治療スケジュール
概要
監修医師

DARA-SC:ダラツムマブ(ダラキューロ®)

投与量コース投与日
1800mg/body 皮下注1~2Day 1、8、15、22
1800mg/body 皮下注3~6Day 1、15
1800mg/body 皮下注7~Day 1

DARA-IV:ダラツムマブ(ダラザレックス®)

投与量コース投与日
8mg/kg 点滴静注1Day 1、2
16mg/kg 点滴静注1Day 8、15、22
16mg/kg 点滴静注2Day 1、8、15、22
16mg/kg 点滴静注3~6Day 1、15
16mg/kg 点滴静注7~Day 1

CFZ:カルフィルゾミブ(カイプロリス®)

投与量コース投与日
20mg/m² 点滴静注1Day 1、2
56mg/m² 点滴静注1Day 8、9、15、16
56mg/m² 点滴静注2~Day 1、2、8、9、15、16

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®、 レナデックス®)

投与量コース投与日
20mg/body 点滴静注or経口全コースDay 1、2、8、9、15、16
40mg/body 点滴静注or経口全コースDay 22

前投薬

ダラツムマブ投与1~3時間前に下記薬剤を投与.
解熱鎮痛薬
抗ヒスタミン薬
ロイコトリエン受容体拮抗薬 (モンテルカスト10mg経口). *任意

その他

1サイクルは4週間.
DARAはダラキューロ®配合皮下注かダラザレックス®点滴静注のどちらかを選択.
ダラキューロ®を投与する場合は1800mg/bodyを3~5分かけて臍周囲の腹部皮下へ投与.
ダラザレックス®を投与する場合、 初回投与はDay 1と2に8mg/kgずつ投与しても良い.
レジメン
DCd(DKd)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.
*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

CANDOR試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (25.5%、 ≧Grade3 8.4%)
  • ヘモグロビン減少 (1.3%、 ≧Grade3 0.8%)
  • 白血球数減少 (0.5%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 白血球減少症 (5.1%、 ≧Grade3 2.6%)
  • 好中球減少症 (34.2%、 ≧Grade3 27.0%)
  • 好中球数減少 (3.3%、 ≧Grade3 2.0%)
  • 発熱性好中球減少症 (2.8%、 ≧Grade3 2.0%)
  • リンパ球減少症 (2.8%、 ≧Grade3 2.6%)
  • 血小板数減少 (3.3%、 ≧Grade3 2.3%)
  • 血小板減少症 (22.4%、 ≧Grade3 14.3%)

主な有害事象

  • 下痢 (31.5%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 感染症 (26.3%、 ≧Grade3 13.0%)
  • Infusion reaction (24.7%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 高血圧・高血圧クリーゼ (25.6%、 ≧Grade3 14.0%)
  • 疲労・倦怠感 (24.4%、 ≧Grade3 7.8%)
  • 呼吸困難 (19.8%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 発熱 (19.5%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 悪心 (18.2%、 ≧Grade3 0%)
  • 不眠症 (17.9%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 咳嗽 (16.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 背部痛 (16.2%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 嘔吐 (12.0%、 ≧Grade3 0%)
  • 筋痙縮 (11.7%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 末梢性浮腫 (10.7%、 ≧Grade3 0%)
  • 心障害 (10.4%、 ≧Grade3 5.2%)

その他重要な有害事象

  • 肝不全・肝機能障害 (8.4%、 ≧Grade3 3.2%)
  • 静脈血栓塞栓症 (3.2%、 ≧Grade3 1.0%)
  • 出血 (3.2%、 ≧Grade3 1.0%)
  • 急性腎障害 (2.9%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 肺高血圧症 (1.6%、 ≧Grade3 1.0%)
  • 間質性肺疾患 (1.3%、 ≧Grade3 1.0%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 血栓性微小血管症 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 可逆性後白質脳症症候群 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)

特徴と注意点

  • DCd (DKd)療法は再発又は難治性の多発性骨髄腫に推奨.
  • レナリドミド治療抵抗性症例にも効果が期待できる.
  • 75歳以上の患者ではデキサメタゾンの減量が必要.

ダラツムマブ

  • ダラツムマブは抗CD38モノクローナル抗体で骨髄腫細胞への直接作用と免疫調節作用を介した間接作用を有する.
  • ダラツムマブは、 ダラザレックス®点滴静注ダラキューロ®配合皮下注の製剤がある. ダラキューロ®の発売後、 各施設の運用方針に応じてダラザレックス®からダラキューロ®への切り替えが行われている.
  • ダラザレックス®に対するダラキューロ®の非劣性が証明されており、 ダラキューロ®の方がInfusion reaction (IRR)が少ない.²⁾
  • 投与前に不規則抗体スクリーニング検査を含めた一般的な輸血前検査を実施する (投与後約半年間、 間接クームス試験が偽陽性となることがある).

カルフィルゾミブ

  • カルフィルゾミブはプロテアソーム阻害薬.
  • ボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
  • 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
  • CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.

関連する臨床試験の結果

CANDOR試験¹⁾

概要

  • 対象:再発または難治性の多発性骨髄腫466例
  • 介入群:ダラツムマブ+カルフィルゾミブ+デキサメサゾン (DCd)
  • 対照群:カルフィルゾミブ+デキサメサゾン療 (Cd)
  • 主要評価項目:無増悪生存期間

結果

  • 無増悪生存期間中央値:DCd群 未到達 vs Cd群 15.8ヵ月 (HR 0.63、 95%CI 0.46-0.85、 p=0.0014)
  • レナリドミド抵抗性患者の無増悪生存期間中央値: DCd群 未到達 vs Cd群 11.1ヵ月 (HR 0.45、 95%CI 0.28-0.74)
  • 全奏効率:DCd群 84.3% vs Cd群 74.7%
  • 完全寛解率:DCd群 28.5% vs Cd群 10.4%
  • 12ヵ月時点の完全寛解+MRD陰性率:DCd群 12.5% vs Cd群 1.3%

参考文献

  1. Lancet. 2020 Jul 18;396(10245):186-197.
  2. Lancet Haematol. 2020 May;7(5):e370-e380.

最終更新:2022年8月30日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ダラツムマブ、 カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
2023年05月07日更新

DARA-SC:ダラツムマブ(ダラキューロ®)

投与量コース投与日
1800mg/body 皮下注1~2Day 1、8、15、22
1800mg/body 皮下注3~6Day 1、15
1800mg/body 皮下注7~Day 1

DARA-IV:ダラツムマブ(ダラザレックス®)

投与量コース投与日
8mg/kg 点滴静注1Day 1、2
16mg/kg 点滴静注1Day 8、15、22
16mg/kg 点滴静注2Day 1、8、15、22
16mg/kg 点滴静注3~6Day 1、15
16mg/kg 点滴静注7~Day 1

CFZ:カルフィルゾミブ(カイプロリス®)

投与量コース投与日
20mg/m² 点滴静注1Day 1、2
56mg/m² 点滴静注1Day 8、9、15、16
56mg/m² 点滴静注2~Day 1、2、8、9、15、16

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®、 レナデックス®)

投与量コース投与日
20mg/body 点滴静注or経口全コースDay 1、2、8、9、15、16
40mg/body 点滴静注or経口全コースDay 22

前投薬

ダラツムマブ投与1~3時間前に下記薬剤を投与.
解熱鎮痛薬
抗ヒスタミン薬
ロイコトリエン受容体拮抗薬 (モンテルカスト10mg経口). *任意

その他

1サイクルは4週間.
DARAはダラキューロ®配合皮下注かダラザレックス®点滴静注のどちらかを選択.
ダラキューロ®を投与する場合は1800mg/bodyを3~5分かけて臍周囲の腹部皮下へ投与.
ダラザレックス®を投与する場合、 初回投与はDay 1と2に8mg/kgずつ投与しても良い.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.
*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

CANDOR試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (25.5%、 ≧Grade3 8.4%)
  • ヘモグロビン減少 (1.3%、 ≧Grade3 0.8%)
  • 白血球数減少 (0.5%、 ≧Grade3 0.5%)
  • 白血球減少症 (5.1%、 ≧Grade3 2.6%)
  • 好中球減少症 (34.2%、 ≧Grade3 27.0%)
  • 好中球数減少 (3.3%、 ≧Grade3 2.0%)
  • 発熱性好中球減少症 (2.8%、 ≧Grade3 2.0%)
  • リンパ球減少症 (2.8%、 ≧Grade3 2.6%)
  • 血小板数減少 (3.3%、 ≧Grade3 2.3%)
  • 血小板減少症 (22.4%、 ≧Grade3 14.3%)

主な有害事象

  • 下痢 (31.5%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 感染症 (26.3%、 ≧Grade3 13.0%)
  • Infusion reaction (24.7%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 高血圧・高血圧クリーゼ (25.6%、 ≧Grade3 14.0%)
  • 疲労・倦怠感 (24.4%、 ≧Grade3 7.8%)
  • 呼吸困難 (19.8%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 発熱 (19.5%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 悪心 (18.2%、 ≧Grade3 0%)
  • 不眠症 (17.9%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 咳嗽 (16.9%、 ≧Grade3 0%)
  • 背部痛 (16.2%、 ≧Grade3 1.9%)
  • 嘔吐 (12.0%、 ≧Grade3 0%)
  • 筋痙縮 (11.7%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 末梢性浮腫 (10.7%、 ≧Grade3 0%)
  • 心障害 (10.4%、 ≧Grade3 5.2%)

その他重要な有害事象

  • 肝不全・肝機能障害 (8.4%、 ≧Grade3 3.2%)
  • 静脈血栓塞栓症 (3.2%、 ≧Grade3 1.0%)
  • 出血 (3.2%、 ≧Grade3 1.0%)
  • 急性腎障害 (2.9%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 肺高血圧症 (1.6%、 ≧Grade3 1.0%)
  • 間質性肺疾患 (1.3%、 ≧Grade3 1.0%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 血栓性微小血管症 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 可逆性後白質脳症症候群 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)

特徴と注意点

  • DCd (DKd)療法は再発又は難治性の多発性骨髄腫に推奨.
  • レナリドミド治療抵抗性症例にも効果が期待できる.
  • 75歳以上の患者ではデキサメタゾンの減量が必要.

ダラツムマブ

  • ダラツムマブは抗CD38モノクローナル抗体で骨髄腫細胞への直接作用と免疫調節作用を介した間接作用を有する.
  • ダラツムマブは、 ダラザレックス®点滴静注ダラキューロ®配合皮下注の製剤がある. ダラキューロ®の発売後、 各施設の運用方針に応じてダラザレックス®からダラキューロ®への切り替えが行われている.
  • ダラザレックス®に対するダラキューロ®の非劣性が証明されており、 ダラキューロ®の方がInfusion reaction (IRR)が少ない.²⁾
  • 投与前に不規則抗体スクリーニング検査を含めた一般的な輸血前検査を実施する (投与後約半年間、 間接クームス試験が偽陽性となることがある).

カルフィルゾミブ

  • カルフィルゾミブはプロテアソーム阻害薬.
  • ボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
  • 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
  • CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.

関連する臨床試験の結果

CANDOR試験¹⁾

概要

  • 対象:再発または難治性の多発性骨髄腫466例
  • 介入群:ダラツムマブ+カルフィルゾミブ+デキサメサゾン (DCd)
  • 対照群:カルフィルゾミブ+デキサメサゾン療 (Cd)
  • 主要評価項目:無増悪生存期間

結果

  • 無増悪生存期間中央値:DCd群 未到達 vs Cd群 15.8ヵ月 (HR 0.63、 95%CI 0.46-0.85、 p=0.0014)
  • レナリドミド抵抗性患者の無増悪生存期間中央値: DCd群 未到達 vs Cd群 11.1ヵ月 (HR 0.45、 95%CI 0.28-0.74)
  • 全奏効率:DCd群 84.3% vs Cd群 74.7%
  • 完全寛解率:DCd群 28.5% vs Cd群 10.4%
  • 12ヵ月時点の完全寛解+MRD陰性率:DCd群 12.5% vs Cd群 1.3%

参考文献

  1. Lancet. 2020 Jul 18;396(10245):186-197.
  2. Lancet Haematol. 2020 May;7(5):e370-e380.

最終更新:2022年8月30日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。