概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ティーエスワン® (添付文書 / 適正使用ガイド*)

*大鵬薬品の医療関係者向けサイトへ遷移します¹⁾。 その他、 複数の後発品が販売されています。

用法用量 (1コース6週間)

4週内服、2週間休薬を1コースとする。

休薬・中止基準¹⁾

再開基準¹⁾

主な有害事象

East LC試験より引用²⁾
  • 食欲低下 50.4% (6.5%)
  • 悪心 36.4% (0.9%)
  • 下痢 35.9% (6.3%)
  • 皮膚色素過剰 31.3% (0.0%)
  • 口内炎 23.4% (2.5%)
  • 嘔吐 18.6% (1.6%)
  • 倦怠感 18.5% (0.2%)
  • 疲労 16.7% (1.2%)
  • 好中球減少 14.9% (5.4%)
  • 便秘 12.3% (0.2%)
  • 貧血 12.1% (2.6%)
  • 体重減少 12.1% (0.5%)
  • 血小板減少 11.1% (1.2%)
  • 斑状丘疹状皮疹 10.4% (0.9%)
  • 白血球減少 9.5% (1.2%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 4.0% (0.2%)
  • 末梢性浮腫 2.3% (0.0%)
  • 脱毛症 1.9% (0.0%)
  • 発熱性好中球減少症 0.9% (0.9%)

特徴と注意点

  • 原則、 4週内服2週休薬を1コースとするが、 有害事象や高齢者などでスケジュール通りの投与が困難な症例においては投与期間の短縮 (2週内服1週休薬) も考慮する。
  • 主な副作用は、 悪心、 嘔吐、 食欲不振、 下痢、 口内炎、 骨髄抑制、 倦怠感、 色素沈着、 流涙などである。
  • 腎排泄型の薬剤であり、 投与開始にあたっては腎機能 (クレアチニンクリアランス:CCr値) に基づく投与開始用量の調整が推奨されている。 🔢S-1の投与量計算および最新の添付文書を参照すること。
  • 前治療にフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬、 フッ化ピリミジン系抗真菌薬が含まれる場合は最低7日間が空いていることを確認する (併用禁忌)。
  • フェニトイン、 ワルファリンカリウムの血中濃度を上昇させるため、 併用注意とされており、 投与開始にあたってはこれらの薬剤は同効の別の薬剤への変更を考慮する。
  • 空腹時に内服すると血中濃度の増加により副作用が増強する可能性があるため、 食後の服用および経口不良時の休薬を遵守する。

関連する臨床試験

📊East LC試験²⁾

East Asia S-1 Trial in Lung Cancer (EAST LC) 試験は、既治療NSCLCにおけるS-1のDTXに対するランダム化非劣性第3相試験である。 本試験の主要評価項目は全生存期間 (OS)、 副次評価項目は有害事象、 奏効割合 (RR)、 無増悪生存期間 (PFS)などであった。 結果、 PFS、 PRはほぼ同様で、 有害事象の毒性プロファイルが異なっていた。

ORR  :8.3%

DTX群 9.9% 奏効割合P=0.3761

mPFS:2.86ヵ月

DTX群 2.89ヵ月 HR 1.033
(95%CI, 0.913-1.168,P=0.6080)

mOS :12.75ヵ月

DTX群 12.52ヵ月、 HR 0.945
(95%CI 0.833-1.073; P=0.3818)

参考文献

1) 大鵬薬品. ティーエスワン®適正使用ガイド

2) Randomized controlled trial of S-1 versus docetaxel in patients with non-small-cell lung cancer previously treated with platinum-based chemotherapy (East Asia S-1 Trial in Lung Cancer). Ann Oncol. 2017 Nov 1;28(11):2698-2706. PMID: 29045553

最終更新日:2023年11月15日
監修・作図:HOKUTO編集部専門医

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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2023年11月14日更新
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用法用量 (1コース6週間)

4週内服、2週間休薬を1コースとする。

休薬・中止基準¹⁾

再開基準¹⁾

主な有害事象

East LC試験より引用²⁾
  • 食欲低下 50.4% (6.5%)
  • 悪心 36.4% (0.9%)
  • 下痢 35.9% (6.3%)
  • 皮膚色素過剰 31.3% (0.0%)
  • 口内炎 23.4% (2.5%)
  • 嘔吐 18.6% (1.6%)
  • 倦怠感 18.5% (0.2%)
  • 疲労 16.7% (1.2%)
  • 好中球減少 14.9% (5.4%)
  • 便秘 12.3% (0.2%)
  • 貧血 12.1% (2.6%)
  • 体重減少 12.1% (0.5%)
  • 血小板減少 11.1% (1.2%)
  • 斑状丘疹状皮疹 10.4% (0.9%)
  • 白血球減少 9.5% (1.2%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 4.0% (0.2%)
  • 末梢性浮腫 2.3% (0.0%)
  • 脱毛症 1.9% (0.0%)
  • 発熱性好中球減少症 0.9% (0.9%)

特徴と注意点

  • 原則、 4週内服2週休薬を1コースとするが、 有害事象や高齢者などでスケジュール通りの投与が困難な症例においては投与期間の短縮 (2週内服1週休薬) も考慮する。
  • 主な副作用は、 悪心、 嘔吐、 食欲不振、 下痢、 口内炎、 骨髄抑制、 倦怠感、 色素沈着、 流涙などである。
  • 腎排泄型の薬剤であり、 投与開始にあたっては腎機能 (クレアチニンクリアランス:CCr値) に基づく投与開始用量の調整が推奨されている。 🔢S-1の投与量計算および最新の添付文書を参照すること。
  • 前治療にフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬、 フッ化ピリミジン系抗真菌薬が含まれる場合は最低7日間が空いていることを確認する (併用禁忌)。
  • フェニトイン、 ワルファリンカリウムの血中濃度を上昇させるため、 併用注意とされており、 投与開始にあたってはこれらの薬剤は同効の別の薬剤への変更を考慮する。
  • 空腹時に内服すると血中濃度の増加により副作用が増強する可能性があるため、 食後の服用および経口不良時の休薬を遵守する。

関連する臨床試験

📊East LC試験²⁾

East Asia S-1 Trial in Lung Cancer (EAST LC) 試験は、既治療NSCLCにおけるS-1のDTXに対するランダム化非劣性第3相試験である。 本試験の主要評価項目は全生存期間 (OS)、 副次評価項目は有害事象、 奏効割合 (RR)、 無増悪生存期間 (PFS)などであった。 結果、 PFS、 PRはほぼ同様で、 有害事象の毒性プロファイルが異なっていた。

ORR  :8.3%

DTX群 9.9% 奏効割合P=0.3761

mPFS:2.86ヵ月

DTX群 2.89ヵ月 HR 1.033
(95%CI, 0.913-1.168,P=0.6080)

mOS :12.75ヵ月

DTX群 12.52ヵ月、 HR 0.945
(95%CI 0.833-1.073; P=0.3818)

参考文献

1) 大鵬薬品. ティーエスワン®適正使用ガイド

2) Randomized controlled trial of S-1 versus docetaxel in patients with non-small-cell lung cancer previously treated with platinum-based chemotherapy (East Asia S-1 Trial in Lung Cancer). Ann Oncol. 2017 Nov 1;28(11):2698-2706. PMID: 29045553

最終更新日:2023年11月15日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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