの減少割合は治療期間を通じて約60%.

参考文献

  1. Lancet. 2023 Nov 4;402(10413):1648-1659.
  2. アルジェニクスジャパン株式会社の医療関係者向けサイト

参照ガイド・参考情報

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🥼 特発性血小板減少性紫斑病

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🔢 ITP重症度分類

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最終更新:2024年7月6日
執筆担当:小澤病院薬剤部 長剛広
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。