治療スケジュール
概要
監修医師

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1~8Day 1、4、8、11
1.3mg/m² 皮下注9~Day 1、8、15、22

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
20mg/body 経口or点滴静注1~8Day 1、2、4、5、8、9、11、12
20mg/body 経口or点滴静注9~Day 1、2、8、9、15、16、22、23

その他

1コースは3週間 (※9コース目以降は5週間)
レジメン
Bd(BD)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

IFM2005-01試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (15.9%、 ≧Grade3 4.2%)
  • 好中球減少症 (8.0%、 ≧Grade3 5.0%)
  • 血小板減少症 (10.9%、 ≧Grade3 2.9%)

主な有害事象

  • 感染症 (48.1%、 ≧Grade3 8.8%)
  • 末梢神経障害 (43.9%、 ≧Grade3 7.1%)
  • 疲労・倦怠感 (28.5%)
  • 消化器症状 (26.8%)
  • 発疹 (11.7%)

その他重要な有害事象

  • 帯状疱疹 (9.2%)
  • 心障害 (5.9%)
  • 血栓症 (4.6%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 肺炎 (3.4%)

特徴と注意点

  • 移植適応のある初発多発性骨髄腫患者に対する推奨導入療法.
  • 自家造血幹細胞採取効率に悪影響を与えない.
  • 腎障害のある患者にも選択しやすい.
  • 末梢神経障害には注意が必要.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬の予防投与を推奨.
  • ボルテゾミブはCYP3A4関連の相互作用に注意.

関連する臨床試験の結果

IFM2005-01試験¹⁾

概要

  • 対象:移植適応のある初発症候性骨髄腫患者493例.
  • 介入群:ボルテゾミブ+デキサメタゾン (Bd)
  • 対照群:ビンクリスチン+ドキソルビシン+デキサメタゾン (VAD)
※両群はDCEPによる地固め療法実施有無でさらに2群に割り付け
  • 主要評価項目:寛解導入後のCR/nCR率
  • 副次評価項目:ORR、 DCEP有無によるCR/nCR率、 移植後のCR/nCR率および≧VGPR率、 2回目の移植が必要となった患者の割合
CR:完全奏効 nCR:準完全奏効 VGPR:非常に良い部分奏効

結果

  • 寛解導入後のCR/nCR率:Bd群 14.8% vs VAD群 6.4%
  • 寛解導入後の≧VGPR率:Bd群 37.7% vs VAD群 15.1%
  • 移植後のCR/nCR率:Bd群 35.0% vs VAD群 18.4%
  • 移植後の≧VGPR率:Bd群 54.3% vs VAD群 37.2%
  • 無増悪生存期間中央値:Bd群 36.0ヵ月 vs VAD群 29.7ヵ月

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2010 Oct 20;28(30):4621-9.

最終更新:2022年8月30日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ボルテゾミブ、 デキサメタゾン
2023年05月07日更新

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1~8Day 1、4、8、11
1.3mg/m² 皮下注9~Day 1、8、15、22

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
20mg/body 経口or点滴静注1~8Day 1、2、4、5、8、9、11、12
20mg/body 経口or点滴静注9~Day 1、2、8、9、15、16、22、23

その他

1コースは3週間 (※9コース目以降は5週間)

概要

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薬剤情報

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主な有害事象

IFM2005-01試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (15.9%、 ≧Grade3 4.2%)
  • 好中球減少症 (8.0%、 ≧Grade3 5.0%)
  • 血小板減少症 (10.9%、 ≧Grade3 2.9%)

主な有害事象

  • 感染症 (48.1%、 ≧Grade3 8.8%)
  • 末梢神経障害 (43.9%、 ≧Grade3 7.1%)
  • 疲労・倦怠感 (28.5%)
  • 消化器症状 (26.8%)
  • 発疹 (11.7%)

その他重要な有害事象

  • 帯状疱疹 (9.2%)
  • 心障害 (5.9%)
  • 血栓症 (4.6%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 肺炎 (3.4%)

特徴と注意点

  • 移植適応のある初発多発性骨髄腫患者に対する推奨導入療法.
  • 自家造血幹細胞採取効率に悪影響を与えない.
  • 腎障害のある患者にも選択しやすい.
  • 末梢神経障害には注意が必要.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬の予防投与を推奨.
  • ボルテゾミブはCYP3A4関連の相互作用に注意.

関連する臨床試験の結果

IFM2005-01試験¹⁾

概要

  • 対象:移植適応のある初発症候性骨髄腫患者493例.
  • 介入群:ボルテゾミブ+デキサメタゾン (Bd)
  • 対照群:ビンクリスチン+ドキソルビシン+デキサメタゾン (VAD)
※両群はDCEPによる地固め療法実施有無でさらに2群に割り付け
  • 主要評価項目:寛解導入後のCR/nCR率
  • 副次評価項目:ORR、 DCEP有無によるCR/nCR率、 移植後のCR/nCR率および≧VGPR率、 2回目の移植が必要となった患者の割合
CR:完全奏効 nCR:準完全奏効 VGPR:非常に良い部分奏効

結果

  • 寛解導入後のCR/nCR率:Bd群 14.8% vs VAD群 6.4%
  • 寛解導入後の≧VGPR率:Bd群 37.7% vs VAD群 15.1%
  • 移植後のCR/nCR率:Bd群 35.0% vs VAD群 18.4%
  • 移植後の≧VGPR率:Bd群 54.3% vs VAD群 37.2%
  • 無増悪生存期間中央値:Bd群 36.0ヵ月 vs VAD群 29.7ヵ月

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2010 Oct 20;28(30):4621-9.

最終更新:2022年8月30日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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