HOKUTO編集部
2年前
ファイザーは先月 (2023年2月) 24日、 「BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」および「去勢抵抗性前立腺がん」の治療薬として、 PARP阻害薬タラゾパリブの、 国内における製造販売承認申請を行ったと発表した。
乳がんに関する申請は、 BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で手術不能または再発性の乳がん患者を対象としたタラゾパリブの海外第Ⅲ相試験EMBRACAおよび国内第Ⅰ相試験の結果等に基づく。
EMBRACA試験では、 主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) 中央値が、 対照の担当医が選択した化学療法群では5.6カ月であったのに対し、 タラゾパリブ群では8.6カ月と有意な延長が認められた (HR 0.54、 95%CI 0.41~0.71、 P<0.001)。
国内第Ⅰ相試験では、 BRCA遺伝子変異陽性HER2陰性の局所進行または転移乳がんの日本人患者を対象にタラゾパリブの有効性および安全性を評価し、 臨床的に意味のある抗腫瘍効果が示された。
また前立腺がんに関しては、 去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験TALAPRO-2の主要評価項目である画像診断に基づく無増悪生存期間 (rPFS)において、 タラゾパリブ+エンザルタミド併用群では、 プラセボ+エンザルタミド併用群と比較して、 有意な延長を認めた。 盲検下独立中央判定 (BICR) によるrPFS中央値は、 プラセボ+エンザルタミド群の21.9カ月 (95%CI 16.6〜25.1カ月) に対し、 タラゾパリブ+エンザルタミド併用群では未到達 (NR、 95%CI 27.5カ月〜NR) だった (HR 0.63、 95%CI 0.51〜0.78、 P<0.001)。
なお、 TALAPRO-2試験の主解析の結果は、 先月開催された米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム (ASCO GU 2023) で発表された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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