| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 0.5~1.0 ×10⁶ 個/kg (最大1.0×10⁸ 個) | 1 | Day 1 |
| Infusion reactionの予防・軽減のため、 cilta-cel投与の約30~60分前に抗ヒスタミン薬およびアセトアミノフェン (経口または静注) を投与。 ステロイドは、 生命を脅かす緊急時を除き使用しない。 また、 アナフィラキシーなどの重篤な事象に備え、 救急措置の準備を行う。 |
| CRSの緊急時に備え、 トシリズマブを速やかに投与できるよう準備する。 |
カービクティ®点滴静注
(シルタカブタゲン オートルユーセル)

リンパ球除去化学療法 : cilta-cel投与の5~7日前に開始し、 シクロホスファミド300mg/m²およびフルダラビン30mg/m²を1日1回、 3日間点滴静注する¹⁾。 eGFR 30~70mL/min/1.73m²の患者では、 フルダラビンを24mg/m²に減量する²⁾。 投与手順ならびに補液・制吐薬などの支持療法は、 各施設の標準的な手順に従う⁵⁾。
cilta-cel : Infusion reactionの予防・軽減のため、 投与約30~60分前に抗ヒスタミン薬およびアセトアミノフェン (経口または静注) を前投与する。 ステロイドは、 生命を脅かす緊急時を除き使用しない。 CAR発現生T細胞数として目標用量0.75×10⁶個/kg (範囲 : 0.5×10⁶~1.0×10⁶個/kg、 最大投与量1.0×10⁸個) を、 7mL/分を超えない速度で単回静脈内投与し、 再投与は行わない¹⁾。
リンパ球除去化学療法に伴うGrade 3以上の非血液学的毒性がGrade 1以下まで回復するのに14日以上を要し、 cilta-celの投与が延期される場合は、 初回のリンパ球除去化学療法開始日から21日以降に同療法を再実施する²⁾。
Lancet Oncol. 2026;27(2):254-268.
プロテアソーム阻害薬および免疫調節薬を含む1~3ラインの前治療歴を有する、 レナリドミド抵抗性多発性骨髄腫419例を対象とした国際共同第Ⅲ相無作為化比較試験である。 cilta-cel群208例と標準治療群*211例に1 : 1で割り付け、 主要評価項目は独立中央判定によるPFSとした。 ITT集団には日本人19例 (cilta-cel群5例、 標準治療群14例) が含まれた³⁾。 本報告では、 2024年5月1日のデータカットオフ (追跡期間中央値33.6ヵ月) 時点における、 事前規定されたOSの第2回中間解析およびPFSの更新解析が行われた⁴⁾。
【有効性】cilta-cel群 (vs 標準治療群)⁴⁾
- PFS中央値 未到達 (vs 11.8ヵ月)
- OS中央値 未到達 (vs 未到達)
- 全奏効割合 85% (vs 67%)
- MRD陰性割合 [10⁻⁵] 62% (vs 18%)
- 症状増悪までの期間中央値 未到達 (vs 34.3ヵ月)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 貧血 54% (36%)
- 血小板減少症 54% (42%)
- リンパ球減少症 23% (21%)
- 白血球減少症 13% (12%)
- 好中球減少症 90% (90%)
- 感染症及び寄生虫症 63% (28%)
- 上気道感染 11% (2%)
- COVID-19 10% (1%)
- 肺炎 7% (4%)
- COVID-19肺炎 6% (5%)
- サイトカイン放出症候群 64% (1%)
- 悪心 49% (0%)
- 低γグロブリン血症 45% (8%)
- 下痢 34% (4%)
- 疲労 29% (2%)
- 頭痛 26% (0%)
- 便秘 24% (<1%)
- 末梢性感覚ニューロパチー 16% (0%)
- 背部痛 15% (1%)
- 呼吸困難 13% (<1%)
- 不眠症 11% (1%)
- サイトカイン放出症候群 (CRS) 76% (1%)
- 神経毒性 20% (3%)
- ICANS 5% (0%)
- その他の神経系事象 17% (2%)
- パーキンソニズム 1% (0%)
J Clin Oncol. 2025;43(25):2766-2771.
3ライン以上の前治療歴を有し、 プロテアソーム阻害薬・免疫調節薬・抗CD38抗体の3クラスすべてに曝露された再発・難治性多発性骨髄腫を対象とした第Ⅰb/Ⅱ相試験である。 主要評価項目は、 第Ⅰb相パートでは安全性、 第Ⅱ相パートでは全奏効率とした⁶⁾。 2018年7月~2019年10月にcilta-celの投与を受けた97例が解析対象となり⁶⁾、 日本人9例は第Ⅱ相パートに別途組み入れられた²⁾。 本報告は、 2025年2月のデータカットオフ (追跡期間中央値61.3ヵ月) 時点における長期成績の事後解析である⁶⁾。
【有効性】cilta-cel群⁶⁾
- OS中央値 60.7ヵ月 (95%CI 41.9–算出不能)
- 単回投与後に5年以上無増悪で生存 33% (32/97例)
- 単施設12例における5年時以降のMRD陰性 (10⁻⁵以上) 及び画像陰性 100% (12/12例)
- PFS中央値 34.9ヵ月 (試験終了時解析、 追跡期間中央値33.4ヵ月)⁶⁾
【安全性】主な有害事象
- 二次性悪性腫瘍 2例 (いずれも固形腫瘍)
- 神経系事象 2例
- Grade≧3の感染症 4例
- パーキンソニズム及び脳神経麻痺の新規発現 なし
CARTITUDE-4試験²⁾の主な適格基準
- 測定可能病変を有する : 血清Mタンパク≧0.5g/dL又は尿中Mタンパク≧200mg/24時間、 軽鎖型で血清・尿中に測定可能病変を認めない場合は血清遊離軽鎖≧10mg/dLかつ血清遊離軽鎖κ/λ比異常
- PI及びIMiDを含む1–3ラインの前治療歴があり、 各治療ラインで1サイクル以上の投与を完了 (当該ラインの最良効果がPDの場合を除く)
- 直近の治療ラインから6ヵ月以内にIMWG規準によるPDが確認されている
- 前治療歴が1ラインのみの場合は幹細胞移植から36ヵ月以内、 未移植例では初期治療から42ヵ月以内のPD
- レナリドミド難治性 (レナリドミド投与中又は最終投与後60日以内のPD)
- 18歳以上 (日本人は20歳以上)
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,000/μL
- 血小板数≧7.5万/μL (骨髄有核細胞中の形質細胞<50%)、 ≧5万/μL (形質細胞≧50%)
- Hb≧8.0g/dL
- リンパ球数≧300/μL
- 肝機能 : AST/ALT≦3.0×ULN、 T-Bil≦2.0×ULN
- 腎機能 : eGFR≧40mL/min/1.73m² (MDRD式)
リンパ球除去化学療法においては、 フルダラビンを腎機能に応じて以下のとおり減量する²⁾。

試験規定と実施状況 :
アフェレーシスは無作為化後3~6日に実施し、 ブリッジング療法はアフェレーシス後かつランダム化後7日以内に開始する。 前治療歴に基づきPVdまたはDPdを1サイクル実施し、 CAR-T製品の供給遅延により2サイクル目が必要な場合は、 治験依頼者への連絡を要する⁵⁾。
リンパ球除去化学療法の開始前には、 ブリッジング療法の最終投与から以下の期間を空け、 同療法に起因する活動性のGrade 3以上の非血液学的毒性がないことを確認する⁵⁾。
- ダラツムマブ : 21日以上
- ボルテゾミブ : 14日以上
- ポマリドミド : 7日以上
実施状況 (cilta-cel群のITT集団208例)²⁾ :
全例でアフェレーシスおよび1サイクル以上のブリッジング療法が実施された。 投与サイクル数中央値は2.0サイクル (範囲 : 1~6) で、 1~2サイクルが80.8% (168例)、 3~6サイクルが19.2% (40例) であった。
- DPd 87.5% (182例)、 PVd 12.5% (26例)
cilta-celは、 患者自身のT細胞にレンチウイルスベクターを用いて抗B細胞成熟抗原 (BCMA) キメラ抗原受容体 (CAR) を導入した、 自家抗BCMA CAR-T細胞製品である¹⁾²⁾。 BCMAは主に多発性骨髄腫細胞、 B細胞系列および形質細胞に発現する。 cilta-celのCARは2つのBCMA結合シングルドメイン抗体、 4-1BB共刺激ドメインおよびCD3ζシグナルドメインで構成され、 BCMA発現細胞を認識するとCAR-T細胞の増殖・活性化とサイトカイン放出を誘導し、 標的細胞を傷害する¹⁾。
CRS : CRSがあらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては血液検査等を実施し、 AST増加、 ALT増加、 発熱、 悪寒、 低血圧、 洞性頻脈、 低酸素症、 心機能障害、 神経系事象、 血球貪食性リンパ組織球症、 播種性血管内凝固症候群 (DIC) 等の臨床症状について観察を十分に行う。
神経系事象 : 神経系事象があらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては失語症、 言語緩慢、 書字障害、 脳症、 意識レベルの低下、 錯乱状態、 小字症、 振戦、 記憶喪失、 注意力障害、 表情減少、 感情の平板化等の臨床症状について観察を十分に行う。
感染症 : 感染症があらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては臨床症状等を確認し、 観察を十分に行う。
血球減少 : cilta-cel投与後数週間以上にわたり、 血小板減少症、 好中球減少症、 リンパ球減少症、 貧血等の血球減少があらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
肝炎ウイルス・HIV感染の確認 : 白血球アフェレーシスを実施する前に肝炎ウイルス感染、 HIV感染の有無を確認する。
自動車の運転等の注意 : 意識変容、 意識低下、 協調運動障害等の神経系事象があらわれることがあるので、 cilta-cel投与後の患者に自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
腫瘍崩壊症候群 : 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては血清中電解質濃度の測定及び腎機能検査を行うなど、 観察を十分に行う。
CAR陽性T細胞由来のリンパ系腫瘍 : CAR発現T細胞を含有する再生医療等製品において、 製品投与後にCAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が報告されている。 製品との因果関係は明確ではないが、 T細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現には注意する。
1) ヤンセンファーマ株式会社. カービクティ®点滴静注 電子添文. 2026年7月改訂 (第2版).
2) ヤンセンファーマ株式会社. カービクティ®点滴静注 適正使用ガイド. 2026年7月改訂.
3) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構. カービクティ点滴静注. 審査報告書. 令和8年6月15日.
4) Lancet Oncol. 2026;27(2):254-268.
5) N Engl J Med. 2023;389:335-347. (掲載プロトコル)
6) J Clin Oncol. 2025;43(25):2766-2771.
最終更新 : 2026年8月19日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 0.5~1.0 ×10⁶ 個/kg (最大1.0×10⁸ 個) | 1 | Day 1 |
| Infusion reactionの予防・軽減のため、 cilta-cel投与の約30~60分前に抗ヒスタミン薬およびアセトアミノフェン (経口または静注) を投与。 ステロイドは、 生命を脅かす緊急時を除き使用しない。 また、 アナフィラキシーなどの重篤な事象に備え、 救急措置の準備を行う。 |
| CRSの緊急時に備え、 トシリズマブを速やかに投与できるよう準備する。 |
カービクティ®点滴静注
(シルタカブタゲン オートルユーセル)

リンパ球除去化学療法 : cilta-cel投与の5~7日前に開始し、 シクロホスファミド300mg/m²およびフルダラビン30mg/m²を1日1回、 3日間点滴静注する¹⁾。 eGFR 30~70mL/min/1.73m²の患者では、 フルダラビンを24mg/m²に減量する²⁾。 投与手順ならびに補液・制吐薬などの支持療法は、 各施設の標準的な手順に従う⁵⁾。
cilta-cel : Infusion reactionの予防・軽減のため、 投与約30~60分前に抗ヒスタミン薬およびアセトアミノフェン (経口または静注) を前投与する。 ステロイドは、 生命を脅かす緊急時を除き使用しない。 CAR発現生T細胞数として目標用量0.75×10⁶個/kg (範囲 : 0.5×10⁶~1.0×10⁶個/kg、 最大投与量1.0×10⁸個) を、 7mL/分を超えない速度で単回静脈内投与し、 再投与は行わない¹⁾。
リンパ球除去化学療法に伴うGrade 3以上の非血液学的毒性がGrade 1以下まで回復するのに14日以上を要し、 cilta-celの投与が延期される場合は、 初回のリンパ球除去化学療法開始日から21日以降に同療法を再実施する²⁾。
Lancet Oncol. 2026;27(2):254-268.
プロテアソーム阻害薬および免疫調節薬を含む1~3ラインの前治療歴を有する、 レナリドミド抵抗性多発性骨髄腫419例を対象とした国際共同第Ⅲ相無作為化比較試験である。 cilta-cel群208例と標準治療群*211例に1 : 1で割り付け、 主要評価項目は独立中央判定によるPFSとした。 ITT集団には日本人19例 (cilta-cel群5例、 標準治療群14例) が含まれた³⁾。 本報告では、 2024年5月1日のデータカットオフ (追跡期間中央値33.6ヵ月) 時点における、 事前規定されたOSの第2回中間解析およびPFSの更新解析が行われた⁴⁾。
【有効性】cilta-cel群 (vs 標準治療群)⁴⁾
- PFS中央値 未到達 (vs 11.8ヵ月)
- OS中央値 未到達 (vs 未到達)
- 全奏効割合 85% (vs 67%)
- MRD陰性割合 [10⁻⁵] 62% (vs 18%)
- 症状増悪までの期間中央値 未到達 (vs 34.3ヵ月)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 貧血 54% (36%)
- 血小板減少症 54% (42%)
- リンパ球減少症 23% (21%)
- 白血球減少症 13% (12%)
- 好中球減少症 90% (90%)
- 感染症及び寄生虫症 63% (28%)
- 上気道感染 11% (2%)
- COVID-19 10% (1%)
- 肺炎 7% (4%)
- COVID-19肺炎 6% (5%)
- サイトカイン放出症候群 64% (1%)
- 悪心 49% (0%)
- 低γグロブリン血症 45% (8%)
- 下痢 34% (4%)
- 疲労 29% (2%)
- 頭痛 26% (0%)
- 便秘 24% (<1%)
- 末梢性感覚ニューロパチー 16% (0%)
- 背部痛 15% (1%)
- 呼吸困難 13% (<1%)
- 不眠症 11% (1%)
- サイトカイン放出症候群 (CRS) 76% (1%)
- 神経毒性 20% (3%)
- ICANS 5% (0%)
- その他の神経系事象 17% (2%)
- パーキンソニズム 1% (0%)
J Clin Oncol. 2025;43(25):2766-2771.
3ライン以上の前治療歴を有し、 プロテアソーム阻害薬・免疫調節薬・抗CD38抗体の3クラスすべてに曝露された再発・難治性多発性骨髄腫を対象とした第Ⅰb/Ⅱ相試験である。 主要評価項目は、 第Ⅰb相パートでは安全性、 第Ⅱ相パートでは全奏効率とした⁶⁾。 2018年7月~2019年10月にcilta-celの投与を受けた97例が解析対象となり⁶⁾、 日本人9例は第Ⅱ相パートに別途組み入れられた²⁾。 本報告は、 2025年2月のデータカットオフ (追跡期間中央値61.3ヵ月) 時点における長期成績の事後解析である⁶⁾。
【有効性】cilta-cel群⁶⁾
- OS中央値 60.7ヵ月 (95%CI 41.9–算出不能)
- 単回投与後に5年以上無増悪で生存 33% (32/97例)
- 単施設12例における5年時以降のMRD陰性 (10⁻⁵以上) 及び画像陰性 100% (12/12例)
- PFS中央値 34.9ヵ月 (試験終了時解析、 追跡期間中央値33.4ヵ月)⁶⁾
【安全性】主な有害事象
- 二次性悪性腫瘍 2例 (いずれも固形腫瘍)
- 神経系事象 2例
- Grade≧3の感染症 4例
- パーキンソニズム及び脳神経麻痺の新規発現 なし
CARTITUDE-4試験²⁾の主な適格基準
- 測定可能病変を有する : 血清Mタンパク≧0.5g/dL又は尿中Mタンパク≧200mg/24時間、 軽鎖型で血清・尿中に測定可能病変を認めない場合は血清遊離軽鎖≧10mg/dLかつ血清遊離軽鎖κ/λ比異常
- PI及びIMiDを含む1–3ラインの前治療歴があり、 各治療ラインで1サイクル以上の投与を完了 (当該ラインの最良効果がPDの場合を除く)
- 直近の治療ラインから6ヵ月以内にIMWG規準によるPDが確認されている
- 前治療歴が1ラインのみの場合は幹細胞移植から36ヵ月以内、 未移植例では初期治療から42ヵ月以内のPD
- レナリドミド難治性 (レナリドミド投与中又は最終投与後60日以内のPD)
- 18歳以上 (日本人は20歳以上)
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,000/μL
- 血小板数≧7.5万/μL (骨髄有核細胞中の形質細胞<50%)、 ≧5万/μL (形質細胞≧50%)
- Hb≧8.0g/dL
- リンパ球数≧300/μL
- 肝機能 : AST/ALT≦3.0×ULN、 T-Bil≦2.0×ULN
- 腎機能 : eGFR≧40mL/min/1.73m² (MDRD式)
リンパ球除去化学療法においては、 フルダラビンを腎機能に応じて以下のとおり減量する²⁾。

試験規定と実施状況 :
アフェレーシスは無作為化後3~6日に実施し、 ブリッジング療法はアフェレーシス後かつランダム化後7日以内に開始する。 前治療歴に基づきPVdまたはDPdを1サイクル実施し、 CAR-T製品の供給遅延により2サイクル目が必要な場合は、 治験依頼者への連絡を要する⁵⁾。
リンパ球除去化学療法の開始前には、 ブリッジング療法の最終投与から以下の期間を空け、 同療法に起因する活動性のGrade 3以上の非血液学的毒性がないことを確認する⁵⁾。
- ダラツムマブ : 21日以上
- ボルテゾミブ : 14日以上
- ポマリドミド : 7日以上
実施状況 (cilta-cel群のITT集団208例)²⁾ :
全例でアフェレーシスおよび1サイクル以上のブリッジング療法が実施された。 投与サイクル数中央値は2.0サイクル (範囲 : 1~6) で、 1~2サイクルが80.8% (168例)、 3~6サイクルが19.2% (40例) であった。
- DPd 87.5% (182例)、 PVd 12.5% (26例)
cilta-celは、 患者自身のT細胞にレンチウイルスベクターを用いて抗B細胞成熟抗原 (BCMA) キメラ抗原受容体 (CAR) を導入した、 自家抗BCMA CAR-T細胞製品である¹⁾²⁾。 BCMAは主に多発性骨髄腫細胞、 B細胞系列および形質細胞に発現する。 cilta-celのCARは2つのBCMA結合シングルドメイン抗体、 4-1BB共刺激ドメインおよびCD3ζシグナルドメインで構成され、 BCMA発現細胞を認識するとCAR-T細胞の増殖・活性化とサイトカイン放出を誘導し、 標的細胞を傷害する¹⁾。
CRS : CRSがあらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては血液検査等を実施し、 AST増加、 ALT増加、 発熱、 悪寒、 低血圧、 洞性頻脈、 低酸素症、 心機能障害、 神経系事象、 血球貪食性リンパ組織球症、 播種性血管内凝固症候群 (DIC) 等の臨床症状について観察を十分に行う。
神経系事象 : 神経系事象があらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては失語症、 言語緩慢、 書字障害、 脳症、 意識レベルの低下、 錯乱状態、 小字症、 振戦、 記憶喪失、 注意力障害、 表情減少、 感情の平板化等の臨床症状について観察を十分に行う。
感染症 : 感染症があらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては臨床症状等を確認し、 観察を十分に行う。
血球減少 : cilta-cel投与後数週間以上にわたり、 血小板減少症、 好中球減少症、 リンパ球減少症、 貧血等の血球減少があらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
肝炎ウイルス・HIV感染の確認 : 白血球アフェレーシスを実施する前に肝炎ウイルス感染、 HIV感染の有無を確認する。
自動車の運転等の注意 : 意識変容、 意識低下、 協調運動障害等の神経系事象があらわれることがあるので、 cilta-cel投与後の患者に自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
腫瘍崩壊症候群 : 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、 cilta-celの投与にあたっては血清中電解質濃度の測定及び腎機能検査を行うなど、 観察を十分に行う。
CAR陽性T細胞由来のリンパ系腫瘍 : CAR発現T細胞を含有する再生医療等製品において、 製品投与後にCAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が報告されている。 製品との因果関係は明確ではないが、 T細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現には注意する。
1) ヤンセンファーマ株式会社. カービクティ®点滴静注 電子添文. 2026年7月改訂 (第2版).
2) ヤンセンファーマ株式会社. カービクティ®点滴静注 適正使用ガイド. 2026年7月改訂.
3) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構. カービクティ点滴静注. 審査報告書. 令和8年6月15日.
4) Lancet Oncol. 2026;27(2):254-268.
5) N Engl J Med. 2023;389:335-347. (掲載プロトコル)
6) J Clin Oncol. 2025;43(25):2766-2771.
最終更新 : 2026年8月19日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。