治療スケジュール
概要
監修医師

L-OHP:オキサリプラチン(エルプラット®)

投与量コース投与日
85mg/m² 点滴1~Day1

l-LV:レボホリナートカルシウム(アイソボリン®)

投与量コース投与日
200mg/m² 点滴1~Day1

5-FU:フルオロウラシル(フルオロウラシル®)

投与量コース投与日
400mg/m² 急速静注1~Day1
1600mg/m² 持続静注1~Day1~3

前投薬

パロノセトロン0.75mg day1 点滴、 デキサメタゾン 6.6mg day1 点滴、 8.0mg day2-4 経口

その他

1コース14日間
L-OHP+l-LV+5-FUをFOLFOX療法と呼ぶ。
レジメン
FOLFOX+RT
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

用法用量 (1コース2週間)

※1 現在結腸・直腸がんに対する全身化学療法として用いられているmFOLFOX6療法と5-FU持続静注の用量が異なるのため注意する。

※2 放射線療法はDay1~5、 8~12、 15~19、 22~26、 29~33に実施 (2Gy×25回、 計50Gy) 。 FOLFOX療法は放射線治療にあわせて3コース実施し、 放射線治療終了後、 さらに3コース実施。

前投薬

MECレジメンとして扱う。

  • パロノセトロン0.75mg day1 点滴
  • デキサメタゾン 6.6mg day1 点滴、 8.0mg day2-4 経口

投与開始基準

PRODIGE5/ACCORD17試験¹⁾より抜粋

主な有害事象

PRODIGE5/ACCORD17試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 貧血 57.3% (5.3%)
  • 好中球数減少 51.9% (29.0%)
  • 白血球減少 50.4% (21.4%)
  • 血小板数減少 46.6% (6.9%)
  • リンパ球減少症 19.1% (16.0%)
  • 発熱性好中球減少症 5.3% (5.3%)
  • 感染を伴う好中球減少症 2.3% (1.5%)
  • 悪心 49.6% (2.3%)
  • 体重減少 35.9% (3.8%)
  • 嘔吐 25.2% (3.8%)
  • 食欲不振 23.7% (4.6%)
  • 粘膜炎 20.6% (5.3%)
  • 下痢 15.3% (1.5%)
  • 便秘 12.2% (0%)

上手に使うためのワンポイント

他のレジメンとの使い分け

FP+RTとの使い分けが問題となる。エビデンスレベルからはFP+RTを第一選択とし、 FOLFOXはFP+RTが不適格の症例を対象とする。 具体的には心疾患や腎障害を有する症例、 外来での通院希望例などである。 FOLFOX+RTはcStageI-IVまでの根治目的のCRTが行われる症例が対象となる。

腎機能について

オキサリプラチンの投与量は腎機能CrClを参考に決定する。 CrClの計算はCockcroft-Gault式を用い、CrCl≥30 mL/minでは減量不要である。 欧州の添付文書ではCrCl<30 mL/minは禁忌とされているが、 米国NCI Organ Dysfunction Working GroupによるとCrCl≥20 mL/minで投与可能と報告されている。²⁾

特徴と注意点

FP+RTではCRT後、 効果判定を行った後に追加FP療法が行われていたが、 FOLFOX+RTではCRT終了後も継続して2週毎、 合計6コース終了するまでFOLFOXが投与される。 効果判定はFOLFOX合計6コース終了後に行われる。

関連する臨床試験

PRODIGE5/ACCORD17試験¹⁾

根治的化学放射線療法の対象となるStage I~IVAの食道腺癌および扁平上皮癌患者を対象として、 標準治療であるCF-RTに対するFOLFOX-RTの無増悪生存期間における優越性を検証するランダム化第3相比較試験。 

Lancet Oncol. 2014 Mar;15(3):305-14. 

参考文献

  1. Definitive chemoradiotherapy with FOLFOX versus fluorouracil and cisplatin in patients with oesophageal cancer (PRODIGE5/ACCORD17): final results of a randomised, phase 2/3 trial. Lancet Oncol. 2014 Mar;15(3):305-14. PMID: 24556041
  2. Dose-escalating and pharmacological study of oxaliplatin in adult cancer patients with impaired renal function: a National Cancer Institute Organ Dysfunction Working Group Study. J Clin Oncol. 2003 Jul 15;21(14):2664-72. PMID: 12860942
最終更新日:2023年11月2日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

レジメン
FOLFOX+RT
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HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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オキサリプラチン+レボホリナートカルシウム+フルオロウラシル
2023年12月13日更新

L-OHP:オキサリプラチン(エルプラット®)

投与量コース投与日
85mg/m² 点滴1~Day1

l-LV:レボホリナートカルシウム(アイソボリン®)

投与量コース投与日
200mg/m² 点滴1~Day1

5-FU:フルオロウラシル(フルオロウラシル®)

投与量コース投与日
400mg/m² 急速静注1~Day1
1600mg/m² 持続静注1~Day1~3

前投薬

パロノセトロン0.75mg day1 点滴、 デキサメタゾン 6.6mg day1 点滴、 8.0mg day2-4 経口

その他

1コース14日間
L-OHP+l-LV+5-FUをFOLFOX療法と呼ぶ。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

用法用量 (1コース2週間)

※1 現在結腸・直腸がんに対する全身化学療法として用いられているmFOLFOX6療法と5-FU持続静注の用量が異なるのため注意する。

※2 放射線療法はDay1~5、 8~12、 15~19、 22~26、 29~33に実施 (2Gy×25回、 計50Gy) 。 FOLFOX療法は放射線治療にあわせて3コース実施し、 放射線治療終了後、 さらに3コース実施。

前投薬

MECレジメンとして扱う。

  • パロノセトロン0.75mg day1 点滴
  • デキサメタゾン 6.6mg day1 点滴、 8.0mg day2-4 経口

投与開始基準

PRODIGE5/ACCORD17試験¹⁾より抜粋

主な有害事象

PRODIGE5/ACCORD17試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 貧血 57.3% (5.3%)
  • 好中球数減少 51.9% (29.0%)
  • 白血球減少 50.4% (21.4%)
  • 血小板数減少 46.6% (6.9%)
  • リンパ球減少症 19.1% (16.0%)
  • 発熱性好中球減少症 5.3% (5.3%)
  • 感染を伴う好中球減少症 2.3% (1.5%)
  • 悪心 49.6% (2.3%)
  • 体重減少 35.9% (3.8%)
  • 嘔吐 25.2% (3.8%)
  • 食欲不振 23.7% (4.6%)
  • 粘膜炎 20.6% (5.3%)
  • 下痢 15.3% (1.5%)
  • 便秘 12.2% (0%)

上手に使うためのワンポイント

他のレジメンとの使い分け

FP+RTとの使い分けが問題となる。エビデンスレベルからはFP+RTを第一選択とし、 FOLFOXはFP+RTが不適格の症例を対象とする。 具体的には心疾患や腎障害を有する症例、 外来での通院希望例などである。 FOLFOX+RTはcStageI-IVまでの根治目的のCRTが行われる症例が対象となる。

腎機能について

オキサリプラチンの投与量は腎機能CrClを参考に決定する。 CrClの計算はCockcroft-Gault式を用い、CrCl≥30 mL/minでは減量不要である。 欧州の添付文書ではCrCl<30 mL/minは禁忌とされているが、 米国NCI Organ Dysfunction Working GroupによるとCrCl≥20 mL/minで投与可能と報告されている。²⁾

特徴と注意点

FP+RTではCRT後、 効果判定を行った後に追加FP療法が行われていたが、 FOLFOX+RTではCRT終了後も継続して2週毎、 合計6コース終了するまでFOLFOXが投与される。 効果判定はFOLFOX合計6コース終了後に行われる。

関連する臨床試験

PRODIGE5/ACCORD17試験¹⁾

根治的化学放射線療法の対象となるStage I~IVAの食道腺癌および扁平上皮癌患者を対象として、 標準治療であるCF-RTに対するFOLFOX-RTの無増悪生存期間における優越性を検証するランダム化第3相比較試験。 

Lancet Oncol. 2014 Mar;15(3):305-14. 

参考文献

  1. Definitive chemoradiotherapy with FOLFOX versus fluorouracil and cisplatin in patients with oesophageal cancer (PRODIGE5/ACCORD17): final results of a randomised, phase 2/3 trial. Lancet Oncol. 2014 Mar;15(3):305-14. PMID: 24556041
  2. Dose-escalating and pharmacological study of oxaliplatin in adult cancer patients with impaired renal function: a National Cancer Institute Organ Dysfunction Working Group Study. J Clin Oncol. 2003 Jul 15;21(14):2664-72. PMID: 12860942
最終更新日:2023年11月2日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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