海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Riedlらは、 遺伝性血管性浮腫の患者を対象に、 経口sebetralstatのオンデマンド治療の効果を第Ⅲ相二重盲検3剤クロスオーバー試験で検討した。 その結果、 経口sebetralstatはプラセボに比べて症状緩和や発作重症度低減、 発作消失までの時間が短いことが示された。 本研究はNEJMにおいて発表された。
遺伝性血管性浮腫発作に対する経口投与のオンデマンド治療薬として、 sebetralstatの有効性と安全性が証明されています。 経口投与は急性反応に対する投与方法としては理想的な方法であり、 例えばアドレナリンの経口投与も可能になる日が来ると良いと思います。
【NEJM】HAEへのdonidalorsen投与で発作率低下
現在、 遺伝性血管性浮腫 (HAE) の発作に対して承認されているオンデマンド治療薬*¹は非経口投与薬のみである。 このことが、 治療の遅れや差し控えに関連している。
12歳以上の遺伝性血管性浮腫1型または2型の患者 136例は、 sebetralstat 300 mg または 600 mg (最大2回)、 もしくはプラセボを異なる順序で経口投与する 6 つの群に無作為に割り付けた。
主要評価項目
「症状緩和の開始」 とした。 これは、 「治験薬初回投与後12時間以内の2回以上連続した時点で、 変化に対する患者の全般的印象度 (PGI-C) *²が "やや改善"であること」 と定義した。
主要な副次評価項目
「12時間以内の連続する2時点における発作重症度の低減*³」 と 「24時間以内の発作の完全な消失*⁴」 とした。
症状緩和開始までの時間の中央値
sebetralstat投与群で、 いずれもプラセボ群より有意に短かった (それぞれp<0.001、 p=0.001)。
- 300mg投与群 : 1.61時間
(四分位範囲 0.78~7.04時間)
- 600mg投与群 : 1.79時間
(同1.02~3.79時間)
- プラセボ投与群 : 6.72時間
(同1.34~12時間超)
sebetralstat投与群で、 いずれもプラセボ群より有意に短かった (それぞれp=0.004、 p=0.003)。
- 300mg投与群 : 9.27時間
(四分位範囲 1.53~12時間超)
- 600mg投与群 : 7.75時間
(同2.19~12時間超)
- プラセボ投与群 : 12時間以上
(同6.23~12時間超)
sebetralstat投与群で、 いずれもプラセボ群より有意に短かった(それぞれp=0.002、 p<0.001)。
- 300mg投与群 : 42.5%
- 600mg投与群 : 49.5%
- プラセボ投与群 : 27.4%
sebetralstatとプラセボの安全性プロファイルは同様であり、 治験薬に関連した重篤な有害事象は報告されなかった。
著者らは 「sebetralstatの経口投与はプラセボと比較して、 症状緩和開始、 発作重症度の軽減、 発作の完全消失までの時間がいずれも短かった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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