2025年12月5日、 従来のカプセルよりも約3分の1に小型化した錠剤が新発売となった。 2026年6月19日、 RET融合遺伝子陽性の固形腫瘍およびRET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様癌に対し、 2歳以上の小児に係る用法・用量が追加承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

レットヴィモ®カプセル/錠 (セルペルカチニブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾

*日本イーライリリー株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】連日内服
【催吐性】最小度³⁾ (NCCN : 最小度~軽度⁴⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*
*LIBRETTO-001試験⁵⁾ではFNの報告がなく、 編集部で分類

セルペルカチニブ : 1回160mg 1日2回経口投与

▼小児用量の記載
通常、 2歳以上の小児には体表面積に合わせて次の投与量 (セルペルカチニブとして1日量約184mg/m²) を経口投与。
- 体表面積 0.33m²以上0.66m²未満 : 40mg/回、 1日3回
- 体表面積 0.66m²以上1.2m²未満 : 80mg/回、 1日2回
- 体表面積 1.2m²以上1.6m²未満 : 120mg/回、 1日2回
- 体表面積 1.6m²以上 : 160mg/回、 1日2回
成長期にある若年者では、 骨端線異常の有無、 関節痛および歩行障害を十分に観察し、 骨端線異常が認められた場合は投与継続の可否を慎重に判断する¹⁾²⁾。 
レットヴィモ®錠電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

Key Data|臨床試験結果

📊 LIBRETTO-001試験

Lancet Oncol. 2022;23(10):1261-1273.

RET融合遺伝子陽性の肺癌および甲状腺癌を除く進行固形腫瘍患者を対象とした、 国際共同第I/II相単群試験の腫瘍横断コホート解析。 安全性評価対象は45例、 有効性評価対象は41例で、 主要評価項目はORRであった。 

【有効性】セルペルカチニブ群

- ORR 43.9% (95%CI 28.5–60.3)

  • CR 4.9%、 PR 39.0%

- CBR 63.4% (95%CI 46.9–77.9)

CBR (clinical benefit rate) : CRまたはPR、 または16週間以上持続したSDを示した患者の割合

- DoR中央値 24.5ヵ月 (95%CI 9.2–NE)

- PFS中央値 13.2ヵ月 (95%CI 7.4–26.2)

- OS中央値 18.0ヵ月 (95%CI 10.7–NE)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

全Grade 15%以上またはGrade 3以上で5%以上のAEを抜粋

- ALT増加 42.2% (15.6%)

- AST増加 37.8% (13.3%)

- 口内乾燥 33.3% (0%)

- 高血圧 31.1% (22.2%)

- 腹痛 26.7% (8.9%)

- 下痢 26.7% (2.2%)

- 疲労 26.7% (6.7%)

- 便秘 22.2% (0%)

- 悪心 22.2% (4.4%)

- ALP増加 17.8% (11.1%)

- 不眠症 17.8% (0%)

- 発熱 17.8% (0%)

- 背部痛 15.6% (0%)

- 食欲減退 15.6% (0%)

- 呼吸困難 15.6% (2.2%)

- 心電図QT延長 15.6% (2.2%)

- 頭痛 15.6% (0%)

- 末梢性浮腫 15.6% (0%)

- 血小板減少 15.6% (0%)

- 嘔吐 15.6% (4.4%)

- 低ナトリウム血症 13.3% (8.9%)

各プロトコル

適格基準

LIBRETTO-001試験⁵⁾の主な適格基準

- 18歳以上 (12歳以上も登録可能)

- ECOG PS 0–2 (16歳以上)、 またはLansky Performance Score (LPS) 40%以上 (16歳未満)

- 好中球数≧1,000/μL

- 血小板数≧7.5万/μL

- Hb≧9g/dL

- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦2.5×ULN

- 腎機能 : eGFR≧30mL/min

用量レベル

成人 :

レットヴィモ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

小児 :

レットヴィモ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

腎障害患者に対する用量調整

セルペルカチニブ : 軽度~高度の腎障害患者 (eGFR 15~89mL/分) では、 用量調整は不要。 末期腎不全患者に対する推奨用量は未確立。

Eli Lilly and Company. RETEVMO (selpercatinib) prescribing information. Revised: 11/2025.

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

セルペルカチニブは、 RET、 血管内皮増殖因子受容体 (VEGFR)、 線維芽細胞増殖因子受容体 (FGFR) などのキナーゼ活性を阻害する。 RET融合タンパクなどのリン酸化と、 その下流シグナル伝達分子のリン酸化を抑制することで、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている¹⁾。

レジメン適用時の注意事項

レットヴィモ®錠電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

肝機能障害 : 投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察すること。

QT間隔延長 : 投与開始前にQTc間隔が成人470msec、 12歳未満の小児440msec以下であることを確認し、 血清電解質検査 (K、 Mg等) を行う。 心電図および血清電解質検査は投与開始後1週間時点、 投与開始後6ヵ月間は毎月1回実施し、 以降も必要に応じて行う。 また、 必要に応じて電解質補正を行う。

LIBRETTO-001試験では、 QTcはFridericia式により補正された⁵⁾。

高血圧 : 投与開始前に血圧が適切に管理されていることを確認し、 投与中は定期的に血圧を測定すること。

間質性肺疾患 : 初期症状 (呼吸困難、 咳嗽、 発熱等) の確認及び胸部画像検査を実施し、 患者の状態を十分に観察すること。

RMP【重要な特定されたリスク】

レットヴィモ®RMP : 医薬品リスク管理計画書⁶⁾

- 肝機能障害

- QT間隔延長

- 過敏症

- 高血圧

- 間質性肺疾患

- 骨端離開

コンパニオン診断薬の情報

本剤の適応判定に利用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり。

FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル

出典

1) 日本イーライリリー株式会社. レットヴィモ®錠40mg・80mg 電子添文 (2026年6月改訂 第4版).

2) 日本イーライリリー株式会社. レットヴィモ®40mg/80mg 適正使用ガイド. 2026年6月作成.

3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.

4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.

5) Lancet Oncol. 2022;23(10):1261-1273.

6) 日本イーライリリー株式会社. レットヴィモ®に係る医薬品リスク管理計画書 (2026年6月19日) .

最終更新 : 2026年6月23日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部医師

レジメン
Selpercatinib
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
レジメン
Selpercatinib
レジメン
Selpercatinib

Selpercatinib

セルペルカチニブ (レットヴィモ®)
臓器横断 > RET融合遺伝子陽性
2026年06月24日更新
2025年12月5日、 従来のカプセルよりも約3分の1に小型化した錠剤が新発売となった。 2026年6月19日、 RET融合遺伝子陽性の固形腫瘍およびRET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様癌に対し、 2歳以上の小児に係る用法・用量が追加承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

レットヴィモ®カプセル/錠 (セルペルカチニブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾

*日本イーライリリー株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】連日内服
【催吐性】最小度³⁾ (NCCN : 最小度~軽度⁴⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*
*LIBRETTO-001試験⁵⁾ではFNの報告がなく、 編集部で分類

セルペルカチニブ : 1回160mg 1日2回経口投与

▼小児用量の記載
通常、 2歳以上の小児には体表面積に合わせて次の投与量 (セルペルカチニブとして1日量約184mg/m²) を経口投与。
- 体表面積 0.33m²以上0.66m²未満 : 40mg/回、 1日3回
- 体表面積 0.66m²以上1.2m²未満 : 80mg/回、 1日2回
- 体表面積 1.2m²以上1.6m²未満 : 120mg/回、 1日2回
- 体表面積 1.6m²以上 : 160mg/回、 1日2回
成長期にある若年者では、 骨端線異常の有無、 関節痛および歩行障害を十分に観察し、 骨端線異常が認められた場合は投与継続の可否を慎重に判断する¹⁾²⁾。 
レットヴィモ®錠電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

Key Data|臨床試験結果

📊 LIBRETTO-001試験

Lancet Oncol. 2022;23(10):1261-1273.

RET融合遺伝子陽性の肺癌および甲状腺癌を除く進行固形腫瘍患者を対象とした、 国際共同第I/II相単群試験の腫瘍横断コホート解析。 安全性評価対象は45例、 有効性評価対象は41例で、 主要評価項目はORRであった。 

【有効性】セルペルカチニブ群

- ORR 43.9% (95%CI 28.5–60.3)

  • CR 4.9%、 PR 39.0%

- CBR 63.4% (95%CI 46.9–77.9)

CBR (clinical benefit rate) : CRまたはPR、 または16週間以上持続したSDを示した患者の割合

- DoR中央値 24.5ヵ月 (95%CI 9.2–NE)

- PFS中央値 13.2ヵ月 (95%CI 7.4–26.2)

- OS中央値 18.0ヵ月 (95%CI 10.7–NE)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

全Grade 15%以上またはGrade 3以上で5%以上のAEを抜粋

- ALT増加 42.2% (15.6%)

- AST増加 37.8% (13.3%)

- 口内乾燥 33.3% (0%)

- 高血圧 31.1% (22.2%)

- 腹痛 26.7% (8.9%)

- 下痢 26.7% (2.2%)

- 疲労 26.7% (6.7%)

- 便秘 22.2% (0%)

- 悪心 22.2% (4.4%)

- ALP増加 17.8% (11.1%)

- 不眠症 17.8% (0%)

- 発熱 17.8% (0%)

- 背部痛 15.6% (0%)

- 食欲減退 15.6% (0%)

- 呼吸困難 15.6% (2.2%)

- 心電図QT延長 15.6% (2.2%)

- 頭痛 15.6% (0%)

- 末梢性浮腫 15.6% (0%)

- 血小板減少 15.6% (0%)

- 嘔吐 15.6% (4.4%)

- 低ナトリウム血症 13.3% (8.9%)

各プロトコル

適格基準

LIBRETTO-001試験⁵⁾の主な適格基準

- 18歳以上 (12歳以上も登録可能)

- ECOG PS 0–2 (16歳以上)、 またはLansky Performance Score (LPS) 40%以上 (16歳未満)

- 好中球数≧1,000/μL

- 血小板数≧7.5万/μL

- Hb≧9g/dL

- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦2.5×ULN

- 腎機能 : eGFR≧30mL/min

用量レベル

成人 :

レットヴィモ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

小児 :

レットヴィモ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

腎障害患者に対する用量調整

セルペルカチニブ : 軽度~高度の腎障害患者 (eGFR 15~89mL/分) では、 用量調整は不要。 末期腎不全患者に対する推奨用量は未確立。

Eli Lilly and Company. RETEVMO (selpercatinib) prescribing information. Revised: 11/2025.

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

セルペルカチニブは、 RET、 血管内皮増殖因子受容体 (VEGFR)、 線維芽細胞増殖因子受容体 (FGFR) などのキナーゼ活性を阻害する。 RET融合タンパクなどのリン酸化と、 その下流シグナル伝達分子のリン酸化を抑制することで、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている¹⁾。

レジメン適用時の注意事項

レットヴィモ®錠電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

肝機能障害 : 投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察すること。

QT間隔延長 : 投与開始前にQTc間隔が成人470msec、 12歳未満の小児440msec以下であることを確認し、 血清電解質検査 (K、 Mg等) を行う。 心電図および血清電解質検査は投与開始後1週間時点、 投与開始後6ヵ月間は毎月1回実施し、 以降も必要に応じて行う。 また、 必要に応じて電解質補正を行う。

LIBRETTO-001試験では、 QTcはFridericia式により補正された⁵⁾。

高血圧 : 投与開始前に血圧が適切に管理されていることを確認し、 投与中は定期的に血圧を測定すること。

間質性肺疾患 : 初期症状 (呼吸困難、 咳嗽、 発熱等) の確認及び胸部画像検査を実施し、 患者の状態を十分に観察すること。

RMP【重要な特定されたリスク】

レットヴィモ®RMP : 医薬品リスク管理計画書⁶⁾

- 肝機能障害

- QT間隔延長

- 過敏症

- 高血圧

- 間質性肺疾患

- 骨端離開

コンパニオン診断薬の情報

本剤の適応判定に利用可能なコンパニオン診断薬は以下のとおり。

FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル

出典

1) 日本イーライリリー株式会社. レットヴィモ®錠40mg・80mg 電子添文 (2026年6月改訂 第4版).

2) 日本イーライリリー株式会社. レットヴィモ®40mg/80mg 適正使用ガイド. 2026年6月作成.

3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.

4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.

5) Lancet Oncol. 2022;23(10):1261-1273.

6) 日本イーライリリー株式会社. レットヴィモ®に係る医薬品リスク管理計画書 (2026年6月19日) .

最終更新 : 2026年6月23日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部医師

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(その他)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。