主に皮膚に発生するが、 眼窩内組織や口腔、鼻腔、食道、膣、直腸肛門などの粘膜にも発生する。
人種差として、 アジア人、 黒人と比して白人で著明に多いことが知られている。 また、本邦では末端黒子型が約半数近くなのに対し、 米国では表在拡大型が全体の約63%と圧倒的に多く、 本邦で多い末端黒子型はわずか1%と稀である。
悪性黒色腫は古くからClark分類と呼ばれる病型分類に従って、 以下の4型に分類されてきた。
近年は、 これに加え遺伝子異常に基づいたメラノーマの新たな病型が提唱されている。 2005年にCurtinらは、 紫外線暴露の程度 (Cumulative Sun Damage; CSD) と解剖学的部位によって悪性黒色腫の遺伝子異常に特徴があることを報告し以下の新分類が提唱された。
病期分類については、 一般にAJCC (American Joint Committee on Cancer)/UICC (Union for International Cancer Control) 分類を用いる。
悪性黒色腫に対する代表的な抗がん薬はダカルバジン(DTIC) であり1970年代にはすでに悪性黒色腫の治療薬として使われていた。
約40年にわたり大きな進歩のなかった悪性黒色腫の薬物療法であるが、 海外の治療薬開発の成功の結果、 2011年に免疫チェックポイント阻害薬である抗CTLA-4抗体Ipilimumabと分子標的薬であるBRAF阻害薬Vemrafenibが米国FDAにおいて相次いで悪性黒色腫の新規治療薬として承認された。 これを皮切りに悪性黒色腫に対する薬物治療は急速な進歩と変化を遂げている。
現在、 進行期悪性黒色腫に対し保険適用のある薬剤とその投与法は、 抗PD-1抗体Nivolumab、 Pembrolizumab単剤とNivolumab/Ipilimumab併用がほとんどである。 なお、 Ipilimumab単剤は実臨床ではほとんど行われていない。
BRAF変異陽性例に対し、Dabrafenib/Trametinib併用およびEncolafenib/Binimetinib併用が行われている。 なお、 Vemuafenib単剤ではほとんど治療されていない。
細胞障害性抗がん薬で保険適用のある薬剤はダカルバジン(DTIC)のみだが、ときに保険適用外でCP療法 (CBDCA+PTX) が行われることがある。
免疫チェックポイント阻害薬として、 IIIB-IV期の術後にNivolumab単剤、 IIB-IIID期の術後 (IIIA期の一部を除く) にPembrolizumab単剤を投与することが認められている。
RAF遺伝子変異陽性例に対しては、 これに加えてIIIA期 (一部を除く)-IIID期の術後にDabrafenib/ Trametinib併用を投与することができる。
いずれも術後12週以内に開始し、 1年間行うことで無再発生存期間を延長することが証明されている。 なおPeg-interferon αによる治療は現在は行われていない。
最終更新日 : 2024年11月19日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生
主に皮膚に発生するが、 眼窩内組織や口腔、鼻腔、食道、膣、直腸肛門などの粘膜にも発生する。
人種差として、 アジア人、 黒人と比して白人で著明に多いことが知られている。 また、本邦では末端黒子型が約半数近くなのに対し、 米国では表在拡大型が全体の約63%と圧倒的に多く、 本邦で多い末端黒子型はわずか1%と稀である。
悪性黒色腫は古くからClark分類と呼ばれる病型分類に従って、 以下の4型に分類されてきた。
近年は、 これに加え遺伝子異常に基づいたメラノーマの新たな病型が提唱されている。 2005年にCurtinらは、 紫外線暴露の程度 (Cumulative Sun Damage; CSD) と解剖学的部位によって悪性黒色腫の遺伝子異常に特徴があることを報告し以下の新分類が提唱された。
病期分類については、 一般にAJCC (American Joint Committee on Cancer)/UICC (Union for International Cancer Control) 分類を用いる。
悪性黒色腫に対する代表的な抗がん薬はダカルバジン(DTIC) であり1970年代にはすでに悪性黒色腫の治療薬として使われていた。
約40年にわたり大きな進歩のなかった悪性黒色腫の薬物療法であるが、 海外の治療薬開発の成功の結果、 2011年に免疫チェックポイント阻害薬である抗CTLA-4抗体Ipilimumabと分子標的薬であるBRAF阻害薬Vemrafenibが米国FDAにおいて相次いで悪性黒色腫の新規治療薬として承認された。 これを皮切りに悪性黒色腫に対する薬物治療は急速な進歩と変化を遂げている。
現在、 進行期悪性黒色腫に対し保険適用のある薬剤とその投与法は、 抗PD-1抗体Nivolumab、 Pembrolizumab単剤とNivolumab/Ipilimumab併用がほとんどである。 なお、 Ipilimumab単剤は実臨床ではほとんど行われていない。
BRAF変異陽性例に対し、Dabrafenib/Trametinib併用およびEncolafenib/Binimetinib併用が行われている。 なお、 Vemuafenib単剤ではほとんど治療されていない。
細胞障害性抗がん薬で保険適用のある薬剤はダカルバジン(DTIC)のみだが、ときに保険適用外でCP療法 (CBDCA+PTX) が行われることがある。
免疫チェックポイント阻害薬として、 IIIB-IV期の術後にNivolumab単剤、 IIB-IIID期の術後 (IIIA期の一部を除く) にPembrolizumab単剤を投与することが認められている。
RAF遺伝子変異陽性例に対しては、 これに加えてIIIA期 (一部を除く)-IIID期の術後にDabrafenib/ Trametinib併用を投与することができる。
いずれも術後12週以内に開始し、 1年間行うことで無再発生存期間を延長することが証明されている。 なおPeg-interferon αによる治療は現在は行われていない。
最終更新日 : 2024年11月19日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
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