概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

リュープリン® (添付文書)

武田薬品工業株式会社 [一般名 リュープロリン]

用法用量 

前立腺癌の場合、 4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。

主な有害事象

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)¹⁾

主な有害事象

  • 便秘 5.0% (0%)
  • 悪心 4.0% (0%)
  • 疲労 6.5% (0%)
  • ALT増加 5.5% (0%)
  • AST増加 3.0% (0%)
  • 体重増加 11.9% (0%)

注意すべき有害事象

  • 高コレステロール血症  2.5% (0%)
  • 高血圧 4.0% (0.5%)

特徴と注意点

LHRH刺激により一過性にアンドロゲン受容体のリガンド物質の増加が生じ、 がんの症状増悪をきたすことに注意する。

監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する臨床試験|CS21試験¹⁾

内分泌療法が適応とされた前立腺癌患者において、 GnRHアンタゴニストであるデガレリクスの効果を、 リュープロレリンを対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験CS21の結果より、 1年間のテストステロン値の低値維持における非劣性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

テストステロン奏効率

  • デガレリクス (240/80mg) 群:97.2%
(95%CI 93.5-98.8%)
  • デガレリクス (240/160mg) 群:98.3%
(95%CI 94.8-99.4%)
  • リュープロレリン群:96.4%
(95%CI 92.5-98.2%)

3日目のテストステロン中央値

  • デガレリクス (240/80mg) 群:0.24ng/mL
  • デガレリクス (240/160mg) 群:0.26ng/mL
  • リュープロレリン群:6.30ng/mL

28-364日目までのテストステロン中央値

  • デガレリクス (240/80mg) 群:0.082ng/mL
  • デガレリクス (240/160mg) 群:0.088ng/mL
  • リュープロレリン群:0.078ng/mL

252日目のテストステロン値 vs 255日目および/または259日目のテストステロン値

252日目と比較し、 240/80mg群と240/160mg群では平均テストステロン値はわずかに減少したが、 リュープロレリン群では平均0.045ng/mLの有意な増加がみられた (p<0.001) 。

ベースラインから14日後、 28日後までのPSA変化率

14日後

  • デガレリクス (240/80mg) 群:64%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:65%
  • リュープロレリン群:18%

28日後

  • デガレリクス (240/80mg) 群:85%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:83%
  • リュープロレリン群:68%

PSA評価による治療失敗までの期間

  • デガレリクス (240/80mg) 群:8.9%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:14.2%
  • リュープロレリン群:14.1%

LHとFSHの経時的変化

  • デガレリクス投与の2群では、 LHとFSHの中央値は投与後に急速に低下し、 試験終了まで抑制されていた。
  • リュープロレリン群では、 投与開始時にLHとFSHの中央値が上昇し、 FSHはデガレリクスの2群と同程度には低下しなかった。

試験終了時のベースラインと比較した平均FSH値の低下率

  • デガレリクス (240/80mg) 群:88.5%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:89.0%
  • リュープロレリン群:54.8%

出典

  1. The efficacy and safety of degarelix: a 12-month, comparative, randomized, open-label, parallel-group phase III study in patients with prostate cancer. BJU Int. 2008 Dec;102(11):1531-8. PMID: 19035858
最終更新日:2023年12月20日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

レジメン
Leuprorelin (LH-RH agonist)
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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レジメン
Leuprorelin (LH-RH agonist)
レジメン
Leuprorelin (LH-RH agonist)

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リュープロレリン (リュープリン®)
2024年04月19日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

リュープリン® (添付文書)

武田薬品工業株式会社 [一般名 リュープロリン]

用法用量 

前立腺癌の場合、 4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。

主な有害事象

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)¹⁾

主な有害事象

  • 便秘 5.0% (0%)
  • 悪心 4.0% (0%)
  • 疲労 6.5% (0%)
  • ALT増加 5.5% (0%)
  • AST増加 3.0% (0%)
  • 体重増加 11.9% (0%)

注意すべき有害事象

  • 高コレステロール血症  2.5% (0%)
  • 高血圧 4.0% (0.5%)

特徴と注意点

LHRH刺激により一過性にアンドロゲン受容体のリガンド物質の増加が生じ、 がんの症状増悪をきたすことに注意する。

監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する臨床試験|CS21試験¹⁾

内分泌療法が適応とされた前立腺癌患者において、 GnRHアンタゴニストであるデガレリクスの効果を、 リュープロレリンを対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験CS21の結果より、 1年間のテストステロン値の低値維持における非劣性が示された。

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テストステロン奏効率

  • デガレリクス (240/80mg) 群:97.2%
(95%CI 93.5-98.8%)
  • デガレリクス (240/160mg) 群:98.3%
(95%CI 94.8-99.4%)
  • リュープロレリン群:96.4%
(95%CI 92.5-98.2%)

3日目のテストステロン中央値

  • デガレリクス (240/80mg) 群:0.24ng/mL
  • デガレリクス (240/160mg) 群:0.26ng/mL
  • リュープロレリン群:6.30ng/mL

28-364日目までのテストステロン中央値

  • デガレリクス (240/80mg) 群:0.082ng/mL
  • デガレリクス (240/160mg) 群:0.088ng/mL
  • リュープロレリン群:0.078ng/mL

252日目のテストステロン値 vs 255日目および/または259日目のテストステロン値

252日目と比較し、 240/80mg群と240/160mg群では平均テストステロン値はわずかに減少したが、 リュープロレリン群では平均0.045ng/mLの有意な増加がみられた (p<0.001) 。

ベースラインから14日後、 28日後までのPSA変化率

14日後

  • デガレリクス (240/80mg) 群:64%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:65%
  • リュープロレリン群:18%

28日後

  • デガレリクス (240/80mg) 群:85%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:83%
  • リュープロレリン群:68%

PSA評価による治療失敗までの期間

  • デガレリクス (240/80mg) 群:8.9%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:14.2%
  • リュープロレリン群:14.1%

LHとFSHの経時的変化

  • デガレリクス投与の2群では、 LHとFSHの中央値は投与後に急速に低下し、 試験終了まで抑制されていた。
  • リュープロレリン群では、 投与開始時にLHとFSHの中央値が上昇し、 FSHはデガレリクスの2群と同程度には低下しなかった。

試験終了時のベースラインと比較した平均FSH値の低下率

  • デガレリクス (240/80mg) 群:88.5%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:89.0%
  • リュープロレリン群:54.8%

出典

  1. The efficacy and safety of degarelix: a 12-month, comparative, randomized, open-label, parallel-group phase III study in patients with prostate cancer. BJU Int. 2008 Dec;102(11):1531-8. PMID: 19035858
最終更新日:2023年12月20日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(泌尿器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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