Elranatamab:エルラナタマブ(エルレフィオ®)

投与量コース投与日
12mg 皮下注1週目Day 1 (1週目)
32mg 皮下注1週目Day 4 (1週目)
76mg 皮下注2~24週目1週間に1回
76mg 皮下注25~48週目2週間に1回 (奏効のみ)
76mg 皮下注49週目以降4週間に1回

前投薬

サイトカイン放出症候群を軽減するため、 1日目、 4日目、 2週目の投与前には、 約1時間前に解熱鎮痛薬・副腎皮質ホルモン薬・抗ヒスタミン薬を前投与
MagnetisMM-3試験ではデキサメタゾン20mg、 アセトアミノフェン650mg、 ジフェンヒドラミン25mgが投与された.
Day 15以降は同様の前投薬の投与を考慮.

その他

重篤なCRSに備えてトシリズマブを速やかに使用できるよう準備する.
対象:免疫調節薬、 プロテアソーム阻害薬、 抗CD38抗体薬を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者.
レジメン
Elranatamab
2025年6月24日、 用法・用量の追加承認を取得し、 一定期間経過後には4週間隔での投与も可能となった。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

エルレフィオ® (エルラナタマブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用ガイド²⁾*

*ファイザー株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

投与スケジュール

【1コース】28日間
【催吐性】 軽度*
【FN発症】低リスク**
*NCCN Guidelines Version 2.2025 Antiemesisを基に分類
**エルレフィオ®電子添文 (FN発症率2.2%) を基に編集部が分類

1日目に12mg、 4日目に32mgを1回皮下投与し、 8日目以降は76mgを週1回皮下投与。 24週以上投与して奏効が認められる場合、 2週間隔とし、 さらに2週間隔で24週以上継続した場合は、 4週間隔への変更が可能。

サイトカイン放出症候群を軽減するため、 1日目、 4日目、 2週目の投与前には、 約1時間前に解熱鎮痛薬・副腎皮質ホルモン薬*・抗ヒスタミン薬を前投与
*MagnetisMM-3試験³⁾では、 デキサメタゾン20mg (または同等量) が経口または静脈内で投与された。

Key Data|臨床試験結果

📊 MagnetisMM-3試験

Nat Med. 2023 Sep;29(9):2259-2267.

再発又は難治性多発性骨髄腫のうち、 BCMA標的療法歴のない患者123例を対象に、 エルラナタマブ単剤療法の有効性および安全性を評価した国際多施設共同非無作為化単群試験 (コホートA)。 プロテアソーム阻害薬、 免疫調節薬、 抗CD38抗体の各1剤以上に不応であることを必須とし、 96.7%がトリプルクラス不応、 42.3%がペンタ不応であった。 前治療ライン数中央値は5ラインであり、 主要評価項目はBICR判定によるIMWG規準に基づく確認ORRとした。 

【有効性】エルラナタマブ群

- ORR (BICR) 61.0% (95%CI 51.8–69.6)

≧CR 35.0%

≧VGPR 56.1%

- MRD陰性率 89.7%*

*MRD陰性率はIMWG規準による≧CRかつMRD評価可能例 (n=29) 中の割合。 MRD測定はclonoSEQ assay (感度閾値10⁻⁵) を用いた次世代シーケンシングによる。

- DOR中央値 未到達 (95%CI NE–NE)

15ヵ月DOR率 71.5% (95%CI 58.8–80.9)

- PFS中央値 未到達 (95%CI 9.9ヵ月–NE)

15ヵ月PFS率 50.9% (95%CI 40.9–60.0)

- OS中央値 未到達 (95%CI 13.9ヵ月–NE)

15ヵ月OS率 56.7% (95%CI 47.4–65.1)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 貧血 48.8% (37.4%)

- 好中球減少症 48.8% (48.8%)

- 血小板減少症 30.9% (23.6%)

- リンパ球減少症 26.8% (25.2%)

- サイトカイン放出症候群 57.7% (0%)

- 下痢 42.3% (1.6%)

- 疲労 36.6% (3.3%)

- 食欲不振 33.3% (0.8%)

- 発熱 30.1% (4.1%)

- COVID-19関連 29.3% (15.4%)

- 注射部位反応 26.8% (0%)

- 悪心 26.8% (0%)

- 低カリウム血症 26.0% (10.6%)

- 咳嗽 25.2% (0%)

- 頭痛 23.6% (0%)

各プロトコル

有害事象発現時の休薬・中止基準

エルレフィオ®電子添文¹⁾を基に編集部作成

休薬後に再開する場合の用量調整

エルレフィオ®電子添文¹⁾を基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

特徴

  • エルラナタナブはB細胞成熟抗原 (BCMA) およびCD3に対するヒト化免疫グロブリン (Ig)G2二重特異性モノクローナル抗体.
  • T細胞の細胞膜上に発現するCD3骨髄腫細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、 BCMA陽性の腫瘍細胞を傷害すると考えられている (下図).
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない.
  • 免疫調節薬、 プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者が対象.
  • 注射部位は腹部が推奨されているが腹部に注射できない場合には、 大腿部を選択することも可能.
  • 上肢 (三角筋、 上腕、 前腕など)への皮下注射は避ける.

作用機序

CRSのマネジメント

>> CRSの重症度評価と治療を確認する

- CRSを軽減させるため本剤投与前に、 解熱鎮痛薬、 副腎皮質ホルモン剤及び抗ヒスタミン剤を投与する (day1、4、8は前投薬必須、 以降は使用を考慮).

- 初回投与後48時間、 2回目の投与後24時間は必ず入院管理とする. 以降の投与についても患者の状態に応じて入院管理を検討.

- 緊急時に備えてトシリズマブを速やかに使用できるように準備しておく.

- 異常が認められた場合には、 製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い適切な処置を行う.

- CRS発現までの期間の中央値 : 2日

- CRS回復までの期間の中央値は2日

ICANSのマネジメント

>> ICANSの重症度評価と治療を確認する

>> ICEスコアを計算する

- 異常が認められた場合には、 製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンスに従い適切な処置を行う.

- ICANS発現までの期間の中央値 : 3日

- ICANS回復までの期間の中央値 : 2日

出典

  1. ファイザー株式会社. エルレフィオ®皮下注 電子添文 (2025年6月改訂 第3版)
  2. ファイザー株式会社. エルレフィオ®皮下注 適正使用ガイド (2025年6月作成)
  3. Nat Med.2023 Sep;29(9):2259-2267.
最終更新 : 2025年7月3日
執筆担当 : 小澤病院薬剤部 長剛広
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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エルラナタマブ (エルレフィオ®)
多発性骨髄腫 > 再発難治性
2026年06月12日更新

Elranatamab:エルラナタマブ(エルレフィオ®)

投与量コース投与日
12mg 皮下注1週目Day 1 (1週目)
32mg 皮下注1週目Day 4 (1週目)
76mg 皮下注2~24週目1週間に1回
76mg 皮下注25~48週目2週間に1回 (奏効のみ)
76mg 皮下注49週目以降4週間に1回

前投薬

サイトカイン放出症候群を軽減するため、 1日目、 4日目、 2週目の投与前には、 約1時間前に解熱鎮痛薬・副腎皮質ホルモン薬・抗ヒスタミン薬を前投与
MagnetisMM-3試験ではデキサメタゾン20mg、 アセトアミノフェン650mg、 ジフェンヒドラミン25mgが投与された.
Day 15以降は同様の前投薬の投与を考慮.

その他

重篤なCRSに備えてトシリズマブを速やかに使用できるよう準備する.
対象:免疫調節薬、 プロテアソーム阻害薬、 抗CD38抗体薬を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者.

概要

2025年6月24日、 用法・用量の追加承認を取得し、 一定期間経過後には4週間隔での投与も可能となった。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

エルレフィオ® (エルラナタマブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用ガイド²⁾*

*ファイザー株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

投与スケジュール

【1コース】28日間
【催吐性】 軽度*
【FN発症】低リスク**
*NCCN Guidelines Version 2.2025 Antiemesisを基に分類
**エルレフィオ®電子添文 (FN発症率2.2%) を基に編集部が分類

1日目に12mg、 4日目に32mgを1回皮下投与し、 8日目以降は76mgを週1回皮下投与。 24週以上投与して奏効が認められる場合、 2週間隔とし、 さらに2週間隔で24週以上継続した場合は、 4週間隔への変更が可能。

サイトカイン放出症候群を軽減するため、 1日目、 4日目、 2週目の投与前には、 約1時間前に解熱鎮痛薬・副腎皮質ホルモン薬*・抗ヒスタミン薬を前投与
*MagnetisMM-3試験³⁾では、 デキサメタゾン20mg (または同等量) が経口または静脈内で投与された。

Key Data|臨床試験結果

📊 MagnetisMM-3試験

Nat Med. 2023 Sep;29(9):2259-2267.

再発又は難治性多発性骨髄腫のうち、 BCMA標的療法歴のない患者123例を対象に、 エルラナタマブ単剤療法の有効性および安全性を評価した国際多施設共同非無作為化単群試験 (コホートA)。 プロテアソーム阻害薬、 免疫調節薬、 抗CD38抗体の各1剤以上に不応であることを必須とし、 96.7%がトリプルクラス不応、 42.3%がペンタ不応であった。 前治療ライン数中央値は5ラインであり、 主要評価項目はBICR判定によるIMWG規準に基づく確認ORRとした。 

【有効性】エルラナタマブ群

- ORR (BICR) 61.0% (95%CI 51.8–69.6)

≧CR 35.0%

≧VGPR 56.1%

- MRD陰性率 89.7%*

*MRD陰性率はIMWG規準による≧CRかつMRD評価可能例 (n=29) 中の割合。 MRD測定はclonoSEQ assay (感度閾値10⁻⁵) を用いた次世代シーケンシングによる。

- DOR中央値 未到達 (95%CI NE–NE)

15ヵ月DOR率 71.5% (95%CI 58.8–80.9)

- PFS中央値 未到達 (95%CI 9.9ヵ月–NE)

15ヵ月PFS率 50.9% (95%CI 40.9–60.0)

- OS中央値 未到達 (95%CI 13.9ヵ月–NE)

15ヵ月OS率 56.7% (95%CI 47.4–65.1)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 貧血 48.8% (37.4%)

- 好中球減少症 48.8% (48.8%)

- 血小板減少症 30.9% (23.6%)

- リンパ球減少症 26.8% (25.2%)

- サイトカイン放出症候群 57.7% (0%)

- 下痢 42.3% (1.6%)

- 疲労 36.6% (3.3%)

- 食欲不振 33.3% (0.8%)

- 発熱 30.1% (4.1%)

- COVID-19関連 29.3% (15.4%)

- 注射部位反応 26.8% (0%)

- 悪心 26.8% (0%)

- 低カリウム血症 26.0% (10.6%)

- 咳嗽 25.2% (0%)

- 頭痛 23.6% (0%)

各プロトコル

有害事象発現時の休薬・中止基準

エルレフィオ®電子添文¹⁾を基に編集部作成

休薬後に再開する場合の用量調整

エルレフィオ®電子添文¹⁾を基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

特徴

  • エルラナタナブはB細胞成熟抗原 (BCMA) およびCD3に対するヒト化免疫グロブリン (Ig)G2二重特異性モノクローナル抗体.
  • T細胞の細胞膜上に発現するCD3骨髄腫細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、 BCMA陽性の腫瘍細胞を傷害すると考えられている (下図).
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について有効性及び安全性は確立していない.
  • 免疫調節薬、 プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者が対象.
  • 注射部位は腹部が推奨されているが腹部に注射できない場合には、 大腿部を選択することも可能.
  • 上肢 (三角筋、 上腕、 前腕など)への皮下注射は避ける.

作用機序

CRSのマネジメント

>> CRSの重症度評価と治療を確認する

- CRSを軽減させるため本剤投与前に、 解熱鎮痛薬、 副腎皮質ホルモン剤及び抗ヒスタミン剤を投与する (day1、4、8は前投薬必須、 以降は使用を考慮).

- 初回投与後48時間、 2回目の投与後24時間は必ず入院管理とする. 以降の投与についても患者の状態に応じて入院管理を検討.

- 緊急時に備えてトシリズマブを速やかに使用できるように準備しておく.

- 異常が認められた場合には、 製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い適切な処置を行う.

- CRS発現までの期間の中央値 : 2日

- CRS回復までの期間の中央値は2日

ICANSのマネジメント

>> ICANSの重症度評価と治療を確認する

>> ICEスコアを計算する

- 異常が認められた場合には、 製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンスに従い適切な処置を行う.

- ICANS発現までの期間の中央値 : 3日

- ICANS回復までの期間の中央値 : 2日

出典

  1. ファイザー株式会社. エルレフィオ®皮下注 電子添文 (2025年6月改訂 第3版)
  2. ファイザー株式会社. エルレフィオ®皮下注 適正使用ガイド (2025年6月作成)
  3. Nat Med.2023 Sep;29(9):2259-2267.
最終更新 : 2025年7月3日
執筆担当 : 小澤病院薬剤部 長剛広
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

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