医師のための失敗しない成長株投資
著者

寄稿ライター

19日前

医師のための失敗しない成長株投資

医師のための失敗しない成長株投資
前回は、  「勝つ個別株」 を選び続けるのは極めて難しいという話をしました。 連載 「医師による医師のための財テク術」 第40回では、 成長個別株 (グロース株) をETF (上場投資信託) で保有するという選択肢について整理していきます。 
※本記事は筆者の個人的見解であり、 特定の投資成果を保証するものではありません。 投資は自己責任でお願いいたします。

>>前回 (連載第39回) はこちら

グロース株ETFという選択

ETF (上場投資信託) は、 特定の株価指数や債券指数などに連動するように設計された投資商品です。 その構成の基準となるのが 「ベンチマーク」 であり、 S&P500や日経平均のような大型指数から、 グロース株に特化した指数まで多岐にわたります。

総資産額が大きいETFほど利用者が多く、 流動性が高い傾向があります。 グロース株を集めたETFの中では、 ナスダック100に連動する 「QQQ」 が最も代表的で、 資産規模も他を大きく上回っています。

医師のための失敗しない成長株投資
写真はイメージです

ETFを使うメリットは、 上昇トレンドに乗っているグロース株を幅広く取り込みつつ、 衰退した銘柄が自動的に組み替えで外れる点です。 個別株のような 「大当たり」 を狙う難しさを回避しながら、 勝ち組企業の成長を享受できます。

一方で、 指数の一部として組み込まれるため、 個別株ほどの爆発的な上昇は期待しにくいというデメリットもあります。

代表的なグロース株ETFの成績

医師のための失敗しない成長株投資
【グラフ1】筆者提供

【グラフ1】は、 グロース株ETFの代表例と、 比較対象としてS&P500に連動する 「VOO」 の成績を比較したデータです。 すべてのETFがそろう2010年以降を比較すると、 値動きは概ね似ていますが、 QQQが最も高いリターンを示してきました。

ただし、 全期間でQQQが常に最強というわけではありません。 たとえば2022年はインフレ加速とFRBの大幅利上げを受け、 S&P500自体も-15%と厳しい一年でしたが、 グロース株ETFは軒並み-30%程度の下落となりました。

このように、 グロース株はマクロ環境の影響を受けやすく、 下落時の振れ幅も大きいことには注意が必要です。 「長期で見れば報われやすいが、 短期では大きく揺れる」 ――これが典型的な特徴です。

医師のための失敗しない成長株投資
写真はイメージです

ちなみに2020年には、 QQQの 「低価格版」 としてQQQMが登場しました。

両者は同じ指数に連動しますが、 いくつか違いがあります。

  • QQQMの特徴
  • 価格がQQQの約4割で買いやすい
  • 経費率が15%と低めで、 長期保有には有利
  • QQQの特徴
  • 流動性が高く、 1日の売買成立数はQQQMの約30倍
  • 機関投資家にとって、 大きな資金を出し入れしやすい
  • 日本のネット証券では買付手数料無料の対象になりやすい (QQQMは対象外)

特に10年以内の売買を想定するなら、 手数料面ではQQQが有利です。 一方で、 長期積立・中小単位での買付を重視するならQQQMも有力な選択肢となります。

グロース株のアクティブファンドは?

ここまでは、 インデックスに連動するグロース株ETFを紹介しました。 では、 ファンドマネージャーが銘柄選択を行い、 市場平均を上回ることを狙うアクティブファンドはどうでしょうか。

代表例として、 一時期大きく話題になった 「ARKK」 があります。 “破壊的イノベーション”をテーマに、 将来性のあるグロース企業に集中投資するファンドで、 経費率0.75%と高コストながら、 QQQを上回る驚異的なリターンを叩き出していた時期もありました【グラフ2】

医師のための失敗しない成長株投資
【グラフ2】筆者提供

このブームを追って海外口座を開設した日本人投資家も多くいました。

しかし、 2022年の急速な利上げ局面で状況は一変します。 ARKKが多く保有していた 「利益はまだ出ていないが、 将来化ける可能性がある企業」 は、 グロース株の中でも特に金利上昇の影響を受けやすく、 株価は急落。 その結果、 解約が相次ぎ、 流動性の低い中小型株を大量に売却せざるを得なくなり、 さらなる株価下落を招く悪循環に陥りました。

アクティブファンドは短期では好成績を残すものもありますが、 期間が長くなるほど指数に勝てなくなります。 実際、 10年スパンでS&P500に勝てるアクティブファンドは1割以下とされており、 信託報酬の高さが足枷になることも避けられません。

個人的には、 流行りに乗ってアクティブファンドへ資金を入れることはお勧めしていません。

Take Home Message

いかがでしたでしょうか。 今回のTake Home Messageは

  • グロース株ETFはAIブームの追い風もあり高いパフォーマンスを記録。 最も代表的なのはQQQ
  • グロース株のアクティブファンドも存在するが、 長期で指数に勝ち続けるのは極めて難しい

次回は、 より安定したリターンを狙う 「高配当株投資」 について考えていきたいと思います。

プロフィール

医師のための失敗しない成長株投資

HOKUTO関連コンテンツ

  1. 投資は研修医から始めるべし!その心得とは
  2. 投資よりも外勤しまくる方が稼げる?
  3. 医師はインフレに弱い? インフレ社会を生き抜く術とは
  4. インフレに弱い医師、絶対してはいけないこと
  5. 医師にオススメの投資銘柄は?
  6. 【医師必見】投資の王道 S&P500の欠点は?
  7. 医師必見! 暴落は敵か味方か
  8. 多忙な医師、株価の暴落を予見できるのか
  9. 医師の資産、どれだけ投資に回せばいいの?
  10. 骨にしみる痛税感…医師ができる節税は?
  11. 「赤字にして節税」 ってホントにいいの?
  12. 「借金は悪」 なのか…融資について考える
  13. 医師が勧誘される代表格 「ワンルームマンション投資」 ってどうなの?
  14. 医師必見!1Rマンションのキャッシュフローの罠
  15. 医師必見! 「1Rマンションで節税」に騙されてはいけない
  16. 「先生だけ特別に…」 は信じていい?
  17. 1Rマンション投資、 サブリース契約はあり?
  18. どうして1Rマンション投資がなくならないのか
  19. 筆者オススメ!1LDKマンション投資って? (前編)
  20. 筆者オススメ!1LDKマンション投資って? (後編)
  21. 中古アパート投資で一気に節税?
  22. 節税対策のはずが、 余計な税金を払うハメに…
  23. 【医師注目】不動産の 「一棟投資」 について考える
  24. 医師の投資、 地方の高利回り物件で一攫千金?
  25. 医師の投資、 NISAの注意点
  26. NISAをしてはいけない医師とは
  27. 医師NISA 徹底比較!
  28. 医師NISA、 適切な投資のタイミングは?
  29. 医師NISA、 一括投資と分割投資どちらがいいの?
  30. 医師NISA 「売り時」 っていつ?
  31. iDeCoで節税ってどうなの?
  32. 複雑怪奇!iDeCoの受け取り方の注意点
  33. 好調な日本株、 投資してもいい?
  34. 日米の企業力を比較しよう
  35. 医師に向いているのは日本株?米国株?
  36. 医師の投資、 為替リスクを深掘り解説!
  37. 医師の投資、 円高リスクを徹底検証
  38. 「医師×投資」 継続のコツ
  39. 【解説】医師が挑む成長株投資

医師のための失敗しない成長株投資

ポストのGif画像
医師のための失敗しない成長株投資の全コンテンツは、医師会員限定でアプリからご利用いただけます*。
*一部のコンテンツは非医師会員もご利用いただけます
臨床支援アプリHOKUTOをダウンロードしてご覧ください。
今すぐ無料ダウンロード!
こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
医師のための失敗しない成長株投資