概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

用法用量

JGOG3016試験³⁾のプロトコル

Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8³⁾より作図
電子添文の用法および用量
パクリタキセル²⁾ : 1日1回80mg/m²を1時間かけて点滴静注し、 週1回投与を3週連続する。
タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版)¹⁾より引用
カルボプラチン³⁾ : 1日1回300~400mg/m²を投与し、 少なくとも4週間休薬
パラプラチン®電子添文 (2023年5月改訂 第3版)²⁾より引用

前投薬・投与スケジュール例

Day1

- DEX4.95mg+ファモチジン 50mg+抗ヒスタミン薬+生食 100mL

- NK₁阻害剤+5HT₃拮抗剤+生食 50mL

- PTX 80mg/m²+5%ブ糖液 250mL (1時間)

- CBDCA AUC6+生食 250mL (30~60分)

日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生提供
参考 : パクリタキセル電子添文²⁾
投与約30分前までに投与を終了するように、 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液 (デキサメタゾンとして8mg) 及びラニチジン塩酸塩注射液 (ラニチジンとして50mg) または注射用ファモチジン (ファモチジンとして20mg) を静脈内投与、 ジフェンヒドラミン塩酸塩錠 (ジフェンヒドラミン塩酸塩として50mg) を経口投与すること。
デキサメタゾンは初回投与時8mgとし、 次回投与時までに過敏症状の発現がみられなかった場合または臨床上特に問題のない過敏症状の場合は、 2週目の投与より半量 (4mg) に減量し投与してもよい。 以降の投与週においても同様の場合、 半量ずつ最低1mgまで減量し投与してもよい。
タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版) より引用

投与開始基準

JGOG3016試験³⁾のプロトコル

化学療法歴のない20歳以上で以下に該当する患者

Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8.より作図

Day1投与基準

Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8.より作図

Day8,15の投与基準

Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8.より作図

KeyData|臨床試験結果

JGOG3016試験³⁾

対象: ステージII~IVの上皮性卵巣癌、 卵管癌、 または原発性腹膜癌の患者631例
方法: 従来レジメン (PTX (Day1) +CBDCA) vs dose-dense TC群  (Weekly PTX+CBDCA)

【有効性】dose-dense TC群

  • ORR 56%
  • mPFS 28.0ヵ月
  • 3年OS率 72.1%

【安全性】主な有害事象

  • 好中球数減少 91.7%
  • 血小板数減少 43.6%
  • 貧血 68.6%
  • 発熱性好中球減少症 9.3%
  • 悪心 10.3%
  • 嘔吐 2.9%
  • 下痢 3.2%
  • 倦怠感 4.8%
  • 運動ニューロパチー 4.8%
  • 感覚ニューロパチー 6.7%
Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8.より引用

エキスパートによるワンポイント

日本人卵巣癌患者にとって標準治療

JGOG3016試験³⁾は、 日本人を対象とした臨床試験であり、 3週毎のTC療法と比較して、 dose-dense TC療法は、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (PS)を改善しています。

海外の追試 (GOG262試験⁴⁾、 ICON8試験⁵⁾) では、 再現性が得られませんでした。 この理由としては、 対象や投与方法、 投与基準が微妙に異なることや、 治療効果に人種差がある⁶⁾ことなども考察されていますが、 よくわかっていません。 現時点では、 日本人卵巣癌患者さんにとっては、 標準治療の一つであると言ってよいと思います。

投与の際の注意点

Day1投与開始基準は、 論文にも詳細がありますが、 途中でプロトコールを変更して、 好中球数>1,000/μL、 血小板数>7.5万/μLです。 Day8, day15 は好中球数>500/μL、 血小板数>7.5万/μLです。 この投与開始基準でも特に有害事象が増えることなく安全に行えています。 サイクル中で、 好中球数がかなり減って、 600-900/μLになってしまうことがありますが、 その際にも、 パクリタキセルを延期や中断することなく、 投与を継続してほしいです。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. クリニジェン. タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版) [最終閲覧 : 2024/03/25]
  2. クリニジェン株式会社. パラプラチン®電子添文 (2023年5月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/03/25]
  3. Dose-dense paclitaxel once a week in combination with carboplatin every 3 weeks for advanced ovarian cancer: a phase 3, open-label, randomised controlled trial. Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8. PMID: 19767092
  4. Weekly vs. Every-3-Week Paclitaxel and Carboplatin for Ovarian Cancer. N Engl J Med. 2016 Feb 25;374(8):738-48. PMID: 26933849
  5. Weekly dose-dense chemotherapy in first-line epithelial ovarian, fallopian tube, or primary peritoneal cancer treatment (ICON8): overall survival results from an open-label, randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2022 Jul;23(7):919-930. PMID: 35690073
  6. Japanese-US common-arm analysis of paclitaxel plus carboplatin in advanced non-small-cell lung cancer: a model for assessing population-related pharmacogenomics. J Clin Oncol. 2009 Jul 20;27(21):3540-6. PMID: 19470925
最終更新日 : 2024年8月3日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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パクリタキセル +カルボプラチン
2024年08月03日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

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用法用量

JGOG3016試験³⁾のプロトコル

Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8³⁾より作図
電子添文の用法および用量
パクリタキセル²⁾ : 1日1回80mg/m²を1時間かけて点滴静注し、 週1回投与を3週連続する。
タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版)¹⁾より引用
カルボプラチン³⁾ : 1日1回300~400mg/m²を投与し、 少なくとも4週間休薬
パラプラチン®電子添文 (2023年5月改訂 第3版)²⁾より引用

前投薬・投与スケジュール例

Day1

- DEX4.95mg+ファモチジン 50mg+抗ヒスタミン薬+生食 100mL

- NK₁阻害剤+5HT₃拮抗剤+生食 50mL

- PTX 80mg/m²+5%ブ糖液 250mL (1時間)

- CBDCA AUC6+生食 250mL (30~60分)

日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生提供
参考 : パクリタキセル電子添文²⁾
投与約30分前までに投与を終了するように、 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液 (デキサメタゾンとして8mg) 及びラニチジン塩酸塩注射液 (ラニチジンとして50mg) または注射用ファモチジン (ファモチジンとして20mg) を静脈内投与、 ジフェンヒドラミン塩酸塩錠 (ジフェンヒドラミン塩酸塩として50mg) を経口投与すること。
デキサメタゾンは初回投与時8mgとし、 次回投与時までに過敏症状の発現がみられなかった場合または臨床上特に問題のない過敏症状の場合は、 2週目の投与より半量 (4mg) に減量し投与してもよい。 以降の投与週においても同様の場合、 半量ずつ最低1mgまで減量し投与してもよい。
タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版) より引用

投与開始基準

JGOG3016試験³⁾のプロトコル

化学療法歴のない20歳以上で以下に該当する患者

Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8.より作図

Day1投与基準

Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8.より作図

Day8,15の投与基準

Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8.より作図

KeyData|臨床試験結果

JGOG3016試験³⁾

対象: ステージII~IVの上皮性卵巣癌、 卵管癌、 または原発性腹膜癌の患者631例
方法: 従来レジメン (PTX (Day1) +CBDCA) vs dose-dense TC群  (Weekly PTX+CBDCA)

【有効性】dose-dense TC群

  • ORR 56%
  • mPFS 28.0ヵ月
  • 3年OS率 72.1%

【安全性】主な有害事象

  • 好中球数減少 91.7%
  • 血小板数減少 43.6%
  • 貧血 68.6%
  • 発熱性好中球減少症 9.3%
  • 悪心 10.3%
  • 嘔吐 2.9%
  • 下痢 3.2%
  • 倦怠感 4.8%
  • 運動ニューロパチー 4.8%
  • 感覚ニューロパチー 6.7%
Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8.より引用

エキスパートによるワンポイント

日本人卵巣癌患者にとって標準治療

JGOG3016試験³⁾は、 日本人を対象とした臨床試験であり、 3週毎のTC療法と比較して、 dose-dense TC療法は、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (PS)を改善しています。

海外の追試 (GOG262試験⁴⁾、 ICON8試験⁵⁾) では、 再現性が得られませんでした。 この理由としては、 対象や投与方法、 投与基準が微妙に異なることや、 治療効果に人種差がある⁶⁾ことなども考察されていますが、 よくわかっていません。 現時点では、 日本人卵巣癌患者さんにとっては、 標準治療の一つであると言ってよいと思います。

投与の際の注意点

Day1投与開始基準は、 論文にも詳細がありますが、 途中でプロトコールを変更して、 好中球数>1,000/μL、 血小板数>7.5万/μLです。 Day8, day15 は好中球数>500/μL、 血小板数>7.5万/μLです。 この投与開始基準でも特に有害事象が増えることなく安全に行えています。 サイクル中で、 好中球数がかなり減って、 600-900/μLになってしまうことがありますが、 その際にも、 パクリタキセルを延期や中断することなく、 投与を継続してほしいです。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. クリニジェン. タキソール®電子添文 (2023年7月改訂 第2版) [最終閲覧 : 2024/03/25]
  2. クリニジェン株式会社. パラプラチン®電子添文 (2023年5月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/03/25]
  3. Dose-dense paclitaxel once a week in combination with carboplatin every 3 weeks for advanced ovarian cancer: a phase 3, open-label, randomised controlled trial. Lancet. 2009 Oct 17;374(9698):1331-8. PMID: 19767092
  4. Weekly vs. Every-3-Week Paclitaxel and Carboplatin for Ovarian Cancer. N Engl J Med. 2016 Feb 25;374(8):738-48. PMID: 26933849
  5. Weekly dose-dense chemotherapy in first-line epithelial ovarian, fallopian tube, or primary peritoneal cancer treatment (ICON8): overall survival results from an open-label, randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2022 Jul;23(7):919-930. PMID: 35690073
  6. Japanese-US common-arm analysis of paclitaxel plus carboplatin in advanced non-small-cell lung cancer: a model for assessing population-related pharmacogenomics. J Clin Oncol. 2009 Jul 20;27(21):3540-6. PMID: 19470925
最終更新日 : 2024年8月3日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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