治療スケジュール
概要
監修医師

OBI:オビヌツズマブ(ガザイバ®)

投与量コース投与日
1,000mg/body 点滴静注1Day 1、 8、 15
1,000mg/body 点滴静注2~8Day 1
1,000mg/body 点滴静注維持療法 (2ヵ月毎、 2年間)Day 1

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
750mg/m² 点滴静注1~6 or 8Day 1

DXR:ドキソルビシン(アドリアシン®)

投与量コース投与日
50mg/m² 点滴静注1~6Day 1

VCR:ビンクリスチン(オンコビン®)

投与量コース投与日
1.4mg/m² 点滴静注 (最大2.0mg)1~6 or 8Day1

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
100mg/日 点滴静注または経口1~6 or 8Day1-5

前投薬

オビヌツズマブ投与1時間前までに副腎皮質ホルモン薬、 30分~1時間前に抗ヒスタミン薬、 解熱鎮痛薬を投与.
CHOP/CVP投与日は5-HT3受容体拮抗薬を使用.

その他

1コース3週間、 計8コース.
ただし、 G-CHOPのCHOP部分は6コース、G-CVPのCVP部分は計8コース.
8コース終了後、 2ヵ月毎 (56日±14日)、 2年間のG (OBI) 単剤の維持療法を行う.
但し、 コロナ禍にG維持療法を行うかは要検討.
PSLは年齢や合併症を考慮して減量.
VCRの1回最大投与量は2.0mg/body.
レジメン
G-CHOP/CVP
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*ガザイバ®適正使用ガイドは「中外製薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

GALLIUM試験 (サブ解析)¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 《G-CHOP》好中球減少症 (≧Grade3 71%)
  • 《G-CVP》好中球減少症 (≧Grade3 46%)
  • 《G-CHOP》白血球減少症 (≧Grade3 20%)
  • 《G-CVP》白血球減少症 (≧Grade3 2%)
  • 《G-CHOP》血小板減少症 (≧Grade3 8%)
  • 《G-CVP》血小板減少症 (≧Grade3 2%)
  • 《G-CHOP》貧血 (≧Grade3 8%)
  • 《G-CVP》貧血 (≧Grade3 2%)

主な有害事象

  • 《G-CHOP》発熱性好中球減少症 (≧Grade3 11%)
  • 《G-CVP》発熱性好中球減少症 (≧Grade3 3%)
  • 《G-CHOP》infusion-related reactions (≧Grade3 9%)
  • 《G-CVP》infusion-related reactions (≧Grade3 3%)
  • 《G-CHOP》感染症 (≧Grade3 12%)
  • 《G-CVP》感染症 (≧Grade3 13%)

その他重要な有害事象

  • 《G-CHOP》infusion-related reactions (≧Grade3 9%)
  • 《G-CVP》infusion-related reactions (≧Grade3 3%)
  • 《G-CHOP》呼吸困難 (≧Grade3 4%)
  • 《G-CVP》呼吸困難 (≧Grade3 3%)
  • 《G-CHOP》死亡 (≧Grade3 6%)
  • 《G-CVP》死亡 (≧Grade3 5%)
  • 《G-CHOP》日和見感染 (≧Grade3 3%)
  • 《G-CVP》日和見感染 (≧Grade3 0%)
  • 《G-CHOP》二次性発がん (≧Grade3 4%)
  • 《G-CVP》二次性発がん (≧Grade3 2%)
  • 《G-CHOP》非メラノーマ皮膚がん (≧Grade3 0%)
  • 《G-CVP》非メラノーマ皮膚がん (≧Grade3 2%)
  • 《G-CHOP》造血器腫瘍 (≧Grade3 2%)
  • 《G-CVP》造血器腫瘍 (≧Grade3 0%)
  • 《G-CHOP》その他の固形腫瘍 (≧Grade3 2%)
  • 《G-CVP》その他の固形腫瘍 (≧Grade3 0%)
  • 《G-CHOP》心イベント (≧Grade3 3%)
  • 《G-CVP》心イベント (≧Grade3 7%)

特徴と注意点

保険適用

  • オビヌツズマブ (ガザイバ®) の保険適用は、 濾胞性リンパ腫のみ.
  • G-CHOP、 G-CVP、 GB (OB)の使い分けに定まった見解はない.

オビヌツズマブ (Obinutuzumab:OBI)

  • CD20陽性の濾胞性リンパ腫に保険適用.
  • OBIによる導入療法は併用する化学療法によりコース数や休薬期間が異なる.
  • OBIによるInfusion reaction (IRR) 発現時の対応は添付文書を参照.
  • OBIは0.2または0.22μmのメンブランフィルターを用いて投与.

併用する化学療法と休薬期間

  • G-CHOP:1コース 3週間、 計8コース (CHOPは6コース).
  • G-CVP:1コース 3週間、 計8コース (CVPも8コース).
  • GB:1コース 4週間、 計6コース (Bendamusutineも6コース).

CHOP/CVP療法

  • シクロホスファミド出血性膀胱炎のリスクがあるため、 水分摂取を励行し排尿を促す.
  • 高齢者や心機能低下例ではドキソルビシンの減量や中止を考慮.
  • ドキソルビシンは累積心毒性があるため、 累積上限量は500mg/m².
  • ビンクリスチンによる末梢神経障害便秘・腸閉塞に注意.
  • プレドニゾロンによる各種合併症 (特にコントロール困難な糖尿病出血性消化性潰瘍)に注意.

関連する臨床試験の結果

GALLIUM試験 (サブ解析)¹⁾

概要

  • 未治療進行期濾胞性リンパ腫を対象とした国際共同第3相比較試験.
  • RIT+化学療法→RIT維持(RIT群)に対する、 OBI+化学療法→OBI維持(OBI群)の有効性と安全性を比較したGALLIUM試験の併用化学療法別サブ解析.
  • OBI+化学療法群内訳;G-Benda 338例、 G-CHOP 193例、 G-CVP 61例. 
  • RIT+化学療法群内訳;R-Benda 338例、 R-CHOP 203例、 R-CVP 56例. 

結果

  • 《Benda併用》3年無増悪生存期間中央値:OBI群 84% vs RIT群 76% (HR 0.63、 95%CI 0.46-0.81、 p=0.062).
  • 《CHOP併用》3年無増悪生存期間中央値:OBI群 81% vs RIT群 76% (HR 0.72、 95%CI 0.48-1.10、 p=0.13).
  • 《CVP併用》3年無増悪生存期間中央値:OBI群 71% vs RIT群 64% (HR 0.79、 95%CI 0.42-1.47、 p=0.46).
  • 《Benda併用》全奏効率 (CR/PR):OBI群 86% vs RIT群 79% (p=0.11).
  • 《CHOP併用》全奏効率 (CR/PR):OBI群 88% vs RIT群 88% (p=0.98).
  • 《CVP併用》全奏効率 (CR/PR):OBI群 71% vs RIT群 67% (p=0.72).
  • 《Benda併用》完全寛解率 (CR):OBI群 63% vs RIT群 61% (p=0.63).
  • 《CHOP併用》完全寛解率 (CR):OBI群 66% vs RIT群 61% (p=0.52).
  • 《CVP併用》完全寛解率 (CR):OBI群 33% vs RIT群 20% (p=0.36).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2018 Aug 10;36(23):2395-2404.

最終更新:2022年11月29日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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G-CHOP/CVP

オビヌツズマブ併用CHOP/CVP
2023年06月04日更新

OBI:オビヌツズマブ(ガザイバ®)

投与量コース投与日
1,000mg/body 点滴静注1Day 1、 8、 15
1,000mg/body 点滴静注2~8Day 1
1,000mg/body 点滴静注維持療法 (2ヵ月毎、 2年間)Day 1

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
750mg/m² 点滴静注1~6 or 8Day 1

DXR:ドキソルビシン(アドリアシン®)

投与量コース投与日
50mg/m² 点滴静注1~6Day 1

VCR:ビンクリスチン(オンコビン®)

投与量コース投与日
1.4mg/m² 点滴静注 (最大2.0mg)1~6 or 8Day1

PSL:プレドニゾロン(プレドニン®)

投与量コース投与日
100mg/日 点滴静注または経口1~6 or 8Day1-5

前投薬

オビヌツズマブ投与1時間前までに副腎皮質ホルモン薬、 30分~1時間前に抗ヒスタミン薬、 解熱鎮痛薬を投与.
CHOP/CVP投与日は5-HT3受容体拮抗薬を使用.

その他

1コース3週間、 計8コース.
ただし、 G-CHOPのCHOP部分は6コース、G-CVPのCVP部分は計8コース.
8コース終了後、 2ヵ月毎 (56日±14日)、 2年間のG (OBI) 単剤の維持療法を行う.
但し、 コロナ禍にG維持療法を行うかは要検討.
PSLは年齢や合併症を考慮して減量.
VCRの1回最大投与量は2.0mg/body.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*ガザイバ®適正使用ガイドは「中外製薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

GALLIUM試験 (サブ解析)¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 《G-CHOP》好中球減少症 (≧Grade3 71%)
  • 《G-CVP》好中球減少症 (≧Grade3 46%)
  • 《G-CHOP》白血球減少症 (≧Grade3 20%)
  • 《G-CVP》白血球減少症 (≧Grade3 2%)
  • 《G-CHOP》血小板減少症 (≧Grade3 8%)
  • 《G-CVP》血小板減少症 (≧Grade3 2%)
  • 《G-CHOP》貧血 (≧Grade3 8%)
  • 《G-CVP》貧血 (≧Grade3 2%)

主な有害事象

  • 《G-CHOP》発熱性好中球減少症 (≧Grade3 11%)
  • 《G-CVP》発熱性好中球減少症 (≧Grade3 3%)
  • 《G-CHOP》infusion-related reactions (≧Grade3 9%)
  • 《G-CVP》infusion-related reactions (≧Grade3 3%)
  • 《G-CHOP》感染症 (≧Grade3 12%)
  • 《G-CVP》感染症 (≧Grade3 13%)

その他重要な有害事象

  • 《G-CHOP》infusion-related reactions (≧Grade3 9%)
  • 《G-CVP》infusion-related reactions (≧Grade3 3%)
  • 《G-CHOP》呼吸困難 (≧Grade3 4%)
  • 《G-CVP》呼吸困難 (≧Grade3 3%)
  • 《G-CHOP》死亡 (≧Grade3 6%)
  • 《G-CVP》死亡 (≧Grade3 5%)
  • 《G-CHOP》日和見感染 (≧Grade3 3%)
  • 《G-CVP》日和見感染 (≧Grade3 0%)
  • 《G-CHOP》二次性発がん (≧Grade3 4%)
  • 《G-CVP》二次性発がん (≧Grade3 2%)
  • 《G-CHOP》非メラノーマ皮膚がん (≧Grade3 0%)
  • 《G-CVP》非メラノーマ皮膚がん (≧Grade3 2%)
  • 《G-CHOP》造血器腫瘍 (≧Grade3 2%)
  • 《G-CVP》造血器腫瘍 (≧Grade3 0%)
  • 《G-CHOP》その他の固形腫瘍 (≧Grade3 2%)
  • 《G-CVP》その他の固形腫瘍 (≧Grade3 0%)
  • 《G-CHOP》心イベント (≧Grade3 3%)
  • 《G-CVP》心イベント (≧Grade3 7%)

特徴と注意点

保険適用

  • オビヌツズマブ (ガザイバ®) の保険適用は、 濾胞性リンパ腫のみ.
  • G-CHOP、 G-CVP、 GB (OB)の使い分けに定まった見解はない.

オビヌツズマブ (Obinutuzumab:OBI)

  • CD20陽性の濾胞性リンパ腫に保険適用.
  • OBIによる導入療法は併用する化学療法によりコース数や休薬期間が異なる.
  • OBIによるInfusion reaction (IRR) 発現時の対応は添付文書を参照.
  • OBIは0.2または0.22μmのメンブランフィルターを用いて投与.

併用する化学療法と休薬期間

  • G-CHOP:1コース 3週間、 計8コース (CHOPは6コース).
  • G-CVP:1コース 3週間、 計8コース (CVPも8コース).
  • GB:1コース 4週間、 計6コース (Bendamusutineも6コース).

CHOP/CVP療法

  • シクロホスファミド出血性膀胱炎のリスクがあるため、 水分摂取を励行し排尿を促す.
  • 高齢者や心機能低下例ではドキソルビシンの減量や中止を考慮.
  • ドキソルビシンは累積心毒性があるため、 累積上限量は500mg/m².
  • ビンクリスチンによる末梢神経障害便秘・腸閉塞に注意.
  • プレドニゾロンによる各種合併症 (特にコントロール困難な糖尿病出血性消化性潰瘍)に注意.

関連する臨床試験の結果

GALLIUM試験 (サブ解析)¹⁾

概要

  • 未治療進行期濾胞性リンパ腫を対象とした国際共同第3相比較試験.
  • RIT+化学療法→RIT維持(RIT群)に対する、 OBI+化学療法→OBI維持(OBI群)の有効性と安全性を比較したGALLIUM試験の併用化学療法別サブ解析.
  • OBI+化学療法群内訳;G-Benda 338例、 G-CHOP 193例、 G-CVP 61例. 
  • RIT+化学療法群内訳;R-Benda 338例、 R-CHOP 203例、 R-CVP 56例. 

結果

  • 《Benda併用》3年無増悪生存期間中央値:OBI群 84% vs RIT群 76% (HR 0.63、 95%CI 0.46-0.81、 p=0.062).
  • 《CHOP併用》3年無増悪生存期間中央値:OBI群 81% vs RIT群 76% (HR 0.72、 95%CI 0.48-1.10、 p=0.13).
  • 《CVP併用》3年無増悪生存期間中央値:OBI群 71% vs RIT群 64% (HR 0.79、 95%CI 0.42-1.47、 p=0.46).
  • 《Benda併用》全奏効率 (CR/PR):OBI群 86% vs RIT群 79% (p=0.11).
  • 《CHOP併用》全奏効率 (CR/PR):OBI群 88% vs RIT群 88% (p=0.98).
  • 《CVP併用》全奏効率 (CR/PR):OBI群 71% vs RIT群 67% (p=0.72).
  • 《Benda併用》完全寛解率 (CR):OBI群 63% vs RIT群 61% (p=0.63).
  • 《CHOP併用》完全寛解率 (CR):OBI群 66% vs RIT群 61% (p=0.52).
  • 《CVP併用》完全寛解率 (CR):OBI群 33% vs RIT群 20% (p=0.36).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2018 Aug 10;36(23):2395-2404.

最終更新:2022年11月29日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。