【KEYNOTE-045試験】膀胱癌に対するペムブロリズマブ
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HOKUTO編集部

1年前

【KEYNOTE-045試験】膀胱癌に対するペムブロリズマブ

【KEYNOTE-045試験】膀胱癌に対するペムブロリズマブ
プラチナ製剤併用化学療法後に再発または進行した局所進行性または転移性の尿路上皮癌患者において、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ投与の効果を、 化学療法群を対照に検証した第Ⅲ相比較試験KEYNOTE-045の結果より、 全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

原著論文

中間解析結果

Pembrolizumab as Second-Line Therapy for Advanced Urothelial Carcinoma. N Engl J Med. 2017 Mar 16;376(11):1015-1026. PMID: 28212060

▼追跡結果 (2年後)

Randomized phase III KEYNOTE-045 trial of pembrolizumab versus paclitaxel, docetaxel, or vinflunine in recurrent advanced urothelial cancer: results of >2 years of follow-up. Ann Oncol. 2019 Jun 1;30(6):970-976. PMID: 31050707

▼追跡結果 (5年後)

Efficacy and safety of pembrolizumab in metastatic urothelial carcinoma: results from KEYNOTE-045 and KEYNOTE-052 after up to 5 years of follow-up. Ann Oncol. 2023 Mar;34(3):289-299. PMID: 36494006

関連レジメン

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KEYNOTE-045試験の概要

対象

プラチナ製剤併用化学療法後に再発または進行した局所進行性または転移性の尿路上皮癌患者

方法

542例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • ペムブロリズマブ群 (270例)
ペムブロリズマブ200㎎を3週毎投与
  • 化学療法群 (272例)
治療担当医師が3剤よりいずれか1剤を選択。 ①パクリタキセル175mg/m²を3週毎投与、 ②ドセタキセル75mg/m²を3週毎に投与、 ③vinflunine* 320mg/m²を3週毎に投与。 
*日本国内に未承認のため、 日本では選択されなかった。

評価項目

  • 主要評価項目:OS、 無増悪生存期間 (PFS)
全集団、 PD-L1高発現集集団 (PD-L1 CPS (combined positive score) ≧10%、 PD-L1陽性、 PD-L1 CPS≧1%) 、 PD-L1陽性集団
  • 副次評価項目:奏効率 (ORR) 、 奏功期間 (DOR) 、 安全性

KEYNOTE-045試験の結果

患者背景

  • 両群で同様であった。
  • 化学療法群では、 84例にドセタキセル、 84例にパクリタキセル、 87例にvinflunineが投与された。
  • ペムブロリズマブ群74例、 化学療法群90例でPD-L1 CPS≧10であった。

OS中央値

全集団

  • ペムブロリズマブ群:10.1ヵ月
(95%CI 8.0-12.3ヵ月)
  • 化学療法群:7.2ヵ月
(95%CI 6.1-8.0ヵ月)
HR 0.71 (95%CI 0.59-0.86)

PD-L1高発現集団

  • ペムブロリズマブ群:8.0 ヵ月
(95%CI 5.0-12.3ヵ月)
  • 化学療法群:5.2ヵ月
(95%CI 4.0-7.4ヵ月)
HR 0.57 (95%CI 0.37-0.88)、 p=0.005

OS率 (1年時、 2年時、 3年時、 4年時)

  • ペムブロリズマブ群:44.2%、 26.9%、 20.7%、 16.7%
  • 化学療法群:29.8%、 14.3%、 11.0%、 10.1%

PFS中央値

全集団

  • ペムブロリズマブ群:2.1ヵ月
(95%CI 2.0-2.2ヵ月)
  • 化学療法群:3.3ヵ月
(95%CI 2.4-3.5ヵ月)
HR 0.95 (95%CI 0.79-1.14)

PD-L1高発現集団

HR 0.89 (95%CI 0.61-1.28)、 p=0.24

ORR

全集団

  • ペムブロリズマブ群:21.9%
(95%CI 17.1-27.3%)
  • 化学療法群:11.0%
(95%CI 7.6-15.4%)

DOR

  • ペムブロリズマブ群:29.7ヵ月
(95%CI 1.6-60.5ヵ月)
  • 化学療法群:4.4ヵ月
(95%CI 1.4-63.1ヵ月)

有害事象 (AE)

治療関連AE (グレード3以上) の発現率

  • ペムブロリズマブ群:16.9%
  • 化学療法群:50.2%

免疫治療関連のAEsまたはinfusion reactionは、 ペムブロリズマブ群で19.5%、 化学療法群で6.7%にみられ、 多くはGrade1-2であった。

著者らの結論

プラチナ製剤併用化学療法後に再発または進行した局所進行性または転移性の尿路上皮癌患者において、 ペムブロリズマブ投与は、 パクリタキセル、 ドセタキセル、 vinflunine投与と比較し、 PD-L1発現状態に関わらず、 OSを有意に延長させることが示唆された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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