電子添文¹⁾/第Ⅱ、 Ⅲ相試験³⁾の用法および用量
1日1回300mg/m² (体表面積) を食後経口投与
体表面積換算での推奨カプセル数についてはタルグレチン®の電子添文参照
国内第I/II相試験⁴⁾のプロトコル
電子添文¹⁾の基準
初回基準量と減量レベル
主な有害事象
Skin-directed therapy抵抗性の早期菌状息肉症から進行期菌状息肉症まで、 全身療法として第一選択となる薬剤である。 世界的にも皮膚T細胞リンパ腫の全身療法の第一選択として扱われている。
同ラインで使う薬剤としては、 他にレチノイドとしてetretinateがあるほか、 interferon-γもあるが、 前者は保険適応外であり、 後者は点滴による投与であるため受診頻度が増えるという問題点がある。 その他の皮膚T細胞リンパ腫においても承認されているが、 希少疾患ということもあって、 その効果に関する評価は固まっているとは言い難い。
通常1日1回300mg/m²を食後に経口投与する。 高TG血症を除くGrade3以上の副作用が発現した場合は、 副作用が消失、 またはGrade1以下に改善するまで休薬し、 200mg/m²で投与再開する。 発現時の投与量が200mg/日の場合は副作用が消失、 またはGrade1以下に改善するまで休薬し、 100mg/m²で投与再開する。 発現時の投与量が100mg/日の場合は副作用が消失、 またはGrade1以下に改善するまで休薬し、 100mg/m²で投与再開する。 いずれの場合も、 4週間休薬しても副作用が改善しない場合は投与を中止する。
未治療を含む病期IIB以上、 および標準的初回治療抵抗性の皮膚T細胞リンパ腫患者を対象とした国内第I/II相試験³⁾ (B-1101試験、 登録13例) において、 投与開始から24週時点または中止時におけるmodified Severity Weighted Assessment Tool (mSWAT) に基づいた奏効率は61.5% (13例中8例) であった。 副作用は100%の被検者に認められている。 主な副作用は、 甲状腺機能低下症12例 (92.3%)、 高コレステロール血症及び高トリグリセリド血症各10例 (76.9%)、 好中球減少症及び白血球数減少各5例 (38.5%)、 白血球減少症4例 (30.8%)、 貧血及び好中球数減少各3例 (23.1%)、 頭痛、 悪心、 嘔吐及び倦怠感各2例 (15.4%) であった。
本剤独特の副作用として甲状腺機能低下症と高トリグリセリド血症がある。 甲状腺機能低下症に関しては、 B-1101試験では、 甲状腺機能検査異常が全ての被験者で認められたが、 Grade3以上の事象は認めていない。 定期的に遊離T4を測定しながら、 チラージンを補充することでタルグレチンの減量なくコントロールできることが多い。 高トリグリセリド血症に関してはB-1101試験でも75%の被験者で認め、 Grade3の事象も31.3%認めている。 本剤投与前に生活習慣の改善を含む高脂血症のコントロールが望まれるほか、 適正使用ガイドに基づいた高トリグリセリド血症に対する対応が必要である。
最終更新日 : 2024年8月15日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
電子添文¹⁾/第Ⅱ、 Ⅲ相試験³⁾の用法および用量
1日1回300mg/m² (体表面積) を食後経口投与
体表面積換算での推奨カプセル数についてはタルグレチン®の電子添文参照
国内第I/II相試験⁴⁾のプロトコル
電子添文¹⁾の基準
初回基準量と減量レベル
主な有害事象
Skin-directed therapy抵抗性の早期菌状息肉症から進行期菌状息肉症まで、 全身療法として第一選択となる薬剤である。 世界的にも皮膚T細胞リンパ腫の全身療法の第一選択として扱われている。
同ラインで使う薬剤としては、 他にレチノイドとしてetretinateがあるほか、 interferon-γもあるが、 前者は保険適応外であり、 後者は点滴による投与であるため受診頻度が増えるという問題点がある。 その他の皮膚T細胞リンパ腫においても承認されているが、 希少疾患ということもあって、 その効果に関する評価は固まっているとは言い難い。
通常1日1回300mg/m²を食後に経口投与する。 高TG血症を除くGrade3以上の副作用が発現した場合は、 副作用が消失、 またはGrade1以下に改善するまで休薬し、 200mg/m²で投与再開する。 発現時の投与量が200mg/日の場合は副作用が消失、 またはGrade1以下に改善するまで休薬し、 100mg/m²で投与再開する。 発現時の投与量が100mg/日の場合は副作用が消失、 またはGrade1以下に改善するまで休薬し、 100mg/m²で投与再開する。 いずれの場合も、 4週間休薬しても副作用が改善しない場合は投与を中止する。
未治療を含む病期IIB以上、 および標準的初回治療抵抗性の皮膚T細胞リンパ腫患者を対象とした国内第I/II相試験³⁾ (B-1101試験、 登録13例) において、 投与開始から24週時点または中止時におけるmodified Severity Weighted Assessment Tool (mSWAT) に基づいた奏効率は61.5% (13例中8例) であった。 副作用は100%の被検者に認められている。 主な副作用は、 甲状腺機能低下症12例 (92.3%)、 高コレステロール血症及び高トリグリセリド血症各10例 (76.9%)、 好中球減少症及び白血球数減少各5例 (38.5%)、 白血球減少症4例 (30.8%)、 貧血及び好中球数減少各3例 (23.1%)、 頭痛、 悪心、 嘔吐及び倦怠感各2例 (15.4%) であった。
本剤独特の副作用として甲状腺機能低下症と高トリグリセリド血症がある。 甲状腺機能低下症に関しては、 B-1101試験では、 甲状腺機能検査異常が全ての被験者で認められたが、 Grade3以上の事象は認めていない。 定期的に遊離T4を測定しながら、 チラージンを補充することでタルグレチンの減量なくコントロールできることが多い。 高トリグリセリド血症に関してはB-1101試験でも75%の被験者で認め、 Grade3の事象も31.3%認めている。 本剤投与前に生活習慣の改善を含む高脂血症のコントロールが望まれるほか、 適正使用ガイドに基づいた高トリグリセリド血症に対する対応が必要である。
最終更新日 : 2024年8月15日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
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