薬剤情報
後発品
薬効分類胃酸分泌抑制薬 > プロトンポンプ阻害薬 (PPI)
一般名オメプラゾール10mg腸溶錠
薬価14.9
メーカー沢井製薬
最終更新2017年06月改訂(第18版)

用法・用量

1.胃潰瘍、吻合部潰瘍、十二指腸潰瘍、Zollinger−Ellison症候群:オメプラゾールとして1日1回20mgを経口投与する。なお、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間までの投与、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

2.逆流性食道炎:オメプラゾールとして1日1回20mgを経口投与し、なお、8週間までの投与とする。更に再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1日1回10〜20mgを経口投与する。

3.非糜爛性胃食道逆流症:オメプラゾールとして1日1回10mgを経口投与し、なお、4週間までの投与とする。

4.ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助:オメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。但し、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、オメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

効能・効果

1.胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群。

2.次記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎。

効能・効果(補足)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合:

1.進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。

2.特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行う。

3.早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。

4.ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であることを確認及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状(血管浮腫、気管支痙攣等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

2).汎血球減少症、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少:汎血球減少症、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

3).劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全:劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

4).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

5).視力障害:視力障害が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

6).間質性腎炎、急性腎不全:間質性腎炎、急性腎不全が現れることがあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

7).低ナトリウム血症:低ナトリウム血症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

8).間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

9).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、このような場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

10).錯乱状態:譫妄、異常行動、失見当識、幻覚、不安、焦燥、攻撃性等が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用

1).胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合:

(1).過敏症[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒感、多形紅斑、光線過敏症[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。

(2).消化器[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)下痢・軟便、便秘、悪心、嘔吐、鼓腸放屁、腹部膨満感、カンジダ症、口渇、腹痛、口内炎、舌炎、顕微鏡的大腸炎(collagenous colitis、lymphocytic colitis)。

(3).肝臓[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇。

(4).血液[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)白血球数減少、血小板数減少、貧血。

(5).精神神経系[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)頭痛、眠気、しびれ感、眩暈、振戦、傾眠、不眠(不眠症)、異常感覚、うつ状態。

(6).その他[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)霧視、発熱、浮腫、女性化乳房、脱毛、倦怠感、関節痛、BUN上昇、クレアチニン上昇、尿酸上昇、トリグリセリド上昇、血清カリウム上昇、総コレステロール上昇、頻尿、味覚異常、動悸、月経異常、筋肉痛、発汗、筋力低下、低マグネシウム血症。

2).ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合:

(1).過敏症[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)発疹[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。

(2).消化器[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)下痢・軟便、味覚異常、口内炎、腹痛、食道炎、腹部膨満感、便秘、舌炎、悪心、口渇、十二指腸炎。

(3).肝臓[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)肝機能異常、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行なう]。

(4).血液[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)好酸球数増多、血小板数減少、貧血、白血球数増多、白血球分画異常[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行なう]。

(5).精神神経系[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)頭痛、しびれ感、眩暈、睡眠障害。

(6).その他[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)尿蛋白陽性、尿酸上昇、総コレステロール上昇、QT延長、発熱、倦怠感、カンジダ症、尿糖陽性、動悸、霧視。

禁忌

1.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。

2.アタザナビル硫酸塩投与中、リルピビリン塩酸塩投与中の患者。

慎重投与

1.薬物過敏症の既往歴のある患者。

2.肝障害のある患者[肝代謝性であり、血中濃度が高くなる恐れがある]。

3.高齢者。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.治療にあたっては、経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用にとどめる。また、血液像、肝機能、腎機能等に注意する。

2.再発の既往のない逆流性食道炎患者では、逆流性食道炎治癒後直ちに維持療法に移行せず、経過観察により、維持療法の必要性を判断する。

3.再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、経過観察(定期的な内視鏡検査等を含む)を十分行うとともに、次の事項に十分注意する。

1).再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、再発の既往歴、症状の程度等を考慮して維持療法の用量を選択する。

2).再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、緩解状態が良好に保たれていると判断された場合は休薬又は減量を考慮する。

3).再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、1日10mgの維持療法で再発が認められた場合は1日20mgで再治療を行い、治癒後の維持療法においても再発の既往歴、症状の程度等を考慮して用量を選択する(但し、1日20mgの維持療法で再発が認められた場合、あるいは予期せぬ体重減少、吐血、嚥下障害等の症状が認められた場合は、改めて内視鏡検査等を行い、その結果に基づいて他の適切な治療法に切り替えることを考慮する)。

4).再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、定期的に肝機能、腎機能、血液像等の検査を行うことが望ましい。

4.非糜爛性胃食道逆流症患者の治療を目的として本剤を投与する場合は、次の事項に十分注意する。

1).非糜爛性胃食道逆流症患者への投与に際しては問診により胸やけ、胃液逆流感等の酸逆流症状が繰り返しみられること(1週間あたり2日以上)を確認の上投与する。なお、本剤の投与が胃癌、食道癌等の悪性腫瘍及び他の消化器疾患による症状を隠蔽することがあるので、内視鏡検査等によりこれらの疾患でないことを確認する。

2).非糜爛性胃食道逆流症の治療については、投与開始2週後を目安として効果を確認し、症状の改善傾向が認められない場合には、酸逆流以外の原因が考えられるため他の適切な治療への変更を考慮する。

5.本剤をヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に用いる際には、除菌治療に用いられる他の薬剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認する。

相互作用

本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C19及び一部CYP3A4で代謝される。また、本剤の胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を上昇又は低下させることがある。

1.併用禁忌:

1).アタザナビル硫酸塩<経口><レイアタッツ>[アタザナビル硫酸塩の作用を減弱する恐れがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下することがある)]。

2).リルピビリン塩酸塩<経口><エジュラント>[リルピビリン塩酸塩の作用を減弱する恐れがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある)]。

2.併用注意:

1).ジアゼパム、フェニトイン、シロスタゾール[これらの薬剤の作用を増強することがある(本剤は主に肝臓のチトクロームP450系薬物代謝酵素CYP2C19で代謝されるため、本剤と同じ代謝酵素で代謝される薬物の代謝、排泄を遅延させる恐れがある)]。

2).ワルファリン[抗凝血作用を増強し出血に至る恐れがあるので、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等の血液凝固能の変動に十分注意しながら投与する(本剤は主に肝臓のチトクロームP450系薬物代謝酵素CYP2C19で代謝されるため、本剤と同じ代謝酵素で代謝される薬物の代謝、排泄を遅延させる恐れがある)]。

3).タクロリムス水和物[タクロリムスの血中濃度が上昇することがある(相互作用の機序は不明である)]。

4).ジゴキシン<経口>、メチルジゴキシン<経口>[これらの薬剤の作用を増強することがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある)]。

5).イトラコナゾール<経口>[イトラコナゾールの作用を減弱することがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりイトラコナゾールの溶解性が低下し、イトラコナゾールの血中濃度が低下することがある)]。

6).チロシンキナーゼ阻害剤<経口>(ゲフィチニブ<経口>、エルロチニブ<経口>)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりこれらの薬剤の溶解性が低下し、吸収が低下することがある)]。

7).ボリコナゾール[本剤のCmax及びAUCが増加したとの報告がある(ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP3A4)を阻害することが考えられる)]。

8).ネルフィナビルメシル酸塩[ネルフィナビルの血中濃度が低下する恐れがある(相互作用の機序は不明である)]。

9).サキナビルメシル酸塩[サキナビルの血中濃度が上昇する恐れがある(相互作用の機序は不明である)]。

10).クロピドグレル硫酸塩[クロピドグレル硫酸塩の作用を減弱する恐れがある(本剤がCYP2C19を阻害することにより、クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物の血中濃度が低下する)]。

11).セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する恐れがある(セイヨウオトギリソウが本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP3A4)を誘導することが考えられる)]。

12).メトトレキサート[メトトレキサートの血中濃度が上昇することがあるので、高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮する(相互作用の機序は不明である)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能、その他生理機能が低下していることが多いので、低用量から投与を開始するなど慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(ウサギ経口138mg/kg)で胎仔毒性(死亡吸収胚率増加)が報告されている]。

2.授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[動物実験(ラット経口5mg/kg)で、母乳中へ移行することが報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

過量投与

1.徴候、症状:オメプラゾールの過量投与により、悪心、嘔吐、眩暈、腹痛、下痢、頭痛等が報告されている。

2.処置:症状に応じて適切な処置を行う。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.服用時:本剤は腸溶錠であり、服用にあたっては、噛んだり、砕いたりせずに、飲みくだすよう患者に指導する。

2.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

安定性試験:PTP包装(PTPシートをアルミピロー包装(乾燥剤入り))したものを用いた加速試験(40℃75%RH、6カ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他の注意

1.ラットに1.7mg/kg以上を2年間経口投与した毒性試験で、胃にカルチノイドの発生がみられたとの報告がある。このカルチノイドの発生にはラットに種特異性が認められている。

2.本剤の長期投与中に良性胃ポリープを認めたとの報告がある。

3.本剤の投与が、胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認して投与する。

4.非糜爛性胃食道逆流症の治療において、食道内酸逆流の高リスクであると考えられる中高齢者、裂孔ヘルニアを合併する患者のいずれにも該当しない場合には本剤の治療効果が得られにくい可能性がある。

5.海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されており、特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。

6.海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。

7.ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意:オメプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C−尿素呼気試験の判定が偽陰性になる可能性があるため、13C−尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。

8.ラットに類薬であるランソプラゾール(50mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)及びクラリスロマイシン(160mg/kg/日)を併用投与した試験で、母動物での毒性増強とともに胎仔発育抑制増強が認められている。

オメプラゾール錠10mg「MED」
オメプラゾール錠10mg「MED」

オメプラゾール錠10mg「MED」

胃酸分泌抑制薬 > プロトンポンプ阻害薬 (PPI)
2017年06月改訂(第18版)
薬剤情報
後発品
薬効分類胃酸分泌抑制薬 > プロトンポンプ阻害薬 (PPI)
一般名オメプラゾール10mg腸溶錠
薬価14.9
メーカー沢井製薬
最終更新2017年06月改訂(第18版)

用法・用量

1.胃潰瘍、吻合部潰瘍、十二指腸潰瘍、Zollinger−Ellison症候群:オメプラゾールとして1日1回20mgを経口投与する。なお、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間までの投与、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

2.逆流性食道炎:オメプラゾールとして1日1回20mgを経口投与し、なお、8週間までの投与とする。更に再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1日1回10〜20mgを経口投与する。

3.非糜爛性胃食道逆流症:オメプラゾールとして1日1回10mgを経口投与し、なお、4週間までの投与とする。

4.ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助:オメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。但し、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、オメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

効能・効果

1.胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群。

2.次記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎。

効能・効果(補足)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合:

1.進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。

2.特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行う。

3.早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。

4.ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であることを確認及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1.重大な副作用(頻度不明)

1).ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状(血管浮腫、気管支痙攣等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

2).汎血球減少症、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少:汎血球減少症、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

3).劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全:劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

4).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

5).視力障害:視力障害が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

6).間質性腎炎、急性腎不全:間質性腎炎、急性腎不全が現れることがあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

7).低ナトリウム血症:低ナトリウム血症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

8).間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。

9).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、このような場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

10).錯乱状態:譫妄、異常行動、失見当識、幻覚、不安、焦燥、攻撃性等が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用

1).胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合:

(1).過敏症[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒感、多形紅斑、光線過敏症[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。

(2).消化器[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)下痢・軟便、便秘、悪心、嘔吐、鼓腸放屁、腹部膨満感、カンジダ症、口渇、腹痛、口内炎、舌炎、顕微鏡的大腸炎(collagenous colitis、lymphocytic colitis)。

(3).肝臓[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、γ−GTP上昇、LDH上昇。

(4).血液[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)白血球数減少、血小板数減少、貧血。

(5).精神神経系[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)頭痛、眠気、しびれ感、眩暈、振戦、傾眠、不眠(不眠症)、異常感覚、うつ状態。

(6).その他[胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非糜爛性胃食道逆流症、Zollinger−Ellison症候群の場合]:(頻度不明)霧視、発熱、浮腫、女性化乳房、脱毛、倦怠感、関節痛、BUN上昇、クレアチニン上昇、尿酸上昇、トリグリセリド上昇、血清カリウム上昇、総コレステロール上昇、頻尿、味覚異常、動悸、月経異常、筋肉痛、発汗、筋力低下、低マグネシウム血症。

2).ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合:

(1).過敏症[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)発疹[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。

(2).消化器[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)下痢・軟便、味覚異常、口内炎、腹痛、食道炎、腹部膨満感、便秘、舌炎、悪心、口渇、十二指腸炎。

(3).肝臓[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)肝機能異常、AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行なう]。

(4).血液[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)好酸球数増多、血小板数減少、貧血、白血球数増多、白血球分画異常[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行なう]。

(5).精神神経系[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)頭痛、しびれ感、眩暈、睡眠障害。

(6).その他[ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合]:(頻度不明)尿蛋白陽性、尿酸上昇、総コレステロール上昇、QT延長、発熱、倦怠感、カンジダ症、尿糖陽性、動悸、霧視。

禁忌

1.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。

2.アタザナビル硫酸塩投与中、リルピビリン塩酸塩投与中の患者。

慎重投与

1.薬物過敏症の既往歴のある患者。

2.肝障害のある患者[肝代謝性であり、血中濃度が高くなる恐れがある]。

3.高齢者。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.治療にあたっては、経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用にとどめる。また、血液像、肝機能、腎機能等に注意する。

2.再発の既往のない逆流性食道炎患者では、逆流性食道炎治癒後直ちに維持療法に移行せず、経過観察により、維持療法の必要性を判断する。

3.再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、経過観察(定期的な内視鏡検査等を含む)を十分行うとともに、次の事項に十分注意する。

1).再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、再発の既往歴、症状の程度等を考慮して維持療法の用量を選択する。

2).再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、緩解状態が良好に保たれていると判断された場合は休薬又は減量を考慮する。

3).再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、1日10mgの維持療法で再発が認められた場合は1日20mgで再治療を行い、治癒後の維持療法においても再発の既往歴、症状の程度等を考慮して用量を選択する(但し、1日20mgの維持療法で再発が認められた場合、あるいは予期せぬ体重減少、吐血、嚥下障害等の症状が認められた場合は、改めて内視鏡検査等を行い、その結果に基づいて他の適切な治療法に切り替えることを考慮する)。

4).再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法を目的として本剤を投与する場合は、定期的に肝機能、腎機能、血液像等の検査を行うことが望ましい。

4.非糜爛性胃食道逆流症患者の治療を目的として本剤を投与する場合は、次の事項に十分注意する。

1).非糜爛性胃食道逆流症患者への投与に際しては問診により胸やけ、胃液逆流感等の酸逆流症状が繰り返しみられること(1週間あたり2日以上)を確認の上投与する。なお、本剤の投与が胃癌、食道癌等の悪性腫瘍及び他の消化器疾患による症状を隠蔽することがあるので、内視鏡検査等によりこれらの疾患でないことを確認する。

2).非糜爛性胃食道逆流症の治療については、投与開始2週後を目安として効果を確認し、症状の改善傾向が認められない場合には、酸逆流以外の原因が考えられるため他の適切な治療への変更を考慮する。

5.本剤をヘリコバクター・ピロリの除菌の補助に用いる際には、除菌治療に用いられる他の薬剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認する。

相互作用

本剤は、主として肝代謝酵素CYP2C19及び一部CYP3A4で代謝される。また、本剤の胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を上昇又は低下させることがある。

1.併用禁忌:

1).アタザナビル硫酸塩<経口><レイアタッツ>[アタザナビル硫酸塩の作用を減弱する恐れがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下することがある)]。

2).リルピビリン塩酸塩<経口><エジュラント>[リルピビリン塩酸塩の作用を減弱する恐れがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある)]。

2.併用注意:

1).ジアゼパム、フェニトイン、シロスタゾール[これらの薬剤の作用を増強することがある(本剤は主に肝臓のチトクロームP450系薬物代謝酵素CYP2C19で代謝されるため、本剤と同じ代謝酵素で代謝される薬物の代謝、排泄を遅延させる恐れがある)]。

2).ワルファリン[抗凝血作用を増強し出血に至る恐れがあるので、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等の血液凝固能の変動に十分注意しながら投与する(本剤は主に肝臓のチトクロームP450系薬物代謝酵素CYP2C19で代謝されるため、本剤と同じ代謝酵素で代謝される薬物の代謝、排泄を遅延させる恐れがある)]。

3).タクロリムス水和物[タクロリムスの血中濃度が上昇することがある(相互作用の機序は不明である)]。

4).ジゴキシン<経口>、メチルジゴキシン<経口>[これらの薬剤の作用を増強することがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある)]。

5).イトラコナゾール<経口>[イトラコナゾールの作用を減弱することがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりイトラコナゾールの溶解性が低下し、イトラコナゾールの血中濃度が低下することがある)]。

6).チロシンキナーゼ阻害剤<経口>(ゲフィチニブ<経口>、エルロチニブ<経口>)[これらの薬剤の血中濃度が低下することがある(本剤の胃酸分泌抑制作用によりこれらの薬剤の溶解性が低下し、吸収が低下することがある)]。

7).ボリコナゾール[本剤のCmax及びAUCが増加したとの報告がある(ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP3A4)を阻害することが考えられる)]。

8).ネルフィナビルメシル酸塩[ネルフィナビルの血中濃度が低下する恐れがある(相互作用の機序は不明である)]。

9).サキナビルメシル酸塩[サキナビルの血中濃度が上昇する恐れがある(相互作用の機序は不明である)]。

10).クロピドグレル硫酸塩[クロピドグレル硫酸塩の作用を減弱する恐れがある(本剤がCYP2C19を阻害することにより、クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物の血中濃度が低下する)]。

11).セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する恐れがある(セイヨウオトギリソウが本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP3A4)を誘導することが考えられる)]。

12).メトトレキサート[メトトレキサートの血中濃度が上昇することがあるので、高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮する(相互作用の機序は不明である)]。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能、その他生理機能が低下していることが多いので、低用量から投与を開始するなど慎重に投与する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(ウサギ経口138mg/kg)で胎仔毒性(死亡吸収胚率増加)が報告されている]。

2.授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[動物実験(ラット経口5mg/kg)で、母乳中へ移行することが報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

過量投与

1.徴候、症状:オメプラゾールの過量投与により、悪心、嘔吐、眩暈、腹痛、下痢、頭痛等が報告されている。

2.処置:症状に応じて適切な処置を行う。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.服用時:本剤は腸溶錠であり、服用にあたっては、噛んだり、砕いたりせずに、飲みくだすよう患者に指導する。

2.薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

安定性試験:PTP包装(PTPシートをアルミピロー包装(乾燥剤入り))したものを用いた加速試験(40℃75%RH、6カ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

その他の注意

1.ラットに1.7mg/kg以上を2年間経口投与した毒性試験で、胃にカルチノイドの発生がみられたとの報告がある。このカルチノイドの発生にはラットに種特異性が認められている。

2.本剤の長期投与中に良性胃ポリープを認めたとの報告がある。

3.本剤の投与が、胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認して投与する。

4.非糜爛性胃食道逆流症の治療において、食道内酸逆流の高リスクであると考えられる中高齢者、裂孔ヘルニアを合併する患者のいずれにも該当しない場合には本剤の治療効果が得られにくい可能性がある。

5.海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されており、特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。

6.海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。

7.ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意:オメプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C−尿素呼気試験の判定が偽陰性になる可能性があるため、13C−尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。

8.ラットに類薬であるランソプラゾール(50mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)及びクラリスロマイシン(160mg/kg/日)を併用投与した試験で、母動物での毒性増強とともに胎仔発育抑制増強が認められている。

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