概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

アフィニトール® (添付文書¹⁾/適正使用情報²⁾*)

mTOR阻害薬 エベロリムス錠
*ノバルティス ファーマ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

内分泌療法剤との併用において、 通常、 成人には1日1回10mgを経口投与する。 なお、 患者の状態により適宜減量する。

アフィニトール®電子添文 2024年6月改訂 第3版より引用

各プロトコル

投与開始基準例

BOLERO-2試験¹⁾より抜粋

ER陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

減量・休薬・中止基準例

主な有害事象

BOLERO-2試験³⁾

Grade3、 4の有害事象 : 29.4%

薬物関連の疑われる有害事象 : 8.4%

治療中止につながる有害事象 : 5.0%

特徴と注意点

閉経後ホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌に対する三次治療以降の内分泌療法として、 非ステロイド性アロマターゼ阻害薬耐性の場合にエキセメスタンと併用で用いられるレジメンである。

BOLERO-2試験³⁾では食事による薬物動態の変動を防ぐ目的で毎日同じ時刻、 1日1回食後に投与していたため、 食後決まった時間に服用するよう指導する。

エベロリムスは食後に服用することでAUCが22~32%低下し、 エキセメスタンはAUCが39%上昇する⁴⁾。

間質性肺疾患が18.0% (Grade 3以上は3.5%) と高率に出現するため、 臨床症状に注意し定期的に胸部CT検査および血液検査 (KL-6、 SP-D等) を行う。

口内炎が57.5% (≧Grade 3は7.9%) と高率に出現し、 多くは投与開始後1ヵ月以内に出現する。

>>癌治療に伴う口腔粘膜炎

関連する臨床試験|BOLERO-2²⁾

非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による前治療で増悪したエストロゲン受容体 (ER) 陽性HER2陰性で閉経後の進行乳癌患者において、 エベロリムス+エキセメスタンの併用療法の効果を、 プラセボ+エキセメスタンを対照に検証した第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験BOLERO-2の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) に対する有効性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

PFS中央値

  • エベロリムス群 : 7.8ヵ月
  • プラセボ群 : 3.2ヵ月
追跡期間中央値は17.7ヵ月
HR 0.45 (95%CI 0.38-0.54)、 p<0.0001

OS中央値

  • エベロリムス群 : 31.0ヵ月
(95%CI 28.0-34.6ヵ月)
  • プラセボ群 : 26.6ヵ月
(95%CI 22.6-33.1ヵ月)
追跡期間中央値は39.3ヵ月
HR 0.89 (95%CI 0.73-1.10)、 p=0.1426

ORR

  • エベロリムス群 : 12.6%
(95%CI 9.8-15.9%)
  • プラセボ群 : 1.7%
(95%CI 0.5-4.2%)

CBR

  • エベロリムス群 : 51.3%
(95%CI 46.8-55.9%)
  • プラセボ群 : 26.4%
(95%CI 20.9-32.4%)

参考文献

1) ノバルティス ファーマ株式会社. アフィニトール®電子添文 (2024年6月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2025/1/3]

2) ノバルティス ファーマ株式会社. アフィニトール®適正使用ガイド (2024年6月改訂) [最終閲覧 : 2025/1/3]

3) Everolimus plus exemestane for hormone-receptor-positive, human epidermal growth factor receptor-2-negative advanced breast cancer: overall survival results from BOLERO-2†. Ann Oncol. 2014 Dec;25(12):2357-2362. PMID: 25231953

4) インタビューフォーム (エベロリムス)

*ノバルティス ファーマの外部サイトへ遷移します
最終更新日 : 2024年1月3日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
執筆 : NTT東日本関東病院薬剤部 兼平暖先生

レジメン
Everolimus
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
Everolimus
レジメン
Everolimus

Everolimus

エベロリムス (アフィニトール®)
2025年01月03日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

アフィニトール® (添付文書¹⁾/適正使用情報²⁾*)

mTOR阻害薬 エベロリムス錠
*ノバルティス ファーマ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

内分泌療法剤との併用において、 通常、 成人には1日1回10mgを経口投与する。 なお、 患者の状態により適宜減量する。

アフィニトール®電子添文 2024年6月改訂 第3版より引用

各プロトコル

投与開始基準例

BOLERO-2試験¹⁾より抜粋

ER陽性かつHER2陰性でレトロゾール又はアナストロゾールに抵抗性の局所進行性又は転移性の閉経後乳癌患者

減量・休薬・中止基準例

主な有害事象

BOLERO-2試験³⁾

Grade3、 4の有害事象 : 29.4%

薬物関連の疑われる有害事象 : 8.4%

治療中止につながる有害事象 : 5.0%

特徴と注意点

閉経後ホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌に対する三次治療以降の内分泌療法として、 非ステロイド性アロマターゼ阻害薬耐性の場合にエキセメスタンと併用で用いられるレジメンである。

BOLERO-2試験³⁾では食事による薬物動態の変動を防ぐ目的で毎日同じ時刻、 1日1回食後に投与していたため、 食後決まった時間に服用するよう指導する。

エベロリムスは食後に服用することでAUCが22~32%低下し、 エキセメスタンはAUCが39%上昇する⁴⁾。

間質性肺疾患が18.0% (Grade 3以上は3.5%) と高率に出現するため、 臨床症状に注意し定期的に胸部CT検査および血液検査 (KL-6、 SP-D等) を行う。

口内炎が57.5% (≧Grade 3は7.9%) と高率に出現し、 多くは投与開始後1ヵ月以内に出現する。

>>癌治療に伴う口腔粘膜炎

関連する臨床試験|BOLERO-2²⁾

非ステロイド性アロマターゼ阻害剤による前治療で増悪したエストロゲン受容体 (ER) 陽性HER2陰性で閉経後の進行乳癌患者において、 エベロリムス+エキセメスタンの併用療法の効果を、 プラセボ+エキセメスタンを対照に検証した第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験BOLERO-2の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) に対する有効性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

PFS中央値

  • エベロリムス群 : 7.8ヵ月
  • プラセボ群 : 3.2ヵ月
追跡期間中央値は17.7ヵ月
HR 0.45 (95%CI 0.38-0.54)、 p<0.0001

OS中央値

  • エベロリムス群 : 31.0ヵ月
(95%CI 28.0-34.6ヵ月)
  • プラセボ群 : 26.6ヵ月
(95%CI 22.6-33.1ヵ月)
追跡期間中央値は39.3ヵ月
HR 0.89 (95%CI 0.73-1.10)、 p=0.1426

ORR

  • エベロリムス群 : 12.6%
(95%CI 9.8-15.9%)
  • プラセボ群 : 1.7%
(95%CI 0.5-4.2%)

CBR

  • エベロリムス群 : 51.3%
(95%CI 46.8-55.9%)
  • プラセボ群 : 26.4%
(95%CI 20.9-32.4%)

参考文献

1) ノバルティス ファーマ株式会社. アフィニトール®電子添文 (2024年6月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2025/1/3]

2) ノバルティス ファーマ株式会社. アフィニトール®適正使用ガイド (2024年6月改訂) [最終閲覧 : 2025/1/3]

3) Everolimus plus exemestane for hormone-receptor-positive, human epidermal growth factor receptor-2-negative advanced breast cancer: overall survival results from BOLERO-2†. Ann Oncol. 2014 Dec;25(12):2357-2362. PMID: 25231953

4) インタビューフォーム (エベロリムス)

*ノバルティス ファーマの外部サイトへ遷移します
最終更新日 : 2024年1月3日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
執筆 : NTT東日本関東病院薬剤部 兼平暖先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(乳腺)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。