薬効分類 | 解毒薬 > ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬 |
一般名 | フルマゼニル注射液 |
薬価 | 1144円 |
メーカー | 沢井製薬 |
最終更新 | 2014年11月改訂(第3版) |
通常、初回0.2mgを緩徐に静脈内投与する。投与後4分以内に望まれる覚醒状態が得られない場合は更に0.1mgを追加投与する。
以後必要に応じて、1分間隔で0.1mgずつを総投与量1mgまで、ICU領域では2mgまで投与を繰り返す。ただし、ベンゾジアゼピン系薬剤の投与状況及び患者の状態により適宜増減する。
ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静の解除及びベンゾジアゼピン系薬剤による呼吸抑制の改善。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤投与の対象は、手術又は検査時にベンゾジアゼピン系薬剤で鎮静された患者で覚醒遅延又は呼吸抑制が認められた場合、ベンゾジアゼピン系薬剤を高用量あるいは長期にわたり投与された患者で過度の鎮静状態を生じたり必要以上に鎮静状態が持続した場合、又は大量にベンゾジアゼピン系薬剤を服薬した中毒患者を投与対象とする。
なお、侵襲の大きい手術を受けた患者、精神的不安の程度が高い患者は早期に覚醒させるよりある程度鎮静状態を維持する方が望ましい場合があるので、患者の状態を考慮し、覚醒させることが必要と判断される場合にのみ本剤を投与すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):観察を十分に行い、蕁麻疹、顔面蒼白、血圧低下、呼吸困難、嘔気等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(1〜5%未満)頭痛、興奮、(1%未満)不穏、幻覚、体動、(頻度不明)不安感、痙攣。
2). 血液:(頻度不明)白血球減少。
3). 循環器:(1〜5%未満)血圧上昇、(1%未満)頻脈、徐脈。
4). 呼吸器:(1%未満)咳、咽頭異和感。
5). 消化器:(1%未満)嘔気、嘔吐、胸部不快感。
6). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、血清ビリルビン上昇、Al−P上昇。
7). 腎臓:(頻度不明)クレアチニン上昇。
8). その他:(1%未満)羞明、(頻度不明)過換気。
2.1. 本剤及びベンゾジアゼピン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 長期間ベンゾジアゼピン系薬剤を投与されているてんかん患者[痙攣が生ずることがある]。
8.1. ベンゾジアゼピン系薬剤によっては消失半減期が本剤の半減期(約50分)より長いものがあり、これらの薬剤を特に高用量投与していた場合は本剤投与により患者が覚醒した後もベンゾジアゼピン系薬剤の作用が再出現する可能性があるので患者を監視下におき十分注意すること。
また、本剤投与後24時間は危険な機械の操作や自動車の運転等完全な精神的緊張を必要とする仕事に従事させないように注意すること。
8.2. 麻酔科領域において手術終了時に本剤を使用する場合は、筋弛緩剤の作用消失後に本剤を投与すること。
8.3. 本剤を用法及び用量の範囲内で繰り返し投与しても意識及び呼吸機能に有意な改善がみられない場合はベンゾジアゼピン作用薬以外の原因を考慮すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. ベンゾジアゼピン系薬剤を長期間にわたり高用量投与している患者:急激な投与を避け、緩徐に静脈内投与するよう注意し、離脱症状があらわれた場合はベンゾジアゼピン系薬剤を緩徐に静脈内投与するなど適切な処置を行うこと(急速に静脈内投与すると、ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状が出現することがある)。
9.1.2. 手術前あるいは鎮静される前の不安の程度が高い患者、特に冠動脈疾患を有する患者:少量より投与を開始し、患者個々に必要量を投与するよう注意すること(早期に覚醒させるよりもある程度鎮静状態を保つほうが良い場合が多い)。
9.1.3. ICU領域における高血圧を有する患者:少量より投与を開始し、患者個々に必要量を投与するよう注意すること(覚醒時に血圧上昇がみられることがある)。
9.1.4. ベンゾジアゼピン系薬剤を投与されている重症頭部外傷患者又はベンゾジアゼピン系薬剤を投与されている不安定な頭蓋内圧を有する患者:ベンゾジアゼピン系薬剤の解除に伴い、頭蓋内圧亢進が起こることがある。
9.1.5. ベンゾジアゼピン系薬剤と三<四>環系抗うつ剤服用中の患者:ベンゾジアゼピン系薬剤の作用低下に伴い、抗うつ剤の中毒症状(自律神経系症状等)が顕在化することがある〔10.2参照〕。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:覚醒後も患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること(ベンゾジアゼピン系薬剤の作用消失時間の延長が考えられる)。
10.2. 併用注意:
ベンゾジアゼピン系薬剤、三環系抗うつ剤・四環系抗うつ剤〔9.1.5参照〕[自殺企図等故意にベンゾジアゼピン系薬剤を過量服薬した患者で、同時に三(四)環系抗うつ剤を服用している場合は、ベンゾジアゼピン系薬剤の作用低下に伴い三(四)環系抗うつ剤の中毒作用が増強するため、このような患者には特に注意して投与すること(本剤はGABA受容体、ベンゾジアゼピン受容体及びクロルチャンネルの複合体と結合し、ベンゾジアゼピン系薬剤の作用を低下させ、三(四)環系抗うつ剤の中毒作用が増強すると考えられている)]。
投与に際しては患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること(高齢者はベンゾジアゼピン系薬剤の作用に対し感受性が高い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(保管上の注意)
室温保存。
薬効分類 | 解毒薬 > ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬 |
一般名 | フルマゼニル注射液 |
薬価 | 1144円 |
メーカー | 沢井製薬 |
最終更新 | 2014年11月改訂(第3版) |
通常、初回0.2mgを緩徐に静脈内投与する。投与後4分以内に望まれる覚醒状態が得られない場合は更に0.1mgを追加投与する。
以後必要に応じて、1分間隔で0.1mgずつを総投与量1mgまで、ICU領域では2mgまで投与を繰り返す。ただし、ベンゾジアゼピン系薬剤の投与状況及び患者の状態により適宜増減する。
ベンゾジアゼピン系薬剤による鎮静の解除及びベンゾジアゼピン系薬剤による呼吸抑制の改善。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤投与の対象は、手術又は検査時にベンゾジアゼピン系薬剤で鎮静された患者で覚醒遅延又は呼吸抑制が認められた場合、ベンゾジアゼピン系薬剤を高用量あるいは長期にわたり投与された患者で過度の鎮静状態を生じたり必要以上に鎮静状態が持続した場合、又は大量にベンゾジアゼピン系薬剤を服薬した中毒患者を投与対象とする。
なお、侵襲の大きい手術を受けた患者、精神的不安の程度が高い患者は早期に覚醒させるよりある程度鎮静状態を維持する方が望ましい場合があるので、患者の状態を考慮し、覚醒させることが必要と判断される場合にのみ本剤を投与すること。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):観察を十分に行い、蕁麻疹、顔面蒼白、血圧低下、呼吸困難、嘔気等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(1〜5%未満)頭痛、興奮、(1%未満)不穏、幻覚、体動、(頻度不明)不安感、痙攣。
2). 血液:(頻度不明)白血球減少。
3). 循環器:(1〜5%未満)血圧上昇、(1%未満)頻脈、徐脈。
4). 呼吸器:(1%未満)咳、咽頭異和感。
5). 消化器:(1%未満)嘔気、嘔吐、胸部不快感。
6). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、血清ビリルビン上昇、Al−P上昇。
7). 腎臓:(頻度不明)クレアチニン上昇。
8). その他:(1%未満)羞明、(頻度不明)過換気。
2.1. 本剤及びベンゾジアゼピン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 長期間ベンゾジアゼピン系薬剤を投与されているてんかん患者[痙攣が生ずることがある]。
8.1. ベンゾジアゼピン系薬剤によっては消失半減期が本剤の半減期(約50分)より長いものがあり、これらの薬剤を特に高用量投与していた場合は本剤投与により患者が覚醒した後もベンゾジアゼピン系薬剤の作用が再出現する可能性があるので患者を監視下におき十分注意すること。
また、本剤投与後24時間は危険な機械の操作や自動車の運転等完全な精神的緊張を必要とする仕事に従事させないように注意すること。
8.2. 麻酔科領域において手術終了時に本剤を使用する場合は、筋弛緩剤の作用消失後に本剤を投与すること。
8.3. 本剤を用法及び用量の範囲内で繰り返し投与しても意識及び呼吸機能に有意な改善がみられない場合はベンゾジアゼピン作用薬以外の原因を考慮すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. ベンゾジアゼピン系薬剤を長期間にわたり高用量投与している患者:急激な投与を避け、緩徐に静脈内投与するよう注意し、離脱症状があらわれた場合はベンゾジアゼピン系薬剤を緩徐に静脈内投与するなど適切な処置を行うこと(急速に静脈内投与すると、ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状が出現することがある)。
9.1.2. 手術前あるいは鎮静される前の不安の程度が高い患者、特に冠動脈疾患を有する患者:少量より投与を開始し、患者個々に必要量を投与するよう注意すること(早期に覚醒させるよりもある程度鎮静状態を保つほうが良い場合が多い)。
9.1.3. ICU領域における高血圧を有する患者:少量より投与を開始し、患者個々に必要量を投与するよう注意すること(覚醒時に血圧上昇がみられることがある)。
9.1.4. ベンゾジアゼピン系薬剤を投与されている重症頭部外傷患者又はベンゾジアゼピン系薬剤を投与されている不安定な頭蓋内圧を有する患者:ベンゾジアゼピン系薬剤の解除に伴い、頭蓋内圧亢進が起こることがある。
9.1.5. ベンゾジアゼピン系薬剤と三<四>環系抗うつ剤服用中の患者:ベンゾジアゼピン系薬剤の作用低下に伴い、抗うつ剤の中毒症状(自律神経系症状等)が顕在化することがある〔10.2参照〕。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:覚醒後も患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること(ベンゾジアゼピン系薬剤の作用消失時間の延長が考えられる)。
10.2. 併用注意:
ベンゾジアゼピン系薬剤、三環系抗うつ剤・四環系抗うつ剤〔9.1.5参照〕[自殺企図等故意にベンゾジアゼピン系薬剤を過量服薬した患者で、同時に三(四)環系抗うつ剤を服用している場合は、ベンゾジアゼピン系薬剤の作用低下に伴い三(四)環系抗うつ剤の中毒作用が増強するため、このような患者には特に注意して投与すること(本剤はGABA受容体、ベンゾジアゼピン受容体及びクロルチャンネルの複合体と結合し、ベンゾジアゼピン系薬剤の作用を低下させ、三(四)環系抗うつ剤の中毒作用が増強すると考えられている)]。
投与に際しては患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること(高齢者はベンゾジアゼピン系薬剤の作用に対し感受性が高い)。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(保管上の注意)
室温保存。
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