ミトタン (オペプリム®) 連日内服
1回1カプセル (500mg/回)~2カプセル (1000mg/回) を1日3回経口投与から開始し、 有効量まで漸増し、 以後、 症状、 血中・尿中ステロイド濃度、 副作用等により適宜増減する。
およびEDP療法併用 1サイクル4週間
ドキソルビシン 40mg/m² (day1)
エトポシド 100mg/m² (day2~4)
シスプラチン 40mg/m² (day3~4)
エトポシド+ドキソルビシン+シスプラチン+ミトタンの4剤併用療法である。 FIRM-ACT試験²⁾の結果、 進行再発の副腎皮質癌においてストレプトゾシン+ミトタン療法と比較したPFSとRRが優れており、 「内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン2022年版」³⁾にももっとも優れたレジメンとして記載がある。 一方、 ミトタン以外は副腎がんに対する保険適応はない。
ミトタンは副腎皮質細胞のアポトーシスを誘導することで抗腫瘍効果を発揮する副腎皮質がんで唯一保険適応のある薬剤である。
治療により副腎皮質の不可逆的な機能低下が生じ、 コルチコステロイド (ヒドロコルチゾン+/-フルドロコルチゾン) の補充が生涯必要となる。
エビデンス上は推奨治療域14-20mg/Lの血中濃度が望ましいとされているが (3~4週ごとの血中濃度モニタリングを推奨)、 保険適応内で測定できる検査は存在しない。
進行副腎皮質癌患者304例*を対象に、 ミトタンと併用する化学療法を検討したランダム化対照第III相試験 (*切除不能、 未治療、 PS0~2、 EDP‐M群151例 vs Sz‐M群153例)。 治療群はEDP‐M群 (EDP療法+ミトタン)、 Sz‐M群 (ストレプトゾシン療法+ミトタン)のいずれかとした (治療開始1週間以上前からミトタン内服)
全生存期間 (OS) 中央値
- EDP‐M群 : 14.8ヵ月
- Sz‐M群 : 12.0ヵ月
HR : 0.79 (95%CI 0.61-1.02)、 p=0.07
両群間に有意差は認められず
奏効率 (RR)
- EDP‐M群 : 23.2%
- Sz‐M群 : 9.2%
p<0.001、 EDP‐M群で有意に良好
無増悪生存期間 (PFS) 中央値
- EDP‐M群 : 5.0ヵ月
- Sz‐M群 : 2.1ヵ月
HR : 0.55 (95%CI 0.43-0.69)、 p<0.001
EDP‐M群で有意に延長
安全性
重篤な有害事象の発現率は両群間で有意差なし
1) オペプリム®添付文書 (2024年01月改訂(第4版) [最終閲覧: 2024/11/5]
3) 日本泌尿器科学会、日本内分泌外科学会 内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン作成委員会. 内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン2022年版
最終更新日 : 2024年11月20日
監修医師 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生
ミトタン (オペプリム®) 連日内服
1回1カプセル (500mg/回)~2カプセル (1000mg/回) を1日3回経口投与から開始し、 有効量まで漸増し、 以後、 症状、 血中・尿中ステロイド濃度、 副作用等により適宜増減する。
およびEDP療法併用 1サイクル4週間
ドキソルビシン 40mg/m² (day1)
エトポシド 100mg/m² (day2~4)
シスプラチン 40mg/m² (day3~4)
エトポシド+ドキソルビシン+シスプラチン+ミトタンの4剤併用療法である。 FIRM-ACT試験²⁾の結果、 進行再発の副腎皮質癌においてストレプトゾシン+ミトタン療法と比較したPFSとRRが優れており、 「内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン2022年版」³⁾にももっとも優れたレジメンとして記載がある。 一方、 ミトタン以外は副腎がんに対する保険適応はない。
ミトタンは副腎皮質細胞のアポトーシスを誘導することで抗腫瘍効果を発揮する副腎皮質がんで唯一保険適応のある薬剤である。
治療により副腎皮質の不可逆的な機能低下が生じ、 コルチコステロイド (ヒドロコルチゾン+/-フルドロコルチゾン) の補充が生涯必要となる。
エビデンス上は推奨治療域14-20mg/Lの血中濃度が望ましいとされているが (3~4週ごとの血中濃度モニタリングを推奨)、 保険適応内で測定できる検査は存在しない。
進行副腎皮質癌患者304例*を対象に、 ミトタンと併用する化学療法を検討したランダム化対照第III相試験 (*切除不能、 未治療、 PS0~2、 EDP‐M群151例 vs Sz‐M群153例)。 治療群はEDP‐M群 (EDP療法+ミトタン)、 Sz‐M群 (ストレプトゾシン療法+ミトタン)のいずれかとした (治療開始1週間以上前からミトタン内服)
全生存期間 (OS) 中央値
- EDP‐M群 : 14.8ヵ月
- Sz‐M群 : 12.0ヵ月
HR : 0.79 (95%CI 0.61-1.02)、 p=0.07
両群間に有意差は認められず
奏効率 (RR)
- EDP‐M群 : 23.2%
- Sz‐M群 : 9.2%
p<0.001、 EDP‐M群で有意に良好
無増悪生存期間 (PFS) 中央値
- EDP‐M群 : 5.0ヵ月
- Sz‐M群 : 2.1ヵ月
HR : 0.55 (95%CI 0.43-0.69)、 p<0.001
EDP‐M群で有意に延長
安全性
重篤な有害事象の発現率は両群間で有意差なし
1) オペプリム®添付文書 (2024年01月改訂(第4版) [最終閲覧: 2024/11/5]
3) 日本泌尿器科学会、日本内分泌外科学会 内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン作成委員会. 内分泌非活性副腎腫瘍ガイドライン2022年版
最終更新日 : 2024年11月20日
監修医師 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。