海外ジャーナルクラブ
29日前
Herreraらは、 進行期古典的ホジキンリンパ腫(HL)を対象に、 抗PD-1抗体ニボルマブ+ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン (N+AVD) 併用療法の有効性について、 第Ⅲ相多施設共同非盲検無作為化比較試験で検討した。 その結果、 N+AVD療法は従来の併用療法と比較して、 患者の無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善した。 本研究はNEJMにて発表された。
本文の結論では、 かなり強い口調で 「N+AVDは、 ステージIIIまたはIVの12歳以上のホジキンリンパ腫における1次治療の有力な候補となるべき」 と記載されています。
未治療進行期古典的HLへのBrECADD療法、 PFSを有意に改善
未治療cHL、 AVDへのNivo追加でPFS改善 : SWOG S1826
進行期古典的HLに対する微小管阻害薬結合抗CD30抗体薬物複合体ブレンツキシマブ ベドチン併用AVD療法 (BV+AVD) は、 成人および小児患者の生存率を改善することが示されている。 しかし成人患者には毒性が強く、 小児では再発リスクが依然として課題とされる。
また、 抗PD-1抗体はホジキンリンパ腫に有効であることが、 治療歴のない患者を対象とした予備的試験などで示されている。
12歳以上で新規診断されたIIIまたはIV期のHL患者970例を対象とし、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。
事前に規定された患者には、 代謝活性の高い残存病変に対する放射線療法を実施した。
主要評価項目は 「無作為化から最初の病勢進行 (PD) または全死因死亡までの期間」 と定義されたPFSとした。
追跡期間中央値12.1ヵ月における2回目の中間解析の結果、 N+AVD群はBV+AVD群に比べ、 PFSの有意な改善を示した (ハザード比[HR] 0.48、 99%CI 0.27-0.87、 p=0.001)。
追跡期間が短かったため、 期間を延長して再度解析を行ったところ、 追跡期間中央値2.1年 (範囲0-4.2年) 時点における2年PFS率は、 N+AVD群が92% (95%CI 89-94%)、 BV+AVD群が83% (79-86%)、 HR 0.45 (0.30-0.65) であり、 2回目の中間解析結果と同様、 N+AVD群で有意に改善していた。
免疫関連有害事象 (irAE) の発現は、 N+AVD群ではまれだった。 BV+AVD群ではirAE関連の治療中止が多く見られた。
著者らは 「12歳以上でIIIまたはIV期の進行期古典的HL患者におけるN+AVD療法は、 従来のBV+AVD療法に比べてPFSを改善し、 安全性副作用プロファイルも良好であった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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