概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
※EDP療法は副腎癌に対して保険適用外であるので注意

薬剤情報

オペプリム® (薬剤情報¹⁾/製品情報サイト*)

副腎皮質ホルモン合成阻害薬 ミトタン
*ヤクルト本社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

ミトタン (オペプリム®) 連日内服

1回1カプセル (500mg/回)~2カプセル (1000mg/回) を1日3回経口投与から開始し、 有効量まで漸増し、 以後、 症状、 血中・尿中ステロイド濃度、 副作用等により適宜増減する。

およびEDP療法併用 1サイクル4週間

※EDP療法は副腎癌に対して保険適用外であるので注意

ドキソルビシン 40mg/m² (day1)

エトポシド   100mg/m² (day2~4)

シスプラチン 40mg/m² (day3~4)

特徴と注意点

EDP-M療法について

エトポシド+ドキソルビシン+シスプラチン+ミトタンの4剤併用療法である。 FIRM-ACT試験²⁾の結果、 進行再発の副腎皮質癌においてストレプトゾシン+ミトタン療法と比較したPFSとRRが優れており、 「内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン2022年版」³⁾にももっとも優れたレジメンとして記載がある。 一方、 ミトタン以外は副腎がんに対する保険適応はない。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

ミトタンの作用機序と副作用

ミトタンは副腎皮質細胞のアポトーシスを誘導することで抗腫瘍効果を発揮する副腎皮質がんで唯一保険適応のある薬剤である。

治療により副腎皮質の不可逆的な機能低下が生じ、 コルチコステロイド (ヒドロコルチゾン+/-フルドロコルチゾン) の補充が生涯必要となる。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

ミトタンのTDMについて

エビデンス上は推奨治療域14-20mg/Lの血中濃度が望ましいとされているが (3~4週ごとの血中濃度モニタリングを推奨)、 保険適応内で測定できる検査は存在しない。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

>>その他の情報はミトタン単剤療法へ

KeyData|臨床試験結果

術後補助療法|FIRM-ACT試験²⁾

進行副腎皮質癌患者304例*を対象に、 ミトタンと併用する化学療法を検討したランダム化対照第III相試験 (*切除不能、 未治療、 PS0~2、 EDP‐M群151例 vs Sz‐M群153例)。 治療群はEDP‐M群 (EDP療法+ミトタン)、 Sz‐M群 (ストレプトゾシン療法+ミトタン)のいずれかとした (治療開始1週間以上前からミトタン内服)
EDP療法 : ドキソルビシン40mg/m² (day1) +エトポシド 100mg/m² (day2~4)、 シスプラチン40mg/m² (day3~4)
ストレプトゾシン療法 : 1サイクル目 1g (day1~5) → 2サイクル目以降 2g (day1)

全生存期間 (OS) 中央値

- EDP‐M群 : 14.8ヵ月

- Sz‐M群  : 12.0ヵ月

HR : 0.79 (95%CI 0.61-1.02)、 p=0.07

両群間に有意差は認められず

奏効率 (RR)

- EDP‐M群 : 23.2%

- Sz‐M群  : 9.2%

p<0.001、 EDP‐M群で有意に良好

無増悪生存期間 (PFS) 中央値

- EDP‐M群 : 5.0ヵ月

- Sz‐M群  : 2.1ヵ月

HR : 0.55 (95%CI 0.43-0.69)、 p<0.001

EDP‐M群で有意に延長

安全性

重篤な有害事象の発現率は両群間で有意差なし

出典

1) オペプリム®添付文書 (2024年01月改訂(第4版) [最終閲覧: 2024/11/5]

2) Combination chemotherapy in advanced adrenocortical carcinoma. N Engl J Med. 2012 Jun 7;366(23):2189-97. PMID: 22551107

3) 日本泌尿器科学会、日本内分泌外科学会 内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン作成委員会. 内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン2022年版

最終更新日 : 2024年11月20日
監修医師 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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EDP-M
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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エトポシド+ドキソルビシン+シスプラチン+ミトタン
2024年11月20日更新
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薬剤情報

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投与スケジュール

ミトタン (オペプリム®) 連日内服

1回1カプセル (500mg/回)~2カプセル (1000mg/回) を1日3回経口投与から開始し、 有効量まで漸増し、 以後、 症状、 血中・尿中ステロイド濃度、 副作用等により適宜増減する。

およびEDP療法併用 1サイクル4週間

※EDP療法は副腎癌に対して保険適用外であるので注意

ドキソルビシン 40mg/m² (day1)

エトポシド   100mg/m² (day2~4)

シスプラチン 40mg/m² (day3~4)

特徴と注意点

EDP-M療法について

エトポシド+ドキソルビシン+シスプラチン+ミトタンの4剤併用療法である。 FIRM-ACT試験²⁾の結果、 進行再発の副腎皮質癌においてストレプトゾシン+ミトタン療法と比較したPFSとRRが優れており、 「内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン2022年版」³⁾にももっとも優れたレジメンとして記載がある。 一方、 ミトタン以外は副腎がんに対する保険適応はない。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

ミトタンの作用機序と副作用

ミトタンは副腎皮質細胞のアポトーシスを誘導することで抗腫瘍効果を発揮する副腎皮質がんで唯一保険適応のある薬剤である。

治療により副腎皮質の不可逆的な機能低下が生じ、 コルチコステロイド (ヒドロコルチゾン+/-フルドロコルチゾン) の補充が生涯必要となる。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

ミトタンのTDMについて

エビデンス上は推奨治療域14-20mg/Lの血中濃度が望ましいとされているが (3~4週ごとの血中濃度モニタリングを推奨)、 保険適応内で測定できる検査は存在しない。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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KeyData|臨床試験結果

術後補助療法|FIRM-ACT試験²⁾

進行副腎皮質癌患者304例*を対象に、 ミトタンと併用する化学療法を検討したランダム化対照第III相試験 (*切除不能、 未治療、 PS0~2、 EDP‐M群151例 vs Sz‐M群153例)。 治療群はEDP‐M群 (EDP療法+ミトタン)、 Sz‐M群 (ストレプトゾシン療法+ミトタン)のいずれかとした (治療開始1週間以上前からミトタン内服)
EDP療法 : ドキソルビシン40mg/m² (day1) +エトポシド 100mg/m² (day2~4)、 シスプラチン40mg/m² (day3~4)
ストレプトゾシン療法 : 1サイクル目 1g (day1~5) → 2サイクル目以降 2g (day1)

全生存期間 (OS) 中央値

- EDP‐M群 : 14.8ヵ月

- Sz‐M群  : 12.0ヵ月

HR : 0.79 (95%CI 0.61-1.02)、 p=0.07

両群間に有意差は認められず

奏効率 (RR)

- EDP‐M群 : 23.2%

- Sz‐M群  : 9.2%

p<0.001、 EDP‐M群で有意に良好

無増悪生存期間 (PFS) 中央値

- EDP‐M群 : 5.0ヵ月

- Sz‐M群  : 2.1ヵ月

HR : 0.55 (95%CI 0.43-0.69)、 p<0.001

EDP‐M群で有意に延長

安全性

重篤な有害事象の発現率は両群間で有意差なし

出典

1) オペプリム®添付文書 (2024年01月改訂(第4版) [最終閲覧: 2024/11/5]

2) Combination chemotherapy in advanced adrenocortical carcinoma. N Engl J Med. 2012 Jun 7;366(23):2189-97. PMID: 22551107

3) 日本泌尿器科学会、日本内分泌外科学会 内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン作成委員会. 内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン2022年版

最終更新日 : 2024年11月20日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(泌尿器)

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