海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Wuらは、 進行ALK陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) の1次治療に用いるロルラチニブ単独投与とクリゾチニブ単独投与の有効性と安全性を比較した第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験CROWNについて、 5年追跡後のアジア人における事後サブグループ解析を実施した。 その結果、 ロルラチニブ単独投与の有効性と安全性は全体集団の結果と一致しており、 ロルラチニブによる5年時PFS中央値は未到達であった。 研究結果はJ Thorac Oncol誌に発表された。
"As this study is a post hoc analysis, the results are descriptive in nature with no statistical comparisons performed"として、 記述形式で全体をまとめています。
未治療進行ALK陽性NSCLCへのロルラチニブ、 5年mPFSも未到達
第3世代のALK阻害薬ロルラチニブ単独投与は、 未治療の進行ALK陽性NSCLC患者を対象とした第Ⅲ相試験CROWNで、 クリゾチニブ単独投与と比べて無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善したことが2020年に報告されている¹⁾。
今回の同研究では、 CROWN試験の5年間追跡結果について、アジア人患者の事後サブグループ解析を実施した。
進行ALK陽性NSCLCのアジア人患者120例が以下の2群に1 : 1で割り付けられた。
治験担当医師による有効性、 安全性、およびバイオマーカーについて事後解析が実施された。
追跡期間中央値は、 ロルラチニブが62.4ヵ月、 クリゾチニブが55.1ヵ月であった。
無増悪生存期間 (PFS) 中央値はそれぞれ未到達 (95%CI 64.3ヵ月-NR) および9.2ヵ月 (95%CI 7.2-12.7ヵ月) であった (HR 0.22 [95%CI 0.13-0.37] )。
5年PFS率、 客観的奏効率 (ORR)、 ベースライン時に脳転移を有する患者の頭蓋内 (IC) ORR、 IC病勢進行までの期間中央値はそれぞれ以下のとおりであった。
5年PFS率
客観的奏効率 (ORR)
ベースライン時に脳転移を有する患者の頭蓋内 (IC) ORR
IC病勢進行までの期間中央値
安全性プロファイルは全集団と一致していた。
著者らは 「CROWN試験の5年間追跡後、 アジア人サブグループでのロルラチニブ単独投与の有効性および安全性は、 既知の全集団の結果と一致しており、 ロルラチニブによる5年時点のPFS中央値は未到達であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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