概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量

第Ⅲ相試験¹⁾より抜粋
臨床では汎用される用法であるが添付文書の用法とは異なる

投与開始基準

第Ⅲ相試験¹⁾より抜粋

組織学的または細胞学的に転移性乳がんと診断されたPS0、 1の患者

減量・休薬基準

パクリタキセルの減量・休薬基準

主な有害事象

第Ⅲ相試験¹⁾

試験の有害事象データを一部引用

主な有害事象

  • 貧血 0.3%
  • 発熱性好中球減少症 0.8%
  • 倦怠感 9.1%
  • 悪心 3.3%
  • 嘔吐 2.7%
  • 口内炎 1.1%
  • AST増加 1.4%

注意すべき有害事象

  • 感覚性ニューロパチー 23.5%
  • 高血圧 14.8%

特徴と注意点

  • 転移・再発化学療法としてday1, 8, 15の4週毎で投与する。
臨床では汎用される用法であるが添付文書の用法とは異なる
  • HER2陰性の転移・再発乳がんに対する一次治療として、 無増悪生存期間の延長は認めたものの全生存期間の明かな延長は認められなかった¹⁾。
  • パクリタキセル製剤にはアルコールが含まれ、 weeklyレジメンはおおよそビール200mLに相当するため、 投与前にアルコール過敏の有無について確認する。
  • パクリタキセルおよび溶解補助剤のポリオキシエチレンヒマシ油による過敏症予防のために、 ステロイドおよび抗アレルギー薬の前投薬を行う。
  • ベバシズマブによる高血圧および尿蛋白の副作用に注意し、 自宅での血圧測定を指導し、 定期的に尿蛋白検査を行う。

関連する臨床試験|第Ⅲ相試験¹⁾

未治療の転移性乳癌において、 ベバシズマブ+パクリタキセル (PTX) 投与の効果を、 PTX単剤投与を対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) に対する有効性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

PFS中央値

PTX+ベバシズマブ群:11.8ヵ月

PTX群:5.9ヵ月

HR 0.60、 p<0.001

ORR

PTX+ベバシズマブ群:36.9%

PTX群:21.2%

p<0.001

OS中央値

PTX+ベバシズマブ群:26.7ヵ月

PTX群:25.2ヵ月

HR 0.88、 p=0.16

OS率 (1年時)

PTX+ベバシズマブ群:81.2%

PTX群:73.4%

p=0.01

参考文献

  1. Paclitaxel plus bevacizumab versus paclitaxel alone for metastatic breast cancer. N Engl J Med. 2007 Dec 27;357(26):2666-76. PMID: 18160686
最終更新日:2023年10月20日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師
執筆:NTT東日本関東病院 薬剤部 兼平 暖先生

レジメン
Bevacizumab + wPaclitaxel
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン
Bevacizumab + wPaclitaxel
レジメン
Bevacizumab + wPaclitaxel

Bevacizumab + wPaclitaxel

ベバシズマブ (アバスチン®) +パクリタキセル (タキソール®)
2024年03月06日更新
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用法用量

第Ⅲ相試験¹⁾より抜粋
臨床では汎用される用法であるが添付文書の用法とは異なる

投与開始基準

第Ⅲ相試験¹⁾より抜粋

組織学的または細胞学的に転移性乳がんと診断されたPS0、 1の患者

減量・休薬基準

パクリタキセルの減量・休薬基準

主な有害事象

第Ⅲ相試験¹⁾

試験の有害事象データを一部引用

主な有害事象

  • 貧血 0.3%
  • 発熱性好中球減少症 0.8%
  • 倦怠感 9.1%
  • 悪心 3.3%
  • 嘔吐 2.7%
  • 口内炎 1.1%
  • AST増加 1.4%

注意すべき有害事象

  • 感覚性ニューロパチー 23.5%
  • 高血圧 14.8%

特徴と注意点

  • 転移・再発化学療法としてday1, 8, 15の4週毎で投与する。
臨床では汎用される用法であるが添付文書の用法とは異なる
  • HER2陰性の転移・再発乳がんに対する一次治療として、 無増悪生存期間の延長は認めたものの全生存期間の明かな延長は認められなかった¹⁾。
  • パクリタキセル製剤にはアルコールが含まれ、 weeklyレジメンはおおよそビール200mLに相当するため、 投与前にアルコール過敏の有無について確認する。
  • パクリタキセルおよび溶解補助剤のポリオキシエチレンヒマシ油による過敏症予防のために、 ステロイドおよび抗アレルギー薬の前投薬を行う。
  • ベバシズマブによる高血圧および尿蛋白の副作用に注意し、 自宅での血圧測定を指導し、 定期的に尿蛋白検査を行う。

関連する臨床試験|第Ⅲ相試験¹⁾

未治療の転移性乳癌において、 ベバシズマブ+パクリタキセル (PTX) 投与の効果を、 PTX単剤投与を対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) に対する有効性が示された。

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PFS中央値

PTX+ベバシズマブ群:11.8ヵ月

PTX群:5.9ヵ月

HR 0.60、 p<0.001

ORR

PTX+ベバシズマブ群:36.9%

PTX群:21.2%

p<0.001

OS中央値

PTX+ベバシズマブ群:26.7ヵ月

PTX群:25.2ヵ月

HR 0.88、 p=0.16

OS率 (1年時)

PTX+ベバシズマブ群:81.2%

PTX群:73.4%

p=0.01

参考文献

  1. Paclitaxel plus bevacizumab versus paclitaxel alone for metastatic breast cancer. N Engl J Med. 2007 Dec 27;357(26):2666-76. PMID: 18160686
最終更新日:2023年10月20日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(乳腺)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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