寄稿ライター
4ヶ月前

日本株が好調です。 投資先として選択するか迷っている先生もいるのではないでしょうか。 連載 「医師による医師のための財テク術」 の第35回では、 インデックス投資について、 SP500とTOPIXを比較しながら日米比較をしていきましょう。
医師は多忙です。 個別企業の株をリサーチする暇がないため、 特定の株価指数 (インデックス) の値動きに連動させる 「インデックス投資」 を行うことが多いでしょう。 その際、 インデックスの 「質」 を比較することが重要です。
今回は、 米国企業を幅広く代表する約500の企業が組み込まれている 「S&P500」 と、 主に東証プライム市場の企業で構成する 「TOPIX」 (東証株価指数) を比較します。

S&P500の審査基準は厳格です。 四半期ごとに銘柄の入れ替えがあり、 落ち目の企業を外し、 急成長している企業を採用するなど、 常に新陳代謝が行われています。 一方、 TOPIXには銘柄の入れ替えはありません。

「質」 の観点からみると、 世界中の機関投資家が目安とし、 常に資金が流入し続けているS&P500の方が、 成長が見込めるといえます。
ちなみに、 S&P において、 成長力が高いハイテク業界の割合は3割を超えます。 TOPIXでは15%程度にとどまっており、 日本株が不利になる要因の一つです。

かつて、 日本株は金融機関が4割を保有し、 企業同士の株式持ち合いも多い構造でした。 しかしバブル崩壊後の株安で企業が株式を売却した結果、 外国人投資家が日本株の3割を保有し、 売買代金で6割を占めるほど外国人の影響力が強い市場となっています【図1の左】*¹⁾。
外国人投資家には日本経済を支えようという意識は希薄で、 短期的な売買を繰り返す傾向にあります。 彼らの動向一つで株価が大きく変動する上、 日本経済の成長性が低いと判断されると、 急速に資金を引き揚げられるリスクがあります。

日銀が東証プライム市場の時価総額の7%も保有していることもリスクです【図1の右】 *²⁾。 投資家ではなく日銀が市場を支えるという構図は 「官製相場」 として批判されています。
日銀も何とか売却したいと考えていますが、 規模が大きすぎて売るに売れない状況です。 日銀の売却に乗じて外国人投資が大規模な売りを加速させれば、 市場の暴落を招く可能性があります。

日本株の取引時間は午前9時~午後3時半です。 近年は取引時間の最後の5分間 (大引け) の売買が急拡大しており、 変動も大きいです。
この時間、 当然ながら我々日本の医師は仕事中で、 対応できないジレンマを抱えます。 一方、 米国株は日本時間の夜に動くので、 諦めて眠るしかありません。 こうした精神衛生上の観点からも、 本業がある我々は米国株のほうが扱いやすいといえるでしょう。
いかがでしたでしょうか。 本日のTake Home Messageは
となります。 次回は、 日米の為替が与える影響について考えたいと思います。


編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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