HOKUTO編集部
6日前

2026年5月29日~6月2日に米国・シカゴで米国臨床腫瘍学会年次総会 (ASCO 2026) が開催されました。
本稿では和歌山県立医科大学附属病院 呼吸器内科・腫瘍内科准教授の赤松弘朗先生に、 同会における肺癌領域の注目演題と、 発表内容から感じられた印象についてご解説いただきました。

ASCO 2026では肺癌領域から2題がPlenary Sessionに選ばれた一方で、 Oral Abstract Session・Poster Sessionともインパクトに欠ける内容が多かったと思います。
また中国から無限にでてくる新規薬剤については全員がやや食傷気味という雰囲気もあり、 それがPlenary Sessionに採択されたHARMONi-6試験に対する厳しいディスカッサントの意見とも共鳴していました。
実地臨床で最も大きなインパクトを与えたものはやはり未治療進行ALK陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象にロルラチニブとクリゾチニブを比較したCROWN試験の7年フォローアップであったと思います。
過去に類を見ない、 7年無増悪生存期間 (PFS) がまだ中央値に達していないというすさまじい結果だけでなく、 カプランマイヤー曲線がほぼ水平になっており、 最初の2年で無増悪であった患者の殆ど (79%) が7年時点でも無増悪を維持できていることが指摘されていました。
ロルラチニブ治療によってALK陽性肺癌は 「慢性疾患になった」 とまで言わしめた発表でした。
開発中の薬剤では、 やはり抗体薬物複合体 (ADC)が存在感を示していました。
EGFR/ALK陰性のPD-L1陽性 (TPS≧1%) 例を対象としたOptiTROP-Lung05試験では、TROP2標的ADCであるsacituzumab tirumotecan (sac-TMT) とペムブロリズマブの併用が、 ペムブロリズマブ単独に対しPFSを著明に延長しました (HR 0.35)。
小細胞肺癌 (SCLC) においては、 SEZ6 (seizure-related homolog 6) を標的としたADCであるABBV-706が有望な結果を示していました。
再発・難治SCLCを対象とした第I相試験において、 2次治療でABBV-706単剤療法 (推奨用量1.8 mg/kg) を受けた17例では、 客観的奏効率 (ORR) が 82%に達していました。
そのほか、 二重特異性T細胞誘導抗体タルラタマブについて、 脳転移に対する良好な効果も報告されていました。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。