寄稿ライター
24日前

前回は 「高配当株投資」 についてご紹介しましたが、 実際にどの企業を選べばいいのでしょう。 連載 「医師による医師のための財テク術」 第42回では、 見るべきポイントについて整理します。
結論から言うと、 「配当利回りが高い=良い企業」 とは限りません。
たとえば、 2025年11月時点で米国S&P500の中でも突出して高い配当利回りを示している企業の一つにLYBがあります。 表面上の配当利回りは脅威の12%ですが、 株価チャートを見ると、 株価の下落によって配当利回りが押し上げられていることが分かります。

同社は2012年以降、 増配を続けてきましたが、 直近では配当性向が100%を大きく超え、 利益以上の配当を支払っている状態です。 この状況が長く続くとは考えにくく、 減配となれば株価がさらに下落し、 大きな損失につながる可能性があります。
成長個別株 (グロース株) は会社の将来性を推測する必要がありますが、 高配当株投資では、 「なぜ高配当なのか」 を必ず確認する必要があります。
高配当を維持できるかどうかは、 決算を見ることである程度判断できます。

細かい分析を一から行う必要はなく、 証券会社の決算サマリーを見るだけでも十分です。 私自身は、 スマートフォンで確認しやすいことから、 moomoo証券のアプリをよく利用しています。
では、 高配当株を見る際に特に注目したいポイントを順に見ていきましょう。
当期純利益のうち、 どの程度を配当として支払っているかを示す指標です。
一般的な目安としては以下となります。
高配当であっても、 配当性向が極端に高い企業は注意が必要です。

配当金は、 会計上の利益ではなく 「現金」 から支払われます。 そのため、 フリーキャッシュフロー (FCF) の状況は非常に重要です。
純利益には、 減価償却費など実際には現金が動かない項目も含まれます。 一方、 FCFは営業活動による現金収支から投資による支出を差し引いたもので、 実際に企業が自由に使える現金を示します。
純利益が黒字でも、 大規模な設備投資が続けばFCFがマイナスになることは珍しくありません。 配当を安定して支払うためには、 FCFが安定してプラスであることが重要です。

高配当株投資である以上、 配当利回りは重要な指標です。 ただし、 一般的に7%を超える配当利回りは持続性に乏しく、 株価下落の結果であることが多いとされています。 こうした銘柄は、 減配やさらなる株価下落によって損失を被るリスクが高くなります。
持続性が高い配当利回りは、 3~5%程度が一つの目安でしょう。
日本企業では、 業績が悪化すると簡単に減配が行われるケースが多く見られます。 一方、 米国企業では配当の維持が経営者の責務とされ、 長期間にわたり増配を続けている企業が数多く存在します。

米国には、 50年以上連続増配を続ける 「配当王」 が55社、 25年以上連続増配の 「配当貴族」 も69社存在します。 これらの企業は、 リーマンショックなどの大きな経済ショックを乗り越えて株主還元を続けてきた実績があります。
一方、 日本の 「配当貴族」 銘柄は花王、 SPK、 三菱HCキャピタルの3社のみです。
もっとも、 連続増配だからといって絶対に安心というわけではありません。 AT&Tは36年連続増配を続けていましたが、 事業再編をきっかけに減配し、 株価は大きく下落しました。 配当の安定性にも限界があることは理解しておく必要があります。
ちなみに、 どれだけ連続増配をしているかは Dividend.comというサイトで簡単に調べることができます。
いかがでしたでしょうか。 今回のTake Home Messageは
次回は、 高配当株をETFで保有するという選択肢について考えていきたいと思います。


編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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