海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Borchmannらは、 未治療の進行期古典的ホジキンリンパ腫 (AS-cHL) を対象に、 PETガイド下でのCD30標的抗体薬物複合体ブレンツキシマブ ベドチン+エトポシド+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ダカルバジン+デキサメタゾン併用療法 (BrECADD) の有効性および安全性について、 第Ⅲ相国際共同非盲検前向き無作為化比較試験HD21で検討した。 その結果、 2サイクル後のPETガイド下BrECADDは標準治療に比べ優れた有効性と忍容性を示した。 本研究はLancetで発表された。
Lancet誌は5大医学雑誌の中で最もImpact Factorの高い雑誌で、 かつ民間の雑誌社が出版している唯一の雑誌で独特の個性があります。 今回も非劣性をベースに研究デザインし、 結果的に有効性を証明しています。
【HD21】4年PFS率は94.3% : 未治療古典的HLへのPETガイド下ブレンツキシマブ ベドチン併用
AS-cHLでは強化全身化学療法が用いられ、 最も高い1次治癒率を示すものの、 その代償として重篤な毒性が一生続く可能性がある。 本研究では、 新規レジメンであるBrECADDを用いて、 2サイクル投与後のPETガイド下治療のリスク対ベネフィット比の改善を目指した。
60歳以下で新規診断された成人AS-cHLの未治療患者を対象とし、 BrECADD群とeBEACOPP群に1 : 1の割合で2群に無作為に割り付けた。
両群とも、 当該レジメンを2サイクル投与後に中間PET/CT検査(PET2)で評価した。
PET陰性の場合は、 同じレジメンを2サイクル投与した。
PET陽性の場合は、同じレジメンを4サイクル投与後、 PET/CT検査(PET-EOT)で再評価。 その結果、 PET陰性の場合は経過観察、 PET陽性の場合は放射線療法 (30Gy) を実施した。
主要評価項目は忍容性*¹と有効性*²、 副次評価項目はPFSの優越性*³と全生存期間 (OS) とした。
相対リスク (RR) 0.72 (95%CI 0.65-0.80)、 p<0.0001
追跡期間中央値
48ヵ月
4年PFS率
HR 0.66 (95%CI 0.45-0.97)、 p=0.035
4年OS率
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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