【J Clin Oncol】未治療進行ALK陽性NSCLCへのロルラチニブ、5年mPFSも未到達
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1ヶ月前

【J Clin Oncol】未治療進行ALK陽性NSCLCへのロルラチニブ、5年mPFSも未到達

【J Clin Oncol】未治療進行ALK陽性NSCLCへのロルラチニブ、5年mPFSも未到達
Solomonらは、 未治療のALK融合遺伝子変異陽性進行非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 第3世代ALK阻害薬ロルラチニブの有効性および安全性について、 第III相オープンラベル無作為化比較試験CROWNで検証した。 同試験の追跡期間5年の結果、 ロルラチニブ投与群は既報に続き無増悪生存期間 (PFS) を改善し、 特に頭蓋内転移に対して顕著な有効性を示した。 本研究はJ Clin Oncolにて発表された。 

📘原著論文

Lorlatinib Versus Crizotinib in Patients With Advanced ALK-Positive Non-Small Cell Lung Cancer: 5-Year Outcomes From the Phase III CROWN Study. J Clin Oncol. 2024 Oct 10;42(29):3400-3409. doi: 10.1200/JCO.24.00581. Epub 2024 May 31. PMID: 38819031.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

ロルラチニブによるPFSは5年以上に及びました。 これはNSCLCだけでなく、 すべての転移性固形腫瘍において単剤の標的治療としての最長の記録とのことです。

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【CROWN】未治療進行ALK陽性NSCLCへのロルラチニブ、 5年時PFSも未到達で最長成績に

米国臨床腫瘍学会 (ASCO 2024)

目的

ALK変異NSCLCに対するロルラチニブの5年成績を検証

同試験の中間解析の結果、 ロルラチニブはクリゾチニブに比べ、 PFSを有意に改善し、頭蓋内に対しても有効であることが報告された¹⁾。

今回は、 同試験の追跡期間中央値60.2ヵ月における長期有効性および安全性が報告された。

研究デザイン

ロルラチニブの長期有効性・安全性を評価

未治療のALK陽性進行NSCLC患者296例を、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けた。

  • ロルラチニブ群 : 149例
ロルラチニブ100mgを1日1回投与
  • クリゾチニブ群 : 147例
クリゾチニブ250mgを1日2回投与

主要評価項目は盲検化独立中央評価委員会 (BICR) 評価に基づくPFS、 副次評価項目は頭蓋内病勢進行までの期間等が設定された。

本研究では、 担当医評価による最新の有効性、 安全性およびバイオマーカー分析の結果が示された。

研究結果

PFSは5年時も中央値未到達で有意に改善

PFSの追跡期間中央値は、 ロルラチニブ群が60.2ヵ月、 クリゾチニブ群が55.1ヵ月だった。

PFS中央値はそれぞれ未到達 (95%CI 64.3ヵ月-NR)、 9.1ヵ月 (同7.4-10.9ヵ月)、 HR 0.19 (同0.13-0.27) と、 5年時PFSもロルラチニブ群で有意な改善を示した。

5年PFS率はそれぞれ60% (95%CI 51-68%) および8% (同3-14%) だった。

頭蓋内病勢進行は顕著に改善

頭蓋内病勢進行までの期間中央値は、 ロルラチニブ群が未到達 (95%CI NR-NR)、 クリゾチニブ群が16.4ヵ月 (同12.7-21.9ヵ月)、 HR 0.06 (同0.03-0.12) と、 ロルラチニブ群で長かった。

安全性シグナルやALK変異は示されず

安全性プロファイルは中間解析の結果と一貫していた。 また、 ロルラチニブ治療終了時に採取されたctDNAからは、 新たなALK変異は検出されなかった。

結論

ロルラチニブ単剤が最長のPFSを維持

Solomonらは 「5年間の追跡結果においても、 ロルラチニブ群におけるPFSは分子標的薬単剤療法の報告では最長の成績を維持しており、 クリゾチニブ群に比べて有意な改善を示した。また顕著な頭蓋内有効性を示した。 新たな安全性シグナルは示されなかった。 これらの結果は、 未治療のALK変異陽性進行NSCLCにおける分子標的薬単剤療法の新たな指標となる」 と報告した。

出典

1) N Engl J Med. 2020; 383: 2018-2029.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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