パーキンソン治療薬 > ドパミン受容体 (D2) 刺激薬
薬効分類 | パーキンソン治療薬 > ドパミン受容体 (D2) 刺激薬 |
一般名 | プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠 |
薬価 | 83.8円 |
メーカー | 沢井製薬 |
最終更新 | 2019年08月改訂(第2版) |
プラミペキソール塩酸塩水和物として1日量0.375mg1日1回食後経口投与からはじめ、2週目に1日量を0.75mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.75mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5〜4.5mg1日1回食後経口投与)を定める。なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えない。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤の投与は、少量から開始し、幻覚等の精神症状、消化器症状、血圧等の観察を十分に行い、慎重に維持量(標準1日量1.5〜4.5mg)まで増量する。
2.腎機能障害患者に対する投与法:腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスが30−50mL/min)には、治療開始1週間は本剤0.375mgを隔日投与し、増量が必要な場合には患者の状態(精神症状、消化器症状、血圧等)や腎機能に注意しながら慎重に1週間毎に0.375mgずつ漸増する(なお、最大1日量は2.25mgとする)。また、透析患者を含む高度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)に対しては状態を観察しながら速放錠である「プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg、同0.5mg」を慎重に投与する。
クレアチニンクリアランス≧50mL/minの場合:1日1回投与、初回投与量は0.375mg×1回/日、最大1日量は4.5mg(4.5mg×1回)。
50mL/min>クレアチニンクリアランス≧30mL/minの場合:治療開始1週間は隔日投与、その後は1日1回投与、初回投与量は0.375mg×1回を隔日投与、最大1日量は2.25mg(2.25mg×1回)。
3.本剤の1日1回食後投与は、できるだけ同じ時間帯に服用する。
パーキンソン病。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠が現れることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行う。
2).幻覚、妄想、譫妄、錯乱、激越:幻覚(主に幻視)、妄想、譫妄、錯乱、激越が現れることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行う。
3).抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行う。
4).悪性症候群:本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、意識障害、無動無言、高度筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗、血清CK上昇(血清CPK上昇)等が現れた場合には悪性症候群の症状である可能性があるため、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行う。
5).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意する。
6).肝機能障害:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、LDH上昇、γ−GTP上昇、総ビリルビン上昇等の肝機能障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).過敏症:(頻度不明)過敏症状。
2).皮膚:(頻度不明)皮膚そう痒症、発疹、多汗、脱毛症、アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、網状皮斑。
3).筋・骨格系:(頻度不明)筋痙縮、CK上昇(CPK上昇)、背部痛、筋肉疲労、筋力低下、筋骨格硬直、腰痛。
4).中枢・末梢神経系:(頻度不明)傾眠、浮動性眩暈、平衡障害、注意力障害、頭痛、過眠症、嗜眠、記憶障害、錯感覚、鎮静、振戦、ジスキネジー、オンオフ現象、回転性眩暈、体位性眩暈、パーキンソニズム増悪、ジストニア、知覚減退、失神、味覚消失、異常感覚、眩暈、緊張亢進、舌麻痺、運動過多、ミオクローヌス、声が出にくい。
5).自律神経系:(頻度不明)口内乾燥、起立性低血圧、高血圧、唾液増加。
6).感覚器:(頻度不明)霧視、視覚障害、複視、羞明、眼精疲労、苦味、眼のちらつき、視力低下。
7).精神神経系:(頻度不明)不眠、異夢、悪夢、病的性欲亢進、不穏、不安、強迫性購買、抑うつ気分、錯覚、気分変動、パニック発作、病的賭博、食欲亢進、食欲不振、早朝覚醒、過食(体重増加)、性欲減退、攻撃性、自殺念慮、失見当識、ねぼけ様症状、*薬剤離脱症候群(*無感情、*不安、*うつ、*疲労感、*発汗、*疼痛など)[*:異常が認められた場合には、投与再開又は減量前の投与量に戻すなど、適切な処置を行う]、神経過敏、気分高揚感、徘徊、暴食、健忘。
8).消化管:(頻度不明)悪心、便秘、腹部不快感、腹痛、消化不良、胃炎、嘔吐、体重減少、上腹部痛、腹部膨満、おくび、口内炎、イレウス、胃潰瘍、鼓腸放屁。
9).肝臓:(頻度不明)γ−GTP上昇。
10).内分泌:(頻度不明)プロラクチン低下、成長ホルモン上昇。
11).代謝:(頻度不明)脱水、血糖値上昇。
12).循環器:(頻度不明)低血圧、動悸、房室性期外収縮、心室性期外収縮、心拍不整。
13).泌尿器系:(頻度不明)尿閉、排尿頻回、勃起不全、尿蛋白陽性。
14).一般的全身障害:(頻度不明)末梢性浮腫、倦怠感、疲労感、脱力感、不快感、易刺激性、転倒、ほてり、口渇、胸痛、手がピリピリする。
15).呼吸器:(頻度不明)しゃっくり、呼吸困難、肺炎。
前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意する。
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、妊娠率低下、生存胎仔数減少及び出生仔体重低下が認められている]。
2.透析患者を含む高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者[副作用が発現しやすくなる恐れがある]。
3.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
1.幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往歴のある患者[症状が増悪又は発現しやすくなることがある]。
2.腎機能障害のある患者[副作用が発現しやすくなる恐れがあり、また、本剤は主に尿中に未変化体として排泄される]。
3.重篤な心疾患又はそれらの既往歴のある患者[副作用が発現しやすくなる恐れがある]。
4.低血圧症の患者[症状が悪化することがある]。
5.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意する。
2.特に投与初期には、眩暈、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧に基づく症状が見られることがあるので、本剤の投与は少量から開始し、血圧等の観察を十分に行い、また、これらの症状が発現した場合には、症状の程度に応じて、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行う。
3.本剤を他の抗パーキンソン剤と併用(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド)した場合、ジスキネジー増強、幻覚増強、錯乱増強等の副作用が増強することがあるので、これらの副作用が現れた場合には、他の抗パーキンソン剤又は本剤を減量又は投与を中止するとともに、本剤を他の抗パーキンソン剤と併用(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド)し、精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮する。
4.本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減する(急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがあり、また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛などの症状を特徴とする)が現れることがある)。
5.レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。また、患者及び家族等に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害の症状について説明する。
6.本剤の有効成分は、速放錠である「プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg、同0.5mg」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意する。また、「プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg、同0.5mg」から本剤へ切り替える場合には、翌日から切り替え可能であるが、十分に患者の状態を観察する。
本剤は、肝薬物代謝酵素チトクロームP−450による代謝をほとんど受けず、主に尿中に未変化体のまま排泄される。
併用注意:
1.カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤(シメチジン、アマンタジン塩酸塩)[ジスキネジー・幻覚等の副作用が増強することがあるので、このような場合には、本剤を減量する(カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤との併用により、双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある)]。
2.鎮静剤、アルコール[作用が増強する恐れがある(機序は明らかではないが、本剤との併用により作用増強の可能性が考えられる)]。
3.ドパミン拮抗剤(フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、メトクロプラミド、ドンペリドン)[本剤の作用が減弱する恐れがある(本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗する恐れがある)]。
4.抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド)[ジスキネジー・幻覚・錯乱等の副作用が増強することがある(相互に作用が増強することがある)]。
(高齢者への投与)
1.65歳以上の高齢者で非高齢者に比し、幻覚等の精神症状の発現率が高くなることがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する(幻覚等の精神症状が現れた場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行う)。
2.本剤は主に尿中に未変化体のまま排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しない[妊娠中の婦人に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。なお、動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、次のことが認められている]。
1).受胎能及び一般生殖能試験(Seg.1)(2.5mg/kg)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく妊娠率低下が認められている。
2).器官形成期投与試験(Seg.2)(1.5mg/kg)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく生存胎仔数減少が認められている。
3).周産期及び授乳期投与試験(Seg.3)(0.5mg/kg以上)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく出生仔体重低下が認められている。
2.授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる[ヒトにおいてプロラクチン分泌抑制することが報告されており、乳汁分泌抑制する可能性があり、なお、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
1.症状:本剤の過量投与により、悪心、嘔吐、過度の鎮静、運動過多、幻覚、激越、低血圧等の症状の発現が予想される。
2.処置:過量投与時、精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮し、また、胃洗浄、活性炭の使用、輸液の点滴静注、心電図モニター等の適切な処置とともに、一般的な支持療法も考慮する(なお、血液透析による除去は期待できない)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:
1.本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたりしないで、そのまま噛まずに服用するよう指導する[本剤の徐放性が失われ、過量投与となる恐れがある]。
2.PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
3.本剤は湿度の影響を受けやすいため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導する。
安定性試験:PTP包装(PTPシートをアルミピロー包装)したものを用いた加速試験(40℃75%RH、6カ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
ラットのがん原性試験(24カ月間混餌投与)において、2mg/kg/日以上の投与量で網膜変性増加が報告されている。但し、ヒトにおいて本剤を含む抗パーキンソン剤と網膜変性との関連性は認められなかったとの臨床試験成績が報告されている。
開封後は湿気を避けて保存する。
薬効分類 | パーキンソン治療薬 > ドパミン受容体 (D2) 刺激薬 |
一般名 | プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠 |
薬価 | 83.8円 |
メーカー | 沢井製薬 |
最終更新 | 2019年08月改訂(第2版) |
プラミペキソール塩酸塩水和物として1日量0.375mg1日1回食後経口投与からはじめ、2週目に1日量を0.75mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.75mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5〜4.5mg1日1回食後経口投与)を定める。なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えない。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤の投与は、少量から開始し、幻覚等の精神症状、消化器症状、血圧等の観察を十分に行い、慎重に維持量(標準1日量1.5〜4.5mg)まで増量する。
2.腎機能障害患者に対する投与法:腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスが30−50mL/min)には、治療開始1週間は本剤0.375mgを隔日投与し、増量が必要な場合には患者の状態(精神症状、消化器症状、血圧等)や腎機能に注意しながら慎重に1週間毎に0.375mgずつ漸増する(なお、最大1日量は2.25mgとする)。また、透析患者を含む高度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)に対しては状態を観察しながら速放錠である「プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg、同0.5mg」を慎重に投与する。
クレアチニンクリアランス≧50mL/minの場合:1日1回投与、初回投与量は0.375mg×1回/日、最大1日量は4.5mg(4.5mg×1回)。
50mL/min>クレアチニンクリアランス≧30mL/minの場合:治療開始1週間は隔日投与、その後は1日1回投与、初回投与量は0.375mg×1回を隔日投与、最大1日量は2.25mg(2.25mg×1回)。
3.本剤の1日1回食後投与は、できるだけ同じ時間帯に服用する。
パーキンソン病。
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).突発的睡眠:前兆のない突発的睡眠が現れることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行う。
2).幻覚、妄想、譫妄、錯乱、激越:幻覚(主に幻視)、妄想、譫妄、錯乱、激越が現れることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行う。
3).抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行う。
4).悪性症候群:本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱、意識障害、無動無言、高度筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗、血清CK上昇(血清CPK上昇)等が現れた場合には悪性症候群の症状である可能性があるため、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行う。
5).横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK上昇(CPK上昇)、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意する。
6).肝機能障害:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、LDH上昇、γ−GTP上昇、総ビリルビン上昇等の肝機能障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).過敏症:(頻度不明)過敏症状。
2).皮膚:(頻度不明)皮膚そう痒症、発疹、多汗、脱毛症、アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、網状皮斑。
3).筋・骨格系:(頻度不明)筋痙縮、CK上昇(CPK上昇)、背部痛、筋肉疲労、筋力低下、筋骨格硬直、腰痛。
4).中枢・末梢神経系:(頻度不明)傾眠、浮動性眩暈、平衡障害、注意力障害、頭痛、過眠症、嗜眠、記憶障害、錯感覚、鎮静、振戦、ジスキネジー、オンオフ現象、回転性眩暈、体位性眩暈、パーキンソニズム増悪、ジストニア、知覚減退、失神、味覚消失、異常感覚、眩暈、緊張亢進、舌麻痺、運動過多、ミオクローヌス、声が出にくい。
5).自律神経系:(頻度不明)口内乾燥、起立性低血圧、高血圧、唾液増加。
6).感覚器:(頻度不明)霧視、視覚障害、複視、羞明、眼精疲労、苦味、眼のちらつき、視力低下。
7).精神神経系:(頻度不明)不眠、異夢、悪夢、病的性欲亢進、不穏、不安、強迫性購買、抑うつ気分、錯覚、気分変動、パニック発作、病的賭博、食欲亢進、食欲不振、早朝覚醒、過食(体重増加)、性欲減退、攻撃性、自殺念慮、失見当識、ねぼけ様症状、*薬剤離脱症候群(*無感情、*不安、*うつ、*疲労感、*発汗、*疼痛など)[*:異常が認められた場合には、投与再開又は減量前の投与量に戻すなど、適切な処置を行う]、神経過敏、気分高揚感、徘徊、暴食、健忘。
8).消化管:(頻度不明)悪心、便秘、腹部不快感、腹痛、消化不良、胃炎、嘔吐、体重減少、上腹部痛、腹部膨満、おくび、口内炎、イレウス、胃潰瘍、鼓腸放屁。
9).肝臓:(頻度不明)γ−GTP上昇。
10).内分泌:(頻度不明)プロラクチン低下、成長ホルモン上昇。
11).代謝:(頻度不明)脱水、血糖値上昇。
12).循環器:(頻度不明)低血圧、動悸、房室性期外収縮、心室性期外収縮、心拍不整。
13).泌尿器系:(頻度不明)尿閉、排尿頻回、勃起不全、尿蛋白陽性。
14).一般的全身障害:(頻度不明)末梢性浮腫、倦怠感、疲労感、脱力感、不快感、易刺激性、転倒、ほてり、口渇、胸痛、手がピリピリする。
15).呼吸器:(頻度不明)しゃっくり、呼吸困難、肺炎。
前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意する。
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、妊娠率低下、生存胎仔数減少及び出生仔体重低下が認められている]。
2.透析患者を含む高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者[副作用が発現しやすくなる恐れがある]。
3.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
1.幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往歴のある患者[症状が増悪又は発現しやすくなることがある]。
2.腎機能障害のある患者[副作用が発現しやすくなる恐れがあり、また、本剤は主に尿中に未変化体として排泄される]。
3.重篤な心疾患又はそれらの既往歴のある患者[副作用が発現しやすくなる恐れがある]。
4.低血圧症の患者[症状が悪化することがある]。
5.高齢者。
(重要な基本的注意)
1.突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意する。
2.特に投与初期には、眩暈、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧に基づく症状が見られることがあるので、本剤の投与は少量から開始し、血圧等の観察を十分に行い、また、これらの症状が発現した場合には、症状の程度に応じて、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行う。
3.本剤を他の抗パーキンソン剤と併用(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド)した場合、ジスキネジー増強、幻覚増強、錯乱増強等の副作用が増強することがあるので、これらの副作用が現れた場合には、他の抗パーキンソン剤又は本剤を減量又は投与を中止するとともに、本剤を他の抗パーキンソン剤と併用(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド)し、精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮する。
4.本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減する(急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがあり、また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛などの症状を特徴とする)が現れることがある)。
5.レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。また、患者及び家族等に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害の症状について説明する。
6.本剤の有効成分は、速放錠である「プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg、同0.5mg」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意する。また、「プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg、同0.5mg」から本剤へ切り替える場合には、翌日から切り替え可能であるが、十分に患者の状態を観察する。
本剤は、肝薬物代謝酵素チトクロームP−450による代謝をほとんど受けず、主に尿中に未変化体のまま排泄される。
併用注意:
1.カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤(シメチジン、アマンタジン塩酸塩)[ジスキネジー・幻覚等の副作用が増強することがあるので、このような場合には、本剤を減量する(カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤との併用により、双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある)]。
2.鎮静剤、アルコール[作用が増強する恐れがある(機序は明らかではないが、本剤との併用により作用増強の可能性が考えられる)]。
3.ドパミン拮抗剤(フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、メトクロプラミド、ドンペリドン)[本剤の作用が減弱する恐れがある(本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗する恐れがある)]。
4.抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド)[ジスキネジー・幻覚・錯乱等の副作用が増強することがある(相互に作用が増強することがある)]。
(高齢者への投与)
1.65歳以上の高齢者で非高齢者に比し、幻覚等の精神症状の発現率が高くなることがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する(幻覚等の精神症状が現れた場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行う)。
2.本剤は主に尿中に未変化体のまま排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しない[妊娠中の婦人に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。なお、動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、次のことが認められている]。
1).受胎能及び一般生殖能試験(Seg.1)(2.5mg/kg)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく妊娠率低下が認められている。
2).器官形成期投与試験(Seg.2)(1.5mg/kg)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく生存胎仔数減少が認められている。
3).周産期及び授乳期投与試験(Seg.3)(0.5mg/kg以上)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく出生仔体重低下が認められている。
2.授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる[ヒトにおいてプロラクチン分泌抑制することが報告されており、乳汁分泌抑制する可能性があり、なお、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
1.症状:本剤の過量投与により、悪心、嘔吐、過度の鎮静、運動過多、幻覚、激越、低血圧等の症状の発現が予想される。
2.処置:過量投与時、精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮し、また、胃洗浄、活性炭の使用、輸液の点滴静注、心電図モニター等の適切な処置とともに、一般的な支持療法も考慮する(なお、血液透析による除去は期待できない)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:
1.本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたりしないで、そのまま噛まずに服用するよう指導する[本剤の徐放性が失われ、過量投与となる恐れがある]。
2.PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
3.本剤は湿度の影響を受けやすいため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導する。
安定性試験:PTP包装(PTPシートをアルミピロー包装)したものを用いた加速試験(40℃75%RH、6カ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
ラットのがん原性試験(24カ月間混餌投与)において、2mg/kg/日以上の投与量で網膜変性増加が報告されている。但し、ヒトにおいて本剤を含む抗パーキンソン剤と網膜変性との関連性は認められなかったとの臨床試験成績が報告されている。
開封後は湿気を避けて保存する。
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※ ご使用いただく際に、必ず最新の添付文書および安全性情報も併せてご確認下さい。