薬効分類 | 下剤 > グリセリン製剤 |
一般名 | グリセリン浣腸 |
薬価 | 180.3円 |
メーカー | 帝國製薬 |
最終更新 | 2022年06月改訂(第1版) |
通常、1回1個を直腸内に注入する。なお、症状により適宜増減する。
便秘、腸疾患時の排便。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹等。
2). 消化器:(頻度不明)腹痛、腹鳴、腹部膨満感、直腸不快感、肛門部違和感・肛門部熱感、残便感等。
3). 循環器:(頻度不明)血圧変動。
2.1. 腸管内出血、腹腔内炎症のある患者、腸管穿孔又はそのおそれのある患者[腸管外漏出による腹膜炎の誘発、蠕動運動亢進作用による症状の増悪、グリセリンの吸収による溶血、腎不全を起こすおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 全身衰弱の強い患者[強制排便により衰弱状態を悪化させ、ショックを起こすおそれがある]。
2.3. 下部消化管術直後の患者[蠕動運動亢進作用により腸管縫合部の離解をまねくおそれがある]。
2.4. 吐気、嘔吐又は激しい腹痛等、急性腹症が疑われる患者[症状を悪化させるおそれがある]。
連用による耐性増大等のため効果が減弱し薬剤に頼りがちになることがあるので長期連用を避けること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 局所に炎症・創傷(腸管炎症・腸管創傷、肛門炎症・肛門創傷)のある患者:出血を促しグリセリンが吸収され溶血を、また、腎不全を起こすおそれがある〔2.1参照〕。
9.1.2. 腸管麻痺のある患者:蠕動運動亢進作用により腹痛等の症状を増悪させるおそれがある。
9.1.3. 重症硬結便のある患者:浣腸剤では十分な効果が得られず、腹痛等の症状を増悪させるおそれがある。
9.1.4. 重篤な心疾患のある患者:症状を増悪させるおそれがある。
少量から開始するなど慎重に投与すること(高齢者では過度の瀉下作用により体液量減少等をきたし、脱水等を起こすおそれがある)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(子宮収縮を誘発して流早産を起こすおそれがある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
乳児に投与する場合は慎重に投与すること(患児側の反応を十分に把握できない場合、過量投与に陥りやすい)。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与時の注意
14.1.1. 浣腸用にのみ使用すること。
14.1.2. 注入に際し、直腸粘膜を損傷することがあるので、慎重に挿入する(挿入時、損傷を起こし、出血がみられた場合、グリセリンが血管内に入り、溶血を起こすおそれがある)。
14.1.3. 患者の状態を観察しながら投与し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。
14.2. 薬剤交付時の注意
連続の使用を避け、1個を1回で使用し、使用残液は容器ごと廃棄すること。
(保管上の注意)
室温保存。
(本剤の使用方法)
本剤は薬液の完全密封構造になっている。使用の際は次記の方法に従い、使用する。詳細は、添付の「取り扱い方法と注意点」を参照する。
@. 姿勢:左側を下に横向きに寝て、ひざを軽くお腹の方に曲げ、やや前屈の姿勢をとる。
・ 正しい姿勢をとることで、腸のカーブしている部分の角度がゆるやかになり、チューブ挿入の際に腸を傷つける危険を軽減する。
立った状態での浣腸処置は危険なので行わない。
・ 立った状態では、お腹に圧力がかかることによって腸のカーブしている部分の角度が鋭角になり、チューブ挿入の際に腸を傷つけてしまうおそれがある。
A. 温度:袋ごとお湯(50℃未満)に入れ、体温程度に温める。
・ 体温より高い温度で注入するとやけどするおそれがあるので注意する。
・ チューブは折り曲げず、必ず袋ごと温める。
B. ストッパーの調節:ストッパーの先端を5〜7に合わせる。
・ 成人の場合、チューブ挿入の長さの目安は5〜7cmである。
肛門から約6〜7cm挿入すると、腸のカーブしている部分にぶつかる。そのため、7cmを超えてのチューブの挿入は危険である(設定したストッパー位置より深く挿入しないことが重要である)。
C. 開栓:チューブを上向きにして、アダプターを左右どちらかに1回転して開栓する。
・ アダプターを、曲げるようにして無理に回すと、液漏れをおこすことがあるので注意する。
・ アダプターの根元は強く押さえない。
・ アダプターは回しすぎてもはずれる心配はない。
D. キャップ:キャップを回しながらはずす。
・ キャップ内側の潤滑剤をチューブ先端全体に塗布できる。
・ キャップをつけたまま挿入すると、腸を傷つけるおそれがある。キャップのはずし忘れに注意する。
E. 挿入:初めにチューブの先端を持って1〜2cm挿入し、その後ストッパーを持ちながら、ゆっくり挿入する。
・ 挿入途中で抵抗を感じたり、不快感が生じた場合は、ただちに中止する。
・ 挿入に際して抵抗が感じられる場合には便や痔などに衝突している可能性がある。無理に挿入したり、勢いをつけて挿入すると、腸を傷つけたり、腸に穴をあけてしまったりする危険がある。
F. 注入:少しずつゆっくりと浣腸液を注入する。
・ 挿入・注入中は、大きく呼吸し、お腹の力を抜いてリラックスする。
・ 挿入・注入中に抵抗を感じたり、不快感が生じた場合には、ただちに中止し、医師に相談する。
G. 抜管:ストッパーを確認しながら、ゆっくりチューブを抜き取る。
・ 肛門部をティッシュ等で押さえ、便意が強まってから排便させるようにする。
H. 観察:チューブを抜き取った後、チューブとストッパーに血液の付着などが無いか確認する。
・ 通常、グリセリンは腸粘膜から吸収されることはないが、腸の粘膜が傷ついて傷口からグリセリン液が吸収されると、血液中の赤血球を破壊したり、腎臓に障害を起こしたりするおそれがある。
チューブやストッパーに血液が付着している場合、直腸粘膜が傷ついている可能性があるので、速やかに医師に相談する。
・ 排便に伴い血圧変動などで気分が悪くなることがあるので充分な観察が必要である。
薬効分類 | 下剤 > グリセリン製剤 |
一般名 | グリセリン浣腸 |
薬価 | 180.3円 |
メーカー | 帝國製薬 |
最終更新 | 2022年06月改訂(第1版) |
通常、1回1個を直腸内に注入する。なお、症状により適宜増減する。
便秘、腸疾患時の排便。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹等。
2). 消化器:(頻度不明)腹痛、腹鳴、腹部膨満感、直腸不快感、肛門部違和感・肛門部熱感、残便感等。
3). 循環器:(頻度不明)血圧変動。
2.1. 腸管内出血、腹腔内炎症のある患者、腸管穿孔又はそのおそれのある患者[腸管外漏出による腹膜炎の誘発、蠕動運動亢進作用による症状の増悪、グリセリンの吸収による溶血、腎不全を起こすおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 全身衰弱の強い患者[強制排便により衰弱状態を悪化させ、ショックを起こすおそれがある]。
2.3. 下部消化管術直後の患者[蠕動運動亢進作用により腸管縫合部の離解をまねくおそれがある]。
2.4. 吐気、嘔吐又は激しい腹痛等、急性腹症が疑われる患者[症状を悪化させるおそれがある]。
連用による耐性増大等のため効果が減弱し薬剤に頼りがちになることがあるので長期連用を避けること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 局所に炎症・創傷(腸管炎症・腸管創傷、肛門炎症・肛門創傷)のある患者:出血を促しグリセリンが吸収され溶血を、また、腎不全を起こすおそれがある〔2.1参照〕。
9.1.2. 腸管麻痺のある患者:蠕動運動亢進作用により腹痛等の症状を増悪させるおそれがある。
9.1.3. 重症硬結便のある患者:浣腸剤では十分な効果が得られず、腹痛等の症状を増悪させるおそれがある。
9.1.4. 重篤な心疾患のある患者:症状を増悪させるおそれがある。
少量から開始するなど慎重に投与すること(高齢者では過度の瀉下作用により体液量減少等をきたし、脱水等を起こすおそれがある)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(子宮収縮を誘発して流早産を起こすおそれがある)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
乳児に投与する場合は慎重に投与すること(患児側の反応を十分に把握できない場合、過量投与に陥りやすい)。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与時の注意
14.1.1. 浣腸用にのみ使用すること。
14.1.2. 注入に際し、直腸粘膜を損傷することがあるので、慎重に挿入する(挿入時、損傷を起こし、出血がみられた場合、グリセリンが血管内に入り、溶血を起こすおそれがある)。
14.1.3. 患者の状態を観察しながら投与し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。
14.2. 薬剤交付時の注意
連続の使用を避け、1個を1回で使用し、使用残液は容器ごと廃棄すること。
(保管上の注意)
室温保存。
(本剤の使用方法)
本剤は薬液の完全密封構造になっている。使用の際は次記の方法に従い、使用する。詳細は、添付の「取り扱い方法と注意点」を参照する。
@. 姿勢:左側を下に横向きに寝て、ひざを軽くお腹の方に曲げ、やや前屈の姿勢をとる。
・ 正しい姿勢をとることで、腸のカーブしている部分の角度がゆるやかになり、チューブ挿入の際に腸を傷つける危険を軽減する。
立った状態での浣腸処置は危険なので行わない。
・ 立った状態では、お腹に圧力がかかることによって腸のカーブしている部分の角度が鋭角になり、チューブ挿入の際に腸を傷つけてしまうおそれがある。
A. 温度:袋ごとお湯(50℃未満)に入れ、体温程度に温める。
・ 体温より高い温度で注入するとやけどするおそれがあるので注意する。
・ チューブは折り曲げず、必ず袋ごと温める。
B. ストッパーの調節:ストッパーの先端を5〜7に合わせる。
・ 成人の場合、チューブ挿入の長さの目安は5〜7cmである。
肛門から約6〜7cm挿入すると、腸のカーブしている部分にぶつかる。そのため、7cmを超えてのチューブの挿入は危険である(設定したストッパー位置より深く挿入しないことが重要である)。
C. 開栓:チューブを上向きにして、アダプターを左右どちらかに1回転して開栓する。
・ アダプターを、曲げるようにして無理に回すと、液漏れをおこすことがあるので注意する。
・ アダプターの根元は強く押さえない。
・ アダプターは回しすぎてもはずれる心配はない。
D. キャップ:キャップを回しながらはずす。
・ キャップ内側の潤滑剤をチューブ先端全体に塗布できる。
・ キャップをつけたまま挿入すると、腸を傷つけるおそれがある。キャップのはずし忘れに注意する。
E. 挿入:初めにチューブの先端を持って1〜2cm挿入し、その後ストッパーを持ちながら、ゆっくり挿入する。
・ 挿入途中で抵抗を感じたり、不快感が生じた場合は、ただちに中止する。
・ 挿入に際して抵抗が感じられる場合には便や痔などに衝突している可能性がある。無理に挿入したり、勢いをつけて挿入すると、腸を傷つけたり、腸に穴をあけてしまったりする危険がある。
F. 注入:少しずつゆっくりと浣腸液を注入する。
・ 挿入・注入中は、大きく呼吸し、お腹の力を抜いてリラックスする。
・ 挿入・注入中に抵抗を感じたり、不快感が生じた場合には、ただちに中止し、医師に相談する。
G. 抜管:ストッパーを確認しながら、ゆっくりチューブを抜き取る。
・ 肛門部をティッシュ等で押さえ、便意が強まってから排便させるようにする。
H. 観察:チューブを抜き取った後、チューブとストッパーに血液の付着などが無いか確認する。
・ 通常、グリセリンは腸粘膜から吸収されることはないが、腸の粘膜が傷ついて傷口からグリセリン液が吸収されると、血液中の赤血球を破壊したり、腎臓に障害を起こしたりするおそれがある。
チューブやストッパーに血液が付着している場合、直腸粘膜が傷ついている可能性があるので、速やかに医師に相談する。
・ 排便に伴い血圧変動などで気分が悪くなることがあるので充分な観察が必要である。
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