治療スケジュール
概要
監修医師

ISA:イサツキシマブ(サークリサ®)

投与量コース投与日
20mg/kg1Day 1、8、15、22
20mg/kg2~Day 1、15

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg1~Day 1、8、15、22

前投薬

ISA-d療法:ISA投与開始15~60分前にDEX、 抗ヒスタミン薬、 H2受容体拮抗薬、 アセトアミノフェン投与.
ISA単剤療法:ISA投与開始15~60分前に抗ヒスタミン薬、 H2受容体拮抗薬、 アセトアミノフェン投与.
ISA単剤療法の際、ISA投与前にメチルプレドニゾロン100mg又は同等物を経口又は静脈内投与する.

その他

1コースは28日間.
ISA-d療法:年齢≧75歳のときDEX20mgへ減量.
レジメン
ISA-d/ISA monotherapy
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「サノフィ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

TED10893試験²⁾ISA単剤群より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 22.9%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 18.3%)
  • 好中球減少 (≧Grade3 18.3%)
  • リンパ球減少 (≧Grade3 27.5%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (40.4%、 ≧Grade3 4.6%)
  • 背部痛 (20.2%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 下痢 (19.3%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 倦怠感 (17.4%、 ≧Grade3 2.8%)
  • 咳嗽 (17.4%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 呼吸困難 (17.4%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 悪心 (14.7%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 上気道感染 (12.8%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 頭痛 (12.8%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 嘔吐 (12.8%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 食欲減退 (11.0%、 ≧Grade3 0.9%)

その他重要な有害事象

  • 肺炎 (9.2%、 ≧Grade3 6.4%)

特徴と注意点

イサツキシマブ(Isatuximab:ISA)

  • ISAは抗CD38モノクローナル抗体であり、 再発難治性の多発性骨髄腫に保険適用.
  • ISAによるInfusion reaction (IRR) 発現時の対応の詳細は添付文書を参照.
  • ISAはCD38と結合し、 間接クームス試験の結果が偽陽性になる可能性あり.
  • ISAはIgGκモノクローナル抗体のため血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び免疫固定法の結果に干渉する可能性あり.
  • ISAは0.2又は0.22μmのメンブランフィルターを用いて投与.
  • ISAは希釈後の総量が250mLとなるよう調製. 

関連する臨床試験の結果

ISLANDs試験¹⁾

PFS:無増悪生存期間 ORR:全奏効率 CR:完全寛解 VGPR:非常に良い部分寛解 OS:全生存期間 

概要

  • 免疫調節薬 (IMiDs) 及びプロテアソーム阻害剤 (PI) を含む3レジメン以上の前治療数を有する、 又は両剤に抵抗性のある再発又は難治性多発性骨髄腫に対する国内非盲検非対照第1/2相試験.
  • ISA単剤療法の有効性及び安全性を評価.
  • 第1相はISA 10mg/kg (3例) 又は 20mg/kg (5例) を1サイクル目 Day1、 8、 15、 22に、 2サイクル目以降はDay1、 15に投与.
  • 第2相はISA 20mg/kg (28例) を1サイクル目 Day1、 8、 15、 22に、 2サイクル目以降はDay1、 15に投与.

結果

  • ORR (ISA 20mg/kg、 33例):36.4% (95%CI 20.4-54.9).
  • ≧VGPR (ISA 20mg/kg、 33例):18%.
  • ≧CR (ISA 20mg/kg、 33例):6%.
  • PFS中央値 (第2相、 28例):4.7ヵ月 (95%CI 3.75-not reached).
  • OS中央値 (第2相、 28例):未到達 (95%CI 10.51-not reached).

TED10893試験²⁾

PFS:無増悪生存期間 ORR:全奏効率 VGPR:非常に良い部分寛解 OS:全生存期間 

概要

  • 免疫調節薬 (IMiDs) 及びプロテアソーム阻害剤 (PI) を含む3レジメン以上の前治療数を有する、 又は両剤に抵抗性のある再発又は難治性多発性骨髄腫に対する海外非盲検非対照第1/2相試験.
  • 第2相ステージ2において、 ISA+DEX併用療法 (55例) とISA単剤 (109例) の有効性及び安全性を検討.

結果

  • ORR:Isa-d群 43.6% vs Isa群 23.9% (OR 0.405、 95%CI 0.192-0.859、 p=0.0083).
  • ≧VGPR:Isa-d群 20.0% vs Isa群 9.2%.
  • PFS中央値 :Isa-d群 10.2ヵ月 vs Isa群 4.9ヵ月 (HR 0.677、 95%CI 0.440-1.043、 p=0.0376).
  • OS中央値 :Isa-d群 17.3ヵ月 vs Isa群 18.9ヵ月 (HR 0.799、 95%CI 0.484-1.321、 p=0.1905).

参考文献

  1. Cancer Sci. 2020 Dec;111(12):4526-4539.
  2. Blood. 2021 Mar 4;137(9):1154-1165.

最終更新:2022年8月30日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
ISA-d/ISA monotherapy
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
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ISA-d/ISA monotherapy
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イサツキシマブ ± デキサメタゾン
2023年05月07日更新

ISA:イサツキシマブ(サークリサ®)

投与量コース投与日
20mg/kg1Day 1、8、15、22
20mg/kg2~Day 1、15

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg1~Day 1、8、15、22

前投薬

ISA-d療法:ISA投与開始15~60分前にDEX、 抗ヒスタミン薬、 H2受容体拮抗薬、 アセトアミノフェン投与.
ISA単剤療法:ISA投与開始15~60分前に抗ヒスタミン薬、 H2受容体拮抗薬、 アセトアミノフェン投与.
ISA単剤療法の際、ISA投与前にメチルプレドニゾロン100mg又は同等物を経口又は静脈内投与する.

その他

1コースは28日間.
ISA-d療法:年齢≧75歳のときDEX20mgへ減量.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「サノフィ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

TED10893試験²⁾ISA単剤群より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 22.9%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 18.3%)
  • 好中球減少 (≧Grade3 18.3%)
  • リンパ球減少 (≧Grade3 27.5%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (40.4%、 ≧Grade3 4.6%)
  • 背部痛 (20.2%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 下痢 (19.3%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 倦怠感 (17.4%、 ≧Grade3 2.8%)
  • 咳嗽 (17.4%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 呼吸困難 (17.4%、 ≧Grade3 1.8%)
  • 悪心 (14.7%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 上気道感染 (12.8%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 頭痛 (12.8%、 ≧Grade3 0.0%)
  • 嘔吐 (12.8%、 ≧Grade3 0.9%)
  • 食欲減退 (11.0%、 ≧Grade3 0.9%)

その他重要な有害事象

  • 肺炎 (9.2%、 ≧Grade3 6.4%)

特徴と注意点

イサツキシマブ(Isatuximab:ISA)

  • ISAは抗CD38モノクローナル抗体であり、 再発難治性の多発性骨髄腫に保険適用.
  • ISAによるInfusion reaction (IRR) 発現時の対応の詳細は添付文書を参照.
  • ISAはCD38と結合し、 間接クームス試験の結果が偽陽性になる可能性あり.
  • ISAはIgGκモノクローナル抗体のため血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び免疫固定法の結果に干渉する可能性あり.
  • ISAは0.2又は0.22μmのメンブランフィルターを用いて投与.
  • ISAは希釈後の総量が250mLとなるよう調製. 

関連する臨床試験の結果

ISLANDs試験¹⁾

PFS:無増悪生存期間 ORR:全奏効率 CR:完全寛解 VGPR:非常に良い部分寛解 OS:全生存期間 

概要

  • 免疫調節薬 (IMiDs) 及びプロテアソーム阻害剤 (PI) を含む3レジメン以上の前治療数を有する、 又は両剤に抵抗性のある再発又は難治性多発性骨髄腫に対する国内非盲検非対照第1/2相試験.
  • ISA単剤療法の有効性及び安全性を評価.
  • 第1相はISA 10mg/kg (3例) 又は 20mg/kg (5例) を1サイクル目 Day1、 8、 15、 22に、 2サイクル目以降はDay1、 15に投与.
  • 第2相はISA 20mg/kg (28例) を1サイクル目 Day1、 8、 15、 22に、 2サイクル目以降はDay1、 15に投与.

結果

  • ORR (ISA 20mg/kg、 33例):36.4% (95%CI 20.4-54.9).
  • ≧VGPR (ISA 20mg/kg、 33例):18%.
  • ≧CR (ISA 20mg/kg、 33例):6%.
  • PFS中央値 (第2相、 28例):4.7ヵ月 (95%CI 3.75-not reached).
  • OS中央値 (第2相、 28例):未到達 (95%CI 10.51-not reached).

TED10893試験²⁾

PFS:無増悪生存期間 ORR:全奏効率 VGPR:非常に良い部分寛解 OS:全生存期間 

概要

  • 免疫調節薬 (IMiDs) 及びプロテアソーム阻害剤 (PI) を含む3レジメン以上の前治療数を有する、 又は両剤に抵抗性のある再発又は難治性多発性骨髄腫に対する海外非盲検非対照第1/2相試験.
  • 第2相ステージ2において、 ISA+DEX併用療法 (55例) とISA単剤 (109例) の有効性及び安全性を検討.

結果

  • ORR:Isa-d群 43.6% vs Isa群 23.9% (OR 0.405、 95%CI 0.192-0.859、 p=0.0083).
  • ≧VGPR:Isa-d群 20.0% vs Isa群 9.2%.
  • PFS中央値 :Isa-d群 10.2ヵ月 vs Isa群 4.9ヵ月 (HR 0.677、 95%CI 0.440-1.043、 p=0.0376).
  • OS中央値 :Isa-d群 17.3ヵ月 vs Isa群 18.9ヵ月 (HR 0.799、 95%CI 0.484-1.321、 p=0.1905).

参考文献

  1. Cancer Sci. 2020 Dec;111(12):4526-4539.
  2. Blood. 2021 Mar 4;137(9):1154-1165.

最終更新:2022年8月30日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

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