2026年8月24日、 「BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌」 を効能又は効果として承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

イネレクスゾ®膀胱内システム (ゲムシタビン)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*

*ヤンセンファーマ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

ゲムシタビン : 本剤1ユニット (ゲムシタビンとして225mg) の3週間の膀胱内留置を、 最初の6ヵ月間は3週間間隔で最大8回まで、 その後の18ヵ月間は12週間間隔で最大6回まで行う¹⁾。 24週で最終導入分を抜去した後は12週間の休薬期間を挟み、 維持期1回目の留置は36週から開始する (以降36週、 48週、 60週、 72週、 84週、 96週の12週間隔で計6回留置し、 99週に抜去して終了²⁾³⁾)

BCG膀胱内注入療法の再導入が適応となる患者における本剤の有効性・安全性は確立していない。 膀胱全摘除術が可能な場合は、 本剤投与の必要性を慎重に判断する¹⁾。

>> BCG-failureに関する定義を確認

HOKUTO計算ツールに遷移します

Key Data|臨床試験結果

📊 SunRISe-1試験

J Clin Oncol. 2025;43(33):3578–3588.

BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌 (乳頭状病変合併の有無を問わない) 患者85例を対象とした国際共同第Ⅱb相単群試験 (コホート2)。 本剤単剤療法を実施し、 主要評価項目は中央判定による完全奏効 (CR) 率とした。

【有効性】

- CR率 82.4% (95%CI 72.6–89.8)

  • 3ヵ月時CR率 78.8% (95%CI 68.6–86.9)
  • 6ヵ月時CR率 58.8% (95%CI 47.6–69.4)
  • 12ヵ月時CR率 45.9% (95%CI 35.0–57.0)

- DOR中央値 25.8ヵ月 (95%CI 8.3–NE)

  • 12ヵ月DOR率 56.2% (95%CI 43.4–67.1)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

全Gradeで2%以上に認められた治療関連AE

- 頻尿 43.5% (0%)

- 排尿困難 40.0% (0%)

- 尿意切迫 24.7% (0%)

- 尿路感染 21.2% (1.2%)

- 血尿 16.5% (0%)

- 尿路痛 10.6% (4.7%)

- 膀胱痛 8.2% (2.4%)

- 膀胱痙縮 8.2% (0%)

- 非感染性膀胱炎 7.1% (0%)

- 尿失禁 5.9% (0%)

- 夜間頻尿 4.7% (0%)

- 尿道痛 4.7% (0%)

- 尿閉 4.7% (1.2%)

- 膀胱炎 3.5% (1.2%)

- 下部尿路症状 3.5% (0%)

- 骨盤痛 3.5% (0%)

- 腹痛 2.4% (0%)

- 下腹部痛 2.4% (0%)

- 無力症 2.4% (0%)

- 便秘 2.4% (0%)

- 疲労 2.4% (0%)

- 陰茎痛 2.4% (0%)

- 会陰部痛 2.4% (0%)

- 尿道損傷 2.4% (0%)

- 外陰部痛 2.4% (0%)

適格基準

SunRISe-1試験コホート2³⁾の主な適格基準

- BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌 (CIS) を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌 (乳頭状病変合併の有無を問わない) で、 適格BCG治療歴を有し、 BCG最終投与から12ヵ月以内

- 膀胱全摘除術の適応がない又は同術式を希望しない

- 18歳以上

- ECOG PS 0–2

- 好中球数≧1,000/μL

- 血小板数≧7.5万/μL

- Hb≧8.0g/dL

- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 ALT/AST≦2.5×ULN

- 腎機能 : CrCl≧30mL/min (Cockcroft-Gault式)

腎障害患者に対する用量調整

母集団薬物動態解析では、 軽度~中等度の腎機能障害 (クレアチニンクリアランス30~90mL/min) 患者にイネレクスゾ®を膀胱内留置した際、 薬物動態への臨床的に意義のある影響は認められなかった²⁾。 重度腎機能障害 (同30mL/min未満) および透析患者での薬物動態は検討されていない²⁾。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

イネレクスゾ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

SunRISe-1試験のプロトコル (参考情報) :

SunRISe-1試験プロトコル³⁾を基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

イネレクスゾ®は、 ゲムシタビン (dFdC) を膀胱内尿中へ持続放出する製剤である。 dFdCは細胞内で活性代謝物dFdCDPおよびdFdCTPとなる。 dFdCTPはdCTPと競合してDNA鎖に取り込まれ、 DNA合成を直接阻害してアポトーシスを誘導する。 一方、 dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼを阻害して細胞内dCTP濃度を低下させ、 dFdCTPによるDNA合成阻害を増強する¹⁾。

レジメン適用時の注意事項

イネレクスゾ®電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

MR Conditional : 非臨床試験により本剤はMR Conditionalであることが示されており、 静磁場強度1.5テスラ及び3テスラ、 最大空間勾配磁場5000ガウス/cm以下、 全身平均SAR最大値2W/kg (通常操作モードにおける60分間の連続スキャン) の条件下で安全にMR検査を実施できる。 この条件下で15分間のスキャンにより本剤に生じ得る最大の温度上昇は2℃以下であり、 3T MRシステムでの画像化時に生じる画像アーチファクトは本剤の実際の形状から約2mmである。

尿路感染 : 尿路感染があらわれるおそれがあるため、 適切な感染対策を講じ、 尿路感染の発現又は悪化に十分注意する。

RMP【重要な特定されたリスク】

イネレクスゾ®RMP : 医薬品リスク管理計画書⁴⁾

- 尿路感染

出典

1) ヤンセンファーマ株式会社. イネレクスゾ®膀胱内システム225mg 電子添文 (2026年8月作成 第1版)

2) ヤンセンファーマ株式会社. イネレクスゾ®膀胱内システム225mg 適正使用ガイド (適正使用に関するお願い)

3) J Clin Oncol. 2025;43(33):3578–3588.

4) ヤンセンファーマ株式会社. イネレクスゾ®膀胱内システム225mgに係る医薬品リスク管理計画書.

最終更新 : 2026年8月28日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 埼玉県立がんセンター 近藤千紘

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ゲムシタビン (イネレクスゾ®膀胱内システム)
尿路上皮癌 > BCG治療後
2026年08月28日更新
2026年8月24日、 「BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌」 を効能又は効果として承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

イネレクスゾ®膀胱内システム (ゲムシタビン)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*

*ヤンセンファーマ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

ゲムシタビン : 本剤1ユニット (ゲムシタビンとして225mg) の3週間の膀胱内留置を、 最初の6ヵ月間は3週間間隔で最大8回まで、 その後の18ヵ月間は12週間間隔で最大6回まで行う¹⁾。 24週で最終導入分を抜去した後は12週間の休薬期間を挟み、 維持期1回目の留置は36週から開始する (以降36週、 48週、 60週、 72週、 84週、 96週の12週間隔で計6回留置し、 99週に抜去して終了²⁾³⁾)

BCG膀胱内注入療法の再導入が適応となる患者における本剤の有効性・安全性は確立していない。 膀胱全摘除術が可能な場合は、 本剤投与の必要性を慎重に判断する¹⁾。

>> BCG-failureに関する定義を確認

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Key Data|臨床試験結果

📊 SunRISe-1試験

J Clin Oncol. 2025;43(33):3578–3588.

BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌 (乳頭状病変合併の有無を問わない) 患者85例を対象とした国際共同第Ⅱb相単群試験 (コホート2)。 本剤単剤療法を実施し、 主要評価項目は中央判定による完全奏効 (CR) 率とした。

【有効性】

- CR率 82.4% (95%CI 72.6–89.8)

  • 3ヵ月時CR率 78.8% (95%CI 68.6–86.9)
  • 6ヵ月時CR率 58.8% (95%CI 47.6–69.4)
  • 12ヵ月時CR率 45.9% (95%CI 35.0–57.0)

- DOR中央値 25.8ヵ月 (95%CI 8.3–NE)

  • 12ヵ月DOR率 56.2% (95%CI 43.4–67.1)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

全Gradeで2%以上に認められた治療関連AE

- 頻尿 43.5% (0%)

- 排尿困難 40.0% (0%)

- 尿意切迫 24.7% (0%)

- 尿路感染 21.2% (1.2%)

- 血尿 16.5% (0%)

- 尿路痛 10.6% (4.7%)

- 膀胱痛 8.2% (2.4%)

- 膀胱痙縮 8.2% (0%)

- 非感染性膀胱炎 7.1% (0%)

- 尿失禁 5.9% (0%)

- 夜間頻尿 4.7% (0%)

- 尿道痛 4.7% (0%)

- 尿閉 4.7% (1.2%)

- 膀胱炎 3.5% (1.2%)

- 下部尿路症状 3.5% (0%)

- 骨盤痛 3.5% (0%)

- 腹痛 2.4% (0%)

- 下腹部痛 2.4% (0%)

- 無力症 2.4% (0%)

- 便秘 2.4% (0%)

- 疲労 2.4% (0%)

- 陰茎痛 2.4% (0%)

- 会陰部痛 2.4% (0%)

- 尿道損傷 2.4% (0%)

- 外陰部痛 2.4% (0%)

適格基準

SunRISe-1試験コホート2³⁾の主な適格基準

- BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌 (CIS) を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌 (乳頭状病変合併の有無を問わない) で、 適格BCG治療歴を有し、 BCG最終投与から12ヵ月以内

- 膀胱全摘除術の適応がない又は同術式を希望しない

- 18歳以上

- ECOG PS 0–2

- 好中球数≧1,000/μL

- 血小板数≧7.5万/μL

- Hb≧8.0g/dL

- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 ALT/AST≦2.5×ULN

- 腎機能 : CrCl≧30mL/min (Cockcroft-Gault式)

腎障害患者に対する用量調整

母集団薬物動態解析では、 軽度~中等度の腎機能障害 (クレアチニンクリアランス30~90mL/min) 患者にイネレクスゾ®を膀胱内留置した際、 薬物動態への臨床的に意義のある影響は認められなかった²⁾。 重度腎機能障害 (同30mL/min未満) および透析患者での薬物動態は検討されていない²⁾。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

イネレクスゾ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

SunRISe-1試験のプロトコル (参考情報) :

SunRISe-1試験プロトコル³⁾を基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

イネレクスゾ®は、 ゲムシタビン (dFdC) を膀胱内尿中へ持続放出する製剤である。 dFdCは細胞内で活性代謝物dFdCDPおよびdFdCTPとなる。 dFdCTPはdCTPと競合してDNA鎖に取り込まれ、 DNA合成を直接阻害してアポトーシスを誘導する。 一方、 dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼを阻害して細胞内dCTP濃度を低下させ、 dFdCTPによるDNA合成阻害を増強する¹⁾。

レジメン適用時の注意事項

イネレクスゾ®電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

MR Conditional : 非臨床試験により本剤はMR Conditionalであることが示されており、 静磁場強度1.5テスラ及び3テスラ、 最大空間勾配磁場5000ガウス/cm以下、 全身平均SAR最大値2W/kg (通常操作モードにおける60分間の連続スキャン) の条件下で安全にMR検査を実施できる。 この条件下で15分間のスキャンにより本剤に生じ得る最大の温度上昇は2℃以下であり、 3T MRシステムでの画像化時に生じる画像アーチファクトは本剤の実際の形状から約2mmである。

尿路感染 : 尿路感染があらわれるおそれがあるため、 適切な感染対策を講じ、 尿路感染の発現又は悪化に十分注意する。

RMP【重要な特定されたリスク】

イネレクスゾ®RMP : 医薬品リスク管理計画書⁴⁾

- 尿路感染

出典

1) ヤンセンファーマ株式会社. イネレクスゾ®膀胱内システム225mg 電子添文 (2026年8月作成 第1版)

2) ヤンセンファーマ株式会社. イネレクスゾ®膀胱内システム225mg 適正使用ガイド (適正使用に関するお願い)

3) J Clin Oncol. 2025;43(33):3578–3588.

4) ヤンセンファーマ株式会社. イネレクスゾ®膀胱内システム225mgに係る医薬品リスク管理計画書.

最終更新 : 2026年8月28日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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