エドスチラドリン®膀胱内注入液 (ナドファラゲン フィラデノベク)
【1コース】3ヵ月
【催吐性】記載なし³⁾⁴⁾
【FN発症】低リスク (<10%)*

ナドファラゲン フィラデノベク : 1回75mL (3×10¹¹vp/mL) を3ヵ月間隔で膀胱内投与する。 投与後は原則1時間膀胱内に保持する。 膀胱内腔表面への曝露を最大化するため、 可能な限り約15分ごとに左側臥位、 右側臥位、 仰臥位、 伏臥位へ体位変換するよう患者に指導する。
膀胱刺激および本品の膀胱外漏出を抑えるため、 投与前に抗コリン薬の使用が推奨される
Lancet Oncol. 2021;22(1):107-117.⁵⁾
J Urol. 2024 Jul;212(1):74-86.⁶⁾
BCG不応性 (BCG-unresponsive) 高グレード筋層非浸潤性膀胱癌 (NMIBC) 157例を対象とした第III相単群試験。 全例にナドファラゲン フィラデノベクを1回以上膀胱内投与し、 主要評価項目はCISコホートにおける初回投与後12ヵ月以内の完全奏効 (CR) 率とした。
【有効性】⁵⁾
上皮内癌 (CIS) コホート (103例)
- CR率 : 53.4% (95%CI 43.3–63.3)
- 初回CR達成55例におけるCR持続割合
- CR持続期間中央値 : 9.69ヵ月 (95%CI 9.17–NE)
高グレードTa/T1コホート (CIS非併発、 48例)
- 高グレード再発なし割合
- 高グレード無再発生存期間中央値 : 12.4ヵ月 (95%CI 6.7–NE)
全コホート (151例)
- 24ヵ月膀胱全摘除術なし生存率 : 64.5% (95%CI 53.6–73.4)
【5年追跡時の有効性】⁶⁾
- 57ヵ月時点の高グレード再発なし割合
- 60ヵ月膀胱全摘除術なし生存率
- 筋層浸潤性膀胱癌への進行 : 5例 (3.3%)
- 60ヵ月全生存率 : 80% (95%CI 71.0–86.0)
【安全性】主なAE⁵⁾ : 全Grade (Grade≧3)
- 滴下投与部位分泌 : 25% (0%)
- 疲労 : 20% (0%)
- 膀胱痙攣 : 16% (1%)
- 尿意切迫 : 15% (1%)
- 悪寒 : 12% (0%)
- 排尿痛 : 11% (0%)
- 発熱 : 10% (0%)
- 失神 : 1% (1%)
- 高血圧 : 3% (1%)
- 尿失禁 : 4% (1%)
国内第III相試験では、 安全性評価対象25例中20例 (80%) に副作用が認められた。 主な副作用は、 発熱11例 (44%)、 滴下投与部位分泌8例 (32%)、 尿意切迫8例 (32%)、 排尿困難5例 (20%)、 倦怠感4例 (16%)、 頭痛4例 (16%) であり、 Grade≧3の副作用は報告されなかった²⁾。
rAd-IFN-CS-003試験⁵⁾⁶⁾の主な適格基準
- BCG-unresponsive (不応性) 高グレードNMIBC (CIS単独、 CIS併発Ta/T1高グレード病変、 またはCIS非併発Ta/T1高グレード病変)
- 12ヵ月以内にBCG膀胱内注入療法を2コース以上受けた患者 (BCG導入療法後の初回評価でT1高グレード病変が認められた場合は1コースでも可)
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- 好中球数≧2,000/µL
- 血小板数≧10万/µL
- Hb≧10g/dL
- 肝機能 : AST≦1.5×ULN、 ALT≦1.5×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN
- 腎機能 : eGFR≧30mL/min/1.73m²
BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌を有する高リスクNMIBCが対象である (BCG膀胱内注入療法の再導入適応がない患者に限る)。 他の抗悪性腫瘍薬との併用における有効性・安全性は確立していない¹⁾。
適応患者の選択にあたっては、 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴や腫瘍の状態を十分に理解し、 視認できる乳頭状病変の切除や明らかなCIS病変への焼灼後に本品投与を検討する。 膀胱全摘除術の遅れは筋層浸潤癌または遠隔転移を有する膀胱癌への進展につながる可能性があるため、 膀胱全摘除術の機会を逸しないよう慎重に判断する²⁾。
膀胱内に投与された本品は、 腫瘍細胞および尿路上皮細胞に感染し、 感染細胞から分泌されるヒトインターフェロン アルファ-2bタンパク質により、 抗腫瘍免疫応答を増強し、 腫瘍細胞を死滅させると考えられている。 なお、 本品に搭載された遺伝子発現構成体は、 標的細胞である尿路上皮細胞の染色体には組み込まれず、 エピソームとして核内に存在し、 ヒトインターフェロン アルファ-2bタンパク質を発現する¹⁾。
本品投与後、 患者尿中に一時的に本ウイルスベクターが含まれる。 投与3日後までは、 患者・家族・介護者に対し、 排泄物等に触れた際の手指衛生を指導する¹⁾。
本品注入後の排尿は、 次亜塩素酸ナトリウム液を加えるなど適切に消毒し、 使用時は塩素ガスが発生する可能性があるため十分に換気を行う¹⁾。 使用後の残液および接触した使い捨て器具 (バイアル・投与用注射筒等) は、 感染性廃棄物として各医療機関の手順に従い適切に廃棄する¹⁾。
投与後1回目の排尿および不活化は医療機関で行う。 排尿カップまたはトイレ内の水が約0.5%以上となるよう次亜塩素酸ナトリウム液等を加え、 15分放置する。 2回目以降は約0.05%以上となるよう次亜塩素酸ナトリウム液等を加え、 数分程度放置する。 自動洗浄機能付きトイレでは、 排尿カップで不活化を行うか、 自動洗浄機能をOFFにしてから不活化を行う²⁾。
感染症伝播リスク : 本品はヒト・動物由来原材料を使用して製造されており、 安全性確保のためウイルス試験等が実施されている。 ただし、 原材料に起因する感染症伝播リスクを完全に排除できないため、 投与時は臨床上の必要性を十分に検討する。
投与時の注意事項 : 本品投与時は、 尿路粘膜の損傷および泌尿器系統の汚染に注意する。 また、 本品投与前に尿路感染症がないことを確認し、 治療中に尿路感染症と診断された場合は、 治療完了まで投与を中断する。
1) フェリング・ファーマ株式会社. エドスチラドリン®膀胱内注入液 電子添文. 2026年5月作成 第1版.
2) フェリング・ファーマ株式会社. エドスチラドリン®膀胱内注入液 適正使用ガイド. 2026年5月作成.
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
5) Lancet Oncol. 2021;22(1):107-117.
6) J Urol. 2024 Jul;212(1):74-86.
最終更新 : 2026年5月18日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 埼玉県立がんセンター 近藤千紘
エドスチラドリン®膀胱内注入液 (ナドファラゲン フィラデノベク)
【1コース】3ヵ月
【催吐性】記載なし³⁾⁴⁾
【FN発症】低リスク (<10%)*

ナドファラゲン フィラデノベク : 1回75mL (3×10¹¹vp/mL) を3ヵ月間隔で膀胱内投与する。 投与後は原則1時間膀胱内に保持する。 膀胱内腔表面への曝露を最大化するため、 可能な限り約15分ごとに左側臥位、 右側臥位、 仰臥位、 伏臥位へ体位変換するよう患者に指導する。
膀胱刺激および本品の膀胱外漏出を抑えるため、 投与前に抗コリン薬の使用が推奨される
Lancet Oncol. 2021;22(1):107-117.⁵⁾
J Urol. 2024 Jul;212(1):74-86.⁶⁾
BCG不応性 (BCG-unresponsive) 高グレード筋層非浸潤性膀胱癌 (NMIBC) 157例を対象とした第III相単群試験。 全例にナドファラゲン フィラデノベクを1回以上膀胱内投与し、 主要評価項目はCISコホートにおける初回投与後12ヵ月以内の完全奏効 (CR) 率とした。
【有効性】⁵⁾
上皮内癌 (CIS) コホート (103例)
- CR率 : 53.4% (95%CI 43.3–63.3)
- 初回CR達成55例におけるCR持続割合
- CR持続期間中央値 : 9.69ヵ月 (95%CI 9.17–NE)
高グレードTa/T1コホート (CIS非併発、 48例)
- 高グレード再発なし割合
- 高グレード無再発生存期間中央値 : 12.4ヵ月 (95%CI 6.7–NE)
全コホート (151例)
- 24ヵ月膀胱全摘除術なし生存率 : 64.5% (95%CI 53.6–73.4)
【5年追跡時の有効性】⁶⁾
- 57ヵ月時点の高グレード再発なし割合
- 60ヵ月膀胱全摘除術なし生存率
- 筋層浸潤性膀胱癌への進行 : 5例 (3.3%)
- 60ヵ月全生存率 : 80% (95%CI 71.0–86.0)
【安全性】主なAE⁵⁾ : 全Grade (Grade≧3)
- 滴下投与部位分泌 : 25% (0%)
- 疲労 : 20% (0%)
- 膀胱痙攣 : 16% (1%)
- 尿意切迫 : 15% (1%)
- 悪寒 : 12% (0%)
- 排尿痛 : 11% (0%)
- 発熱 : 10% (0%)
- 失神 : 1% (1%)
- 高血圧 : 3% (1%)
- 尿失禁 : 4% (1%)
国内第III相試験では、 安全性評価対象25例中20例 (80%) に副作用が認められた。 主な副作用は、 発熱11例 (44%)、 滴下投与部位分泌8例 (32%)、 尿意切迫8例 (32%)、 排尿困難5例 (20%)、 倦怠感4例 (16%)、 頭痛4例 (16%) であり、 Grade≧3の副作用は報告されなかった²⁾。
rAd-IFN-CS-003試験⁵⁾⁶⁾の主な適格基準
- BCG-unresponsive (不応性) 高グレードNMIBC (CIS単独、 CIS併発Ta/T1高グレード病変、 またはCIS非併発Ta/T1高グレード病変)
- 12ヵ月以内にBCG膀胱内注入療法を2コース以上受けた患者 (BCG導入療法後の初回評価でT1高グレード病変が認められた場合は1コースでも可)
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- 好中球数≧2,000/µL
- 血小板数≧10万/µL
- Hb≧10g/dL
- 肝機能 : AST≦1.5×ULN、 ALT≦1.5×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN
- 腎機能 : eGFR≧30mL/min/1.73m²
BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌を有する高リスクNMIBCが対象である (BCG膀胱内注入療法の再導入適応がない患者に限る)。 他の抗悪性腫瘍薬との併用における有効性・安全性は確立していない¹⁾。
適応患者の選択にあたっては、 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴や腫瘍の状態を十分に理解し、 視認できる乳頭状病変の切除や明らかなCIS病変への焼灼後に本品投与を検討する。 膀胱全摘除術の遅れは筋層浸潤癌または遠隔転移を有する膀胱癌への進展につながる可能性があるため、 膀胱全摘除術の機会を逸しないよう慎重に判断する²⁾。
膀胱内に投与された本品は、 腫瘍細胞および尿路上皮細胞に感染し、 感染細胞から分泌されるヒトインターフェロン アルファ-2bタンパク質により、 抗腫瘍免疫応答を増強し、 腫瘍細胞を死滅させると考えられている。 なお、 本品に搭載された遺伝子発現構成体は、 標的細胞である尿路上皮細胞の染色体には組み込まれず、 エピソームとして核内に存在し、 ヒトインターフェロン アルファ-2bタンパク質を発現する¹⁾。
本品投与後、 患者尿中に一時的に本ウイルスベクターが含まれる。 投与3日後までは、 患者・家族・介護者に対し、 排泄物等に触れた際の手指衛生を指導する¹⁾。
本品注入後の排尿は、 次亜塩素酸ナトリウム液を加えるなど適切に消毒し、 使用時は塩素ガスが発生する可能性があるため十分に換気を行う¹⁾。 使用後の残液および接触した使い捨て器具 (バイアル・投与用注射筒等) は、 感染性廃棄物として各医療機関の手順に従い適切に廃棄する¹⁾。
投与後1回目の排尿および不活化は医療機関で行う。 排尿カップまたはトイレ内の水が約0.5%以上となるよう次亜塩素酸ナトリウム液等を加え、 15分放置する。 2回目以降は約0.05%以上となるよう次亜塩素酸ナトリウム液等を加え、 数分程度放置する。 自動洗浄機能付きトイレでは、 排尿カップで不活化を行うか、 自動洗浄機能をOFFにしてから不活化を行う²⁾。
感染症伝播リスク : 本品はヒト・動物由来原材料を使用して製造されており、 安全性確保のためウイルス試験等が実施されている。 ただし、 原材料に起因する感染症伝播リスクを完全に排除できないため、 投与時は臨床上の必要性を十分に検討する。
投与時の注意事項 : 本品投与時は、 尿路粘膜の損傷および泌尿器系統の汚染に注意する。 また、 本品投与前に尿路感染症がないことを確認し、 治療中に尿路感染症と診断された場合は、 治療完了まで投与を中断する。
1) フェリング・ファーマ株式会社. エドスチラドリン®膀胱内注入液 電子添文. 2026年5月作成 第1版.
2) フェリング・ファーマ株式会社. エドスチラドリン®膀胱内注入液 適正使用ガイド. 2026年5月作成.
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
5) Lancet Oncol. 2021;22(1):107-117.
6) J Urol. 2024 Jul;212(1):74-86.
最終更新 : 2026年5月18日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 埼玉県立がんセンター 近藤千紘
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。