【Lancet】未治療進行期古典的HLへのBrECADD療法、 PFSを有意に改善
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海外ジャーナルクラブ

2ヶ月前

【Lancet】未治療進行期古典的HLへのBrECADD療法、 PFSを有意に改善

【Lancet】未治療進行期古典的HLへのBrECADD療法、 PFSを有意に改善
Borchmannらは、 未治療の進行期古典的ホジキンリンパ腫 (AS-cHL) を対象に、 PETガイド下でのCD30標的抗体薬物複合体ブレンツキシマブ ベドチン+エトポシド+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ダカルバジン+デキサメタゾン併用療法 (BrECADD) の有効性および安全性について、 第Ⅲ相国際共同非盲検前向き無作為化比較試験HD21で検討した。 その結果、 2サイクル後のPETガイド下BrECADDは標準治療に比べ優れた有効性と忍容性を示した。 本研究はLancetで発表された。 

📘原著論文

Assessing the efficacy and tolerability of PET-guided BrECADD versus eBEACOPP in advanced-stage, classical Hodgkin lymphoma (HD21): a randomised, multicentre, parallel, open-label, phase 3 trial. Lancet. 2024 Jul 3:S0140-6736(24)01315-1. PMID: 38971175

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

Lancet誌は5大医学雑誌の中で最もImpact Factorの高い雑誌で、 かつ民間の雑誌社が出版している唯一の雑誌で独特の個性があります。 今回も非劣性をベースに研究デザインし、 結果的に有効性を証明しています。

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【HD21】4年PFS率は94.3% : 未治療古典的HLへのPETガイド下ブレンツキシマブ ベドチン併用

HOKUTO編集部

研究の目的

より安全・有効なレジメンを検討

AS-cHLでは強化全身化学療法が用いられ、 最も高い1次治癒率を示すものの、 その代償として重篤な毒性が一生続く可能性がある。 本研究では、 新規レジメンであるBrECADDを用いて、 2サイクル投与後のPETガイド下治療のリスク対ベネフィット比の改善を目指した。

研究デザイン

60歳以下の新規診断例が対象

60歳以下で新規診断された成人AS-cHLの未治療患者を対象とし、 BrECADD群とeBEACOPP群に1 : 1の割合で2群に無作為に割り付けた。

  • BrECADD群:749例
ブレンツキシマブ ベドチン (1.8 mg/kg、 絶対用量最大180mgを0日目に静脈内投与) +エトポシド (150mg/m²を1~3日目に静脈内投与) +シクロホスファミド (1.250 mg/m²を1日目に静脈内投与) +ドキソルビシン (40mg/m²を1日目に静脈内投与) +ダカルバジン (250mg/m²を2~3日目に静脈内投与) +デキサメタゾン (40mg/m²を1~4日目に経口投与)
  • eBEACOPP群: 751例
エトポシド (200mg/m²を1~3日目に静脈内投与) +ドキソルビシン (35mg/m²を1日目に静脈内投与) +シクロホスファミド (1,250mg/m²を1日目に静脈内投与) を4サイクルまたは6サイクル (21日間隔) 実施し、 ブレオマイシン (10 mg/m²を8日目に静脈内投与) +ビンクリスチン (1~4mg/m²を8日目に静脈内投与)、 プロカルバジン (100mg/m²を1~7日目に経口投与)、 プレドニゾン (40mg/m²を1~14日目に経口投与)

両群とも、 当該レジメンを2サイクル投与後に中間PET/CT検査(PET2)で評価した。

PET陰性の場合は、 同じレジメンを2サイクル投与した。

PET陽性の場合は、同じレジメンを4サイクル投与後、 PET/CT検査(PET-EOT)で再評価。 その結果、 PET陰性の場合は経過観察、 PET陽性の場合は放射線療法 (30Gy) を実施した。

PFSは非劣性→優越性を検証

主要評価項目は忍容性*¹と有効性*²、 副次評価項目はPFSの優越性*³と全生存期間 (OS) とした。

*¹治療関連罹患率の改善
*²無増悪生存期間 (PFS) の非劣性
*³非劣性が確立された場合に、 追加試験として実施された。

研究結果

治療関連罹患率は有意に改善

  • BrECADD群 : 42%
  • eBEACOPP群 : 59%
相対リスク (RR) 0.72 (95%CI 0.65-0.80)、 p<0.0001

PFSにおける優越性を証明

追跡期間中央値

48ヵ月

PFSの中間解析でBrECADD群の非劣性が確認されたため、最終解析で優越性が検証された

4年PFS率

  • BrECADD群 : 94.3%
(95%CI 92.6-96.1)
  • eBEACOPP群 : 90.9%
(95%CI 88.7-93.1)
HR 0.66 (95%CI 0.45-0.97)、 p=0.035

OSは両群いずれも98%

4年OS率

  • BrECADD群 : 98.6%
(95%CI 97.7-99.5%)
  • eBEACOPP群 : 98.2%
(95%CI 97.2-99.3%)

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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