電子添文¹⁾の用法および用量
❶ 最初の5コース (1コース1週間)
❷ 6コース目以降 (1コース4週間)
MAVORIC試験³⁾では、 最初の28日間が1週間間隔 (Day1) で、 その後は2週間間隔 (Day1,15)
MAVORIC試験³⁾のプロトコル
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
再発または難治性の皮膚T細胞リンパ腫に対して効能・効果を有しているが、 実際には進行期菌状息肉症やセザリー症候群においてsecond lineとして用いられることが多いレジメンである。
同ラインとして扱われる薬剤にブレンツキシマブベドチンがあるが、 ブレンツキシマブベドチンがCD30の発現を確認することが必要とされているのに対し、 モガムリズマブにはそのような条件はない。
成人にはモガムリズマブとして、 1回量1mg/kgを1週間間隔で5回点滴静注し、 その後は2週間間隔で点滴静注する。 投与回数の制限はない。 PDの場合や、 認容できない有害事象 (infusion reactionや重症薬疹など) を認めた場合は投与を中止する。 Grade3以上の比血液毒性やGrade4の血液毒性を認めた場合は投与を延期する。
なお、 本レジメンに限らないが、 本剤の注意すべき有害事象として中毒性表皮壊死融解症やB型肝炎ウイルスによる肝炎の悪化、 腫瘍崩壊症候群などが知られている。
国際共同第III相試験 (0761-010試験、 別名MAVORIC試験) においては、 1サイクル以上の全身療法を受け、 効果が不十分であった皮膚T細胞リンパ腫 (菌状息肉症もしくはセザリー症候群) 372例をコントロール群 (ボリノスタット) とモガムリズマブ群とに割り当て、 その有効性を評価した。 無増悪生存期間はコントロール群が3.1ヵ月であったのに対し、 本剤は7.7ヵ月であった。 奏効率もコントロール群が5%であるのに対し、 本剤は28%であった。 組織型での比較では菌状息肉症と比べてセザリー症候群の方が無増悪生存期間も奏効率ともに優れている。 有害事象は本邦の臨床試験では血液毒性、 発熱、 発疹が多い。
再発性、 難治性のATLLやPTCLに用いる際には末梢血リンパ球または生検組織でのCCR4発現をコンパニオン診断キットで確認する必要があるが、 CTCL (主に進行期菌状息肉症) に用いる際にはCCR4の発現の有無は問われていない。 ただし、 菌状息肉症、 セザリー症候群、 原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫以外の組織型ではCCR4の発現に関する報告が少なく、 投与前に検査することが推奨されている。 また、 他の疾患に対する適応と異なり、 皮膚T細胞リンパ腫に対する本レジメンでは投与回数の制限はない。
なお、 ATLLを対象としたデータであるが、 造血幹細胞移植前の本剤投与により重症の移植片対宿主病発症率が有意に高く、 非再発死亡が増加することで生存率においても有意に低いという報告があるので、 移植対象となりうる患者に投与する場合には事前に治療計画について血液内科医と協議しておくことが望ましい。
最終更新日 : 2024年7月15日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
電子添文¹⁾の用法および用量
❶ 最初の5コース (1コース1週間)
❷ 6コース目以降 (1コース4週間)
MAVORIC試験³⁾では、 最初の28日間が1週間間隔 (Day1) で、 その後は2週間間隔 (Day1,15)
MAVORIC試験³⁾のプロトコル
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
再発または難治性の皮膚T細胞リンパ腫に対して効能・効果を有しているが、 実際には進行期菌状息肉症やセザリー症候群においてsecond lineとして用いられることが多いレジメンである。
同ラインとして扱われる薬剤にブレンツキシマブベドチンがあるが、 ブレンツキシマブベドチンがCD30の発現を確認することが必要とされているのに対し、 モガムリズマブにはそのような条件はない。
成人にはモガムリズマブとして、 1回量1mg/kgを1週間間隔で5回点滴静注し、 その後は2週間間隔で点滴静注する。 投与回数の制限はない。 PDの場合や、 認容できない有害事象 (infusion reactionや重症薬疹など) を認めた場合は投与を中止する。 Grade3以上の比血液毒性やGrade4の血液毒性を認めた場合は投与を延期する。
なお、 本レジメンに限らないが、 本剤の注意すべき有害事象として中毒性表皮壊死融解症やB型肝炎ウイルスによる肝炎の悪化、 腫瘍崩壊症候群などが知られている。
国際共同第III相試験 (0761-010試験、 別名MAVORIC試験) においては、 1サイクル以上の全身療法を受け、 効果が不十分であった皮膚T細胞リンパ腫 (菌状息肉症もしくはセザリー症候群) 372例をコントロール群 (ボリノスタット) とモガムリズマブ群とに割り当て、 その有効性を評価した。 無増悪生存期間はコントロール群が3.1ヵ月であったのに対し、 本剤は7.7ヵ月であった。 奏効率もコントロール群が5%であるのに対し、 本剤は28%であった。 組織型での比較では菌状息肉症と比べてセザリー症候群の方が無増悪生存期間も奏効率ともに優れている。 有害事象は本邦の臨床試験では血液毒性、 発熱、 発疹が多い。
再発性、 難治性のATLLやPTCLに用いる際には末梢血リンパ球または生検組織でのCCR4発現をコンパニオン診断キットで確認する必要があるが、 CTCL (主に進行期菌状息肉症) に用いる際にはCCR4の発現の有無は問われていない。 ただし、 菌状息肉症、 セザリー症候群、 原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫以外の組織型ではCCR4の発現に関する報告が少なく、 投与前に検査することが推奨されている。 また、 他の疾患に対する適応と異なり、 皮膚T細胞リンパ腫に対する本レジメンでは投与回数の制限はない。
なお、 ATLLを対象としたデータであるが、 造血幹細胞移植前の本剤投与により重症の移植片対宿主病発症率が有意に高く、 非再発死亡が増加することで生存率においても有意に低いという報告があるので、 移植対象となりうる患者に投与する場合には事前に治療計画について血液内科医と協議しておくことが望ましい。
最終更新日 : 2024年7月15日
監修医師 : 近畿大学皮膚科 藤井 一恭先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
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