寄稿ライター
6日前

医局ウォッチャーこと、 コアライ ミナトです。 今回のテーマは、 【医局長の苦労話】です。
先日、 元医局長のA先生とお酒を飲む機会がありました。 いろいろと質問させていただいたので、 今回はその内容をインタビュー形式でご紹介します。
コアライ (以下、 K) : 医局長へはいつ頃、 どういった経緯で就任したんですか?
A先生 (以下、 A) : 今から15~20年くらい前かな。 40代の頃だね。 その世代の人が持ち回りで務めるんだけど、 最終的には教授の意向で決まる感じかな。
K : 医局長の仕事って、 どんなものがあるんですか?
A : ちょこちょこ雑務はあるけど、 やっぱり一番大きいのは人事かな。

K : 人事を決める際は、 ご苦労もありましたか?
A : 20年くらい前は、 「医局院が自分の希望を強く主張する」 とか、 「人事を断る」 みたいなことが起こり始めた、 ちょうど過渡期だったように思うんだよね。 最近はそれが当たり前でしょう。 逆に30~40年間はそういうことは少なくて。 「そういえば、 一人断った人がいたな」 って印象に残っているくらい。
K : もしかして、 先生が決めた人事で、 医局を辞めていった人も……?
A : まぁ、 ね。
K : 最近の 「医局員が希望を強く言う」 ような状況について、 どう感じていますか?
A : 時代だよね。 医局が縮小して、 その一方で医局の外の世界が広がってきた。 今は、 医局員が医局を利用しているように感じることもあるかな。 「あのポストに就かせてくれるなら入局します」 ってね。

K : でも、 そういう約束って、 実際には空手形になってしまいませんか?
A : そう。 「来年からこの病院で」 という話ならまだしも、 「将来的にあそこで働きたい」 と言われてもね。 5年後、 10年後にその病院の希望者が何人いて、 ポストがいくつ空いているかなんて、 今の時点で計算できるわけがない。 教授がいつの間にか、 調子の良いことを言っちゃってることもあるし(苦笑)。
K : なんだか化かし合いですね。
A : そうそう。
A : でも、 医局員の立場が強くなったからといって、 希望が通りやすくなったり、 幸せになったりしたかというと、 そうでもない気がするんだよ。
K : というと?
A : 結局、 みんなが働きたい病院って集中するわけ。 でも、 そこのポストは限られている。 今も昔も、 「人気のポストを医局員同士で取り合っている」 という意味では、 変わらないんだよね。 医局側が人事に苦心するようになっただけで、 希望のポストに就ける確率が格段に上がったわけじゃない。 「就けなかったら辞める」 なんて言われたって、 ポスト数は決まっているわけだから。

K : もしかして、 医局員が希望を通すための労力って、 昔より増えてます?
A : みんな、 あの手この手で交渉してくるからね。 そういうのが苦手な人や、 「家庭の事情」 といった交渉材料があまりない人は、 厳しいかもしれない。 それに、 交渉して一時的に希望が通ったとしても、 その人だけがずっと良いポストって訳にもいかないし。
K : ある意味、 昔よりドロドロしてそうですね。 戦う相手が、 医局幹部から医局員同士に変わったというか。
A : そういうことかもね。
K : 医局長ってやっぱ大変だ~。 やって何か得することってないんですか?
A : まぁ、 ないよ。 ストレスで胃潰瘍ができたもの。
K:それを聞くと、医局長を引き受けるのも覚悟がいりますね。
医局幹部の立場からから見た 「人事の苦労や時代の変化」 について、 興味深い話が聞けました。
医局長って、 本当に心労が絶えなさそうですよね。 頭が下がる思いです。
さて、 今回は以上です。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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