治療スケジュール
概要
監修医師

Pembrolizumab:ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)

投与量コース投与日
200mg/body 点滴静注1-Day 1、22、・・・
400mg/body 点滴静注1-Day 1、43、・・・

その他

1回200mgを3週間間隔、 又は1回400mgを6週間隔で点滴静注.
レジメン
Pembrolizumab
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

KEYNOTE-170試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 好中球減少 (18.9%、 ≧Grade3 13.2%)

重大な有害事象

  • 甲状腺機能低下症 (7.5%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 甲状腺機能亢進症 (3.8%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 肺臓炎 (1.9%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 甲状腺炎 (1.9%、 ≧Grade3 0.0%)

その他

  • 無力症 (9.4%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 疲労 (5.7%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 発熱 (5.7%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 感染症および寄生虫症 (13.2%、 ≧Grade3 3.8%)

特徴と注意点

  • Pembrolizumab単独療法は2023年6月、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫 (PMLBCL) の適応が追加された.
  • ヒトPD-1に対するヒト化IgG4モノクローナル抗体である. PD-1とそのリガンド (PD-L1及びPD-L2) の結合を阻害し、 腫瘍抗原特異的な細胞傷害性T 細胞の増殖、 活性化、 及び細胞傷害活性の増強等により、 腫瘍増殖を抑制すると考えられている.
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、 有効性及び安全性は確立していない.
  • 臓器移植歴 (造血幹細胞移植歴含む) のある患者への使用により、 移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病 (GVHD) が発現するリスクがあり、 慎重に投与する.
  • 過度の免疫反応による免疫関連有害事象 (immune-related adverse event:irAE) が知られている. 必要に応じて専門医と連携し、 速やかに適切な対応を行う. 投与終了後も発現リスクがあり、 終了後においても数ヵ月は症状を観察する.
  • 生殖発生毒性試験は実施されていないが、 妊娠マウスの流産率増加が報告されており、 妊娠する可能性のある女性には投与中及び投与後一定期間、 適切な避妊法を用いるよう指導.

関連する臨床試験の結果

KEYNOTE-170試験¹⁾

概要

  • 再発又は難治性のPMLBCL患者におけるPembrolizumabの有効性、 安全性を検討.
  • 海外非盲検単群第II相試験.
  • Pembrolizumab 1回200mgを3週間おきに投与.

結果

  • 主要評価項目:奏効率、 奏効期間、 無増悪生存期間、 安全性など.
  • 追跡期間中央値:12.5ヵ月.
  • 奏効率:45% (95%CI 32-60). 完全奏効率 13% (95%CI 6-25)、 部分奏効率 32% (95%CI 20-46).
  • 奏効に至るまでの期間中央値:2.9ヵ月 (95%CI 2.4-8.5).
  • 奏効期間中央値:未到達.
  • 無増悪生存期間中央値:5.5ヵ月 (95%CI 2.8-12.1).
  • 全生存期間中央値:未到達 (95%CI 7.3-未到達).
  • 安全性:主な副作用は好中球減少症18.9%であった. 移植関連合併症 は2例中1例に報告された (GVHDが発現し回復後慢性GVHDへ移行. その後疾患進行により死亡.).

KEYNOTE-A33試験 (論文未公表であり添付文書の情報を参照し記載)

概要

  • 日本人を対象に、 再発又は難治性のPMLBCL患者におけるPembrolizumabの有効性、 安全性を検討. 
  • 国内非盲検単群第I相試験. 
  • Pembrolizumab 1回200mgを3週間おきに投与.

結果

  • 奏効率:42.9% (95%CI 9.9-81.6). 完全奏効 14.3%、 部分奏効 28.6%、 安定 14.3%、 疾患進行 42.9%.
  • 安全性:71.4%に副作用が認められた. 主な副作用はALT増加、 AST増加、 好中球減少症および発熱であった.

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2019 Dec 1;37(34):3291-3299.

※承認の元となった臨床試験:国内第Ⅰ相試験(KEYNOTE-A33試験)、海外第Ⅱ相試験(KEYNOTE-170試験)をご参照下さい。

最終更新:2023年8月27日
執筆:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ペムブロリズマブ (キイトルーダ®) PMLBCL
2023年08月27日更新

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投与量コース投与日
200mg/body 点滴静注1-Day 1、22、・・・
400mg/body 点滴静注1-Day 1、43、・・・

その他

1回200mgを3週間間隔、 又は1回400mgを6週間隔で点滴静注.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

KEYNOTE-170試験¹⁾より引用.

骨髄抑制

  • 好中球減少 (18.9%、 ≧Grade3 13.2%)

重大な有害事象

  • 甲状腺機能低下症 (7.5%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 甲状腺機能亢進症 (3.8%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 肺臓炎 (1.9%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 甲状腺炎 (1.9%、 ≧Grade3 0.0%)

その他

  • 無力症 (9.4%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 疲労 (5.7%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 発熱 (5.7%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 感染症および寄生虫症 (13.2%、 ≧Grade3 3.8%)

特徴と注意点

  • Pembrolizumab単独療法は2023年6月、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫 (PMLBCL) の適応が追加された.
  • ヒトPD-1に対するヒト化IgG4モノクローナル抗体である. PD-1とそのリガンド (PD-L1及びPD-L2) の結合を阻害し、 腫瘍抗原特異的な細胞傷害性T 細胞の増殖、 活性化、 及び細胞傷害活性の増強等により、 腫瘍増殖を抑制すると考えられている.
  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、 有効性及び安全性は確立していない.
  • 臓器移植歴 (造血幹細胞移植歴含む) のある患者への使用により、 移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病 (GVHD) が発現するリスクがあり、 慎重に投与する.
  • 過度の免疫反応による免疫関連有害事象 (immune-related adverse event:irAE) が知られている. 必要に応じて専門医と連携し、 速やかに適切な対応を行う. 投与終了後も発現リスクがあり、 終了後においても数ヵ月は症状を観察する.
  • 生殖発生毒性試験は実施されていないが、 妊娠マウスの流産率増加が報告されており、 妊娠する可能性のある女性には投与中及び投与後一定期間、 適切な避妊法を用いるよう指導.

関連する臨床試験の結果

KEYNOTE-170試験¹⁾

概要

  • 再発又は難治性のPMLBCL患者におけるPembrolizumabの有効性、 安全性を検討.
  • 海外非盲検単群第II相試験.
  • Pembrolizumab 1回200mgを3週間おきに投与.

結果

  • 主要評価項目:奏効率、 奏効期間、 無増悪生存期間、 安全性など.
  • 追跡期間中央値:12.5ヵ月.
  • 奏効率:45% (95%CI 32-60). 完全奏効率 13% (95%CI 6-25)、 部分奏効率 32% (95%CI 20-46).
  • 奏効に至るまでの期間中央値:2.9ヵ月 (95%CI 2.4-8.5).
  • 奏効期間中央値:未到達.
  • 無増悪生存期間中央値:5.5ヵ月 (95%CI 2.8-12.1).
  • 全生存期間中央値:未到達 (95%CI 7.3-未到達).
  • 安全性:主な副作用は好中球減少症18.9%であった. 移植関連合併症 は2例中1例に報告された (GVHDが発現し回復後慢性GVHDへ移行. その後疾患進行により死亡.).

KEYNOTE-A33試験 (論文未公表であり添付文書の情報を参照し記載)

概要

  • 日本人を対象に、 再発又は難治性のPMLBCL患者におけるPembrolizumabの有効性、 安全性を検討. 
  • 国内非盲検単群第I相試験. 
  • Pembrolizumab 1回200mgを3週間おきに投与.

結果

  • 奏効率:42.9% (95%CI 9.9-81.6). 完全奏効 14.3%、 部分奏効 28.6%、 安定 14.3%、 疾患進行 42.9%.
  • 安全性:71.4%に副作用が認められた. 主な副作用はALT増加、 AST増加、 好中球減少症および発熱であった.

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2019 Dec 1;37(34):3291-3299.

※承認の元となった臨床試験:国内第Ⅰ相試験(KEYNOTE-A33試験)、海外第Ⅱ相試験(KEYNOTE-170試験)をご参照下さい。

最終更新:2023年8月27日
執筆:北里大学病院薬剤部 宮島律子
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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