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5ヶ月前

Hamedらは、 高齢の非ST上昇型心筋梗塞患者における侵襲的治療と保存的治療の比較検討のためのメタ解析を実施した。 その結果、 高齢患者では、 侵襲的治療と保存的治療で生存率は変わらなかった。 そして、 重篤な出血リスクにも差はないが、 侵襲的治療は再発性心筋梗塞、 虚血による再血行再建術のリスクを低下させた。 試験結果はJ Am Heart Assoc誌に発表された。
本研究では、 個別患者データを用いない試験レベルのメタ解析であること、 フレイルに関する情報の限定性、 経皮的冠動脈形成術 (PCI) 施行のばらつきなど複数の限界が記載されています。
非ST上昇型心筋梗塞に対する侵襲的治療と保存的治療を比較したこれまでの主要な臨床試験において、 高齢患者は十分に評価されてこなかった。
2024年9月までにMEDLINE、 Embase、 Cochraneデータベースを用いて、 70歳以上の非ST上昇型心筋梗塞患者を対象とした、 侵襲的治療と保存的治療に関する無作為化比較試験を検索し、 統計的レビューおよびメタ解析を実施した。
7件 (2,997例) の無作為化比較試験を解析対象とした。 対象患者の平均年齢は82.6歳であり、 加重平均追跡期間47.1ヵ月であった。 全死亡率は、 侵襲的治療群27.9%、 保存的治療群26.6%で、 両群で有意差は認められなかった (RR 1.05、 95%CI 0.94-1.18、 I²=0%)。
主要心血管有害事象は、 侵襲的治療群28.3%、 保存的治療群33.4%で、 侵襲的治療群で少ない傾向であるが、 統計的有意差は認められなかった (RR 0.82、 95%CI 0.68–1.00、 p=0.05、 I²=58%)。
侵襲的治療は、 再発性心筋梗塞、 虚血による再血行再建術のリスク低下と関連していた。 なお、 重篤な出血のリスク増加は認められなかった (RR 1.31、 95%CI 0.86–1.97)。
侵襲的治療によるリスク低下
なお、 心血管死亡、 急性脳血管イベント、 入院期間に両群で有意差はなかった。
著者らは、 「高齢の非ST上昇型心筋梗塞患者において、 侵襲的治療と保存的治療の間で生存率に有意差は認められなかった。 侵襲的治療は、 再発性心筋梗塞、 虚血による再血行再建術のリスク低下と関連しており、 かつ重篤な出血リスク増加はなかった。 これらは、 高齢の非ST上昇型心筋梗塞患者の治療意思決定を支援するうえで有用な知見である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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