薬剤情報
後発品
薬効分類非麻薬性オピオイド系鎮痛薬
一般名ブプレノルフィン塩酸塩注射液
薬価177
メーカー大塚製薬
最終更新2023年02月改訂(第1版)

用法・用量

〈鎮痛を目的とする場合〉

術後、各種癌:通常成人には、ブプレノルフィンとして1回0.2mg〜0.3mg(体重当り4μg/kg〜6μg/kg)を筋肉内に注射する。なお、初回量は0.2mgとすることが望ましい。その後必要に応じて約6〜8時間毎に反復注射する。症状に応じて適宜増減する。

心筋梗塞症:通常成人には、ブプレノルフィンとして1回0.2mgを徐々に静脈内に注射する。症状に応じて適宜増減する。

〈麻酔補助を目的とする場合〉

通常成人には、ブプレノルフィンとして0.2mg〜0.4mg(体重当り4μg/kg〜8μg/kg)を麻酔導入時に徐々に静脈内に注射する。症状、手術時間、併用薬などに応じて適宜増減する。

効能・効果

1). 次記疾患並びに状態における鎮痛:術後、各種癌、心筋梗塞症。

2). 麻酔補助。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 呼吸抑制(1〜5%未満)、呼吸困難(頻度不明):呼吸抑制から呼吸不全、呼吸停止に至った症例が報告されている。呼吸抑制があらわれた場合、人工呼吸又は呼吸促進剤のドキサプラム塩酸塩水和物が有効である(ただし、心筋梗塞症にはドキサプラム塩酸塩水和物は投与しないこと)、ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩などの麻薬拮抗薬の効果は確実ではない。

11.1.2. 舌根沈下(頻度不明):手術後早期に舌根沈下による気道閉塞があらわれることがあるので、このような場合には気道確保等の適切な処置を行い、投与を中止すること。

11.1.3. ショック(頻度不明):顔面蒼白、呼吸困難、チアノーゼ、血圧降下、頻脈、全身発赤等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.4. せん妄、妄想(いずれも頻度不明)。

11.1.5. 依存性(頻度不明):長期の使用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与すること。長期使用後、急に投与を中止すると、不安、不眠、興奮、胸内苦悶、嘔気、振戦、発汗等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合は徐々に減量することが望ましい。

11.1.6. 急性肺水腫(頻度不明)。

11.1.7. 失神(頻度不明):血圧低下から失神に至った症例が報告されている。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 精神神経系:(5%以上)発汗、(1〜5%未満)めまい、頭痛・頭重感、(1%未満)眠気、軽度の多幸感、興奮、幻覚、抑うつ、(頻度不明)見当識障害、不安感、痙攣、しびれ、悪夢、健忘、意識障害、顔面蒼白、鎮静。

2). 循環器:(1%未満)顔面潮紅、血圧低下、動悸、熱感、不整脈、胸内苦悶、(頻度不明)徐脈、血圧上昇。

3). 消化器:(5%以上)嘔気、口渇、嘔吐、(1%未満)腹痛、(頻度不明)食欲不振、便秘、下痢、腸管運動障害。

4). 過敏症:(1%未満)発疹、そう痒感。

5). 肝臓:(頻度不明)総ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇。

6). 眼:(頻度不明)縮瞳、羞明感、視力異常。

7). その他:(1%未満)不快感、尿閉、発熱、倦怠感、悪寒、耳鳴、(頻度不明)脱力感、尿失禁。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重篤な呼吸抑制状態及び肺機能障害のある患者[呼吸抑制が増強されることがある]。

2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.4. 頭部傷害のある場合で意識混濁、脳に病変のある場合で意識混濁が危惧される患者[呼吸抑制や頭蓋内圧上昇を来すおそれがある]。

2.5. 頭蓋内圧上昇の患者[頭蓋内圧が更に上昇するおそれがある]。

2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

2.7. ナルメフェン塩酸塩水和物投与中の患者又はナルメフェン塩酸塩水和物投与中止後1週間以内の患者〔10.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 本剤を投与後、特に起立、歩行時に悪心、嘔吐、めまい、ふらつきなどの症状があらわれやすいので、投与後はできる限り安静にするように注意すること。特に、外来患者に投与した場合には十分に安静にした後、安全を確認して帰宅させること。

8.2. 眠気、めまい、ふらつき、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

8.3. 薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないように慎重に投与すること。

8.4. 用法及び用量の範囲で効果のない場合は、他の治療方法に切り替えること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 呼吸機能低下している患者:呼吸抑制があらわれることがある。

9.1.2. 胆道疾患のある患者:動物実験(イヌ)において高用量(0.1mg/kg i.v.以上)でOddi筋の収縮がみられる。

9.1.3. 麻薬依存患者:麻薬拮抗作用を有するため禁断症状を誘発するおそれがある。

9.1.4. 薬物依存の既往歴のある患者:薬物依存を生じることがある。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 腎機能低下している患者:作用が増強されるおそれがある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(代謝が遅延し、作用が増強されるおそれがある)〔2.3参照〕。

9.3.2. 肝機能低下<重篤な肝機能障害を除く>している患者:作用が増強されるおそれがある。

相互作用

本剤は、CYP3A4により代謝される〔16.4参照〕。

10.1. 併用禁忌:

ナルメフェン塩酸塩水和物<セリンクロ>〔2.7参照〕[ナルメフェン塩酸塩水和物はオピオイド受容体作動薬の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な本剤の用量が通常用量より多くなるおそれがある(緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に本剤の用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察し、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にはナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること)(μオピオイド受容体拮抗作用により、μオピオイド受容体作動薬に対して競合的に阻害する)]。

10.2. 併用注意:

1). 中枢性鎮痛剤(ペンタゾシン、エプタゾシン臭化水素酸塩等)[本剤の作用が増強することがあるので、併用が必要な場合は一方又は両方の投与量を減らすなど慎重に投与すること(本剤は中枢性鎮痛剤と同じオピオイドレセプターに作用するため)]。

2). ベンゾジアゼピン誘導体・その他の鎮静剤(ジアゼパム、ニトラゼパム、メダゼパム等)、中枢抑制剤(催眠剤等)(バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール等))、アルコール等[本剤の作用が増強することがあるので、併用が必要な場合は一方又は両方の投与量を減らすなど慎重に投与すること(ともに中枢神経抑制作用を有するため)]。

3). モルヒネ[本剤の作用が増強するおそれがあるので、併用が必要な場合は一方又は両方の投与量を減らすなど慎重に投与すること;また、本剤は高用量<8mg連続皮下投与>においてモルヒネの作用に拮抗するとの報告がある(本剤はモルヒネと同じオピオイドレセプターに作用するため、本剤の作用は、脳内オピオイドレセプターの飽和濃度に左右される)]。

4). MAO阻害剤[本剤の作用が増強するおそれがある(機序は不明であるが、本剤の代謝速度や生体アミンの変化が関係していると考えられている)]。

5). CYP3A4阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン、リトナビル、アタザナビル硫酸塩等)[本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること(本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。

6). CYP3A4誘導作用を有する薬剤(フェノバルビタール、リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)[本剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により本剤の血中濃度が低下するおそれがある)]。

7). セロトニン作動薬[セロトニン症候群の徴候及び症状(錯乱、せん妄、情緒不安、振戦、潮紅、発汗、高熱)があらわれるおそれがあるので、十分に注意し、これらの徴候や症状が認められた場合には、本剤と併用薬の両方あるいはいずれか一方の投与を中止するなど適切な処置を行うが、なお、セロトニン作動薬の急激な減量又は投与中止により離脱症状があらわれることがあるので注意すること(中枢のセロトニン作動活性を増強すると考えられる)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(外国において、妊娠中に本剤を大量に投与した患者から出生した新生児に禁断症状がみられたとの報告があり、また、動物実験(ラット)で難産、拙劣な哺育行動、出生仔生存率低下及び出生仔体重増加抑制が報告されている)〔2.6参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、悪心、嘔吐、縮瞳、鎮静、低血圧、呼吸抑制及び死亡に至るおそれがある。

13.2. 処置

過量投与時、呼吸抑制があらわれた場合、人工呼吸又は呼吸促進剤のドキサプラム塩酸塩水和物が有効である(ただし、心筋梗塞症にはドキサプラム塩酸塩水和物は投与しないこと)、ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩などの麻薬拮抗薬の効果は確実ではない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤投与時の注意

筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、次記の点に配慮すること。

・ 筋肉内注射時神経走行部位を避けるように注意して注射すること。

・ 筋肉内注射時、繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど注射部位をかえて行うこと。

・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

・ 筋肉内注射時、注射部位に疼痛、硬結をみることがある。

14.2. 薬剤調製時の注意

・ 他剤との混合注射は原則として避けること。

・ バルビタール系薬剤<注射液>と同じ注射筒を使用すると沈殿を生ずるので、同じ注射筒で混合しないこと。

(取扱い上の注意)

20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。

20.2. 医療外使用を防止するため、本品の保管管理には十分注意すること。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(保険給付上の注意)

本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回30日分を限度として投薬する。

レペタン注0.2mg
レペタン注0.2mg

レペタン注0.2mg

非麻薬性オピオイド系鎮痛薬
2023年02月改訂(第1版)
薬剤情報
後発品
薬効分類非麻薬性オピオイド系鎮痛薬
一般名ブプレノルフィン塩酸塩注射液
薬価177
メーカー大塚製薬
最終更新2023年02月改訂(第1版)

用法・用量

〈鎮痛を目的とする場合〉

術後、各種癌:通常成人には、ブプレノルフィンとして1回0.2mg〜0.3mg(体重当り4μg/kg〜6μg/kg)を筋肉内に注射する。なお、初回量は0.2mgとすることが望ましい。その後必要に応じて約6〜8時間毎に反復注射する。症状に応じて適宜増減する。

心筋梗塞症:通常成人には、ブプレノルフィンとして1回0.2mgを徐々に静脈内に注射する。症状に応じて適宜増減する。

〈麻酔補助を目的とする場合〉

通常成人には、ブプレノルフィンとして0.2mg〜0.4mg(体重当り4μg/kg〜8μg/kg)を麻酔導入時に徐々に静脈内に注射する。症状、手術時間、併用薬などに応じて適宜増減する。

効能・効果

1). 次記疾患並びに状態における鎮痛:術後、各種癌、心筋梗塞症。

2). 麻酔補助。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 呼吸抑制(1〜5%未満)、呼吸困難(頻度不明):呼吸抑制から呼吸不全、呼吸停止に至った症例が報告されている。呼吸抑制があらわれた場合、人工呼吸又は呼吸促進剤のドキサプラム塩酸塩水和物が有効である(ただし、心筋梗塞症にはドキサプラム塩酸塩水和物は投与しないこと)、ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩などの麻薬拮抗薬の効果は確実ではない。

11.1.2. 舌根沈下(頻度不明):手術後早期に舌根沈下による気道閉塞があらわれることがあるので、このような場合には気道確保等の適切な処置を行い、投与を中止すること。

11.1.3. ショック(頻度不明):顔面蒼白、呼吸困難、チアノーゼ、血圧降下、頻脈、全身発赤等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.4. せん妄、妄想(いずれも頻度不明)。

11.1.5. 依存性(頻度不明):長期の使用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、慎重に投与すること。長期使用後、急に投与を中止すると、不安、不眠、興奮、胸内苦悶、嘔気、振戦、発汗等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合は徐々に減量することが望ましい。

11.1.6. 急性肺水腫(頻度不明)。

11.1.7. 失神(頻度不明):血圧低下から失神に至った症例が報告されている。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 精神神経系:(5%以上)発汗、(1〜5%未満)めまい、頭痛・頭重感、(1%未満)眠気、軽度の多幸感、興奮、幻覚、抑うつ、(頻度不明)見当識障害、不安感、痙攣、しびれ、悪夢、健忘、意識障害、顔面蒼白、鎮静。

2). 循環器:(1%未満)顔面潮紅、血圧低下、動悸、熱感、不整脈、胸内苦悶、(頻度不明)徐脈、血圧上昇。

3). 消化器:(5%以上)嘔気、口渇、嘔吐、(1%未満)腹痛、(頻度不明)食欲不振、便秘、下痢、腸管運動障害。

4). 過敏症:(1%未満)発疹、そう痒感。

5). 肝臓:(頻度不明)総ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇。

6). 眼:(頻度不明)縮瞳、羞明感、視力異常。

7). その他:(1%未満)不快感、尿閉、発熱、倦怠感、悪寒、耳鳴、(頻度不明)脱力感、尿失禁。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 重篤な呼吸抑制状態及び肺機能障害のある患者[呼吸抑制が増強されることがある]。

2.3. 重篤な肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.4. 頭部傷害のある場合で意識混濁、脳に病変のある場合で意識混濁が危惧される患者[呼吸抑制や頭蓋内圧上昇を来すおそれがある]。

2.5. 頭蓋内圧上昇の患者[頭蓋内圧が更に上昇するおそれがある]。

2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

2.7. ナルメフェン塩酸塩水和物投与中の患者又はナルメフェン塩酸塩水和物投与中止後1週間以内の患者〔10.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 本剤を投与後、特に起立、歩行時に悪心、嘔吐、めまい、ふらつきなどの症状があらわれやすいので、投与後はできる限り安静にするように注意すること。特に、外来患者に投与した場合には十分に安静にした後、安全を確認して帰宅させること。

8.2. 眠気、めまい、ふらつき、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

8.3. 薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないように慎重に投与すること。

8.4. 用法及び用量の範囲で効果のない場合は、他の治療方法に切り替えること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 呼吸機能低下している患者:呼吸抑制があらわれることがある。

9.1.2. 胆道疾患のある患者:動物実験(イヌ)において高用量(0.1mg/kg i.v.以上)でOddi筋の収縮がみられる。

9.1.3. 麻薬依存患者:麻薬拮抗作用を有するため禁断症状を誘発するおそれがある。

9.1.4. 薬物依存の既往歴のある患者:薬物依存を生じることがある。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 腎機能低下している患者:作用が増強されるおそれがある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと(代謝が遅延し、作用が増強されるおそれがある)〔2.3参照〕。

9.3.2. 肝機能低下<重篤な肝機能障害を除く>している患者:作用が増強されるおそれがある。

相互作用

本剤は、CYP3A4により代謝される〔16.4参照〕。

10.1. 併用禁忌:

ナルメフェン塩酸塩水和物<セリンクロ>〔2.7参照〕[ナルメフェン塩酸塩水和物はオピオイド受容体作動薬の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な本剤の用量が通常用量より多くなるおそれがある(緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に本剤の用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察し、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にはナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること)(μオピオイド受容体拮抗作用により、μオピオイド受容体作動薬に対して競合的に阻害する)]。

10.2. 併用注意:

1). 中枢性鎮痛剤(ペンタゾシン、エプタゾシン臭化水素酸塩等)[本剤の作用が増強することがあるので、併用が必要な場合は一方又は両方の投与量を減らすなど慎重に投与すること(本剤は中枢性鎮痛剤と同じオピオイドレセプターに作用するため)]。

2). ベンゾジアゼピン誘導体・その他の鎮静剤(ジアゼパム、ニトラゼパム、メダゼパム等)、中枢抑制剤(催眠剤等)(バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール等))、アルコール等[本剤の作用が増強することがあるので、併用が必要な場合は一方又は両方の投与量を減らすなど慎重に投与すること(ともに中枢神経抑制作用を有するため)]。

3). モルヒネ[本剤の作用が増強するおそれがあるので、併用が必要な場合は一方又は両方の投与量を減らすなど慎重に投与すること;また、本剤は高用量<8mg連続皮下投与>においてモルヒネの作用に拮抗するとの報告がある(本剤はモルヒネと同じオピオイドレセプターに作用するため、本剤の作用は、脳内オピオイドレセプターの飽和濃度に左右される)]。

4). MAO阻害剤[本剤の作用が増強するおそれがある(機序は不明であるが、本剤の代謝速度や生体アミンの変化が関係していると考えられている)]。

5). CYP3A4阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン、リトナビル、アタザナビル硫酸塩等)[本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること(本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。

6). CYP3A4誘導作用を有する薬剤(フェノバルビタール、リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)[本剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により本剤の血中濃度が低下するおそれがある)]。

7). セロトニン作動薬[セロトニン症候群の徴候及び症状(錯乱、せん妄、情緒不安、振戦、潮紅、発汗、高熱)があらわれるおそれがあるので、十分に注意し、これらの徴候や症状が認められた場合には、本剤と併用薬の両方あるいはいずれか一方の投与を中止するなど適切な処置を行うが、なお、セロトニン作動薬の急激な減量又は投与中止により離脱症状があらわれることがあるので注意すること(中枢のセロトニン作動活性を増強すると考えられる)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(外国において、妊娠中に本剤を大量に投与した患者から出生した新生児に禁断症状がみられたとの報告があり、また、動物実験(ラット)で難産、拙劣な哺育行動、出生仔生存率低下及び出生仔体重増加抑制が報告されている)〔2.6参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

過量投与時、悪心、嘔吐、縮瞳、鎮静、低血圧、呼吸抑制及び死亡に至るおそれがある。

13.2. 処置

過量投与時、呼吸抑制があらわれた場合、人工呼吸又は呼吸促進剤のドキサプラム塩酸塩水和物が有効である(ただし、心筋梗塞症にはドキサプラム塩酸塩水和物は投与しないこと)、ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩などの麻薬拮抗薬の効果は確実ではない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤投与時の注意

筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、次記の点に配慮すること。

・ 筋肉内注射時神経走行部位を避けるように注意して注射すること。

・ 筋肉内注射時、繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど注射部位をかえて行うこと。

・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

・ 筋肉内注射時、注射部位に疼痛、硬結をみることがある。

14.2. 薬剤調製時の注意

・ 他剤との混合注射は原則として避けること。

・ バルビタール系薬剤<注射液>と同じ注射筒を使用すると沈殿を生ずるので、同じ注射筒で混合しないこと。

(取扱い上の注意)

20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。

20.2. 医療外使用を防止するため、本品の保管管理には十分注意すること。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(保険給付上の注意)

本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回30日分を限度として投薬する。

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