アドリアシン® (添付文書¹⁾)
【1コース】21日間
【催吐性】 高度催吐性
LMS-04試験⁴⁾のプロトコル
ドキソルビシン60mg/m² とトラベクテジン 1.1mg/m² (3時間点滴) を3週間に1回、 最大6サイクル* 投与後、 トラベクテジン維持投与
遠隔転移のある進行軟部肉腫 (平滑筋肉腫) 患者に対して、 第III相試験 LMS-04⁴⁾では、 ドキソルビシン+トラベクテジン併用療法と、 ドキソルビシン単剤を比較した。 このうち83名 (55%) は軟部組織原発、 67名 (45%) は子宮原発であった。
患者はドキソルビシン+トラベクテジン併用療法 (投与スケジュール参照)、 またはドキソルビシン単独 75mg/m²を3週間に1回、 最大6サイクル投与する群に無作為に割り付けられた。
ドキソルビシンにトラベクテジンを追加することで、 PFS (中央値12ヵ月 vs 6ヵ月、 HR 0.37、 95% CI 0.26-0.53) およびOS (33ヵ月対24ヵ月、 HR 0.65、 95% CI 0.44-0.95) が改善した。 さらに、 奏効率は併用群で36%、 ドキソルビシン単独群では13%に認められた。
しかし、 グレード3以上の有害事象は併用群でより多くみられた (97%対56%)。 有害事象は、 発熱性好中球減少症 (28%対9%)、 血小板減少症 (47%対0%)、 好中球減少症 (80%対30%)、 および貧血 (31%対15%) であった。
平滑筋肉腫に対しては、 最も治療成績が良いため、 ドキソルビシン+トラベクテジン療法は、 新たな標準治療の一つであると言えるが、 有害事象が多いことに注意すべきである。 G-CSFの予防投与を施行しても、 FN (発熱性好中球減少) が28%起こっており、 予防的抗菌剤も場合によっては必要であると思われる。
1) 日本化薬株式会社. アドリアシン®電子添文 (2022年11月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2025/1/3]
2) 大鵬薬品工業株式会社. ヨンデリス®電子添文 (2024年6月改訂第2版) [最終閲覧 : 2025/1/3]
3) 大鵬薬品工業株式会社. ヨンデリス®適正使用ガイド [最終閲覧 : 2025/1/3]
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2025年1月3日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生
アドリアシン® (添付文書¹⁾)
【1コース】21日間
【催吐性】 高度催吐性
LMS-04試験⁴⁾のプロトコル
ドキソルビシン60mg/m² とトラベクテジン 1.1mg/m² (3時間点滴) を3週間に1回、 最大6サイクル* 投与後、 トラベクテジン維持投与
遠隔転移のある進行軟部肉腫 (平滑筋肉腫) 患者に対して、 第III相試験 LMS-04⁴⁾では、 ドキソルビシン+トラベクテジン併用療法と、 ドキソルビシン単剤を比較した。 このうち83名 (55%) は軟部組織原発、 67名 (45%) は子宮原発であった。
患者はドキソルビシン+トラベクテジン併用療法 (投与スケジュール参照)、 またはドキソルビシン単独 75mg/m²を3週間に1回、 最大6サイクル投与する群に無作為に割り付けられた。
ドキソルビシンにトラベクテジンを追加することで、 PFS (中央値12ヵ月 vs 6ヵ月、 HR 0.37、 95% CI 0.26-0.53) およびOS (33ヵ月対24ヵ月、 HR 0.65、 95% CI 0.44-0.95) が改善した。 さらに、 奏効率は併用群で36%、 ドキソルビシン単独群では13%に認められた。
しかし、 グレード3以上の有害事象は併用群でより多くみられた (97%対56%)。 有害事象は、 発熱性好中球減少症 (28%対9%)、 血小板減少症 (47%対0%)、 好中球減少症 (80%対30%)、 および貧血 (31%対15%) であった。
平滑筋肉腫に対しては、 最も治療成績が良いため、 ドキソルビシン+トラベクテジン療法は、 新たな標準治療の一つであると言えるが、 有害事象が多いことに注意すべきである。 G-CSFの予防投与を施行しても、 FN (発熱性好中球減少) が28%起こっており、 予防的抗菌剤も場合によっては必要であると思われる。
1) 日本化薬株式会社. アドリアシン®電子添文 (2022年11月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2025/1/3]
2) 大鵬薬品工業株式会社. ヨンデリス®電子添文 (2024年6月改訂第2版) [最終閲覧 : 2025/1/3]
3) 大鵬薬品工業株式会社. ヨンデリス®適正使用ガイド [最終閲覧 : 2025/1/3]
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2025年1月3日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
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