【解説】医師が挑む成長株投資
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1ヶ月前

【解説】医師が挑む成長株投資

【解説】医師が挑む成長株投資
 「NISAはもうやっている、 もう一段階踏み込んだ投資にも挑戦したい」 と考えている先生も多いのではないでしょうか。 連載 「医師による医師のための財テク術」 の第39回では、 グロース株投資の特徴とリスクを整理し、 医師がどのようなスタンスで向き合うべきかを考えていきます。
※本記事は筆者の個人的見解であり、 特定の投資成果を保証するものではありません。 投資は自己責任でお願いいたします。

グロース株投資とは

グロース株投資とは、 売上成長率や利益率が高く、 今後も高い成長が期待できる企業に投資する手法です。 短期間に株価が2~3倍になることも珍しくなく、 中長期的には10倍、 100倍、 それ以上のリターンを狙える銘柄も存在します。 「株で大きなリターンを狙いたい」 という投資家にとって、 外せない領域といえるでしょう。

一方で、 こうした企業は稼いだ利益を次の投資に回し、 事業拡大を優先するため、 無配や低配当であることが多くなります。 株主の期待も高く、 株価収益率 (PER) が100倍を超えることも珍しくありません。 その分、 決算が市場の期待に届かなかったときには、 株価が急落しやすいという特徴があります。

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写真はイメージです

そのため、 決算内容やガイダンスが少しでもネガティブに受け取られると、 早めの利益確定や損切りが必要となります。 参考までにS&P500全体のPERは過去平均で15程度といわれており、 グロース株の水準がいかに高いかが分かります。

グロース株の代表例 : NVIDIA (NVDA)

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【グラフ1】筆者提供

グロース株の代表的な成功例として挙げられるのが、 半導体大手のエヌビディア (NVIDIA、 ティッカーNVDA) です。 同社は1993年に創業し、 1999年に1株12ドル程度 (株式分割を反映すると約0.04ドル) で上場しました。 その後、 時価総額は世界トップクラスとなり、 株価も上場時の5000倍以上に上昇しています。

【グラフ1】を見ると、 近年は右肩上がりにきれいに上昇しているように見えるかもしれません。 しかし、 その過程では50%を超える大幅な下落を何度も経験しています【表1】

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【表1】筆者提供

NVDAの株価が本格的に上昇し始めたのは2016年前後。 AI (人工知能)、 とくにディープラーニング分野におけるGPUの重要性が広く認知されたタイミングです。 しかし、 同社が 「ゲーマー向けGPU専業」 というイメージから脱却し、 高性能計算 (HPC) ・クラウド・AI・データセンターといった分野への本格投資を開始したのは2012年頃とされています。

つまり、 事業の方向転換と投資は数年前から始まっていたものの、 その間にも大きな株価下落が繰り返されており、 その都度 「この会社の未来」 を信じて株を持ち続けることは容易ではありませんでした。

「次のNVDA」 を見つける難しさ

現在のNVDAの株価水準から、 同じように5000倍を目指すことは現実的ではありません。 個別株で一攫千金を夢見るのであれば、 「次のNVDA」 になり得る企業を探さなければならないことになりますが、 これはプロ投資家にとっても簡単ではない作業です。

我々医師は、 本業が多忙であることが前提です。 診療の合間に膨大な情報を収集・分析し、 将来の成長銘柄を見極めて長期で保有し続ける、 という行為は、 現実的にはかなりハードルが高いといえるでしょう。

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写真はイメージです

また、 ある程度株価が上昇してくると、 「ここで一度利益確定しておきたい」 「次の暴落で利益が消えるのが怖い」 といった心理も働きます。 結果として、 長期で持ち続ける前に売却してしまい、 後から振り返ると 「大きな上昇の初動だけを取って終わった」 というパターンも起こりがちです。

一方で、 「宝くじを買う」 程度の感覚で、 ポートフォリオのごく一部をグロース株に振り向けることは可能です。 しかし、 その比率が小さい場合、 仮にその銘柄が10倍、 20倍になったとしても、 資産全体に与えるインパクトは限定的です。 「夢を見つつも、 全体の資産形成は別の軸で安定的に進める」 という割り切りが必要になります。

Take Home Message

いかがでしたでしょうか。 今回のTake Home Messageは

  • グロース株投資は、 大きなリターンを得られる可能性がある一方で、 決算などをきっかけに急落するリスクも大きい
  • 代表的な成功例であるNVDAでさえ、 複数回の50%超の大暴落を経験しており、 そのたびに将来性を信じて保有し続けることは容易ではない

次回は、 今回の内容も踏まえつつ、 ETFを用いたグロース株投資の方法について考えていきたいと思います。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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