HOKUTO編集部
16日前
II-IIIB期の切除可能な非小細胞肺癌 (NSCLC) に対する抗PD-1抗体ペムブロリズマブの術前化学療法への上乗せと術後の単独追加投与による有効性および安全性を検証した第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験KEYNOTE-671の日本人サブグループ解析結果が報告され、 全集団と同様にEFSやOSの改善が示された。聖マリアンナ医科大学病院呼吸器外科主任教授の佐治久氏が発表した。
KEYNOTE-671試験の全集団の解析において、 第1回中間解析(データカットオフ : 2022年7月29日)で主要評価項目の無イベント生存期間(EFS) が統計学的に有意に改善し、 第2回中間解析(データカットオフ : 2023年7月10日)では周術期治療としては初めて全生存期間 (OS) の改善も認められたことが、 昨年の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2023)で既に報告されている。
全集団と日本人集団、 および両群間でベースライン時の患者背景は概ね同様であったが、 全集団と比較して日本人集団ではIIIB期の割合が若干少なく、 日本人集団の両群間においてはプラセボ群に比べペムブロリズマブ群で扁平上皮癌の割合が多い傾向がみられた。
主要評価項目であるEFS中央値は以下のとおりで、 日本人集団においても全集団と同様に改善が認められた。
日本人集団
HR 0.62 (95%CI 0.33-1.19)
全集団
HR 0.59 (95%CI 0.48-0.72)
また3年EFS率は、 日本人集団において両群ともに全集団よりも良好な結果が示された。
日本人集団
全集団
主要評価項目であるOS中央値は以下のとおりで、 日本人集団においても全集団と同様に改善が認められた。
日本人集団
HR 0.87 (95%CI 0.34-2.20)
全集団
HR 0.72 (95%CI 0.56-0.93)、 p=0.0052
3年OS率も、 日本人集団では両群ともに全集団より良好な結果が示された。
日本人集団
全集団
安全性プロファイルは全集団と概ね同様だった。 日本人集団におけるGrade3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、 ペムブロリズマブ群の59%、 プラセボ群の47%に認められた。
Grade3以上の免疫介在性有害事象(imAE)はそれぞれ18%、 2%で、 いずれの群でも死亡に至る有害事象は認められなかった。
佐治氏は 「II-IIIB期の切除可能なNSCLCに対する周術期療法において、 KEYNOTE-671試験の全体集団と同様に、 日本人集団でもペムブロリズマブの術前化学療法への上乗せと術後の単独追加投与にてEFSやOSの改善が示された」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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