薬効分類 | セフェム系抗生物質 |
一般名 | セファゾリンナトリウム水和物注射用 |
薬価 | 346円 |
メーカー | LTLファーマ |
最終更新 | 2023年08月改訂(第2版) |
セファゾリンとして、通常、1日量成人には1g(力価)、小児には体重kg当り20〜40mg(力価)を2回に分けて緩徐に静脈内へ注射するが、筋肉内へ注射することもできる。
症状及び感染菌の感受性から効果不十分と判断される場合には、1日量成人1.5〜3g(力価)を、小児には体重kg当り50mg(力価)を3回に分割投与する。
症状が特に重篤な場合には、1日量成人5g(力価)、小児には体重kg当り100mg(力価)までを分割投与することができる。
また、輸液に加え、静脈内に点滴注入することもできる。
<注射液の調製法>
〈静脈内注射〉
静脈内注射の場合、本品を注射用水、生理食塩液又はブドウ糖注射液に溶解する。
〈筋肉内注射〉
筋肉内注射の場合、本品をリドカイン注射液(0.5w/v%)約2〜3mLに溶解する。
(用法及び用量に関連する注意)
筋肉内投与は、静脈内注射が困難等のやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。
敗血症、感染性心内膜炎、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、関節炎、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、眼内炎(全眼球炎を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎。
(効能又は効果に関連する注意)
〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
セファゾリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(0.1%未満):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。
11.1.2. アナフィラキシー(0.1%未満):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.3. アレルギー反応に伴う急性冠症候群(頻度不明)〔8.2参照〕。
11.1.4. 血液障害:汎血球減少、無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等)、溶血性貧血(初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)、血小板減少(初期症状:点状出血、紫斑等)(各0.1%未満)があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.5. 肝障害:黄疸(0.1%未満)、AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇(各0.1〜5%未満)等があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.6. 腎障害(0.1%未満):急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある〔8.5参照〕。
11.1.7. 大腸炎(0.1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8. 皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(各0.1%未満)があらわれることがあるので、発熱、頭痛、関節痛、皮膚紅斑・皮膚水疱や粘膜紅斑・粘膜水疱、皮膚緊張感・皮膚灼熱感・皮膚疼痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.9. 間質性肺炎、PIE症候群(各0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.10. 痙攣(頻度不明):腎不全の患者に大量投与すると、痙攣等の神経症状を起こすことがある。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、蕁麻疹、紅斑、(0.1%未満)そう痒、発熱、浮腫。
2). 血液:(0.1〜5%未満)顆粒球減少、好酸球増多。
3). 腎臓:(0.1〜5%未満)BUN上昇、(0.1%未満)血清クレアチニン上昇。
4). 消化器:(0.1〜5%未満)悪心、嘔吐、(0.1%未満)食欲不振、下痢。
5). 菌交代症:(0.1%未満)口内炎、カンジダ症。
6). ビタミン欠乏症:(0.1%未満)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
7). その他:(0.1%未満)頭痛、めまい、全身倦怠感。
副作用の発現頻度はセファメジン注射用及び筋注用の使用成績調査に基づき算出。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. 本剤によるショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること〔11.1.1−11.1.3参照〕。
8.2.1. 事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
8.2.2. 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.2.3. 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に、投与開始直後は注意深く観察する)。
8.3. 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.4参照〕。
8.4. 黄疸、AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。
8.5. 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.6参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)。
9.1.2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
9.1.3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者:観察を十分に行うこと(ビタミンK欠乏症状があらわれることがある)。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 高度腎障害のある患者:腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること(血中濃度が持続する)〔16.6.1参照〕。
10.2. 併用注意:
1). ワルファリンカリウム[ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがあるが、ただし、本剤に関する症例報告はない(腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある)]。
2). 利尿剤(フロセミド等)[腎障害が増強されるおそれがある(機序は明らかではないが、ラット、ウサギにおいて、腎障害が増強されるとの報告がある)]。
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
・ 生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。
・ ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することが報告されている)〔16.3.2参照〕。
低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
なお、低出生体重児、新生児では乳児、幼児等に比べて血清中濃度半減期が延長するとの報告がある〔16.6.2参照〕。
12.1. テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
12.2. 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 〈投与経路共通〉温度による溶解度の差により、澄明に溶解しない場合があるが、この場合は液量を増やすか温湯であたため澄明な溶液としてから使用すること。
[本品1g(力価)の溶解に必要な溶解液量]
1). 注射用水:10℃のとき4.1mL、15℃のとき3.5mL、20℃のとき2.7mL、25℃のとき2.6mL。
2). 生理食塩液:10℃のとき5.4mL、15℃のとき4.0mL、20℃のとき3.3mL、25℃のとき2.7mL。
3). リドカイン注射液(0.5w/v%):20℃のとき2.7mL、25℃のとき2.6mL。
14.1.2. 〈投与経路共通〉溶解後は室温又は冷蔵庫保存で48時間以内に使用すること。
14.1.3. 〈投与経路共通〉ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩、シメチジン、ファモチジン、アミノ糖系抗生物質と混合すると混濁することがある。
14.1.4. 〈静脈内注射〉静脈内注射の場合、本品1g(力価)の溶解には3〜3.5mL以上を使用すること。
14.1.5. 〈筋肉内注射〉筋肉内注射の場合、本品0.25g(力価)、0.5g(力価)の溶解には約2mLを使用し、本品1g(力価)の溶解には約3mLを使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 〈静脈内投与〉静脈内大量投与により、血管痛、血栓性静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するために注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
14.2.2. 〈筋肉内投与〉次記の点に注意すること。
・ 〈筋肉内投与〉筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わないこと。特に低出生体重児、新生児、乳児、小児には注意すること。
・ 〈筋肉内投与〉筋肉内投与時神経走行部位を避けること。
・ 〈筋肉内投与〉注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
・ 〈筋肉内投与〉筋注用に溶解した溶液は静脈内への注射は絶対に避けること。
・ 〈筋肉内投与〉注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | セフェム系抗生物質 |
一般名 | セファゾリンナトリウム水和物注射用 |
薬価 | 346円 |
メーカー | LTLファーマ |
最終更新 | 2023年08月改訂(第2版) |
セファゾリンとして、通常、1日量成人には1g(力価)、小児には体重kg当り20〜40mg(力価)を2回に分けて緩徐に静脈内へ注射するが、筋肉内へ注射することもできる。
症状及び感染菌の感受性から効果不十分と判断される場合には、1日量成人1.5〜3g(力価)を、小児には体重kg当り50mg(力価)を3回に分割投与する。
症状が特に重篤な場合には、1日量成人5g(力価)、小児には体重kg当り100mg(力価)までを分割投与することができる。
また、輸液に加え、静脈内に点滴注入することもできる。
<注射液の調製法>
〈静脈内注射〉
静脈内注射の場合、本品を注射用水、生理食塩液又はブドウ糖注射液に溶解する。
〈筋肉内注射〉
筋肉内注射の場合、本品をリドカイン注射液(0.5w/v%)約2〜3mLに溶解する。
(用法及び用量に関連する注意)
筋肉内投与は、静脈内注射が困難等のやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。
敗血症、感染性心内膜炎、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、関節炎、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、眼内炎(全眼球炎を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎。
(効能又は効果に関連する注意)
〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
セファゾリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(0.1%未満):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。
11.1.2. アナフィラキシー(0.1%未満):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.3. アレルギー反応に伴う急性冠症候群(頻度不明)〔8.2参照〕。
11.1.4. 血液障害:汎血球減少、無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等)、溶血性貧血(初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)、血小板減少(初期症状:点状出血、紫斑等)(各0.1%未満)があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.5. 肝障害:黄疸(0.1%未満)、AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇(各0.1〜5%未満)等があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.6. 腎障害(0.1%未満):急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある〔8.5参照〕。
11.1.7. 大腸炎(0.1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8. 皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(各0.1%未満)があらわれることがあるので、発熱、頭痛、関節痛、皮膚紅斑・皮膚水疱や粘膜紅斑・粘膜水疱、皮膚緊張感・皮膚灼熱感・皮膚疼痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.9. 間質性肺炎、PIE症候群(各0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.10. 痙攣(頻度不明):腎不全の患者に大量投与すると、痙攣等の神経症状を起こすことがある。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、蕁麻疹、紅斑、(0.1%未満)そう痒、発熱、浮腫。
2). 血液:(0.1〜5%未満)顆粒球減少、好酸球増多。
3). 腎臓:(0.1〜5%未満)BUN上昇、(0.1%未満)血清クレアチニン上昇。
4). 消化器:(0.1〜5%未満)悪心、嘔吐、(0.1%未満)食欲不振、下痢。
5). 菌交代症:(0.1%未満)口内炎、カンジダ症。
6). ビタミン欠乏症:(0.1%未満)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
7). その他:(0.1%未満)頭痛、めまい、全身倦怠感。
副作用の発現頻度はセファメジン注射用及び筋注用の使用成績調査に基づき算出。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. 本剤によるショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること〔11.1.1−11.1.3参照〕。
8.2.1. 事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
8.2.2. 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.2.3. 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に、投与開始直後は注意深く観察する)。
8.3. 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.4参照〕。
8.4. 黄疸、AST上昇、ALT上昇、Al−P上昇等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。
8.5. 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.6参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)。
9.1.2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
9.1.3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者:観察を十分に行うこと(ビタミンK欠乏症状があらわれることがある)。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 高度腎障害のある患者:腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること(血中濃度が持続する)〔16.6.1参照〕。
10.2. 併用注意:
1). ワルファリンカリウム[ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがあるが、ただし、本剤に関する症例報告はない(腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある)]。
2). 利尿剤(フロセミド等)[腎障害が増強されるおそれがある(機序は明らかではないが、ラット、ウサギにおいて、腎障害が増強されるとの報告がある)]。
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
・ 生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。
・ ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中へ移行することが報告されている)〔16.3.2参照〕。
低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
なお、低出生体重児、新生児では乳児、幼児等に比べて血清中濃度半減期が延長するとの報告がある〔16.6.2参照〕。
12.1. テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
12.2. 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 〈投与経路共通〉温度による溶解度の差により、澄明に溶解しない場合があるが、この場合は液量を増やすか温湯であたため澄明な溶液としてから使用すること。
[本品1g(力価)の溶解に必要な溶解液量]
1). 注射用水:10℃のとき4.1mL、15℃のとき3.5mL、20℃のとき2.7mL、25℃のとき2.6mL。
2). 生理食塩液:10℃のとき5.4mL、15℃のとき4.0mL、20℃のとき3.3mL、25℃のとき2.7mL。
3). リドカイン注射液(0.5w/v%):20℃のとき2.7mL、25℃のとき2.6mL。
14.1.2. 〈投与経路共通〉溶解後は室温又は冷蔵庫保存で48時間以内に使用すること。
14.1.3. 〈投与経路共通〉ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩、シメチジン、ファモチジン、アミノ糖系抗生物質と混合すると混濁することがある。
14.1.4. 〈静脈内注射〉静脈内注射の場合、本品1g(力価)の溶解には3〜3.5mL以上を使用すること。
14.1.5. 〈筋肉内注射〉筋肉内注射の場合、本品0.25g(力価)、0.5g(力価)の溶解には約2mLを使用し、本品1g(力価)の溶解には約3mLを使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 〈静脈内投与〉静脈内大量投与により、血管痛、血栓性静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するために注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
14.2.2. 〈筋肉内投与〉次記の点に注意すること。
・ 〈筋肉内投与〉筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わないこと。特に低出生体重児、新生児、乳児、小児には注意すること。
・ 〈筋肉内投与〉筋肉内投与時神経走行部位を避けること。
・ 〈筋肉内投与〉注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
・ 〈筋肉内投与〉筋注用に溶解した溶液は静脈内への注射は絶対に避けること。
・ 〈筋肉内投与〉注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
(保管上の注意)
室温保存。
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