概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ゴナックス® (添付文書¹⁾)

アステラス製薬 [一般名 デガレリクス酢酸塩]

用法用量

電子添文の用法および用量

初回投与量:240mg

成人には初回は240mgを1カ所あたり120mgずつ腹部2カ所に皮下投与する。 2回目以降は、 初回投与4週間後より、 維持用量を投与する。

維持投与量:80mgまたは480mg

4週間間隔で投与を繰り返す場合は、 80mgを維持用量とし、 腹部1カ所に皮下投与する。 12週間間隔で投与を繰り返す場合は、 480mgを維持用量とし、 1カ所あたり240mgずつ腹部2カ所に皮下投与する。

4週間間隔の場合

12週間間隔の場合

ゴナックス®電子添文 (2023年11月改訂 第3版)¹⁾より作図、 引用

主な有害事象

CS21試験²⁾

維持用量80mg

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • ALT増加 9.7% (0%)
  • AST増加 5.3% (0%)
  • 体重増加 8.7% (0%)
  • 便秘 5.3% (0%)
  • 悪心 4.3% (0%)
  • 疲労 3.4% (0%)

注意すべき有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 5.8% (0.5%)
  • 高コレステロール血症 3.4% (0%)

維持用量160mg

主な有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • ALT増加 8.4% (1.0%)
  • AST増加 5.0% (0%)
  • 体重増加 10.9% (0.5%)
  • 疲労 6.4% (0%)
  • 悪心 5.4% (0%)
  • 便秘 3.0% (0%)

注意すべき有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 6.9% (0%)
  • 高コレステロール血症 5.9% (0.5%)
BJU Int. 2008 Dec;102(11):1531-8²⁾より引用

特徴と注意点

LHRH刺激を経ずにアンドロゲン受容体遮断が可能

監修:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する臨床試験|CS21試験²⁾

内分泌療法が適応とされた前立腺癌患者において、 GnRHアンタゴニストであるデガレリクスの効果を、 リュープロレリンを対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験CS21の結果より、 1年間のテストステロン値の低値維持における非劣性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

テストステロン奏効率

  • デガレリクス (240/80mg) 群:97.2%
(95%CI 93.5-98.8%)
  • デガレリクス (240/160mg) 群:98.3%
(95%CI 94.8-99.4%)
  • リュープロレリン群:96.4%
(95%CI 92.5-98.2%)

3日目のテストステロン中央値

  • デガレリクス (240/80mg) 群:0.24ng/mL
  • デガレリクス (240/160mg) 群:0.26ng/mL
  • リュープロレリン群:6.30ng/mL

28-364日目までのテストステロン中央値

  • デガレリクス (240/80mg) 群:0.082ng/mL
  • デガレリクス (240/160mg) 群:0.088ng/mL
  • リュープロレリン群:0.078ng/mL

252日目のテストステロン値 vs 255日目および/または259日目のテストステロン値

252日目と比較し、 240/80mg群と240/160mg群では平均テストステロン値はわずかに減少したが、 リュープロレリン群では平均0.045ng/mLの有意な増加がみられた (p<0.001) 。

ベースラインから14日後、 28日後までのPSA変化率

14日後

  • デガレリクス (240/80mg) 群:64%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:65%
  • リュープロレリン群:18%

28日後

  • デガレリクス (240/80mg) 群:85%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:83%
  • リュープロレリン群:68%

PSA評価による治療失敗までの期間

  • デガレリクス (240/80mg) 群:8.9%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:14.2%
  • リュープロレリン群:14.1%

LHとFSHの経時的変化

  • デガレリクス投与の2群では、 LHとFSHの中央値は投与後に急速に低下し、 試験終了まで抑制されていた。
  • リュープロレリン群では、 投与開始時にLHとFSHの中央値が上昇し、 FSHはデガレリクスの2群と同程度には低下しなかった。

試験終了時のベースラインと比較した平均FSH値の低下率

  • デガレリクス (240/80mg) 群:88.5%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:89.0%
  • リュープロレリン群:54.8%

出典

  1. 日本イーライリリー. ゴナックス®電子添文 (2023年11月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/7/29]
  2. The efficacy and safety of degarelix: a 12-month, comparative, randomized, open-label, parallel-group phase III study in patients with prostate cancer. BJU Int. 2008 Dec;102(11):1531-8. PMID: 19035858
最終更新日:2024年8月27日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

レジメン
Degarelix (LH-RH antagonist)
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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デガレリクス (ゴナックス®)
2024年08月27日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ゴナックス® (添付文書¹⁾)

アステラス製薬 [一般名 デガレリクス酢酸塩]

用法用量

電子添文の用法および用量

初回投与量:240mg

成人には初回は240mgを1カ所あたり120mgずつ腹部2カ所に皮下投与する。 2回目以降は、 初回投与4週間後より、 維持用量を投与する。

維持投与量:80mgまたは480mg

4週間間隔で投与を繰り返す場合は、 80mgを維持用量とし、 腹部1カ所に皮下投与する。 12週間間隔で投与を繰り返す場合は、 480mgを維持用量とし、 1カ所あたり240mgずつ腹部2カ所に皮下投与する。

4週間間隔の場合

12週間間隔の場合

ゴナックス®電子添文 (2023年11月改訂 第3版)¹⁾より作図、 引用

主な有害事象

CS21試験²⁾

維持用量80mg

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • ALT増加 9.7% (0%)
  • AST増加 5.3% (0%)
  • 体重増加 8.7% (0%)
  • 便秘 5.3% (0%)
  • 悪心 4.3% (0%)
  • 疲労 3.4% (0%)

注意すべき有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 5.8% (0.5%)
  • 高コレステロール血症 3.4% (0%)

維持用量160mg

主な有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • ALT増加 8.4% (1.0%)
  • AST増加 5.0% (0%)
  • 体重増加 10.9% (0.5%)
  • 疲労 6.4% (0%)
  • 悪心 5.4% (0%)
  • 便秘 3.0% (0%)

注意すべき有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 6.9% (0%)
  • 高コレステロール血症 5.9% (0.5%)
BJU Int. 2008 Dec;102(11):1531-8²⁾より引用

特徴と注意点

LHRH刺激を経ずにアンドロゲン受容体遮断が可能

監修:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する臨床試験|CS21試験²⁾

内分泌療法が適応とされた前立腺癌患者において、 GnRHアンタゴニストであるデガレリクスの効果を、 リュープロレリンを対照に検証した第Ⅲ相無作為化比較試験CS21の結果より、 1年間のテストステロン値の低値維持における非劣性が示された。

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テストステロン奏効率

  • デガレリクス (240/80mg) 群:97.2%
(95%CI 93.5-98.8%)
  • デガレリクス (240/160mg) 群:98.3%
(95%CI 94.8-99.4%)
  • リュープロレリン群:96.4%
(95%CI 92.5-98.2%)

3日目のテストステロン中央値

  • デガレリクス (240/80mg) 群:0.24ng/mL
  • デガレリクス (240/160mg) 群:0.26ng/mL
  • リュープロレリン群:6.30ng/mL

28-364日目までのテストステロン中央値

  • デガレリクス (240/80mg) 群:0.082ng/mL
  • デガレリクス (240/160mg) 群:0.088ng/mL
  • リュープロレリン群:0.078ng/mL

252日目のテストステロン値 vs 255日目および/または259日目のテストステロン値

252日目と比較し、 240/80mg群と240/160mg群では平均テストステロン値はわずかに減少したが、 リュープロレリン群では平均0.045ng/mLの有意な増加がみられた (p<0.001) 。

ベースラインから14日後、 28日後までのPSA変化率

14日後

  • デガレリクス (240/80mg) 群:64%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:65%
  • リュープロレリン群:18%

28日後

  • デガレリクス (240/80mg) 群:85%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:83%
  • リュープロレリン群:68%

PSA評価による治療失敗までの期間

  • デガレリクス (240/80mg) 群:8.9%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:14.2%
  • リュープロレリン群:14.1%

LHとFSHの経時的変化

  • デガレリクス投与の2群では、 LHとFSHの中央値は投与後に急速に低下し、 試験終了まで抑制されていた。
  • リュープロレリン群では、 投与開始時にLHとFSHの中央値が上昇し、 FSHはデガレリクスの2群と同程度には低下しなかった。

試験終了時のベースラインと比較した平均FSH値の低下率

  • デガレリクス (240/80mg) 群:88.5%
  • デガレリクス (240/160mg) 群:89.0%
  • リュープロレリン群:54.8%

出典

  1. 日本イーライリリー. ゴナックス®電子添文 (2023年11月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/7/29]
  2. The efficacy and safety of degarelix: a 12-month, comparative, randomized, open-label, parallel-group phase III study in patients with prostate cancer. BJU Int. 2008 Dec;102(11):1531-8. PMID: 19035858
最終更新日:2024年8月27日
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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