HOKUTO編集部
11日前

未治療の進行ALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)を対象に、ALK阻害薬のロルラチニブとクリゾチニブを比較した非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験CROWNの7年間の追跡データ(post hoc解析)が報告された。ロルラチニブ群の無増悪生存期間(PFS)中央値は7年を経てもなお未到達(NR)で、7年PFS率は55%だった。香港中文大学のTony S. Mok氏が発表した。同試験の詳細は、 Ann Oncol.誌2026年5月29日オンライン版¹⁾に掲載された。
ロルラチニブは血液脳関門を通過しCNSに到達するよう設計された第3世代ALK阻害薬で、既知の大半のALK耐性変異に活性を示す。CROWNの5年追跡では、ロルラチニブ群のPFS中央値が進行NSCLCで報告されたなかで最長のNRを示していた。開始24ヵ月以降にイベント発生率が低下したことを受け、7年時点の長期成績を定量化するため本解析が行われた。
未治療の進行ALK陽性NSCLC患者296例を、ロルラチニブ100mg1日1回(149例)またはクリゾチニブ250mg1日2回(147例)に1:1で無作為に割り付けた。本post hoc解析では、担当医評価による有効性、安全性、バイオマーカー解析が提示された。
なお両群間の正式な統計学的検定は実施されていない。データカットオフは2025年10月31日で、この時点でロルラチニブ群は149例中66例(44%)、クリゾチニブ群は142例中4例(3%)が投与を継続していた。
PFS追跡期間中央値はロルラチニブ群で83.0ヵ月(95%CI 81.2-86.3ヵ月)、クリゾチニブ群で77.2ヵ月(95%CI 36.8ヵ月-NE)だった。
PFS中央値は、 ロルラチニブ群でNR(95%CI 68.5ヵ月-NR)だったのに対し、 クリゾチニブ群では9.1ヵ月(95%CI 7.4-10.9ヵ月)であり、HRは0.19(95%CI 0.13-0.26)だった。
7年PFS率はロルラチニブ群55%(95%CI 46-63%)、クリゾチニブ群3%(同1-8%)で、PFSベネフィットはあらかじめ規定した全サブグループで一貫していた。
ロルラチニブ群で24ヵ月終了時点までPFSイベントがなかった患者では、7年時点で無増悪生存している確率が79%と推定された。
頭蓋内進行までの期間中央値はロルラチニブ群でNR(95%CI NR-NR)、クリゾチニブ群で16.4ヵ月(95%CI 12.7-21.9ヵ月)で、HRは0.06(95%CI 0.03-0.12)だった。
ロルラチニブ群では最初の30ヵ月以降に新規の頭蓋内進行イベントは発生しなかった。なお全生存期間(OS)はプロトコル規定の解析に必要なイベント数に未到達で、追跡が継続中であるという。
安全性プロファイルは5年成績と一貫していた。
因果関係を問わないGrade3/4の有害事象(AE)
は、 ロルラチニブ群77%、 クリゾチニブ群57%に認められ、 ロルラチニブ群では5年解析以降の増加はみられなかった。 治療関連AE(TRAE)による恒久的投与中止はロルラチニブ群5%、 クリゾチニブ群6%で、 ロルラチニブ群の中止例はいずれも投与開始後26ヵ月以内に発生しており、 それ以降の新たな中止は認められなかった。 ロルラチニブ群では34%で減量が行われたが(1回減量17%、 2回減量17%)、 減量の有無によらず長期有効性は同等だった。
Mok氏は、7年解析の結果からロルラチニブ単剤が全身および頭蓋内の双方で治療期間全体にわたり持続的に病勢を制御でき、相当数の患者で進行ALK陽性NSCLCを慢性疾患へと変える可能性を持つと総括した。長期追跡では追加のPFSイベントはごくわずかで、新規の頭蓋内進行も治療関連中止もみられなかった。
1) Ann Oncol. 2026年5月29日オンライン版
【JTO】ロルラチニブはNSCLCアジア人にも有効、 5年mPFSは未到達: CROWN事後解析
ASCO、 NSCLCガイドライン 「EGFR以外の変異・転座陽性例への推奨レジメンは?」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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