寄稿ライター
20日前

本シリーズは、 「医師にとって最適な財テク術とは何か」 をテーマに、 資産形成について気の向くままにお話するコーナーです。 連載 「医師による医師のための財テク術」 第48回では、 株式と債券に分散投資をする際の、 実際の投資方法について考えていきたいと思います。

株や債券などに分散投資をする場合、 まずはそれぞれに対し、 どの程度の資金を配分するかを決めることになります。 この資産配分を 「アセットアロケーション」 と呼びます。 伝統的な資産配分の一つとして、 株式60%、 債券40%の 「60/40ポートフォリオ」 があります。
また、 「リスク資産の割合=100-年齢」 とし、 若いうちはある程度のリスクを取ってリターンの最大化を目指し、 年齢を重ねるにつれて、 資産の値動きを抑えていくという考え方もあります。 適切な配分は、 市場環境や投資家の年齢、 運用期間、 リスクに対する考え方などによってさまざまです。 いずれの考え方を採用する場合も、 まずは目標とする資産配分を設定することが出発点となります。
その後、 株式や債券の価格が変動すると、 実際の資産配分が当初設定した割合からずれていきます。 そこで、 値上がりして割合が高くなった資産の一部を売却し、 割合が低くなった資産を買い増すなどして、 当初の配分に戻します。 これを 「リバランス」 といいます。 【図1】

例えば、 コロナショック時の値動きを例に、 分散投資とリバランスについて考えてみましょう。 【グラフ1】を見てください。 コロナショックにより、 株式は大きく下落しました。 債券もパニック売りになりましたが、 株式に比べると下落幅は小さく、 回復も早いものでした。 こうした局面で債券の一部を売却し、 株式を購入すれば、 その後のコロナバブルによって、 大きくリターンを向上させることができたでしょう。
もちろん、 これは過去の値動きを後から振り返っているからこそ言えることであり、 実際にうまく立ち回るのは容易ではありません。 しかし、 株式だけでなく債券も保有し、 市場の急落時における資産全体の下落幅を抑えることができれば、 パニックに陥らず、 冷静に投資判断を下せる可能性が高まると考えられます。
では、 先行きが見通せない状況で、 どのようにリバランスを行えばよいのでしょうか。 方法は、 大きく次の3つに分けられます。

【図2】を見てください。 こちらの図は、 リバランスの方法によって、 リスクやリターンがどのように変わるのかを示したものです。 リバランスの頻度が高すぎると、 売買手数料や税金などのコストが増え、 その分だけリターンが押し下げられる可能性があります。 また、 資産配分が目標比率からそれほど乖離していない段階でリバランスを行っても、 リターンが高くなりきらない可能性があります。
我々のような個人投資家の場合、 必ずしも一つの方法に従う必要はありません。 半年や1年ごとに資産配分を見直しつつ、 コロナショックのように相場が大きく変動した際には、 目標比率から大きく乖離していないかを確認し、 必要に応じてリバランスを行う方法が現実的ではないかと思います。
では、 目標比率に近づくよう、 毎月余剰資金で購入する資産を変更する方法はどうでしょうか。 この方法には、 売買手数料や税金などのコストを抑えやすいという利点があります。 一方、 保有資産の総額に対して毎月の追加投資額が少ない場合には、 目標比率へ戻すまでに時間がかかります。
また、 割合が低下した資産へ優先的に投資するため、 値下がりが続いている資産を買い増すことになる場合もあります。 価格が下がった資産を買うという点では、 「逆張り的な投資方法」 ともいえるでしょう。
一方、 私が推奨している米国株は、 長期的には上昇傾向を示しており、 値上がりしている資産を買う 「順張り投資」 がすすめられることも少なくありません。 そのため、 比率の低い資産だけを買い増す方法ではなく、 あくまでも定期購入する資産は、 目標とする資産配分に応じて行うのがよいと考えています。
いかがでしたでしょうか。 今回のTake Home Messageは以下の通りです。
次回は、 債券投資をする際の商品選択について考えたいと思います。


編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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