海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前

Ferdinandusらは、 進行期古典的ホジキンリンパ腫 (HL) 患者を対象に、 BrECADD*とeBEACOPP**による治療が妊孕性に及ぼす影響を、 多施設共同第Ⅲ相並行群間非盲検無作為化比較試験HD21の2次解析で検討した。 その結果、 BrECADDはeBEACOPPと比べて性腺機能回復率を有意に改善し、 親になった割合 (女性患者の出産率または男性患者のパートナーの出産率) も男性において有意に高かった。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。
本解析の主なlimitationは、 ホルモン測定や月経・精液データの欠如、 生殖能力に関わる社会的要因の未評価、 および出生アウトカムに関する情報不足が挙げられます。
進行期古典的HLに対してeBEACOPPは有効だが、 性腺機能障害を引き起こし、 妊孕性およびQOLに悪影響を及ぼす可能性がある。
HD21試験の主要解析では、 進行期古典的HLの1次治療としてBrECADDがeBEACOPPと比べて高い有効性と良好な急性期忍容性を示した¹⁾。
そこで今回は、 同試験の2次解析において、 これら2つのレジメン間における性腺機能の回復および妊孕性の転帰を比較した。
9ヵ国の233施設において、 新たに進行期古典的HLと診断され、 ECOG PS0~2、 18~60歳の患者が中間奏効に基づいて以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は無増悪生存期間 (PFS) および治療関連罹患率であり (上述の主要解析結果として既に報告)、 今回の2次解析では、 事前に規定されなかった事後解析の結果として妊孕性に関する評価が報告された。
妊孕性の評価項目には、 卵胞刺激ホルモン (FSH) 濃度による性腺機能の回復、 抗ミュラー管ホルモン (AMH、 女性のみ)、 インヒビンB (男性のみ) の濃度、 妊娠の頻度、 親になった割合が含まれた。
性腺機能の回復、 AMH、 インヒビンBの評価は、 妊娠可能患者 (POCBP) コホートにおいて行われ、 このコホートには、 ベースラインで性腺機能障害のない40歳未満の女性および50歳未満の男性が含まれた。 妊娠および出産に関する解析には、 ベースラインで性腺機能障害のある患者も含まれた。
登録されたPOCBP1,183例のうち、 eBEACOPP群が592例、 BrECADD群が591例、 男性が692例、 女性が491例であった。 FSHは767例 (男性 420例、 女性 347例) で測定可能であった。
追跡期間中央値49.6ヵ月 (四分位範囲 39.7-58.4ヵ月) において、 BrECADDは、 eBEACOPPと比べて4年時の性腺機能回復率が有意に改善した。
女性ではBrECADD群が95.3% (95%CI 92.0-98.8%)、 eBEACOPP群が73.3% (95%CI 66.9–80.4%) であり (HR 1.69、 95%CI 1.34-2.14)、 男性ではBrECADD群が85.6% (95%CI 80.8-90.8%)、 eBEACOPP群が39.7% (95%CI 33.6-46.9%) であった (HR 3.28、 95%CI 2.51-4.30)。
AMHおよびインヒビンB濃度は、 eBEACOPP群と比べてBrECADD群で高い傾向がみられた。
女性患者で92件、 男性患者のパートナーでは36件の妊娠が報告された。 その結果、 99例の患者において合計108件の出産が報告された (BrECADD群 59件、 eBEACOPP群 40件)。
治療後5年間で親になった割合は、 男性においてBrECADD群が9.3% (95%CI 6.0-14.5%) であり、 eBEACOPP群の3.3% (95%CI 1.7-6.5%) と比べて有意に高かった (p=0.014)。 一方、 女性ではBrECADD群が19.3% (95%CI 13.7-27.3%)、 eBEACOPP群が17.1% (95%CI 11.9-24.6%) であり、 両群間で有意差は認められなかった (p=0.53)。
著者らは 「BrECADDはeBEACOPPと比べて進行期古典的HL患者の性腺機能回復率を有意に改善し、 親になった割合も男性において有意に高かった。 これらの結果は、 特に妊孕性の温存を希望する患者にとって、 BrECADDが推奨すべき1次治療の選択肢であることを支持している」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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